我妻物語   作:スピリタス3世

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第五十六話 鬼の子供と盲目な剣士

  side しのぶ

 

 現在私たち鬼殺隊は無限城で戦っている。鬼舞辻は珠世の薬と悲鳴嶼さんや珠世の鬼(浅草の人)の攻撃で弱体化。その後柱全員での一斉攻撃を仕掛けたが、直後に地面に巨大な襖が出現。私たちは離れ離れになってしまい、鬼舞辻には回復の隙を与えてしまっている。

 

 そして無限城内での状況。

 

 まず伊黒さんと悲鳴嶼さんが表参道事変(第九章)後に閉じ込められてた萌と善逸君と合流し、上弦の壱や新上弦の陸と戦闘。結果討伐は成功するも、伊黒さんと善逸君が死亡してしまう。

 

 次に煉獄さんと冨岡さん。この2人が新上弦の弐(猗窩座)と遭遇。現在も戦闘中とのこと。

 

 次に宇髄さんと愈史郎。この2人は新上弦の肆(鳴女・肆据え置きは強さが理由)となった無限城の主と戦闘中。まずはコイツを倒して鬼舞辻を外に炙り出す必要がある。

 

 次に不死川さん。あの人は現在無限城内のどこかにいるが、上弦との遭遇はないとのこと。

 

 そして私も同じだった。

 

「鬼舞辻、鬼舞辻はどこ?」

 

 弱体化している鬼舞辻を探して、現在無限城を走り回っている。しかし鳴女という城の主のせいで、中々辿り着けない。早く、早く辿り着かないと…………鬼舞辻が復活する前に…………

 

 

 

 

  side 萌

 

 善逸を亡くした私は、悲しみに暮れていた。そして、

 

「殺してやる………殺してやるぞ、鬼舞辻無惨‼︎」

 

 悲しみが殺意へと変わっていった。

 

「安心しろ、皆同じ思いだ。」

「そうですね。」

「とにかく、一刻も早く鬼舞辻の元に辿り着くぞ。」

「はいっ!」

 

 そして同行している悲鳴嶼さんと共に、無惨の討伐へと向かった。

 

 

 

 

 その道中で、私は悲鳴嶼さんに現在の状況を聞いていた。

 

「なるほど、今無惨は弱っているんですね………」

「その通りだ………」

「ならば出来るだけ早く辿り着く必要がありますね。」

「ああ………回復させない為にもな。」

 

 現在無惨は珠世さんが今まで作ってきた薬や、その他もろもろの攻撃のおかげで弱っている。ここで確実に殺すしかない。

 

 ただ無惨は首の弱点を克服している。しのぶさんの毒で更に弱らせることが出来るとはいえ、トドメを刺すには太陽を待つしかない。

 

「ちなみに悲鳴嶼さん、日の出まで後どのくらいです?」

「私が無限城に入った時点で2時間ほど………現在だと、1時間半と考えるのが妥当だろう。」

「なるほど………まだまだありますね。」

「ああ………」

 

 黒死牟相手に30〜40分ですら、あれだけ大変だったんだ。それが無惨相手に倍の時間となると、それこそ柱全員でも厳しいだろう。だからその間の時間、回復する隙を与えずに攻撃し続ける。今アイツは恐らく繭を作って籠ってるだろうから、その状態ならまだ持たせられるだろう。

 

 

 

 そんなことを考えてると、

 

「我妻萌………私は最初、君が嫌いだった。」

 

 悲鳴嶼さんが伊黒さんと同じ話をし始めた。

 

「さっきその話題を聞きましたね。別の人から。」

「ああ。鬼殺隊は元々鬼に大切な人を殺された人たちの集まりだからな。その中でも、私が君をとりわけ嫌う理由が2つあった。鬼であることと、子供であることだ。」

 

 ただ理由は少し違うようだ。伊黒さんは女の私が嫌いだったのに対し、悲鳴嶼さんは子供の私が嫌いだったそうだ。

 

「どういうことです?」

 

 そして悲鳴嶼さんの口から出てきた過去は、想像してたよりも壮絶だった。

 

「子供は純粋であり、邪悪だ。私は昔身寄りのない子供を寺で育てていた。さっき死んでた新上弦の陸も育てていたうちの1人だ。ある日鬼避け用の藤の花のお香が消され、寺の中に鬼が侵入した。そこで私はその鬼を、子供たちを守る為に殴り殺した。そのはずが、生き残った子供には化け物扱いされた。死んだ子供はそもそも私の言うことを聞かず、勝手に飛び出してしまった。」

 

 守るつもりだった子供に裏切られる。それは子供で鬼である私を恨むはずだ。

 

「そんなことがあったのですね………」

「ああ。だが君と時間を過ごしてきて、少しずつ考えが変わった。」

「と言いますと?」

「人間を守る為に、自分の血を流して戦う。その生き様は、立派な鬼殺隊の一員だった。だから私は君を認めた。」

 

 それなのに、私の罪滅ぼしを認めてくれる。こうして認めてくれる人が、徐々に増えてきた。これも善逸がいなかったら、絶対にあり得なかっただろう。

 

「そんな………ありがとうございます………」

「それとあの時の子供たちも、自分のことで手一杯だったのだろう。」

「きっとそうだと思いますよ。彼らに悪意はないでしょう。」

「だな………」

 

 そしてこの人は、とても優しい。この涙も、単に涙もろいだけとのことだ。優しくて厳しくて、尚且つとても強い。鬼殺隊の柱の中でも最年長に相応しい貫禄だ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴゴゴゴゴゴゴォ‼︎

 

 そんなことを思っていると、城内に爆音が響いた。

 

「な、何が起きたんです⁉︎」

「もしや…………」

 

 その答えは、鴉がすぐに教えてくれた。

 

「宇髄天元と愈史郎、上弦の肆、撃破ァ‼︎」

 

 鳴女が討伐されたのだ。コレによって無限城が崩れる音らしい。

 

「無限城が崩れます‼︎」

「ああ。轢死しないように気をつけないとな。」

「はいっ‼︎」

 

 とりあえず、崩れ去る城に巻き込まれないようにしないと‼︎

 

 

 

 

 しばらくすると、私たちは地上に出ることができた。

 

「なんとか出られたな。」

「はいっ!」

 

 そしてそこでは、

 

「よぉよぉ、悲鳴嶼さんに我妻萌じゃねえか‼︎」

「そんなことより鬼舞辻無惨はどこだ?珠世様の仇を討ちたい。」

「それをここから派手に探すんだろぉ、愈史郎?」

 

 宇髄さんと愈史郎さんの、鳴女討伐組に遭遇した。

 

「恐らく城の大きさからして、この近辺のはずだ。」

「無惨は恐らくまだ繭に籠ってるはずです。」

「なら派手に繭を探さねえとな‼︎」

「そして殺す。絶対殺す。珠世様の仇………っ‼︎」

「それじゃあ行くぞ‼︎」

「「「はいっ‼︎」」」

 

 まずはこの4人で、近辺にある無惨繭を探すことになった。この辺は街中になっていて、建物が沢山建っている。当初の予定だと品川で、その辺の街の人は軍の指示で、既に避難済みだ。

 

 

 

 そのはずなのに、現状は異なっていた。

 

「ん?あれは何だ?」

「まさか鬼殺隊?ということは鬼でもでたの?」

 

 日の出間際の夜の街から聞こえる声。つまりここは品川じゃない‼︎無限城の場所を無惨がずらしたのか⁉︎

 

「悲鳴嶼さん、マズいです‼︎場所が違います‼︎ここはどこです⁉︎」

「この景観は………恐らく蒲田の辺りだ。宇髄、嫁が軍のところに居るのだろう?」

「あぁ。今すぐ嫁3人に連絡して、この辺一帯の住民を派手に非難させないとな。」

 

 一般市民が巻き込まれるのはマズい。だから早く逃げさせないと‼︎

 

「そんな、それじゃ無惨は⁉︎」

「地味に焦るな愈史郎。役割分担だ。俺が住民の避難を嫁や軍と派手に行う。」

「他の3人で鬼舞辻の討伐だな。それで行こう。」

「「「はいっ‼︎」」」

 

 幸い、蒲田と品川はまあまあ近い。電車で20分もあれば着くだろう。だから軍の到着も早いはず…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりに腹が減ったな。そんなところに沢山の人間…………感謝するぞ、鬼狩り共‼︎」

 

 ただそれ以上に、無惨の復活の方が早かった。




 ということで、無惨戦がいよいよ開幕です‼︎最初のメンツは萌、宇髄、悲鳴嶼、愈史郎の4人。市民を守りきれるのか、それは次回のお楽しみに‼︎

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