ロデニウス沖大海戦2
ロウリア王国東方討伐海軍 海将 シャークン
「いい景色だ。美しい」
大海原を美しい帆船が風をいっぱいに受け、進む。その数4400隻がマイハークに向かっていた。
パーパルディア皇国からの軍事援助を経て、ようやく完成した大艦隊。これだけの大艦隊を防ぐ手立ては、ロデニウス大陸には無い。
いや、もしかしたら、パーパルディア皇国でさえ制圧できそうな気がする。
彼は、一瞬出てきた野心の炎を理性で打ち消す。第3文明圏の列強国に挑むのは、やはり危険が大きい。
彼は東の海を見据えた・・・・。
黄色に光り輝く真鍮の巨人が迫って来ているのを確認する。
見たことの無い物体が、海を切り分けて迫ってくるのは異様な光景であり、わずかに恐怖の心が芽生える。
こちらは4400隻、あちらは見える範囲で一体のみ、シャークンは攻撃を命令した。
船から一斉に、火矢が、巨像を襲う。
しかし、金属製のそれにはダメージが通ることはない。
続けて、バリスタから槍の様な弓矢が放たれるが、こちらも巨像の装甲の表面を傷つけるばかりで、大したダメージにはならない。
巨象が右腕を振り上げると、腕の先に搭載されたノズルから火が噴き出す。
幾千ものハルコストーーーー。果ては幾数のカルキストでさえ焼き払ってきたギリシアの火がロウリアの大艦隊を襲う。
巨像を取り囲んでいた、200隻もの軍船は、瞬く間に燃え上がり、海の中へと沈んでいく。
次に巨像は左腕を掲げた。
財団の研究ではそのヒューム値は70、存在するだけで、辺りの空間を歪める現実改変兵器は4200隻の大艦隊に向かって放出された。
その攻撃を避けれる筈も無く、現実改変砲は直撃した。
ロウリア王国東方討伐海軍の半数にあたる2000隻が異世界へと吹き飛ばされる。
辺りの海も同様に転移した影響で、海水が消え失せ、空いた空間を埋める様に海水が流れ込んでいく。
「悍ましい......我らの同胞もああやって消されたんだろうな」
肉造船の上でブルーアイと共に、その光景を見ていたトゥンダスは虚無に呟いた。
ブルーアイもその余りにも現実離れした光景に、驚愕していた。目の前でロウリア艦隊の半数が突然として消えたのだ、無理も無い。
やがて、援軍として、ロウリア王国軍のワイバーンが350騎が到着するが、ワイバーンに「アクロス」を搭載した改造ワイバーン100騎により、壊滅させる。
残った2000隻は撤退を始めたが、あらかじめ、周辺に配置していた水生ハルコストにより、じわじわと被害を受けていく事になる。
こうして、ロデニウス沖大海戦はアディウム帝国の完勝で終わった。