トーパ王国 王都 ベルンゲン
中世のヨーロッパのような城と静かな城下町、悪く言えば田舎の王国であり、良く言えば趣のある王都ベルンゲン。
町を行きかう人々は、人族もいれば、獣人族、エフルなどで3人のカルキストにとっては新鮮な光景だった。
「にしても本当に異世界なんだな......」
行き交う人々を横目にカルキスト・ヴァルザスクは呟いた。
日本人(?)である彼にとっては、何処かで見たことあるような光景だった。
他の2人であるイアヘルとスルキスクも興味深そうに辺りを見渡している。スルキスクの異形の頭は肉操作魔術で本来の人間の顔に戻っていた。
ちなみに、カルバシュに関しては姿形が完全なる異形の為、近くの森でハルコストと共に留守番することになった。
「にしても、古臭い街だな......財団やメカニトが居ない分マシだが」
スルキスクはそう呟いた。
「なんか俺達目立ってないか?」
イアヘルはそう言って辺りを見渡した。
確かに、イアヘルとスルキスクは宗教的な文様があしらわれたローブを着ている。
はたから見れば、怪しい宗教団体、若しく危ない魔術師集団と思われてるかも知れない。
もっとも間違いは無いのだが。
そもそも、ヴァルザスクに関しては、ジーパンを履いているのだ。
この世界にジーパンは存在して居なそうなのでかなり目立っている気がする。
ちなみに、ジーパンを履いたヴァルザスクが空間転移に失敗し、下半身からハンケツを覗かせている姿は別の世界では有名だったりする。
四人のカルキスト達はこの世界への情報を集める為、近くの酒場までやってきた。
段々、夕刻という事もあり、酒場はそれなりに賑わっていた。
酒場は何処か暗い雰囲気で、酒を飲んでいる者達の表情も良いものとは言えない。
「魔物の群れが近隣まで近づいてきているらしいぞ」
「おいおい、それってマジかよ⁈ 逃げた法が良いんじゃないか⁈」
「逃げるったって何処にだよ、噂じゃ既にベルンゲンは包囲されているらしいぞ」
ヴァルザスクはこの世界には、魔物もいるのかと感心に思う。
王道な剣と魔法の世界なのだろうか。それにしてもかなりひっ迫した状況らしい。
「大変だ!」
その時、1人の男が焦った様子で酒場へと入ってきた。
「王都に、魔物が攻め込んできたぞ!」
酒場に動揺が走ったのがカルキスト達は理解した。
「見た事もない魔物に、灰色の肌をした異形の人間が先頭に居たそうだ」
「なんだそれ? 聞いた事ないな」
彼らがカルキスト・カルバシュが暴走したと気付くのは少し先である。