白の女神の新たな従者   作:よっしー希少種

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フィナンシェさんについての資料欲しい


休日

 教会の食堂。クリストとフィナンシェは二人で食後の珈琲を飲んでいた。

 

「フィナンシェさんも今日休みなんですか?」

「はい。クリストさんも?」

「私も今日はお休みです」

 

 六つの角砂糖が溶けた珈琲を飲みながらクリストは答えた。

 

「午後からはなにか予定あるんですか?」

「んー、ちょっと買い物行こうかなっては考えてます」

「良いですねぇ。私もお供してもいいですか?」

「私の買い物に付いてきても楽しくないですよ?」

「いいんですよ。クリストさんの買い物、ちょっと興味ありますし」

「そうなんですか……。同行については全然構いませんよ」

「ありがとうございます!」

 

 二人は珈琲を飲み終えると、出かける準備をする為に一旦それぞれの部屋に戻った。

 

 

「では行きましょうか」

「はい!」

 

 クリストはいつもの格好。フィナンシェはバッチリ私服に着替えている。ワンピース姿で、いかにも普通の女の子という雰囲気だ。

 

「私服、可愛いですね」

「ありがとうございます! クリストさんの方はあんまり変わってませんね」

「仕事着配られてないので……」

 

一応ケープは外してきている。アレは側近の証、仕事の時以外は羽織らないようにしているのだ。

 

「じゃあ、本命の用事先に済ませちゃって良いですか?」

「構いませんよ。どこに行くのですか?」

「武器屋です。早速行きましょうか」

 

 二人は武器屋に足を運んだ。

 

「うん……少し重いか……」

 

 クリストは店に並んでいる刀を手に取り、ブツブツ言いながら品定めをしている。

 

「買い物って、武器だったんですね」

「はい。前に折れた……というより砕けてしまったので。アレを修復できるのが一番なのですが、するにしても時間かかりそうなので……」

「なるほど……」

「ん……これなんか良さそうだな。これにしよ」

 

 クリストは刀を二本持っていき、カウンターで会計を済ませた。

 

「これでしばらくは大丈夫でしょう」

「その刀はどんな刀なんですか?」

「一応属性付与にも対応できる刀ですが、やっぱり前のやつには劣りますね。いわゆる下位互換です」

「なるほど。ですが、無いよりマシと」

「そうですね。戦闘スタイルを大きく変えなくて済むならそれが一番ですから」

 

 クリストは刀を消してから店を出た。

 

「さて、私の用事は終わりですが……」

「え? もう終わりなんですか?」

「はい。刀買うくらいしか予定なかったので……」

 

 しかしお開きにするには早すぎるし、せっかく付いてきてもらったフィナンシェにも悪い。どうしようかと考えていたところ……

 

「では、私の買い物に付き合ってくれませんか?」

 

 フィナンシェの方から提案があった。買い物に付き合ってもらったなら今度は付き合うのも悪くは無い。

 

「いいですね。行きましょう!」

「ありがとうございます!」

 

 二人は街道を仲良く並んで歩いた。

 

 

 二人が向かった先は服屋だった。中に入り、洋服を選ぶフィナンシェ。

 

「これも良いかな……んーこっちも中々……」

 

 クリストはその様子をずっと眺めていた。クリスト自身はあまり洋服に興味はない。和服が好きだから毎回和服を買っている。

 

「これなんてどうでしょうか……」

 

 フィナンシェがクリストに服を重ねてきた。

 

「?」

「こっちは……」

 

 別の服を重ねる。

 

「???」

「うーん、悩みますね……」

「あの、フィナンシェさん。そこに姿見があるのですが……」

「はい。知ってます」

「でしたら私で確認しなくてもいいのでは? それにフィナンシェさんより私の方が小さいのでサイズも合わないはずですし」

「? 私はクリストさんの服を買いに来たんですよ?」

「…………え!?」

 

 普通自分の着る服を買うものだと思うのだが、今回はそうではないようだ。

 

「なぜ私のを?」

「クリストさん毎日和服じゃないですか」

「……好きなんですよ」

「でも、たまには洋服も良いと思いますよ?」

「洋服、似合いますかね?」

「似合いそうなの選んでみますから!」

 

 そう言ってフィナンシェは服選びを再開した。

 数分後……

 

「少し試着してみませんか?」

「試着……」

「はい。どうでしょう?」

「うーん、では……着てみます」

「ありがとうございます。やっぱり試着してもらった方が選びやすいですからね」

 

 そうして二人は試着室の前へ。クリストが中に入り、カーテンを閉める。

 

「では、最初にこれを」

「はい」

 

 服を一着渡す。

 

「…………」

「着替え終わりましたか?」

「一応……」

「では見せてくださいよ〜」

「で、ですが……」

 

 フィナンシェは試着室の中を覗いてみた。

 

「わ……!?」

 

 中に居たクリストはちゃんと渡した服を着てくれていた。オフショルダーのワンピース姿だ。

 

「ちゃんと着れてるじゃないですか。似合ってますよ」

「そう……ですか……。ですが、なんかこれ肩とか出てるし……ちょっと恥ずかしいです」

「うーん、では別の持ってきますね」

(まだあるの!?)

 

 フィナンシェは別の服を取りに試着室を離れた。その間にクリストは着替え、ワンピースをハンガーにかけておいた。

 

「では次はこれを」

「はい」

 

 また渡されたやつに着替える。

 

「どうです?」

「おぉ、カッコイイですね」

 

 パーカーとジーンズの組み合わせ。ボーイッシュな雰囲気だ。

 

「良いですねこれ。買いましょ……」

「ですが、男の子っぽさが凄いですね……。やはりもっと女の子っぽい感じがいいですよね」

「私はこれが良いと思うのですが……」

「いや、絶対にクリストさんはもっと可愛いのが似合うはずです。探してきますね」

「あえぇ……ちょっと……」

 

 その後もノッてきたフィナンシェに様々な服を試着させられたが、(フィナンシェが)しっくりくるものには中々ありつけなかった。

 

「では、これで最後にしましょうか。これは多分……似合うはずです」

「はい……」

(やっと終わる。着せ替え人形になった気分だったよ)

 

 フィナンシェから服を受け取り、着てみる。気心地の良い水色のワンピースだ。ぐらいの丈で首元にリボンが付いている。半袖なのと、色も相まって涼しげな雰囲気になっている。

 

「……どうです?」

「おぉ、やっぱり似合いますよ!」

「そ、そう……ですか?」

「はい! すっごく可愛いですし!」

「か……可愛い!?」

 

 可愛いと言われたのなんて久しぶりの事だった。

 

「すごく可愛いですよ。普段のカッコイイ寄りの格好とのギャップが……」

「え……あ……可愛……い?」

「はい、ものすごく。……どうしました? 顔真っ赤ですよ?」

「え!? あ、あぁあダイジョウブデスヨ!!」

「そ、そうですか……?」

 

 とりあえずクリストが落ち着くまで待つことに。

 クリストのテンションが落ち着いたところで、購入するかの話になった。フィナンシェはこの服をかなり推している様子。クリストの方も、実は結構気に入ってきている。

 

「じゃあ……これ、買おうかな。せっかくフィナンシェさんが選んでくれたやつですし、私もこれ気に入ったので」

「それは良かったです! あ、お金はこっちで払いますよ?」

「ですが……私の着る服ですし」

「いいんですよ。プレゼントという事で」

「では……ありがとうございます」

 

 二人は会計を済ませて店を出た。なんだかすごくいい買い物をした気分だった。

 

 

「今日はありがとうございました。楽しかったですよ」

「こちらこそ、とても楽しめましたよ!」

 

 教会のクリストの部屋の前でお開きになった。

 

「また一緒に行きましょうね」

「はい! では、また明日」

 

 クリストは部屋に入り、フィナンシェも自分の部屋に戻った。

 部屋に入ると、早速袋の中から服と、ついでに買ってもらった靴を取りだした。

 

「……」

 

 扉の方を一瞥する。誰かが居る気配はない。それを確認すると、早速着替えてみた。

 鏡に映る自分をまじまじと見つめる。自分のはずなのに、自分じゃない他の誰かを見ているようだ。

 

「可愛い……か。えへへ……」

 

 フィナンシェからの褒め言葉を思い出しながら鏡に映る自分の姿を見つめた。今度一緒に出かける時はこれ着ていこう、そう決めたクリストだった。




女神の従者同士、仲良くするお話が書きたかった。これからも書いていきたい
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