今日、クリストは遂にクエストへの同行の許可がおりた。ようやくクエストに同行できる喜びと少しの緊張で気持ちが高ぶっている。
という訳でルウィーのギルド。ブランが依頼を選んでいるのを待っている。教会に紙で届いたものを受注し、いざ出発。
「それじゃ、行くわよ」
「よし、頑張りますよ!」
「ゴーゴー!」
「おー!」
向かう先はアリオ高原。ルウィーとの距離もそんなに離れていない為、四人で歩いていくことにした。
「普段戦闘する時って陣形組んでるんですか?」
「そうね。私が前衛、ロムとラムは後衛。あなたは私と一緒に前に出てもらうわよ」
「わかりました」
「側近さん頑張ってね!」
「怪我したら治してあげるからね」
「ありがとうございます。頑張りますよ!」
四人は道中、作戦を組んだりしながら目的地へ向かった。
❅
「さて、着いたわね」
アリオ高原に到着。ここでのモンスターの討伐が今回の依頼内容だということが道中伝えられた。
「ここのやつらを適当に潰せばいいのですか?」
「そうじゃないわ。ちゃんと討伐対象がいるから」
「そうでしたか。それで、その討伐対象とは」
「大量発生したビッグスライヌよ」
「えー……ビッグスライヌですか……」
ビッグスライヌと言えば、以前クリストがコロシアムで戦って辛くも勝利した相手。あまり良い思い出の無い相手だ。
「大丈夫よ。前からしたらずっと強くなってるでしょ」
「そうだよ! 私達が教えた魔法があるし」
「スキルだってある……!」
「……そうですね。確かになんか、いける気がします!」
「その意気よ。万が一何かミスをしても私達がカバーするから安心しなさい」
「ありがとうございます。ですが、なるべく足を引っ張らないように動きますよ」
「期待してるわ。……さて、じゃあそろそろ始めるわよ。多分歩いてればすぐに遭遇できるはず……。油断しないでね」
アリオ高原を歩く四人。ブランの言葉通り、すぐにビッグスライヌと遭遇した。しかも二匹。
「出ましたよ!」
「よし、戦闘開始よ」
ブランはハンマーを、ロムとラムは杖を出現させ、構える。クリストも刀を抜刀して構えた。
「ビッグスライヌ二体に……あれはクラゲスライヌでしょうか?」
ビッグスライヌの近くに、オマケでクラゲスライヌ三体がいる。
「そうね。私とあなたでビッグスライヌを叩きましょう。ロムとラムはクラゲスライヌをお願い」
「わかった!」
「任せて!」
ブランとクリストは武器を構えながらビッグスライヌとの距離を詰める。ブランはビッグスライヌの前で足を止めると、ハンマーを思いっきり振り下ろした。
「えいっ……」
そしてトドメにバットを振るようにして思いっきりビッグスライヌを吹っ飛ばす。吹っ飛んだ先でビッグスライヌは消滅。
「雑魚ね。さて、クリストの方は……」
ブランはクリストの方に視線を送る。クリストは既にビッグスライヌを仕留めていたようだ。残ったクラゲスライヌ達はロムとラムの魔法によって消滅した。
「片付いたわね」
「はい。意外と余裕でしたね」
「この調子でさっさと終わらせましょうか」
その後も四人のビッグスライヌ狩りは続いた……。
❅
「後三体……」
「全然見つからないよぉ……」
「もう疲れてきちゃった……(へとへと)」
「身の危険を感じて隠れたんですかね……。賢しいなぁ」
目標達成まで残り三体というところでビッグスライヌ達が姿を消した。
「大分倒しましたし、もう良いのでは?」
「ダメよ。ちゃんと目標数倒さないと……」
「はあ……」
しかしロムとラムは歩き疲れた様子、ブランにも疲れが見え始めている。恐らく、今一番動けるのはクリストしかいない。昔から体力には自信があったのだ。
「では、私が探して倒してきましょうか?ブラン様達は少し休んでいてください」
「いいの?」
「お任せ下さい。チャチャッと片付けてきますよ」
クリストはそう言うと、まだ調べていない場所の探索へ向かった。
残りのビッグスライヌ達を見つけるのにそんなに時間はかからなかった。しかし、新たな問題が出てきてしまった。
(……居た。けど変なのもいる)
三匹のビッグスライヌの近くには黄土色のボディのマシンのモンスター、デア・スナイパーも居る。アリオ高原に居る中ボスクラスのモンスターだ。
(あれは中ボスクラスだし、なるべく相手にしたくないが……どうしようか)
辺りを見回す。全くといっていいほど遮蔽物が無い。アリオ高原とはそういうダンジョンだ。
(仕方ない……上手いことビッグスライヌだけ倒してトンズラするか)
クリストは二本の刀を逆手に持った。
「
そして思いっきり刀を地面に刺す。それと同時にビッグスライヌ達の下から氷塊が現れ、突き上げた。氷塊のダメージと落下のダメージによりビッグスライヌは三匹まとめて消滅した。
「どうよ。では、さらb……」
地面から刀を抜き、踵を返して帰ろうとした瞬間、後ろから銃声が響いた。もしやと思い、恐る恐る振り返ると、デア・スナイパーの銃口がクリストの方を向いて硝煙をあげていた。
「最悪……バレたか」
こうなれば逃げるという選択肢は消える。逃げるにしても、相手の攻撃手段を絶ってからじゃないと危険すぎる。
「仕方ない……勝てるかわからないけどやるしか……!」
刀を抜刀し、構える。戦力を削ぐことを第一目標に、戦闘に臨む。
(突っ込めば間違いなく撃たれる……かといってカウンターも狙えない。近接武器で遠距離武器に対応するには……)
デア・スナイパーの銃口が再びクリストの方に向く。
(待ってはくれないよね。よし、やるか……)
クリストは刀に魔力をこめた。白い刃の輝きが少しだけ増す。そしてデア・スナイパーの発砲と同時に……
「飛燕……氷牙!!」
刀を振る。それと同時に刀の魔力を解放し、斬撃として飛ばした。斬撃は、相手が撃った銃弾を巻き込みながらデア・スナイパーの脚に命中。それにより相手の移動を封じることに成功した。
しかし、動けなくても相手からは攻撃が届く。デア・スナイパーは再びクリストに銃口を向ける。
「当たってたまるか!」
クリストはジグザグに動き、射線を避けつつ距離を詰める。機械相手にどこまで撹乱できるか少し不安があったが、意外にも弾はクリストにかすりもしなかった。
(偏差撃ちをしてこない。こいつ、やれる……!)
十分に間合いを詰めると、今度は光属性を付与し……
「外さないよ……ムーンライトクロスブレイク!!」
交差する二本の刃がデア・スナイパーの両腕を切断した。これで相手は攻撃が出来ない。もう勝負は決まったも同然だ。
クリストは一度納刀すると、左腰に差している刀の柄を力強く握った。
「トドメ……」
普段二本の刀に分散している魔力を一本の刀に集中する。
「居合……氷華一文字!!」
居合斬りで横に一閃。切り口の周辺が凍りつくほどの強力な一撃を刻み込む。それが致命傷となり、デア・スナイパーは完全に活動を停止した。
「……ふぅぅ、終わったかぁ」
流石に三連続でスキルを使うと体力の消耗も激しい。乱れた呼吸を整えながらブラン達のいる場所へ向かった。
❅
「そんなことがあったのね」
「はい。想定外でしたよ……」
「でも一人で倒しちゃうなんて、側近さんすごい……!」
休んでいたブラン達と合流し、四人はアリオ高原を後にした。
「疲れました……今日はもうゆっくり休みたいです」
「そうさせたいのは山々だけど、あと一つだけ付き合ってくれる?」
「え……二つ目の依頼ってことですか?」
「えぇ」
依頼を二つ受けたなんて聞いてない。体力が持つか不安だ。
「大丈夫よ。調査だけだから」
「はぁ……」
そうして四人はとある洞窟へ向かった。
「ここは……?」
「こんなとこに洞窟なんてあったのね」
「未開の地……?(ふるふる)」
「最近発見された洞窟よ。それの調査の依頼。内部の様子を見てくるだけだからすぐに終わるはずよ」
「じゃあサクッと終わらせて帰りましょうか……」
「そうね。準備はいい?」
「いけます」
「うん!準備オッケー!」
「私も」
四人は洞窟へと足を踏み入れた。未開の洞窟の調査が始まる……
戦闘描写はまだまだ苦手というか上手く書けないので、数を重ねて慣れていきたいと思います