ポケモントレーナー ハチマン 完   作:八橋夏目

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98話

『お待たせしましたっ! それでは登場していただきましょう! 我らが最強にして最高のジムリーダー、キバナ!!』

 

 ジムミッションを攻略、というかただただ蹂躙してくれたウルガモスとドラミドロをボールに戻して待っていると、アナウンスが入った。

 バーン! と白い煙を焚いてそこを潜り抜けてくるのはさっきまでダンデと三人で喋っていた男、キバナである。

 フィールドを挟んで向こう側に立つその姿は、ただのチャラ男である。

 身長高いし、手脚長いし、羨ましい限りなのだが、如何せんキバナの纏う空気が軽いというか緩いというか、カブさんを見習えよと思えるレベルである。

 あと最たる原因は女性陣からの黄色い声だろうか。観客席が総じてハートで埋め尽くされているような錯覚を覚えてしまう。

 

「さっきまで喋ってたが、まだまだ言いてぇことは山ほどある。だが、まずはバトルしようぜ!」

 

 まあ、中身はこんなんだけどな。

 さっき喋ってて思ったのは、類は友を呼ぶというか、ダンデに劣らずキバナもバトルバカだなってことだな。いつだったかルリナがそう評していたような気がするが、見事に当たっていると思うわ。

 流石ルリナパイセン。

 

「それでは、バトル始め!」

 

 審判の合図が下された。

 

「ギガイアス、フライゴン!」

「ヤドラン、キングドラ」

 

 濃紺の岩の塊が出てくると徐々に砂が舞い始める。

 やはりか。

 ジムトレーナーがそれぞれ晴れ、雨、霰パを採用してきたのだ。残りの砂嵐はとなると数えようによっては四人目となるキバナしかいない。しかも専門タイプがドラゴンタイプときた。ドラゴンタイプは霰パでこそ使いにくくさはあるものの、晴れ、雨、砂嵐の状況下でなら、それぞれ対応出来るドラゴンポケモンたちはいる。

 そして、砂嵐と予想を立てた場合、パーティーに必要になってくるのは特性で砂嵐を起こせるポケモンたちだろう。俺の知識内であれば、バンギラスとギガイアスのみである。

 

「ヤドラン、あまごい」

 

 とはいえ、俺も無策にメンバーを選んだわけじゃない。

 砂嵐を起こしてくる可能性が高いともなれば、他の天気に変えられるポケモンを用意しておけばいい話で、ヤドランには出てきて早々に雨を降らせるように指示を出す。

 

「フライゴン、キングドラにドラゴンダイブ! ギガイアス、じしん!」

 

 対してキバナのポケモンたちーーギガイアスとフライゴンは出てきて一気にキングドラに詰め寄ってきたり、足踏みをして地面を揺らしてきた。

 特性ふゆうということもあり、現在進行形で飛行しているフライゴンには効果がない。何なら浮いているキングドラにも影響がなかった。

 

「キングドラ、躱してギガイアスにハイドロポンプ。ヤドランもシェルブレードだ」

 

 逆にキングドラは赤と青の竜を模した気を纏って突っ込んできたフライゴンをひょいと躱す。

 雨が降り始めてしまえば、ここから先はキングドラの特性すいすいが発動し、相手が動いた後でも綺麗に躱すことが可能となる。その動きは最早チート級。

 一瞬にしてギガイアスの背後に回り込むと水砲撃を吐き出した。

 ギガイアスの正面からはバランスを立て直したヤドランが左腕のシェルなら水の刃を伸ばして突撃していく。

 

「フライゴン、追いかけろ! ドラゴンダイブ! ギガイアス、ストーンエッジ!」

 

 追いかけろとは言うものの既に攻撃し始めたキングドラたちからの攻撃からギガイアスを守ることは難しいだろう。

 現にギガイアスは対応が間に合っておらず、背後から水砲撃に撃ち抜かれ、一瞬意識が後ろへ向いたタイミングでヤドランが縦斬り四連撃で斬りつけた。

 

「キングドラ、れいとうビーム」

 

 そしてキングドラはひょいとフライゴンを躱すと、通り過ぎていくフライゴンに向けて冷気を放った。

 ヤドランはそのまま右手のかいがらのすずからも水の刃を伸ばし、今度は水平斬り四連撃でギガイアスを斬りつけていく。

 

「ッ!? フライゴン、だいもんじ!」

 

 フライゴンは慌てて大の字の炎で冷気を防ぐものの、俺の意識がキングドラたちに向いた瞬間ーーー。

 

「ギガイアス、だいばくはつ! フライゴン、まもる!」

 

 ーーーギガイアスが大爆発した。

 至近距離で斬りつけていたヤドランは呑み込まれてしまい、フライゴンは球体型の防壁を張って難を逃れ、キングドラも一瞬にして爆発現場から遠ざかり、遠目にフライゴンに狙いを定めている。

 

「ギガイアス、ヤドラン、戦闘不能!」

 

 爆発現場では気絶したヤドランとギガイアスが倒れており、審判の判定か下された。

 

『あーっと! ギガイアスのだいばくはつ、見事にヤドランを道連れに導きましたっ!! これで三対三!』

「キングドラ、れいとうビーム。戻れ、ヤドラン」

 

 その間にキングドラにはフライゴンの背後を取り、すかさず冷気を吹き付けた。

 

「フライゴン、躱してドラゴンダイブ! 戻れ、ギガイアス」

 

 流石にこれは読まれていたのか、フライゴンに躱されてしまい、逆に赤と青の竜を模した気を纏い、突っ込んでくる。

 

「サーナイト」

「サナ!」

 

 そこへ向けてサーナイトをボールから出すと上手くタイミングが合ったようで、サーナイトがフライゴンを受け止めた。

 フェアリータイプだからドラゴンタイプの技が効かないからな。

 

「キングドラ、れいとうビーム!」

 

 サーナイトから顔を覗かせるようにしてキングドラが再度冷気を吹き付けていく。

 

「サダイジャ、まもる!」

 

 そこへ今度はサダイジャが投げ込まれ、防壁を張って防がれてしまった。

 なんかお互いにやることが似てると気持ち悪いな。

 

「マジカルシャイン」

 

 二体同時に集まってくれた状況なので、これ見よがしにサーナイトの身体から光を迸らせた。しかも器用に前面からだけ。おかげでキングドラには一切影響がない。

 

「キングドラ、サダイジャにハイドロポンプ」

 

 そして、ひょっこりと顔を出してサダイジャに向けて水砲撃を放った。

 

「サダイジャ、キングドラにへびにらみ! フライゴン、サーナイトにはがねのつばさだ!」

 

 だが、そこは執念というか。

 直撃する前にサダイジャがキングドラと視線を交して睨みつけた。

 睨まれたキングドラはぶるりと震え、ピリリと身体に電気が走っていく。

 麻痺しちまったな。

 しかも吹き飛んでいくサダイジャの身体から砂が吐き散らされてるし。

 

「テレポートで躱せ」

 

 そして、入れ替わるようにフライゴンが鋼鉄にした翼を携えて突っ込んできた。

 それをテレポートで躱し背後に回り込むと、キングドラと挟み込む形に持っていく。

 

「サダイジャにエナジーボールとれいとうビーム」

 

 前後から同時に地面に着地したサダイジャに向けてエネルギー弾と冷気を放った。

 それと同時くらいに砂嵐が発生し、雨が掻き消されていく。

 サダイジャの特性すなはきか。

 ソニアとのバトルで経験があるから、サダイジャが出てきてもしやとは思ったが………あーあ、これもうキングドラの動きを完全に止めるための布陣だな。

 

「サダイジャ、まもる!」

 

 そのサダイジャは砂嵐の中で防壁を張り、前後からの攻撃を受け止めたようだ。

 

「フライゴン、ドラゴンダイブ!」

 

 そして、本領発揮と言わんばかりに砂嵐に紛れてフライゴンが突っ込んでくる。

 

「サダイジャ、お前もドラゴンダイブだ!」

 

 遅れてサダイジャも赤と青の竜の気を纏って突っ込んできた。

 狙いはどちらともキングドラらしい。

 砂嵐の中でも竜の気を纏ってくれたおかけで位置が把握出来るなんて、なんつー皮肉な状況だろうな。

 

「キングドラ、サダイジャにハイドロポンプ。サーナイトはテレポートでフライゴンを受け止めろ」

 

 そう指示を出すとキングドラに先に到達しそうだったフライゴンをサーナイトが受け止め、その後ろでキングドラとサダイジャが交錯していく。

 ゼロ距離で水砲撃を受けることになっているのにも拘らず、サダイジャは濛々と突き進み、キングドラを弾き飛ばした。

 

「キングドラ、サダイジャ、戦闘不能!」

 

 共にドサッと地面に倒れた二体に反応はなく、それを見た審判が判定を下した。

 

『またしても二体同時の戦闘不能ぉぉぉ!! これでお互いに二対二! ダブルバトルということで、次でお互いポケモン出揃う形となります!!』

「お疲れさん、キングドラ」

「サダイジャ、いい働きだったぜ」

 

 それぞれキングドラとサダイジャをボールに戻して次のボールに手をかける。

 じっと視線が交わると余計な言葉を発する気はないのか、口を開く気配はない。

 どちらかと言えば、俺の動きに警戒している。

 まあ、それも一瞬だったがな。

 砂嵐でほとんど視界があってないようなもので、フライゴンなんかは砂嵐の中に溶け込んでしまっており、見つけることが出来ない。

 

「いくぞ、ガオガエン」

「唸れ、ジュラルドン!」

 

 見つけられないものは仕方がないと、フライゴンの行方を追うのは諦めてガオガエンを出すと、キバナもジュラルドンを出してきた。

 はがね・ドラゴンタイプだからほのおタイプの技もフェアリータイプの技も効果抜群とはならない、ドラゴンタイプとしてはちょっと厄介なポケモンである。

 

「サーナイト、にほんばれ。ガオガエン、ニトロチャージ」

 

 いい加減鬱陶しいので、サーナイトに天候を変えさせた。

 砂嵐が止んでいく中をガオガエンが炎を纏い、突撃していく。

 

「フライゴン、ガオガエンを近づかさせるな! ドラゴンダイブ!」

 

 ようやく見つけられたフライゴンがガオガエンを止めるべく、赤と青の竜の気を纏って、こっちも突撃してくる。

 

「サーナイト、テレポート」

 

 そこへサーナイトを送り込み、フライゴンを受け止めると、その下をガオガエンが掛けていく。

 

「マジカルシャイン」

 

 そして光を迸らせてフライゴンを呑み込んだ。

 ジュラルドンとは距離があって届いていないっぽい。

 

「ジュラルドン、メタルバースト!」

 

 ガオガエンに体当たりされたジュラルドンが少し後ろへ滑ると踏み止まって鋼のエネルギーを解放してきた。

 流石にガオガエンも近すぎて躱し切れずに左足に受けてしまったみたいだが、大ダメージとはなっていない。つまりはガオガエンが与えたダメージもそこまでなかったということだ。

 

「続けてストーンエッジ! フライゴンはサーナイトにだいもんじだ!」

 

 そのままジュラルドンは地面を踏みつけ、ガオガエン目掛けて岩々を地面から突き出してくる。

 フライゴンはサーナイトに向けて大の字の炎を放ってきた。

 

「ガオガエン、ニトロチャージで躱せ。サーナイトはテレポート」

 

 ガオガエンが炎を纏ってその場から離脱した瞬間に地面から岩が突き出し、サーナイトは余裕な表情でテレポートしていく。

 すると急にジュラルドンがフライゴンの背後に回り込んだサーナイトの方を向いた。よく見ればそこはジュラルドンの斜め上方向である。

 

「ジュラルドン、ラスターカノン!」

 

 まるでそこへ来るのを待っていたかのように鋼の光線を放ってきて、サーナイトが撃ち落とされてしまった。

 なるほど、だいもんじはその為の誘導で、ストーンエッジは一時的にガオガエンをジュラルドンから離すための技だったか。

 

「ガオガエン、DDラリアット。サーナイト、テレポートでフライゴンに乗れ」

 

 だがまあ、こういうことをやられるとこちらとしても黙っちゃいられないわけで。

 ガオガエンにジュラルドンを引き付けさせておいて、サーナイトは一瞬にしてフライゴンの背中に乗った。

 これで逃げられまい。

 

「マジカルシャイン」

 

 フライゴンに抱きつくように密着し、光を迸らせた。

 うん、なんていい笑顔なのだろうか。

 笑顔でフライゴンを落とすその姿は見る人によっては狂気に満ちているように見えたかもしれない。

 ただの負けず嫌いなだけなんだけどな。

 

「フライゴン、戦闘不能!」

 

 超至近距離で光に呑み込まれたフライゴンは地面に横たわって動く気配がないようで、審判の判定が下された。

 サーナイトちゃん、判定が下されたんだからそんなにツンツンしてちゃダメよ。可愛いけど。

 

『あーっと、ここでフライゴンがついに戦闘不能ぉぉぉ!! 我らがドラゴンストーム、残り一体でガオガエンとサーナイトを相手にしなければなりません! これは厳しいかっ!?』

「一体でのコンビネーションはムリだが勝つことはムリじゃない!」

 

 不利な状況ではあるが負ける気はない、と。

 強がっているわけではなく、ジムリーダーとしての威厳という矜持というかプライドというか。

 まあ、そうでなくてはダンデのライバルなんてやっていられないだろう。

 

「荒れくるえよ! オレの パートナー! スタジアムごとやつを吹きとばす!」

 

 丁度砂嵐が止むとキバナがジュラルドンをボールに戻し、右手のリストバンドからエネルギーが流れていき、ボールを巨大化させていく。

 

「ジュラルドン、キョダイマックス!」

 

 それをフィールドに投げ込むと出てきたジュラルドンがどんどん巨大化していき、まるで高層ビルのような姿になった。

 …………何故高層ビルのようや見た目?

 

「ダイスチル!」

 

 ジュラルドンが踏み込むと地面から次々と鉄の棘が突き出してきた。

 

「ガオガエン、まもる。サーナイトはガオガエンの後ろで支えろ」

 

 それをガオガエンがドーム型の防壁を張って防ぎ、サーナイトがそれを背中から支えるものの、一時凌ぎにしかならず、次第防壁にヒビが入っていき、遂にはパリンッ! と割れてしまった。

 やはりダイマックス技を防ぐのは難しいか。

 

「いくぜ……竜よ、ほえろ! 必殺! キョダイゲンスイ!!」

 

 今度はジュラルドンが唸り声を上げると、赤い竜エネルギーの渦を作り出してきた。

 

「今度はサーナイトが前だ。まもる。ガオガエンは次に備えるぞ」

 

 巨大な渦ーーー赤い竜巻と言ってもいいそれは、防壁を張ったサーナイトを呑み込んでいく。

 黒いZリングを見せるとガオガエンは俺のところまで下がってきて、一緒にZワザのポーズを取っている。

 

「チッ、最後だ! ダイロック!」

 

 サーナイトが受けて効果がなかったと気づくと、すかさず最後に巨大な岩壁を作り出し、こちらに向けて押し倒してきた。

 さあ、一丁やりますか。

 

「全部吸い込め。ブラックホール・イクリプス」

 

 頭上に巨大な黒い塊を作り出し、倒れてくる巨大な岩壁を真ん中辺りから吸い込んでいく。その影響で砕けていく破片も皆、纏めて吸い込んでいくのだから、ある意味ダイマックス技よりもZワザの方が恐ろしいのかもしれない。

 

「おいおいマジでこれも呑み込むのかよ………」

 

 恐らく今までのジム戦を見ていたのであろうキバナは、生でダイマックス技が呑み込まれていく光景に目を見開いていた。

 その間にジュラルドンのダイマックスエネルギーが放散し、元の姿へと戻っていく。

 

「サーナイト、にほんばれ」

 

 これであっちに切れる手札はなくなった。

 数もこちらが有利。

 何なら、ちょいちょいダメージを受け、タイプ相性がこちらに分があるダイスチルを受けたガオガエンの特性もうかが発動している。

 君、サーナイトがいるからって態とダメージ受けてない? 大丈夫?

 

「ジュラルドン、ストーンエッジ!」

 

 サーナイトが日差しを強くし、ジュラルドンが地面から次々と岩を突き出してくる。

 その間、ガオガエンはもうかの炎も合わせて地面に円形に広げ、その全て右脚に凝縮させていった。

 

「トドメだ、ガオガエン。ブレイズキック」

 

 そしてジュラルドンに向けて走り込むと、ジュラルドンの数メートル手前でジャンプし、右脚を突き出しながら落下していく。

 

「諦めるな! メタルバースト!」

 

 炎を纏った蹴りを受け止め、即座にダメージをエネルギーに変えて放射し出した。

 それに気付いたらガオガエンの脚の炎がさらに活性化していく。

 

「サーナイト、顔面にエナジーボール」

 

 サーナイトがテレポートで瞬間移動し、ジュラルドンの脇に現れ、エネルギー弾を直接打ちつけた。

 衝撃でジュラルドンのバランスが崩れ、放射しているエネルギーはあらぬ方向へと軌道を変え、ガオガエンの脚の炎がジュラルドンの身体を覆っていく。

 

「…………ジュラルドン、戦闘不能! よって勝者、ハチ選手!!」

 

 均衡が飾ればあっという間で、ジュラルドンは最後の力も手放し気絶してしまった。

 それを確認した審判が判定を下し、俺の勝利が宣言されると、観客席から一気に騒ついた歓声が広がり始めた。

 

『ジュラルドン、戦闘不能ぉぉぉっ!! 我らがジムリーダー、キバナを見事を打ち破りました!! これで四人目のセミファイナルトーナメント出場者が決定したことになります!!』

「戻れ、ジュラルドン。熱いバトルだったぜ」

「ガオガエン、お疲れさん」

 

 ようやくこれでバッジが全部揃うわけか。

 長かったような短かったような。

 ………うん、そもそもジム戦を始めるまでに一ヶ月かかってたんだから、開会式から考えると長かったな。ジム巡りを開始してからは二週間程で終わっちまったけど。

 

「ったく、ダブルバトルでも歯が立たねぇとか、お前もダンデも一体どういう育て方してんだよ。つか、ダブルバトルの方が難しいはずなのに、滅茶苦茶得意そうなの何なんだよ。腹立つわー」

 

 中央サークルへ向かうとキバナが頭をガシガシと掻きながら深い溜息を吐いていた。

 

「まあ、色々経験してきたからな。六体全員を一斉に指示することもあったし、場数じゃねぇの? 知らんけど」

 

 とはいえ、そんな経験をしたのもカロスに来てからなような気はするが。いやまあ、擬似的なもので言えばスクールの卒業試験とかあったわけだけれども。基本俺のポケモンはリザードン一体だけだったんだ。あとは野生のポケモンとかの協力を得ることはあったものの、本格的なものはフレア団関連の対決時くらいじゃないだろうか。

 

「何でそんな場数を踏むような状況に出会ったんだよ。いやまあ、そうか。そりゃ、いきなりダンデに連れて来られて単独でもダイマックスしたポケモンを倒せるんだから、ダブルバトルなんて序の口か」

 

 別に序の口というわけではないがな。

 一つ言えるのはこのジムが読みやすかったってことか。読みやすければ対策もしやすくなる。

 

「あとアレだな。ジムトレーナー三人が前座過ぎたってのもあるな。三人のおかげでお前が砂パで来るだろうって予測が立てられたし、ネット民曰く、俺の手持ちは晴れパと雨パがいけるんじゃね? って話だったから、実際そうだぞっていうのを披露出来てよかったわ」

 

 他のチャレンジャーにしてみればダブルバトルの機会なんてそうないから難しいバトルを強いられるのだろうが、相手が悪かったと思って欲しい。

 

「うっわ、マジでないわー。人を踏み台にするとか嫌だわー」

「ジムリーダーなんて踏み台にされてなんぼだろ」

「よーし、ファイナルトーナメントで絶対潰す! だからハチ、お前がセミファイナルを制覇しろ。んでもってオレ様がダンデを倒す前座としてお前を倒す!」

 

 再戦の申し込みをされてしまったものの、まずは俺がセミファイナルで勝たなければいけないし、何ならファイナルトーナメントで当たるかどうかの運次第でもある。

 

「当たればな」

 

 正直なところ、キバナよりもネズとだけは当たりたくない。

 

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