ポケモントレーナー ハチマン 完   作:八橋夏目

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106話

 ダンデとのバトルが終了し、控室へと戻ると着替える暇も与えられず、何故か運営スタッフに別室へと案内された。

 そこは何かのセットの裏側ということだけは分かるのだが、ここで待機と言われてしまえば従うしかない。

 ご丁寧にソファまで用意されていて、テーブルにはお菓子が並べられていれば、疲れていることもあり、仕方なく腰を下ろすことにした。

 で、気付いたわけだ。

 ソファに座れば丁度見えるようにモニターが設置されていることに。しかも画面が映っていることに。

 んで、周りを見渡せばコードやら何やらが所々伸びていて、俺の周りでは忙しなく動き回るスタッフたち。

 

「……………………」

 

 嫌な予感がする。

 業界に精通しているわけでも実際にこの目で見たことがあるわけでもないのだが、これは十中八九テレビだ。

 モニターにはまだ作業風景しか映し出されていないが、番組が始まればこのまま映し出されることだろう。

 え……、つまり何か?

 これからーーー。

 

「失礼します。ハチ選手、ポケモンたちをここで回復させますので、回復マシンにボールをお願いします」

 

 ダンデとのバトル直後だというのに、これから始まるであろう内容に絶句していると、ジョーイさんが現れた。その手に押されてやってきたのは移動型ポケモン回復マシン、と思われるもの。

 何それ、初めて見たんだけど。ここ、シュートスタジアムだよな?

 

「お疲れ様です」

 

 するとその背後から白衣に赤いシャツ、黒のタイトスカートの女性が現れた。

 

「あ、えっと………オリーブさん?」

 

 まさかのローズ委員長のところの人が来るとは………。

 

「はい、申し訳ございませんが、まずはポケモンたちの回復を」

「う、うす………」

 

 彼女に促されてしまえば、このジョーイも偽物というわけでもないのだろうし、ダンデのポケモンたちと戦ったサーナイトたちのボールを預けていく。

 ちゃんと目の前で作業をしてくれるみたいで、盗まれる心配もない。というか盗まれたとしてもあいつらなら暴れまくって盗んだ奴に被害が出そうだけどな。

 

「では、早速本題になりますが、このままテレビ番組の出演をお願いします」

「はい?」

 

 まじまじと回復マシンの様子を見ていると、聞きたくもない言葉が聞こえてくる。

 テレビ番組?

 ナニソレオイシイノ?

 

「例年、チャンピオンとバトルした選手とチャンピオンとの座談会特番がありまして、今からそれに出演していただきます」

「………聞いてませんけど?」

 

 初耳なんだけど。

 チャンピオンとバトルした直後にテレビ出演って、ちょっとハード過ぎない?

 というか対談相手がダンデって………あいつもそのまま狩り出されるってことだろ?

 まあダンデだし、そこは大丈夫だろうけど、毎年のことってなかなかだな…………。

 

「ガラルの者ならば知っていて…………ああ、そうでした。ハチ選手はガラル出身ではありませんでしたね。オリーブ、うっかり」

 

 あざとくも何でもなく、ただただ無表情でオリーブうっかりとか言われても、逆に怖いんだけど。

 しかもガラル出身なら知ってて当たり前のように聞こえるんだけど、これ如何に?

 知らない人もいるんじゃねぇの?

 

「特番とはいえ、生放送になりますので、あまり過激な発言はなさいませんように。それと番組の進行はチャンピオンが行いますので、聞かれて答えられることだったら、答えていただけると助かります。その内容次第では、後日内々に予定していたハチ選手の記者会見も無くなることでしょう」

 

 拒否しようかと思っていると、気になることを口にしていた。

 記者会見が後日に用意されてたのん?

 確かにそんなことも最初の契約くらいで言ってたような気がしなくもないが、アレは例え話ってわけじゃなかったのか………。

 

「記者会見とか用意してたんすか?」

「ええ、初戦辺りで負けるようであれば、こじんまりとしたものでもよかったのですが、ファイナルトーナメントを優勝した挙げ句、チャンピオンと接戦を強いる程の実力を見せられては、大規模なものにせざるを得ない状況です。しかし、トーナメント中に他のことに気を取られて負けてしまったとなっては苦情も来るでしょうから、タイミングが今になったという次第です」

 

 あ、うん……まあ、そうだよな。

 一応、配慮してくれた上でのことなんだもんな。

 

「一応言っておくと俺は素人ですよ?」

「そこはご心配なく。回すのはダンデですよ?」

 

 …………それって毎年グダグダってことか?

 それはそれでどうなんだよ…………。

 

「どうなっても知りませんよ?」

「毎年どうなるのか分からないので、気にせずとも大丈夫です」

 

 どんだけ危うい番組なんだよ。

 打ち合わせとか………簡単に脱線していくんだろうな………。なんか想像出来るわ。

 

「はぁ……そこまで言うなら取り敢えず出るには出ますけど、質問に答えてれば、記者会見も免除になるんですよね?」

「内容次第では、になりますがそのつもりです。その方がこちらとしても予算が浮きますし、記者に質問攻めされるよりはよろしいかと」

 

 言わんとしてることは理解出来る。

 俺のためにいろいろと理由を作ってくれているのだろう。

 確かに記者に質問攻めにされるよりはダンデとのんべんだらりと話していた方が楽というもの。ダンデがMCってところにはいささか不安を覚えるのだが、例年そんな感じなら俺が不慣れでも特に問題はないだろう。

 …………何というか、既にこの人に俺の性格を熟知されてる気分だわ。流石、オリーブ女史。出来る女は違うわ。

 

「…………分かりましたよ。出来れば事前に知らせて欲しかったですけど、ダンデと話してればいいなら、記者会見をやらされるよりはいいか」

「では、そのように。番組が始まればそのモニターにも番組が流れますので、チャンピオンの合図であそこのセットの扉から入って下さい」

 

 指された方を見ると確かにセットに扉が。

 うん、何となくどういう番組なのかイメージ出来た気がする。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

「開始十秒前………九………八………七………六………五………四………三………ーーー」

 

 それから程なくしていよいよ番組が始まった。

 俺はその間、軽く寝てたけどな。

 

『いやー、今年のジムチャレンジはいつになくすごかったよな。マクワが最初から派手に勝ち進んでいく中で、しれっとオニオンが追いかけるように勝ち進んでいたかと思えば、一ヶ月経った頃にハチが突然現れて。ジムリーダーたちもハチの登場には驚いてたぜ。何せ、トーナメント戦で出してくるようなポケモンたちを投入せざるを得なくなるくらいだったからな。いい刺激になったんじゃないか? あ、刺激と言えば、オレはもちろん刺激を受けたぜ! オレの手をよく研究してきているジムリーダーたちとは違って、手探りながらも仕掛けてくるのは新鮮だったな。セミファイナルからの先発の流れからウルガモスが初手に出てくることは予想出来ていたが、オレの狙いとしてはヤドランを真っ先に倒しておきたかったから、ドラパルトでヤドランを引くまでドラゴンテールを続けるつもりだったんだ。まあ、一発で引けたからよかったんだけどな。そして。早々にギルガルドに交代させてとおせんぼうを使って逃げられないようにしたんだが、どうやらハチには結構効いたみたいだぜ。あのハチから先取出来たのは大きかったさ。だが、そこはやっぱりハチなわけで、再度出てきたウルガモスにギルガルドがすぐにやられたかと思えば、オノノクスに対してウルガモスのとんぼがえり、キングドラのクイックターンでドラミドロに繋げて来られて落とされたのは痛かったぜ。あれ、カブさんとのバトルで見せたキングドラとドラミドロの連続クイックターンを意識してたんじゃないかな。間にあまごいとか挟まれたけど。で、バリコオルでドラミドロを倒して、ウルガモスとガマゲロゲが相討ち。タイプ相性的にはこっちが有利だったし、ソーラービームも封じたんだが、ちょうのまいとほのおのまいで能力を爆上げしての日差しが強い状態にされてしまえば、相討ちで終われて逆にこっちが助かったと思うぜ。そして、再びバリコオルでキングドラを倒せたかと思えば、ガオガエンにバリコオルとドラパルトを持っていかれたのは痛かった。何の躊躇いもなくドラパルトにZワザを撃ち込んでくるとは思わなかったからな。あれはどうしようもなかった。んで、リザードンでガオガエンを倒してサーナイトとの一騎打ち。結果としてはリザードンが勝ったが、あと少し遅ければ相討ち、もしくはオレが負けていてもおかしくなかったと思う。………あ、すまん。話しすぎだな』

 

 …………………………ぐぅ。

 

『オレの感想はこんなところにしておいて。今年の「チャンピン間」、スタートしようか』

 

 あっぶな。

 また寝るところだったわ。

 

『それじゃあ、早速登場してもらおうかな。今年のゲストはこの人だぜ!』

 

 さて、ダンデに呼ばれたし行くか……………。

 

『あれ? ハチー? おーい』

 

 重たい腰を上げて扉の方に行くと丁度ダンデの方から扉を開けてくれた。

 

「いや、長いわ」

「あ、ちゃんといるじゃないか。出てきてくれよー」

「お前の前節が長いんだよ。フルバトルを一から回想してんじゃねぇよ。それだけで番組一本終わるぞ。マジで寝そうだったわ。てかさっきまで寝てたし、さっさと帰ってベッドで寝たい」

 

 あの長ったらしい感想のせいで再び睡魔に襲われているが、眠らない内にさっさと番組を終わらせよう。

 

「いやー、君とのバトルの熱がまだ冷めないんだからしょうがないだろ」

「俺はもう冷めたから寝たいんだけど。そもそも終わったら昼寝しようと思ってたのに」

「それは無理な話ってもんだ。毎年、オレとのバトルの後はそのままこの番組にって流れなんだからな」

 

 やはりガラル民にはそういう流れで決まっているのだろう。

 だが、俺は外から来た人間だ。ガラルの習慣なんて知らん。

 

「あのさ、そのことなんだけど、俺この番組のことさっき知ったわけよ。毎年やってるみたいだけど、見たことないんだわ」

「去年は鎧島にいたんだから、見なかったのか?」

「生憎テレビへの執着がないんでね。ニュースくらいしか見てない。何ならジムチャレンジすら見てない」

「ハチ、絶滅危惧種だったんだな………師匠とかは?」

「あのじーさんはゲームしてたな」

「あー………引退してからやりたかったことを隈なくやってるみたいだからな」

 

 ジムチャレンジについても道場で見た記憶がないからな。話には出てきていたってくらいじゃなかろうか。

 

「ああ、すまん。また話しすぎたな。取り敢えず座ってくれ」

「本当最初からグダってんな………」

 

 立ち話していることにようやく気が付いたらしい。

 こいつ、本当に大丈夫か?

 

「よし、それならハチにも分かるようにこの番組の流れを説明していくぜ」

「おう、頼むわ」

 

 ソファに座るとダンデもテーブルを挟んで向かい側のソファに腰を下ろし、番組の解説を始めた。

 

「まずこの番組は生放送だ」

「らしいな」

 

 それは聞いた。

 

「しかもネットでも同時生配信しているから、随時コメントも寄せられる」

「ネットでもやってるのかよ」

 

 思い出されるのはルリナに渡された掲示板のコメントの数々。多分、ああいうのが随時流れているってことだろう。

 

「んで、そのコメントには例年質問が飛んでくるわけだ」

「まあ、生放送だもんな」

「それをスタッフがピックアップして、カンペに出してくれるから、その質問をお題にトークしていく感じだぜ。そしてゲストを丸裸にしていく。そんな番組だ」

 

 うん、大凡予想通りの番組だった。

 これなら当たり障りのない範囲で答えていけばいいだろう。

 

「おい、今の言い方だと物理的に丸裸にされそうなんだが?」

「君の場合は物理的にも丸裸にしてやりたいな。素顔見せないのか?」

「別に顔を売りたいわけでもないし、芸能関係に身を置く気もないし、普通に街中を歩きたいからパス」

「だとさ。というわけだから、視聴者のみんなもハチの素顔を探るのはNGだぞ」

 

 ……………………これ誘導されてた?

 ダンデに?

 ないわー………。

 

「えぇ………なんか、お前に話術があるのが受け入れられないんだが」

「毎年この番組をやっていれば身につくってもんだ。これ以外にもテレビ出演はあるし、そうなるとやっぱり受け答えとかちゃんとしなくちゃいけないから、これでも頑張って身につけたんだぞ?」

「四苦八苦してそうなのは想像つくな………。そしてどこかのタイミングで諦めて我流に走るところまで見えたわ」

「よく分かってるじゃないか。堅苦しいのは苦手だから、もうこの路線でいいかってことになったぜ」

「スタッフ泣かせもいいところだな。台本とかあるだろうに」

 

 テレビともなれば台本があるはず。放送作家とかもいるくらいだし。

 そういえばこの番組の台本をもらってないんだけど。

 

「ああ、大丈夫だぜ。最初の数年でトーク部分は白紙になったぜ」

「ほんとに何やったんだよ。白紙の部分にスタッフの苦労が滲み出てるぞ」

「あ、最初に言っておくが、この番組はチャンピオン戦の中継込みで時間が取られてるから、今年は三時間くらいあるぞ」

 

 な、んだと…………。

 

「おい、マジか…………。三時間も生放送で寝させてもらえねぇのかよ。つか、三時間も話すことねぇぞ」

 

 生放送で三時間ってなかなかキツくないか?

 素人にやらせるような時間じゃないだろ。

 

「そこは大丈夫だ。いくつか企画も用意されてるから、トーク以外にもやってくぜ」

「その部分の台本は?」

「毎年サプライズだぜ」

「そっすか…………」

 

 三時間ずっとトークだけじゃないのは助かるが、それはそれで何をするのか怖いな。変なことさせられませんように。

 

「まあ、質問するならしてくれて構わないぞ。その代わり、俺に答えられることならなるべく答えるが、答えられないことは黙秘権を行使するからな?」

「ああ、それでいいぜ」

 

 トークの前に一応確認はしておいた。

 これで言質は取ったからな。

 これで国際警察のこととか、俺の素性については話さなくて済む。

 ただ、これも確認しておかないといけないよな。さっきからカメラ付近に見覚えのある顔が三つもあり、ニヤニヤしてるんだわ。

 

「それとあそこのカンペ持ってる男に見覚えがあるのは俺だけか?」

「いや、オレも知ってるぜ」

「だろうな。なあ、キバナ。何してんの?」

 

 俺が話をフるとカメラもキバナの方へと向いていく。

 

「迷子のダンデを連れてきたついでに笑いに来たに決まってんだろ」

「いや知らんし」

 

 つか、また迷子になってたのかよ。

 まさかなかなか始まらなかったのってこの迷子が原因か?

 

「じゃあ、ルリナは?」

「バトルバカとバトルジャンキーを二人にさせておけるわけないでしょ? ゲストはバトルお化けなんだし」

「もしかしてもしかしなくてもバトルお化けって俺か?」

「アンタ以外にいないでしょうに」

「そっすか………」

 

 どうやらルリナは俺たちを混ぜるな危険と思っているようだ。

 解せん。

 

「んで、カブさんは?」

「保護者、的な?」

 

 苦笑いで答えるカブさん。

 それだけでなんかカブさんの苦労が伺い知れる。

 

「あ、はい。すんません、なんか。いろんなのがご迷惑かけてるようで」

「ああ、気にしないで。それを口実に僕も見に来ただけだから」

 

 違った。

 ただの口実だったわ。

 ということは何か? あの苦笑いは口実にしてごめんね? ってやつか?

 

「おい、ガラルのジムリーダー。職権濫用しすぎだろ」

 

 恐ろしいわ、全く。

 自由過ぎるだろ、ガラルのジムリーダーたちは。

 まあ、チャンピオンがこれな時点で今更な気もするが。

 

「ハチ、だから三人はカンペ持ちを率先してやってるんだぜ」

「タダでは見せないと」

「というより仕事をしている体でいないと面倒だからだぜ」

「生放送で体とか言っちゃってる辺り、ゆるゆるなんだよなー」

 

 本当に大丈夫だろうか、この番組。

 大炎上で終わったりしないだろうな…………。

 不安しかないんだけど。

 

「さて、本題に戻すぞ。まずは自己紹介をしてもらおうかな」

 

 あ、やっと番組を進める気になったんだな。

 でも自己紹介ねぇ…………したくねぇな…………。

 

「自己紹介…………」

「何で自己紹介でそんなくぐもった声になるんだ………?」

「そりゃ一番ハードルが高いからだが?」

 

 恐らく確実に噛む上に今の俺は何と言えばいいのかよく分からない立ち位置だ。元々自己紹介なんて何を言えばいいのか分からないってのに、現状がさらに難しくしている。やだやだ。

 

「よし、なら他己紹介にしよう。名前はハチ。それ以上もそれ以下もオレは知らないぜ。あとバトルが強い。一年前に鎧島で出会ったんだが、強かったぜ」

「薄っぺらい紹介だな」

 

 そんなのでいいのなら俺にも出来たわ。

 難しく考えすぎだったのだろうか。

 

「なら自分でするか?」

「いやー、一年前に俺は鎧島のマスター道場に来たんだが、その翌日にダンデが現れたんだよなー、うんうん。じーさんの思いつきでバトルする羽目になって………これが運命の分かれ道だったんだろうな………。ダンデに興味を持たれたのが運の尽きというか、ジムチャレンジにまで参加する羽目になったんだから…………よし、なんか奢れ」

 

 思い出したら、結局こいつが原因でしかなくて腹立ってきたわ。

 今度高いのを奢らせよう。

 

「唐突だな。キバナたちは何かないか?」

「早速外野にフッてんじゃねぇよ」

 

 一応、キバナたちはいない者として扱わないといけないんじゃねぇの?

 番組出演のエンドロールに名前とか載せないんだろ?

 

「方向音痴じゃないからちゃんと時間通りに来る」

「バトルすれば強いけど、どっかの誰かさんみたいに口を開けばバトルバトルって言い出さないから安心する」

 

 うん、キバナもルリナもダンデと俺を比較してるな。

 というかそんなもんが俺の紹介になるとは思えないんだが?

 二人は言いたいことを言ってカブさんに視線を向けた。

 

「え? 僕も? そうだねぇ………一人でレイドバトルが出来ちゃうくらい強い、とか?」

 

 あ、カブさんはまともだったわ。

 まともだったけど、それ言っていいやつなのかね………。

 俺としては答えても問題ない話ではあるけども。

 

「あったっすね、そんなのも」

「話には聞いてはいるが、オレは実際に目にしてはいないから知らないんだぞ?」

 

 ダンデに連れられてワイルドエリアで連続で発生していたダイマックスポケモンを沈静化させに行った時に、ダンデは俺とは別行動になったからな。それで言えばルリナも別行動だったか。

 

「推奨されてるのが四人でレイドバトルだろ? 要するに四体のポケモンでレイドバトルをするわけだ。なら、俺が一人で四体のポケモンに指示を出してレイドバトルをしてもおかしくはないだろ?」

「…………確かに」

 

 カラクリを説明するとダンデが神妙な顔付きで考え始めた。

 

「だが、それは相当な実力があった上でのことだからな。良い子はマネするんじゃないぞ」

「早速試したいって顔で言われても良い子は言うこと聞かねぇぞ、絶対」

 

 顔を上げたダンデは言葉とは裏腹に今すぐにでもレイドバトルがしたいと顔に書いてあった。

 ダメな大人のいい例だな。

 

「さて、次から質問に行こうか。番組が始まってからもう質問が溜まってきてるみたいだからな。えっと………まずは『ハチ選手のユニフォームが他の選手と違うのは限定的にスポンサーが付いたからと公表されていましたが、どうしてそんなにガオガエンに寄せているんですか?』だそうだぞ」

「んなもんダンデのせい、としか言いようがないな」

 

 聞かれるとは思っていたが、まさか一発目に持ってこられるとは………。

 とはいえ、俺から言えるのはダンデのせいってことだけだ。

 

「オレが全部発注したからな。オーダーメイドだぜ」

「しかも期間中、観戦するくらいしかすることがないダンデの暇潰しに自腹で作ったやつな」

 

 俺はただ衣装を用意されて着ているだけのコスプレイヤーみたいなもんだからな。

 一体いくらかかっているのやら………。

 

「つか、総額いくらぐらいしたんだ?」

「さあ?」

「…………これだから金持ちは」

「これまで大して使わなかったから貯まっていったのであって、オレ自身が土地転がしたりして金持ちになってるわけじゃないぞ?」

「お前にはバトル欲以外の欲望を持つことをお勧めするわ」

 

 使ってないからってこんなところで金額を考えずに使い込むなよって話ではある。それでも全く懐が痛くなっている様子がない辺り、ダンデからすれば本当に端金でしかないのだろう。

 

「あ、それで言えば、そのマントはどうしたんだ?」

「あー、これな。ピオニーのおっさんの手作りだってよ。ダンデばっかりコーデしやがってズルいっていうアホな抗議とともに渡された。ちなみにおっさん自らの手縫いらしい」

「だからか。オレはマントまでは作ってないはずなんだけどなーって、ずっと思ってたからな」

 

 ダンデプロデュースのガオガエン衣装にはないマントだから。でもこれが手縫いだなんて言われないと分からないレベルなのだから、如何におっさんの技術がおかしいのかが分かる。

 違和感ないってどういうことだってばよ。

 

「あ、視聴者のために言っておくと、ピオニーさんは鋼の大将のことだぞ」

 

 さらっとピオニーのおっさんを紹介しているが、割と有名人じゃないの?

 テレビでそんな扱いって大丈夫なのか?

 

「さて、次は……『出身はどこですか?』だとさ。アローラじゃないのか?」

「カントーだぞ」

「…………そうだっけ?」

「言ってなかったか?」

「聞いたかもしれないが、覚えてないぜ」

 

 ダンデだもんな。

 とはいえ、俺もダンデとはそう何度も会っているわけではないため、そこまで直接俺自身の話をした記憶はない。従って知らないと言われれば言ってない可能性が高い。

 まあ、そこはダンデだし、別に気にすることはないか。

 

「お、これは結構大事なやつじゃないか? 『チャンピオンとのバトルの最後の方で、サーナイトの姿が変わっていたように見えました。もしかしてサーナイトにはフォルムチェンジがあるのでしょうか?』だって」

 

 おっと、これは俺もどこかでネタバラしをしないととは思っていたことだ。多分、これを答えておかないと記者会見をさせられるはず。

 

「………仕方ない、ここでネタバラシといくか。まず、サーナイトの姿が変わったのは見間違いじゃない。フォルムチェンジかと言えば厳密には違うんだが、あれはメガシンカと言ってバトル中にのみ起こるフォルムチェンジみたいなものってところだな。全てのポケモンが出来るというわけではなく、このキーストーンをトレーナーが持ち、これに似たメガストーンというものをポケモンが持った上で、トレーナーとポケモンとの間に信頼関係が築き上げられていれば起こせる現象だ。それとメガストーンにはそれぞれポケモンに対応したものがあって、サーナイトの場合はサーナイトナイトという。ちなみにリザードンにもメガシンカはあるぞ」

「そうなのか!? いや、前にそんなこと言ってたかも」

「覚えとけよ、そこは。まあ、詳しくはカロス地方のプラターヌ博士っていう人の論文を探してくれ。多分、調べればすぐに出てくると思う」

 

 ここで言葉だけで一から説明するのも面倒だからな。気になる奴は自分で調べてくれ。これで変態博士の宣伝にもなるだろうしな。

 

「リザードンのメガシンカか…………。どんな感じなんだろうか」

「それも自分で調べてくれ。どんなと言われても説明するのが面倒くさい」

「えー………。あ、じゃあZワザはどうなんだ?」

「Zワザはアローラ地方に伝わる技版のメガシンカ、みたいな? いや、どっちかっつーとダイマックス技に近いか。まあ、一発限定だし、消耗が激しいから使い所は難しいんだけどな」

「だが、あの一撃で戦局が大きく変わるのも確かじゃないか。現にダイマックス技をやり過ごされるのは結構大きいぞ」

「それな。俺もメガシンカとZワザがなかったら、ここまで余裕にしてられないからな。ダンデとバトルなんて以ての外だ」

 

 実際のところ、メガシンカとZワザがあったから、仕方ないなでジムチャレンジに参加したが、これらがなかったら断固拒否していたからな。

 つーか、何の用意もなくダンデのリザードンの炎受けに行くバカがどこにいるというのだ。自殺行為でしかないわ。

 

「お、マスタード師匠からも質問がきてたみたいだぞ」

「うっわ、マジか。見てんのかよ」

 

 爺のによによしているのが想像出来てしまう。

 しばらく道場に戻りたくねぇ………。

 

「『はっちんのドラミドロだけど、持ち物変わってるよん』だとさ」

 

 ………ん?

 これ………。

 

「質問じゃねぇ…………」

「持ち物変わってるって」

「俺知らないんだけど」

「だから教えてくれたんじゃないか? ちなみに何持たせてたんだ?」

「しめった岩」

「あまごいを長引かせるためか」

「そう、でもドラミドロに最近あまごいを使わせた記憶がない」

「それ、自分で何か拾ってきたんじゃないか?」

 

 自分でか………。

 ドラミドロが?

 うーん、そんな気配はなかったと思うんだがな。

 

「回復終わったから確かめてみるか? ってスタッフが言ってるぜ?」

「そうするわ」

 

 本人に聞かない限りは分かりようもないので、スタッフの機転は助かるわ。

 お願いするとジョーイさんがドラミドロのボールを持ってきてくれた。

 

「ドラミドロ」

「ミー?」

 

 ボールから出すと「なにー?」って感じの気の抜けた雰囲気を漂わせていた。

 

「お前、しめった岩はどしたん?」

 

 取り敢えず確認してみるが、ドラミドロは首を横に振るだけ。

 

「んじゃ他に何か持ってたりする?」

 

 他に何かないか確認すると。

 

「…………えっ、口の中にあんの?」

 

 口を開けて見せてきた。

 俺ドラミドロの口の中を初めて見るかもしれない。ただそれよりも横にデカい顔がやってきてむさ苦しいのはどうにかならないだろうか。

 何が悲しくて野郎と顔を並べないといけないんだよ。

 

「…………あ、これじゃないか?」

「歯……牙?」

 

 一本だけ他とは違う太い犬歯があった。

 一本だけってのがまた不自然だな。

 

「恐らくりゅうのキバだろうな」

「ああ、確かに言われてみるとりゅうのはどうを撃った後に威力上がってるような気がしてたわ。他の技も次々と使わせてたからりゅうのはどうでかどうかは絞れてなかったが…………なるほどな」

 

 言われて納得。

 思い返すとりゅうのはどうを使った後とかで思いの外ダメージが入っているように見えていた気がする。どの技が効いていたのか定かではなかったため特定は出来なかったが、りゅうのキバを付けていたとなればりゅうのはどうの威力が増していて、それがダメージに繋がっていたのだろう。

 

「疑問が一つ解決したな」

「割と単純な理由だったけどな。まあでもドラミドロの場合、特性がてきおうりょくって可能性があったからな。これでドラミドロの特性はどくのトゲってことになったわ」

 

 なまじゲッコウガという例があったからな。あいつの場合は薬で特性を変えてメガシンカ擬きを定着させることに成功したのだが、要は特性が変わるという事例が出来上がってしまっていたために、俺の中でも何らかの原因で特性が変わったという可能性も捨てきれないでいた。

 まあ、取り越し苦労だったわけだけども。

 特性にてきおうりょくがあるのがいけないんだと思う。おかげでややこしいったらありゃしない。使える特性ではあるんだけどな。

 

「特性を把握してなかったのか?」

「流石に毒状態にする特性だからな。仲間内で確認するにも毒だからちょっと躊躇ってた。あわよくばバトル中に確認出来ればなー………って思ってたんだが、中々難しくてな。でもこれでようやくドラミドロの特性を確定させることが出来たわ」

 

 これで一応ジムチャレンジに出した六体全員の特性は把握出来たかな。

 簡易ボックスの中には、未だに分からない特性の奴らもいるけれども、あいつらはそもそもデータがないため調べようがない。最悪本人に聞いて黒いのに翻訳してもらうくらいか?

 それも自分たちのことをどこまで把握出来ているかによるし、難しいだろうな。

 

「サーナイト、ガオガエン、ウルガモス、ヤドラン、キングドラ、ドラミドロ。そしてエンニュートか。ほのおとどくタイプが多いな」

 

 ダンデが改めて俺のポケモンたちを並べていく。

 きっちりエンニュートも入れてるし。

 七体とするとエンニュートが加わったことでほのおとどくタイプが三体ずつになったんだよな。カロスに戻ればここにリザードン、ゲッコウガ、ヘルガー、ボスゴドラも加わるわけだから、ほのおタイプは計五体。最早ほのおタイプのジムリーダーである。さらにジュカイン、ダークライ、クレセリア、ウツロイド、ザルードもいるため、あくタイプも五体いることになる。まあ、現時点では他人に見せられないメンツばかりであるが、全員が揃うと結構壮観だわ。

 帰ることが出来たら、一度全員を並べてみるのもいいかもしれない。

 

「特に意図したわけじゃないんだけどな。何ならウルガモスが人生初めてのバトルして捕まえたポケモンだからな」

「…………ん? 捕まえたのってウルガモスだけなのか?」

「大体保護したのがそのままってのばっかだからな。あとは懐かれて自分からって感じか」

「まあ、エンニュートの懐き様が凄まじいもんな。元気にしてるのか? エンニュートは」

「出してみるか? お前とバトルしてないから唯一ピンピンしてると思うぞ」

 

 六体をジョーイさんに預けていたため、何となくエンニュートのボールを装着しておいたのだ。

 

「エンニュート、出てきていいぞ」

「ニュー!」

 

 ボールから出すと早速抱きついてくるエンニュート。

 

「…………ハチの特性はメロメロボディだったんだな」

「んなわけあるか………………………いや、ある意味そう………いや、ないな」

 

 ダンデの呟きに一瞬そうかもしれないと思ってしまったが、ここで認めてしまうのは癪なので、全力で否定しておく。

 

「ハチ君の場合、手持ちに加えることに拘ってないからね。野生ポケモンでも懐かれれば世話を焼いてしまうし、そんなハチ君だからポケモンたちも自ら手持ちに加わろうとするんじゃないかな?」

 

 カブさんはヤドランとの経緯を知っているため、そう感じているのだろう。

 実際そんなのばっかだしな。間違ってはいない。

 

「なあ、オレ様からも質問いいか?」

「おう、いいぜ!」

「お前が答えるなよ」

 

 キバナが手を挙げたのだが、俺が返事をする前にダンデが答えてしまった。

 おい………。

 

「結局のところ、ハチのエースポケモンって誰なんだ? ずっとガオガエンだと思っていたが、ガオガエンってことでいいのか?」

 

 あ、これもネタバラシするの忘れてたな。

 

「そうだな、今の手持ちで言えば、エースポケモンはガオガエンだな。ただ、切り札はサーナイトってだけの話だ」

「いやいやいや、切り札って…………」

「ハチも人が悪いぞ。ガオガエンの覆面付けてジムリーダーのエースポケモンにガオガエンを当ててきてたら、誰だってガオガエンがエースなんだって思うじゃないか」

「そう思わせるために、敢えて出し続けてたんだけどな。その方がダンデのリザードンの攻撃をサーナイトが耐えた時の衝撃は凄かっただろ?」

 

 あの時スタジアム一帯が息を飲んでたもんな。

 実況がいち早く戻ってきたのには驚いたけど、仕事へのプライドが意識を取り戻すのに働いたのだろう。

 でもおかげで、あの瞬間はニヤけが止まらなかったわ。

 

「オレは知ってたからともかく、知らない人たちは度肝を抜かれたと思うぜ。なあ、キバナ」

「ああ、まんまと騙されたぜ」

「私は話に聞いてたから知ってたわよ?」

「僕は一度バトルしたことあるからね」

「オレ様だけかよ…………」

 

 ルリナは多分ソニアから聞いてたんだろうな。

 それでもジム戦の時に何も言って来なかったのは、何となく察していたのかもしれない。

 ルリナパイセン、マジぱねぇわ。

 

「お、こんなのもあるぜ。『ジムチャレンジが終わってしまいましたが、ハチさんはこれからどうするつもりですか?』だって。実際のところ、どうするつもりなんだ?」

 

 これからのことか。

 それは俺が一番知りたいことだわ。

 結局、ガラルに一年以上いたというのに、誰からも何のアプローチもないんだからな。いやまあ、ジュカインに再会出来たってのは大きかったが、それ以外の大きなイベントが起きていない。一年後には『あの日』を迎えることになるのだしカロスに戻ることになるんだとは思うが、それまでの間何をしていればいいのやら………。

 大人しく国際警察の任務か?

 

「さあ? 何にも決まってない。明日にはガラルを発っている可能性だってあるし、あと一年くらいはガラルにいる可能性だってある。どうなるかは俺にもさっぱりだわ」

「ジムリーダーになろうとかは思わないのか?」

 

 ジムリーダーなぁ………。

 言っちゃなんだけど、ジムリーダー目指す人はそれなりにいるからな。後継者問題も人数だけで見れば申し分ないはず。

 だから別に俺がジムリーダーになる必要性は必ずしもない。

 

「ないな。ジムリーダーになるくらいなら、ジムリーダーたちを未来のチャンピオンに仕立て上げるための施設を作るわ」

 

 以前、ルリナにも言ったように、俺がジムリーダーになるくらいなら、ジムリーダーたちの質を上げる施設を作った方がいいと思っている。幸い、俺にはエニシダさんという伝もあり、冗談半分でブレーンの打診までされているのだから、それもあってカントーに行った時に連絡しているのだ。

 逆にジムチャレンジに参加したことで、余計にジムリーダーたちを鍛えた方がいいんじゃないかと思えてきたくらいである。

 

「………ん? どういうことだ?」

「一般のトレーナーを育てるのはジムリーダーの仕事だろ? なら、そのジムリーダーを育てるのは誰がするんだって話だ。俺はジムリーダーたちが実力を試す場があってもいいんじゃないかと思ってな」

「つまり、その施設でキバナたちの実力を上げさせてチャンピオンの座を脅かす存在にし、オレとしても強敵と戦わせてくれて万々歳ってことか?」

「夢のまた夢でしかないけどな」

 

 それにダンデのためというわけではない。

 結果的にダンデが望むようなことがもたらされるのではないかと期待出来るだけである。

 

「それは楽しみだな! 是非とも作ってくれ!」

「まあ、色々片付けたらな」

 

 とはいえ、今の俺は存在が危うい状態なため、まずはあの襲撃してきた奴らを捕らえてしまう必要がある。

 あとヒラツカ先生のこともあるし、一年後の未来にはやることが山のようにあるのだ。考えたくもないが…………俺の人生がかかっていると言っても過言ではないためやるしかない。

 やるしかないのだが…………その音沙汰が全くなくてどうしたらいいのか分からないのが現状である。

 なんてこった…………。

 

「ふぅ………喋り疲れたな。そろそろ企画の方やるか?」

「そんな適当でいいのかよ。疲れたけども」

「息抜きも大事だぞ」

「生放送中に息抜きもクソもねぇだろうよ」

 

 生放送中はどう頑張ってもずっと仕事ってことになるだろう。

 しかも俺は一応テレビ素人だぞ?

 そんな奴に生放送中に息抜きしろとか土台無理な話だと思うんだが。

 こいつバカなの? バカだったわ………。

 

「んじゃ、まずはファイナルトーナメントを優勝したお祝いだな」

 

 ダンデがそう言うとどこからか白いパティシエ服を来たタチフサグマがワゴンを押してやってきた。

 

「…………何やってんの、ネズ」

「何やってんでしょーね、おれは」

 

 タチフサグマ改めネズだった。

 遠い目をしている。

 取り敢えず、似合ってねぇな、パティシエ姿。

 

「ダンデ? キバナ?」

「両方ですね」

「ああ………」

 

 可哀想に。

 ネズも二人に拉致られてきたんだな。しかも一人だけこんな役回りを与えられるなんて。

 

「仕方ねーんで作ってやりましたよ」

「まさかの手作り…………」

 

 しかもネズによる手作りケーキのホール。

 本当に何してんの、こいつ。

 

「それ食ったら次はお肉カット選手権なんで、さっさと食っちまって下さい」

「…………お肉カット選手権?」

 

 お肉カット選手権ってなんだよ。

 

「肉の塊からお題のグラム数に近づけて切る企画ですよ。誤差の範囲内であれば、そのままお持ち帰り出来るみたいですよ」

「マジかよ………」

 

 まさかの塊肉のカット企画だった。しかもクリアならお持ち帰り出来ると。

 

「精肉店がスポンサーにいるんですよ」

「ああ………」

 

 これはスポンサー様々だな。

 その企画は是非ともやろうではないか。

 

「他に何やるんだ?」

「えーっと、ポケモンまるばつクイズ、恋バナ、空想バトル、最後にチャンピオン戦のダイジェストでの振り返りだってさ」

「取り敢えず、恋バナはなしで」

「何故だ?」

「野郎二人の恋バナなんて誰得だよ。そんなに聞きたいなら先に言っておこうか? こんな俺を好きになるような物好きな奴らは何人かいるから間に合ってる。恋人は募集していない。以上」

 

 女子じゃあるまいし、恋バナなんて衆目のあるところでなんてしたいわけがなかろうが。

 

「なるほど、そうやって躱せばいいのか。勉強になったぜ」

「いや、お前の場合は…………まあいいか。ネズのケーキ食おうぜ」

「そうだな。ネズ、切り分けてくれ」

「今やってるんで大人しく待ちなさい」

「「へい」」

 

 んで。

 ケーキを食べた後、色々とやらされはしたが、何とか無事に生放送は終了した。

 …………ケーキは美味かったが、テレビって………怖い。

 

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