ポケモントレーナー ハチマン 完   作:八橋夏目

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127話

 視界が回復すると見覚えのある部屋だった。

 というかカロスのポケモン協会内の俺の部屋だわ。経過時間としてはまだ数時間でしかなく、一日を終える程の時間が経っておらず、睡魔も来ていない。

 なのに、この部屋。

 一体、いつに飛ばされたのだろうか。

 

「あー、緊張するなー。ついに明日、四天王としてユキノ先輩とバトルするなんて、しかもフルバトルとか、こんなの先輩の匂いに包まれないとやってられないよー」

 

 なんか部屋の外から超棒読みな声が聞こえてくる。

 この声………いや、まさかな。

 

「今なら誰も見てないから………先輩のベッドで………………」

 

 ガチャッと開いた部屋の扉は、無惨にも予想通りの人物を見せてくれた。

 バッチリと目が合い、段々と冷や汗を流し始めるいろはす。

 ねぇ、君。今から俺の部屋で何しようとしてたの?

 

「……………」

 

 じっと見続けると目がすごい勢いで泳いでいる。

 何だ、この面白い生き物は。

 静かに立ち上がるとビクッと肩が跳ね上がるのも面白いな。

 すごくいじめ甲斐がありそうだ。

 

「なあ、イロハ」

「は、はぃ………」

 

 一層ビクンと跳ね上がる肩。

 そういう反応されると余計にいじりたくなってしまうからな。

 

「取り敢えず、扉閉めようか」

「え、あ、や、それは………」

 

 逃げ道を失いたくないイロハは一向に部屋の扉を閉めようとしない。

 そのくせ、部屋から出ていこうともしないのだから、逃げたら余計にお仕置きされることを理解しているのだろう。

 

「誰も見ていないのをいいことに俺のベッドで…………何しようとしてたのかな?」

「ひ、あ、や、そ………」

 

 トドメに全てを聞いていたぞ、と告げると最早単語にすらならない声で詰まらせている。

 身体はガチガチに震えており、バイブレーション機能と化している。

 

「俺のベッドで俺の匂いに包まれて…………とんだ変態がいたもんだな」

「ひぁ!?」

 

 逃げることのなかったイロハの頭の後ろから掴み、耳元へと顔を寄せた。

 

「えろはす」

「んんっ!?」

 

 耳元で囁いた途端、イロハの身体が軽い痙攣を起こして、俺にしなだれかかってきた。

 うーん、ご褒美だったかな、これ。

 

「イロハちゃーん、ゆきのんが呼んでるよー!」

「イロハー! ユキノさんが開会式の最終確認するってー!」

 

 この声はユイとコルニか?

 シャラジムはどうした………。

 休業日にでもして…………ん? 開会式?

 

「………なんかこっちに気配を感じるよ」

「こっちってヒッキーの部屋………」

 

 コルニ、お前今ルカリオに聞いたとか、そんなんじゃないだろうな。

 

「イロハちゃん、またなのー!」

 

 またとは?

 え、なに? こいつ、ちょいちょい俺の部屋に入り浸ってるわけ?

 

「イロハー!」

「イロハちゃん!」

 

 ドドドドドッと雪崩れ込むような足音が近づいてくる。

 なのに、イロハはまだ意識が朦朧としているのか、俺の胸の中で匂いを嗅いでいた。

 なんだこいつ…………。

 絶対意識的に匂い嗅いでるだろ。

 

「あ、やっぱりいた!」

「イロハちゃん、今日という今日は………!」

 

 姿を見せたユイとコルニはイロハを連れ出そうと部屋に入り、俺と目が遭った。

 そして、わなわなと震え出すユイ。

 

「ヒ、ヒッキィィィッ!!」

「ぐふっ?!」

 

 イロハ共々ユイによって床に押し倒されてしまった。

 なんか、力強くない?

 ってか、イロハのこと見えてた?

 あ、こいつ、俺とユイの間に挟まって密着度合いが増したからか、めちゃくちゃスリスリしながら匂いを堪能してやがる。

 おい、俺ってそんなに匂うのか?

 心配になってくるんだけど。

 というか息が………ユイの腕が絡まって気道が塞がって…………。

 

「ユ、ユイさん!? 締まってる、締まってるから!」

「あ、ごめん。嬉しくてつい………」

「い、いや、問題、ないぞ………うん……」

 

 寸でのところで解放されて意識を持っていかれることはなかった。

 危なかった。

 

「イロハ、そろそろ離れないとユキノさんに言いつけるよ」

「うっ………それだけはマジ勘弁して……………」

 

 コルニにユキノへの告げ口を忠告されるとしぶしぶといった感じでようやく起き上がった。

 そして空いたスペースに身体を入れてくるユイ。

 俺は一体いつになったら起き上がれるのだろうか…………。

 

「ここぞとばかりに引っ付くユイ先輩も大概だと思う」

「ユイさんはこれでも抑えてる方だよ…………」

 

 えっ、今なんか恐ろしい言葉が聞こえてきたんだけど。

 

「あのー……ユイさーん…………そろそろ離してもらえるとですね………助かるんですわ……………」

「………イロハちゃんだけ、ずるい」

 

 ………………くっ、可愛いかよ!

 仕方がないので頭を撫で始めると気をよくしたのか、さらにスリスリと顔を埋めてきた。

 あのね………イロハの時もそうなんだけど、柔らかいお肉がね。当たってるんですよ。しかもユイのはイロハよりも大きいから、そのボリュームをより感じましてね……………頑張れ、俺の理性。

 

「ん、んんっ! ユイさーん、そろそろイロハを戻さないとユキノさんにどやされますよー」

「んー………ふへへへへ………」

「聞いちゃいない………」

「先輩、ユイ先輩に甘くないですか?」

「心配するな。お前にも甘い自覚はある」

「そ、そうですか……」

 

 だって、ねぇ?

 アレだけ毎日一緒にいた存在と長期間会えなくなるって結構来るものがあるからな。俺でいいなら、しばらくこうしているのも吝かではないわけだ。

 

「…………ふぅ。この辺にしとかないと………もっと欲しくなっちゃう」

「うんうん、分かります、それ。私ももっと欲しいなー」

 

 おい、お前ら。

 怪しい笑みを浮かべるな。

 ゾクッとしちゃうだろ。

 しかもユイは身体を起こして俺の目の前で舌舐めずりをしやがるし。瞳孔がハート型に見えるのは俺だけかしらん?

 

「うっわ、二人とも色気ダダ漏れ………」

 

 それを見たコルニはドン引きである。

 

「さあ、二人とも。ユキノさんのところに戻るよ。ハチマンはどうする?」

「俺もユキノの顔見に行くわ」

「おっけー」

 

 コルニによりユイとイロハが連行されていき、解放された俺も三人とともに仕事部屋へと向かうと、ユキノが俺のデスクで仕事をしていた。

 

「あら、おかえりなさい。さっきから騒がしいと思えば、あなたが原因だったのね」

 

 場所が違うだけでよく見ていた光景にどことなく安心してしまう。

 

「………お前はいつも通りで安心するわ」

「それは褒めているのかしら?」

「褒めてる褒めてる。超褒めてる」

 

 さっきまでの色気が鳴りを潜めた二人とは大違いである。

 仕事モードのスイッチが入っているだけかもしれんが。

 

「そう。それで? 思ったより随分と早かったみたいだけれど、これで時渡は終わりなのかしら?」

「いや、どうだろうな。そもそも今っていつなんだ?」

 

 バトルフロンティアの次がここに戻ってくるとは俺も思っていなかったからな。

 これで終わりかどうかはセレビィに聞かない俺にも分からない。というかまたセレビィはいなくなってるし。

 

「そうね。あなたが旅立ってから約半年ってところかしら?」

「半年………そういや開会式がどうたらって言ってたよな?」

 

 半年後で開会式……………ってなるとアレしかないよな。

 

「ポケモンリーグ大会が近いのか?」

「ええ、そうよ。あなたが亡くなったと発表した後でも恙無く執り行うことになったわ。むしろ私たちよりもジムリーダーや四天王たちの方がやる気になってたわよ」

「…………ちなみにいつから?」

「明日から約一週間ってところね。一日の試合数によっては後ろに倒れるけれど、予選を勝ち上がってきた者のみの本戦だから、そこまで延びないと思ってるわ」

 

 …………なるほど。

 そういうことか。

 なら、まだまだ時渡の途中だな。

 

「最終日にもエキシビジョンマッチをやる予定は?」

「あら、その言い方だとまるで明日の開会式でエキシビジョンマッチをやることが確定しているみたいね」

「やらないのか?」

 

 俺はユキノとイロハがフルバトルしているエキシビジョンマッチの映像を見たからやるもんだと思ってたんだが。

 

「やるわよ。私とイロハで。今回の大会は新四天王としてのイロハのお披露目も兼ねているもの」

 

 あー、そういやイロハの四天王としてのデビュー戦でもあったな。

 一応、ほのおタイプ専門の四天王だっけ?

 ボルケニオンはもちろんのことバクーダのメガシンカにヒードランを隠し持っていたからな。

 つか、あのヒードランって俺からぶん取ってった奴だよな?

 つまりは元シャドウポケモンであり、半年でリトレーンに成功したってのか?

 この妙なところで天賦の才を見せつけてくるのは何なの?

 コマチたちの方は順調なのか?

 まあいい。それは後でイロハにこっそりと聞くとして、今は最終日の確認をしないとな。

 

「で、最終日の方は?」

「優勝者と私とのバトルを予定しているわ。まあ最も。エキシビジョンマッチの対戦相手が私であることは当日発表するつもりだけれど」

 

 なんてこった。

 話が出来過ぎてるだろ、これ………。

 

「………つまり、発表前までなら対戦相手の変更も可能ということか。全く………、ご都合主義にも程があるだろ。いや、ある意味既定路線ってことか」

 

 こんなもん変更するためにこうなったとしか思えないぞ。

 

「さっきから一人で何を納得しているのよ。私たちにも分かりやすく説明しなさい」

「あー、結論から言うとだな。リーグ大会の最終日。ミアレシティが野生のポケモンたちを引き連れたカーツとカラマネロによって襲撃される」

「なっ!?」

「「「ッ!?」」」

 

 流石にこれは予想してなかったよな。

 俺もまたかとは思ったが、同時に相手があの男とカラマネロっていうのなら、ここで決着を付けるって意気込んだくらいだ。それがまさかタイムスリップする羽目になるとは…………。

 

「これは既に俺が体験してきたことだ。各自の手持ちにしておくポケモン以外で警ら隊を組み、ミアレ内を巡回させていたように見受けられた。んで、事が起きた途端、リーダーのヤドキングの指示で班ごとに各地に散らばり、防衛に当たらせていた。そして、その時のエキシビジョンマッチの相手は仮面のハチだった」

 

 何とか記憶を掘り起こしてヤドキングが指示しているところと、班分けされていたこと思い出す。

 ぶっちゃけ、俺も戦いながら得た情報でしかないから、詳しいことは分からない。

 ただ、恐らくはこういうことだと思われる。

 というかこうして俺が話した上で警ら隊が出来上がったのだと考えれば、今思いつくままに俺が作り上げればいいのだろう。その結果があの警ら隊なのだから。

 

「ッ?!」

「………聞かない名ね」

 

 ユキノ、ユイ、コルニの三人は誰それ? という顔をしているが、イロハだけは違った。

 

「イロハちゃん、どうかした?」

「………はぁ、そういうことですか。要するにエキシビジョンマッチの対戦相手を仮面のハチに変更したいってわけですね」

「そうそう。話が早くて助かる」

「ちょ、ちょっと待って。そもそもその仮面のハチって人の連絡先知らないし、それに誰なの?」

 

 イロハには心当たりがあったようで、物凄く呆れた顔をしている。

 そういう顔って普段ユキノがしているから、今の状況はいつもと逆で珍しい光景だな。

 

「仮面のハチはガラル地方で有名なトレーナーらしいですよ。ガラル地方のチャンピオンは無敗記録を九年近く更新し続けている化け物で、そんなチャンピオンと同格とされている化け物です」

「化け物って…………」

 

 言い方よ。

 そりゃ、ダンデは化け物かもしれんが、俺はそこまで派手なことはしてないと思うんだがなー。

 

「………そう、かなり強いトレーナーなのは分かったわ。ただ、今から連絡しようにも連絡先を知らないのだし、それにもし繋がったとしても来てもらえるかどうか………」

「何言ってるんですか、ユキノ先輩。別に連絡する必要なんてないですよ。今私たちの目の前にいるんですから」

「「「はっ?」」」

 

 イロハの言葉に目が点になる三人。

 

「仮面のハチ………ハチ………ハチマン?」

 

 そしてユキノが言葉遊びのように名前を連想させていき、ようやく気づいた。

 

「え、マジ?」

「そういう?」

 

 二人も遅れて気づいたようで、ギギギとこちらに顔を向けてくる。

 そのぎこちない首の動き、大丈夫?

 

「そうそう。タイムスリップ中に作ることになった俺のガラルでのキャラ。おかげで表社会で生きるための手段を得られたんだから、クソダサい覆面をくれた師匠を許してやろうかなって思ってるわ」

「妙にリアルなコスプレですもんね、アレ」

「見たのかよ」

「お米経由で」

「あいつ…………」

 

 全てはコマチが情報源だったか。

 コマチは気づいてるもんなー。

 しょうがないっちゃしょうがないんだけど、もう少しオブラートに包んだ言い方とか出来ないのかね。

 いや、それはそれでイロハだと含みがある感じで怖いからいいや。

 スパンッと言ってくれた方がいっそ清々しいまである。

 

「イロハ、画像を。早く」

「ヒッキーのコスプレ見たい!」

「イロハ、早く!」

「お前らな…………」

「検索すれば出てくると思いますよ?」

 

 絶対笑いたいがために見ようとしてるだろ。

 コルニなんかすげぇニヤついてるぞ。

 

「……………ッ!?」

「ちょ、ゆ、ゆきのん!?」

「ガ、ガオ、ガオガエン………!」

 

 一人、めちゃくちゃキラキラした目で画像を見ている奴がいるんだけど。

 お前はガオガエンでも反応するのか…………。

 

「…………何これ、どういう状況?」

「ガラル地方のジム戦はジムチャレンジっつって、一大興行になっていて、挑戦する奴らは全員白いユニフォームを与えられるんだよ。んで、ジムリーダーたちは独自のユニフォームを来て差別化を図ってるんだが、俺の場合はジムリーダーのルリナっていう奴に、覆面に白いユニフォームはダサいって言われて特注で覆面に合わせたユニフォームが作られることになったんだが、それを聞いたダンデが暇だからって理由で自分のポケットマネーから妙にリアルな方のユニフォームを特注で作りやがってな。その慣れの果てだ」

 

 今考えても特例措置が過ぎるよな。

 一応、スポンサー契約を結んだから問題はないのだろうけども、よくガラルの世論も否定しなかったよな。

 強い者が正義なんて文化があるわけではないだろうが、それでも強い者には特例措置が働いても受け入れられる感覚があるのだろう。

 そういうことにしておこう。

 

「ルリナ? ダンデ?」

「ジムリーダーとチャンピオンだよ」

 

 ユイがこてんと小首を傾げて聞いてくる。

 

「はぁ…………どうしてあなたはそう著名人とばかり知り合いになるのかしら」

「そんなこと言われてもな…………。ガラルに到着した翌朝にはダンデとバトルしてたんだから、どうしようもなくね?」

「展開早っ!?」

 

 最早不可抗力だろ、あんなの。

 着いて寝て起きたらダンデがいるんだぞ?

 何となく実力者なのだろうとは思っていても、いざ蓋を開けてみれば現役チャンピオンだったからなー。

 師匠も人が悪いというか、イタズラが好きというか。

 

「つーわけで、エキシビジョンマッチは俺が出る」

「そう。未来がそうだったと言うのなら、それもまた既定路線。呑まない以外の選択肢はなさそうね」

 

 まあ、そうじゃないと未来が変わってしまうからな。それが確実にいい方へ働くのならいいが、その確証は全くないから、下手に変えるのも怖いものがある。

 

「それで、防衛隊の班分けなんだが………」

「総動員した方がいいでしょうね。姉さんにもお願いしたいところだけれど」

「いや、ハルノには先生を任せた方がいい。まだ一人で動ける状態じゃないんだろ?」

 

 戦力的にはハルノもいてくれると頼もしいが、最終日に見たハルノは車椅子のシズカさんと一緒だったからな。

 ずっと付き添っているのだろうから、こんな時に離してしまうのも本人たちの情緒が不安定になりかねない。

 それにハルノは犯人が誰か分かると自分から飛び込んで行ったしな。

 どうあっても関わるだろうし、それまではシズカさんといさせてやりたい。

 というか、今の今まで忘れてたけど、グズマも来ることになるんだったな。

 あの後、あの二人は大丈夫だったのだろうか。

 

「目が見えないままなのには変わりないわ。気持ちの面では安定しているように見えるけれど、潜在的にはまだまだと言ったところかしら」

「こればっかりは俺たちにはどうしようもないからな。なら、移動は車椅子とかになるってわけだ」

「ええ、よく分かったわね。杖という選択肢があるというのに………まさか、会った?」

「一週間後にな」

「ああ、そういうことね」

 

 俺が未来で会っているとなれば、俺の言うようにしておこうという空気になった。

 ユキノたちも改変になり得るのは怖いものがあるのだろう。

 

「ね、ねぇ、ヒッキー。あたしたちも何かした方がいい?」

「そうだな。まずは事が起きた時点での状況を把握したいから、当日は手の空いてる奴をミアレの各地に配置しようと思う。そして、戦況によっては警ら隊を派遣ってところかな」

「わ、分かったよ! 頼りないかもしれないけど、任せて!」

「お、おう……どした急に」

 

 ここまでユイがやる気になるなんて………。

 今までだったら何かやりたいけど足手纏いにはなりたくないから一歩引いたところで指示を待つ感じだったのに、自分から飛び込んでくるとは。

 成長したということなのだろうか。

 

「ヒッキーがここまで命張ってるのに、あたしたちだけ守られてるのなんて嫌なんだもん」

「他のジムリーダーにもそれとなく伝えておくよ、ハチマン」

「あ、なら、私はあの三人に伝えておきましょうかねー」

 

 次々と参戦者が増えていくというね。

 こいつら、何気に人脈が広がったよなー、と思う。まあ、一人は元々現役ジムリーダーだけど。

 

「班分けはどうするつもり?」

「一応トレーナーごとに班を分けようかなと。と言っても纏まった数のポケモンがいるのなんてユキノとイロハくらいだろうけど」

 

 あとはユイのポケモンか………?

 

「あら、あなたのポケモンたちもフリーな状態なのだから、班としては成立するでしょう?」

「そうだった。何やかんやで俺も増えてるんだった………」

 

 ゲッコウガは抜けているけど、仮面のハチとしてのポケモンやギャラドス二体が増えたおかげで、結構な数になってるんだったわ。

 未だに慣れないな、手持ち以外にいるっていうのが。

 ガラルでは簡易ボックスを使っていたから、常に連れているようなものだったし、別の場所にいるといるという感覚がなくなってしまう。

 不思議だわ。

 

「ボスゴドラは元の群れに協力とか頼めないかな………」

「どうだろうな」

 

 対処出来る手数が増えるのはいいことだが、相手はカラマネロなんだよな………。

 野生のポケモンも催眠術によって操られて襲撃してきてたくらいだし、何ならガラルから戻ってきてシズカさんを探している時に、カラマネロ率いる野生のポケモンに襲われたんだし、ボスゴドラの群れが操られないとは限らない。

 それを言ったら俺たちのポケモンも操られる可能性はあるが、言い出したらキリがないため、どこで線引きをするかにもよるだろう。

 

「それも含めて少し考えましょうか」

 

 セレビィはまだ出てくる気配はないし、じっくり計画を練ろうではないか。

 

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