ポケモントレーナー ハチマン 完   作:八橋夏目

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30話

 イッシュに飛ばされて早一ヶ月。

 今日も今日とて、俺は身体作りをしている。

 国際警察ともなれば、いつ何時何が起こるか分からないため、即対応に当たれるように鍛えておけ、との精神らしい。そのためなのか、この高層ビルにはバトルフィールドはもちろんのこと、筋トレ用のマシン一式や路地裏での追走を想定してのパルクール施設もある。

 ここ、使われてないだけでめちゃくちゃ設備がよろしいんだわ。

 まあ、普段の俺ならばこんなこと積極的に取り組もうなどとは思わないだろうけど、今は動いてないと逆にしんどい。止まっていると余計な考えにいってしまって、結果現実を思い出して憂鬱な気分になってしまうのだ。完璧に鬱病路線に足を踏み入れているなという自覚はあるものの、それくらいのショックがあったからな。

 おかげでパルクールのタイムアタックも順調に伸びている。ただ、未だに最後の飛び降りる高さには慣れないが。三メートル近くあるところから飛び降りるとか、マジ怖いから。あと着地の衝撃が痛い。本来は転がって軽減するものなんだろうけど、最後まで到達する頃には体力が結構削られていて、余裕がないのが現状だ。これでもタイムが伸びているのだから、最初の頃がどれだけ酷かったかなんて想像に難くないだろう。

 サーナイトやニャビーもチャレンジしているが、一番タイムがいいのはニャビーだったりする。こいつ普段は寝てるくせに身体が小さい分小回り効くし、障害物を飛び越えるなり潜り抜けるなりするのもお手の物。ポケモンだから跳躍力もある。見ていて羨ましい限りだ。

 まあ、そんなことをやってばかりいたこの一ヶ月。

 一つ、問題が出てきた。

 

「………そろそろ光を浴びたい」

 

 俺たちは未だにこのビルの外に出たことがない。引きこもりな俺ですら、太陽の光が恋しくなるレベル。屋上という手もあるが、上に昇るのもそれはそれで面倒だし、高いし風も強いから行きたくない。

 ウツロイドに憑依されて空を翔けたり、ダークライの黒いオーラで足場を作って空を駆けるのとはまた別なんだよな、あの高さは。

 どうにも落ちる想像をしてしまうから嫌だ。

 

「サナー!」

「ニャブ!」

「おーおー、お前たちも外に出たいかー」

 

 俺の独り言に激しく同意してくるポケモンたち。

 これが普通の反応だよな。

 よくここまで俺に付き合って引きこもっていられたよね、君たち。

 

「では、街を観光して来たらどうであるか?」

「いいんすか?」

「逆によく今まで外に出ようとしなかったなと思うであるぞ?」

「まあ、元々インドア派なんで」

 

 インドア派と言いながら、ここでは屋内でめっちゃ動いてたけどな。

 まあいいや。

 許可も降りたことだし、外に行ってみよう。

 

「………そもそもなんすけど、ここってイッシュ地方のどこなんですか?」

「ヒウンシティであるぞ」

 

 ………イッシュの大都会、だっけ?

 まあ、確かにこんな高層ビルが田舎にあるわけもないしな。

 それにしても俺イッシュ地方のことほとんど知らなかったわ。ヒウンシティと聞いても大都会だっけ? 程度の認識しかないんだから、他の街のことなんて、名前すらピンと来ない可能性がある。

 イッシュ建国とか英雄伝説とかその辺のことは知識としてあるんだけどな。今現在のイッシュ地方のことを知らないってのは、中々に縁がなかったってことなのだろう。

 

「サーナイト、ニャビー。散歩にでも行くか」

「サナ!」

「ニャブ!」

 

 こうして、一ヶ月ぶりに外に出ることになった。

 

 

 

   ✳︎   ✳︎   ✳︎

 

 

 

 外に出てみると何ということでしょう。

 人がクソ多いじゃねぇか。

 グズマじゃないけど、同じような反応をしてしまう。

 ………あいつ、元気かなー。俺に着いてカロスにやって来たのに、来た当日に一人ほっぽり出されたようなものだもんなー。まあ、しぶとく生きていることを願おう。

 一ヶ月ぶり思い出した憎たらしい顔に心の中で合掌している間も、流石に歩けないってことにはなっちゃいないが、歩道をズンズンと人が流れていく。車もブンブン通り過ぎていき、ミアレシティを彷彿させてくる。

 正しく大都会という感じだ。

 もしかすると大都会という項目で行き先を間違えてしまったのかもしれないな。

 ウルトラホールも実はお茶目なところがあるのかもしれない。いや、ないか。あったら逆に怖いわ。何だよ、お茶目なウルトラホールって。

 取り敢えず、このビルがヒウンシティ内のどこにあるのかだけは把握しておかないとな。

 下手したら帰って来られなくなる。

 

「サーナイト、ちょっとニャビーを持っててくれ」

「サナ」

「んで、通信は………」

 

 俺の腕の中を定位置としているニャビーをサーナイトに渡して、リュックからポケナビを出して起動………アウトー。

 ホロキャスターは………もちろんアウター。

 ………使えねぇな。

 そりゃそうだ。三年も前なのだ。物はあったとしてもソフトのバージョンがまだないものばかりである。通信で得られるデータがあるわけねぇわな。

 

「ほい、あんがとさん」

 

 使えない通信機どもをリュックに片付けて、サーナイトからニャビーを受け取った。

 仕方がない。この通りで目印になるものでも探すか。

 

「……ヒウンジム………って、ジムあるじゃん」

 

 顔を上げたその先に早速目ぼしい目印を見つけた。

 いや、これ以上ないくらいの目印だわ。

 ここ、ジムの斜向かいなのかよ。割といいところなんじゃねぇの?

 国際警察の財力は半端ねぇな。

 それに比べてカロスポケモン協会ときたら、路地裏だからな。表通りに面してない時点で、財力の無さが窺える。

 まあ、引っ越してもよかったんだが、引っ越す金があるなら他のことに使いたかったからな。そこはユキノシタ姉妹を始めとする関係者各位にも同意を経ている話である。

 

「さて、どっちに行くか」

 

 目印は出来たが、どっちに行けば何があるのかがさっぱりだ。

 

「サーナイト、どっち行きたい?」

「サナー……」

 

 サーナイトに問うとキョロキョロと左右を見ている。

 

「サナ!」

 

 そしてサーナイトが指したのは左側。

 

「よし、ならそっちに行ってみるか」

「サナ」

「ニャブ」

 

 ニャビーはもちろんこのまま俺の腕の中。

 自分で歩く気は一切ない。

 そんなにこの位置が気に入ったのだろうか。

 まあ、外を歩く分には身体が小さい分歩幅が合わないため、俺の腕の中にいてくれた方が迷子にならないからね。

 首輪でも買ってリードを付けたら自分で歩いたりするのかね。

 ………いや、無さそうだな。俺を足代わりに使ってるくらいだし。

 

「贅沢を覚えたら大変なんだぞー」

「ニャフ」

 

 ニャビーの顎の下を撫でるとクイッと首を上げてもっとやれのポーズをしてくる。

 オスのくせに可愛いやつめ。

 進化したらゴツくなるのはポケモンあるあるだし、こうして可愛がれるのも今の内だろう。

 ニャビーの顎の下を撫でながら、只管歩道を歩いていくことにする。

 立ち並ぶのはビル、ビル、ビル。そこに紛れて多分マンションもあると思うが、全部構想なため判断がつかない。

 

「サナー」

 

 すると腕を組んでくるサーナイト。

 街中で女の子に腕組まれて歩いていると客観的に見てデートしてるみたいだな。相手はポケモンだけど。しかも彼女というより娘みたいなもんだし、デートってよりは親子の休日ってところか?

 まあ、悪くはない。

 今の俺にとってはサーナイトだけがあいつらのことを知っていて、その時の俺のことも知っているんだ。結果的な話ではあるが、ダークライによって記憶を無くしていたのは、ある意味当時の俺にとっては必要なことだったのかもしれない。そうでなければ早い段階で心が壊れていただろう。今回何とか踏みとどまれているのもサーナイトやニャビーのおかけだ。それと慣れ。

 ………本当にどうしたもんかね。

 三年前ともなるとカロスに帰るだけじゃなく、元の時間軸に戻る必要もある。最終手段はある。が、それもそれで賭けに近い。となると、やはりこのまま三年経過するのを待つしかないだろう。

 これまでの時間旅行を考えると意味もなく過去の時間軸に飛ばされたとは思えないが、ウルトラホール内での事故でもある。時渡りのセレビィにとっても想定外のことかもしれないし、このまま戻れない可能性も無きにしも非ずだ。少なくともすぐにセレビィが現れるなんてことはないだろうな。何ならこっちからアプローチかけなければ気付かれないまである。ともなるとやはり最終手段であるセレビィも宛には出来ない。最悪のことを想定しておいた方がいいだろう。

 一方で、これもセレビィの想定内だったとしたら、前回と違って今回は何を目的とされているのかがさっぱりだ。タスクを熟さなければセレビィは現れないだろうし、帰られないだろう。

 どの道、今はなるようになるしかないだろうな。

 今のところ国際警察に拾われたため、活動拠点は出来たようなもの。ただ、身バレするとちょっと面倒そうではある。三年前だとまだカロスには行っていないため、カントーのポケモン協会本部所属の忠犬ハチ公である。ハンサムさんとも会っているため国際警察がマークしていないとも限らない。

 まあ、バレたところで下手に手は出されないとは思うが、念には念を越したことにはない。

 

「……おぉ」

 

 しばらく歩くと広いロータリーへと出た。中央には噴水があり、その周りを回るように車が行き先を変えている。ロータリー交差点とでも言うんだっけか。ミアレシティにもプリズムタワーのある中央はこんな感じではあるが、あそこは半分歩行者天国化してるからな。車の量でいったらこっちの方が断然多い。

 ロータリーの左側には歩行者用のゲートがある。そこに書かれているのは『4番道路』

 このゲートを潜れば4番道路に出るようだ。

 といっても4番道路がどういうところなのか知らないですけどね。どこに行き着くんだろうな。

 その横を通る車道には標識があり、注意書きがされていた。

 

『この先砂漠が広がっているため、車両損傷にご注意を!』

 

 ………え?

 4番道路の先って砂漠あんの?!

 砂漠の近くに大都会があるって、凄いところにあるな。しかも砂漠を通り抜けて次の街だろ?

 カントーやカロスではない立地だわ。

 似たようなとこでカロスの17番道路か。通称、マンムーロード。豪雪地帯のため車は通れない。歩行者も通れない。通れるのはマンムーくらいの雪に強い大型のポケモンのみ。だから歩行者はマンムーの背中に乗せてもらっての移動だ。しかも空を飛ぶのも雪が降っているため危険という、砂漠よりも過酷な道である。

 

「………何だ、あれ」

 

 そんなゲートの近くに人集りが出来ていた。

 

「ワタクシの名前はゲーチス。プラズマ団のゲーチスです。今日みなさんにお話しするのはポケモン解放についてです」

 

 マイクも使わず声を張っている風もないのに聞こえてくる野太い声。

 人集りから半分以上身体が出ている修道士のような男の集会なのだろう。

 ちょっと近づいてみるか。そんな面白そうな話では無さそうだけど。

 

「われわれ人間はポケモンとともに暮らしてきました。お互いを求め合い必要としあうパートナー。そう思っておられる方が多いでしょう。ですが本当にそうなのでしょうか? われわれ人間がそう思い込んでいるだけ……。そんなふうに考えたことはありませんか? トレーナーはポケモンに好き勝手命令している……、仕事のパートナーとしてもこきつかっている……そんなことはないとだれがはっきりと言い切れるのでしょうか」

「………そもそも考えたこともないからわかんないよ」

「だな」

「いいですか、みなさん。ポケモンは人間とは異なり未知の可能性を秘めた生き物なのです。われわれが学ぶべきところを数多く持つ存在なのです。そんなポケモンたちに対しワタクシたち人間がすべきことはなんでしょうか」

「それが解放?」

「そうです! ポケモンを解放することです!! そうしてこそ人間とポケモンははじめて対等になれるのです。みなさんポケモンと正しく付き合うためにどうすべきかよく考えてください。というところでワタクシゲーチスの話を終わらせていただきます。ご清聴感謝いたします」

 

 何の集会かと思えば、宗教の布教だな。

 ただ、気になるのはプラズマ団とか言ってたところだ。それが事実なら彼らはあのプラズマ団ということになり、三年前だから………後々事件を起こすことになるのだろう。

 そりゃ胡散臭いわけだ。

 欠伸が出るぜ。

 

「おい、そこのお前。何あくびをしている! ゲーチスさまの前だぞ!」

 

 うわっ、修道士擬きの男とは違って超高圧的だな。誰だよ、注意されてる奴。

 

「………ん? あ、俺?」

「お前以外に誰がいるというのだ!」

 

 ジロッと前にいた集団が振り向いてくるので、キョロキョロと周りを見てみると、どうやら俺のことを指していたみたいだ。

 いやん、恥ずかしい。

 

「いや、アホ臭いなと」

「なっ?!」

 

 本当のことを言ったらめっちゃ驚いてる。

 何なら観衆ですらお口あんぐり。

 

「ポケモンは人間とは異なり未知の可能性を秘めた生き物であり、学ぶべきところが多い存在なのは同意するが、だからと言っていきなり解放だとかは話が飛躍し過ぎだろ。胡散臭い。それとゲーチスさま言われても知らんし」

「お前っ!」

「良しなさいな。われわれは崇高なるポケモンを解放し、ポケモンを自由にし、ポケモンのために尽くす。それがポケモンたちにとって最高の環境となると信じてわれわれの考えを訴えているのですよ」

 

 部下だけでは歯が立たないとでも思ったのか、修道士擬きの男も参戦してきた。

 男の全体像が見えてくると、これがまた胡散臭さが増すというか何というか。あんなにジャラジャラと首に服に宝石かなんかの光物が付いていて、重たくないのだろうか。

 右眼は赤いモノクル……でいいのだろうか。スカウターと言われても違和感ない。

 

「へぇ。そりゃまたポケモン主義なことで。けど、ポケモンたちがトレーナーを見限って出て行くなら話は別だが、別れる気もないポケモンに無理矢理人間のエゴを押しつけて野生に返すなんざ、それこそアンタらの求める対等な関係とは程遠い、一方的な行為だと思うが?」

 

 奪い合う醜い世界を変えるために生き物の数を減らすとか宣っていた男もいたが、結局それは自分が望む世界を構築するために過ぎなかった。その結果としてポケモンたちの環境がよくなれば御の字みたいなところがあったように思う。

 このプラズマ団とやらの主張もポケモンたちのためと言いながら、その実ポケモンたちのためにならなさそうなんだよな。詰めが甘いというか、ポケモンの解放を訴えるのなら、解放するタイミングややり方も広めるべきだろ。生態系のことを一切考えずにただ訴えているのは、人間の思い上がったエゴでしかない。

 

「家族同然のように暮らしてきた血の繋がらない息子に、ある日突然お前は我々よりも崇高なる存在なのだ。お前は特別なのだ。我々とは違う。だから、一緒にいるべきではないと家から追い出したとなれば大問題になるぞ? アンタらの主張はそれと同等のものにしか聞こえん」

 

 それに対等を謳うのなら家族同然の扱いをされているポケモンは対等な関係だと言える。あるいは人間同士ですら対等な関係なんてそう築けるものではない。

 最初から対等やら平等を謳い文句にしている時点で怪しいんだよな………。

 

「そもそも長年トレーナーの元にいたポケモンが今更野生として適応出来るとでも? 何なら今この場で解放しても生まれた故郷から遠く離れた地で解放されたポケモンはどうなる? 自由になるどころか死しかないぞ」

「いえいえ、ワタクシたちはまずみなさんにポケモンを解放するという意志を持ってもらうことが第一目標なのですよ。君のようにポケモンと対等な関係を築けていると思い込んでいる人には特に、ね」

 

 落ち着いた和やかな口調だが、詐欺師のような目をしている。特に最後の『ね』の部分。他の人には見えないだろうが、薄らと左の口角が上がって不敵な笑みを浮かべてたぞ。

 怖い怖い。

 

「それを決めるのは俺でもアンタでもなく、こいつらポケモンじゃねぇの?」

「えぇ、そうですとも。しかし、ポケモンはトレーナーに対して忖度することもあります。それは何故か………。ボールに入れられ、逆らえないからですよ。ですから、まずはボールからの解放をと申しているのです」

 

 確かに最もらしい理由ではあるな。

 ボールに入れられていることでポケモンたちが忖度し、トレーナーが望む回答が返ってくる。ないとは言い切れない話だろう。

 

「だってよ、サーナイト」

 

 選択する側にされているサーナイトに問いてみると、めっちゃ抱きついてきた。

 そして修道士擬きの男たちを睨んでいる。

 

「うっ……」

「どうやらそのサーナイトはあなたに相当洗脳されているようですね」

 

 洗脳って………。

 最早何を言っても自分たちの都合の良いように解釈されるんだろうな。

 

「なんと?! 貴様のような人間がいるからポケモンたちがいつまでも自由になれないのだ!」

「洗脳ねぇ………。言い忘れてたが俺は見ての通りポケモントレーナーだが、ポケモンを捕まえた経験がない。逆にポケモンたちに捕まえられたと言ってもいいくらいだ。解放しようにもポケモンたちがそれを許さないだろうな」

「ちょっとワタクシには何を仰っているのか理解出来ませんね。何が言いたいのです?」

 

 こいつ、本当に都合の良いことしか耳に入らないみたいだな。

 

「こいつらの方からボールに入ったって言いたいんだよ。こいつらにも家族はいたぞ? だからちゃんと確認もしたし、どうするか本人にも選ばせた。その結果がこれだ」

「嘆かわしい。実に嘆かわしい話ですね。捕まえる前から家族も含めて洗脳するだなんて、狂気の沙汰としか思えませんよ」

 

 ダメだこりゃ。

 逆に洗脳されてるんじゃないの? って心配になる程だ。

 終わってるな。末期患者だわ。手の付けようがない。

 そりゃ、こんなのがいれば事件も起こすわな。

 

「はあ………まあ、あれだ。根本的にアンタらの主義主張は俺たちとは真逆なんだよ。………人間の言葉を理解し、種族の違うポケモン同士でも会話が通じ、人間と同じようなことが出来て、さらに技を使うことも出来る存在が、それでも人間と共存して来た。その意味こそ、真に問われるべき内容だと思ってたんだがな。アンタらにはそれが悪として映ってるんだろうな………」

 

 男の言葉を借りれば、嘆かわしい。実に嘆かわしい。

 後々事件を起こすような輩だ。碌なことしか考えてないんだろうな。

 

「お待ちなさい」

「………まだ何か?」

 

 いい感じに話も決裂して終わったんだから帰らせてくれよ。

 まだ何かあるのかよ。

 

「このまま彼を行かせてしまうのはあなたのポケモンたちが可哀想です。今ここで彼からポケモンたちを解放してあげなさい」

「「はっ!」」

 

 振り返った俺の問いには答えず、修道士擬きの男は部下たちに命令を下した。

 はあ………、今度は強行手段に出たか。

 いいのかね、こんな大勢の前で強行手段に出ちゃって。今までの布教活動が水の泡になるんじゃないの?

 

「いけ、ワルビアル!」

「いくわよ、ダストダス!」

 

 というか、こいつらも普通にポケモンをボールから出してるんですけど………?

 支離滅裂過ぎない?

 

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