ポケモントレーナー ハチマン 完   作:八橋夏目

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34話

「どうしたである? もう調べ終わったであるか?」

「そのことなんすけど、先に確認しておきたいことがありまして……」

 

 壱号さんのところに戻り、交渉のために先に色々と確認しておくことにした。

 

「聞くであるぞ」

「このテストの意味ってなんなんすか?」

「意味とは?」

「国際警察は基本人を捕まえる仕事でしょ。なのに、課題はポケモンの捕獲。標的を洗い出し、居場所を突き止める工程は犯人探しと同じでも人とポケモンを捕まえるのはわけが違う。極論ボールの開閉スイッチに触れさせればいとも簡単に捕まえられるポケモンを犯人と見立てた場合、犯人確保の訓練にすらなりませんよ。人間を取り押さえるのなら、自分の身体を張るかポケモンの技で拘束するかでしょうけど、ポケモンを捕まえるのにそんな手間かけなくてもいけるポケモンはたくさんいます。そっちが想定しているポケモンが伝説級なら話は別ですけど、それだってやりようはいくらでもある。だから、このテストの意図が掴めない」

 

 既にギラティナとやり合ってきたサーナイトなら戦えるだろうし、こっちにはダークライとクレセリアもいる。何ならウツロイドなんて反則級もいるんだ。壱号さんたちが何を想定してのことなのかはさておき、現状のようなタイムスリップとかワープさせられるようなことでもなければ、任務は遂行出来るだろう。

 

「………なるほど。君は課されたミッションをただ遂行するのではなく、その意味も考えるようであるな。だがしかし。このミッションに特に深い理由はないである! ただ君の手持ちの戦力アップを考えたまでであるぞ」

「はっ? 手持ち戦力アップ?」

 

 思わず声が漏れた。

 戦力アップって………。

 

「うむ、君の手持ちはサーナイトとニャビーとあと何かであるが、ニャビーはまだ戦力として数えられる程の強さはなかろう? となるとサーナイトたちへの負担が大きくなる。加えて任務にあたる際にはいつ如何なることが起きるか未知数である。それに対処すべく時は必ずくる。となれば、手持ちは多いに越したことはないであろう?」

 

 確かに壱号さんたちが知っているのはサーナイトとニャビーだけだ。

 それで俺の戦力アップとして、チャンピオンのポケモンと同じ種族を俺に捕獲させ、手持ちにするということか。

 

「つまり、ウルガモスを捕まえた場合、そのまま俺のポケモンになると?」

「うむ、そうであるぞ」

 

 なるほどなるほど。

 

「なら、捕獲場所をイッシュからガラルに変えたいと言っても問題なさそうですね」

「む? 捕獲場所をイッシュからガラルに変える?」

「ええ、どうせ俺の配属はガラルなんでしょ? なら、生息地が明確になっていないイッシュ地方で時間を弄ぶくらいなら、確実にいるガラル地方にさっさと行った方が得策じゃないですか」

「それはつまり、ガラル地方にはウルガモスがいると?」

「ええ、鎧島ってところに」

 

 どうせウルガモスなりポケモンを捕まえても俺のポケモンとなるのなら、捕獲してから配属じゃなくて配属されてから捕獲したってこの件に関しては問題ないはず。それでも一連のプロセスを取るというのならウルガモスは諦めるしかない。

 

「………ミッションの意味を考え、ミッションの遂行地の変更まで求めてきたのは君が初めてであるぞ」

 

 逆にみんな何も考えないで任務に当たっているのか?

 それはそれで問題だと思うが、警察というのは縦社会だって聞くし、そういうのが当たり前になっているのかもしれない。

 やはり俺が国際警察になるのはまちがっているのではないか? いくら集団行動を伴わない扱いになるとか言われても、組織自体が集団行動を是とするところなんだから…………考えるだけ無駄か。

 

「よい、上に掛け合ってみるである」

「頼んます」

 

 ひとまず、上に掛け合ってくれるようだ。

 もう少し突っ込まれるかとも思ってたんだが。こうもあっさりいってしまうとはちょっと拍子抜けだな。

 まあ、面倒なことが避けられただけ良しとしておこう。

 と言っても、また面倒なことになりそうな予感は拭えない。

 今はもう、なるようにしかならないのだし、下手に自分で動くよりも流れに身を任せた方がいいんだろうから、諦めるしかないか。

 未来の俺、あとは任せた。

 

 

 

   ✳︎   ✳︎   ✳︎

 

 

 

 翌日、上層部からのミッションの改訂版が降りてこないので、向かい側にあるジムに行ってみることにした。

 むしタイプのジムらしく、ニャビーがどこまでやれるようになったのか確かめるのには最適である。

 ただ………。

 

「開いてるみたいだが、全然人の気配がねぇ」

 

 ジムには入れたものの、受付に人がいないし、奥から誰かが出てくる様子もない。このままバトルフィールドにでも行けばいいのだろうか。

 仕方なしに奥へと続く通路を通っていく。

 通路は暗いが、その奥に灯りがあるのか真っ暗というわけでもない。ということは人がいる?

 そのまま歩いていくと扉があり、それを開いた。

 

「………いいよ、ハハコモリ。そのまま止まっててくれよ」

 

 中ではハハコモリがポーズを取り、それを題材に絵? を描いている人がいた。

 ここからだと顔がよく見えないが、あれがジムリーダーか?

 

「ふんふんふふーん」

 

 うわ、めっちゃノリノリやん。

 声掛けづらー。

 

「……………」

 

 どうしようか。

 絶対こっちには気づいてないよな。

 引き返そうかな………。

 

「ハハーリ?」

 

 あ、ハハコモリがこっちを向いた。目が合っちゃったよ。

 

「ハハーリ」

 

 いや、伝えないのかよ!

 何あのハハコモリ。スルーされたんだけど。今、目が合ったよな?

 くっ、仕方がない。すげぇ嫌だがこっちから声をかけるしかないか。

 

「あのー、ジム戦したいんすけど」

「ふんふんふーん」

 

 ………え? 無視?

 というか聞こえてない?

 

「あの! ジム戦したいんですけど!」

「おあぁ!? えっ、なに?! 挑戦者かい!?」

 

 声を張り上げたらようやく気付いてくれた。

 絵を描くのに夢中になりすぎて、周りの気配すら感じられなくなるとか、鼻歌歌ってたくせにどんだけ集中してたんだよ。

 

「挑戦者です」

「ご、ごめんね! 今すぐ用意するから!」

 

 ………なんつーか、イケメンがテンパっててもやっぱりイケメンなんだな。ハヤマとはまた違った路線だが、似たような感覚に襲われたわ。こう、なんつーの? プラターヌ博士とハヤマを足して二で割ったような………どっちもあのイケメンっぷりがイラッとするからな。

 これがトツカとかだったらどんなに目の保養になっていたか。

 ………あー、トツカにも会えないのか。コマチにも会えないし、三年程はサーナイトに癒やしてもらうしかなさそうだ。

 

「ハハーリ」

 

 バタバタとイケメンジムリーダーが画板を片付けにいく間、ハハコモリがずっとこっちを見てくる……。

 無表情なため、妙に恐怖を覚える。

 

「待たせたね!」

 

 イケメンジムリーダーが一人の男性を連れて帰ってきた。

 このジムの関係者なのだろう。審判役にでも連れてきたのかね。

 

「それじゃ、やろうか。ジム戦」

「うす」

「改めて、ボクはこのヒウンジムのジムリーダー、アーティ。このジムのルールはボクのポケモンを三体倒さなきゃいけないんだけど、大丈夫かな?」

「大丈夫っすよ」

「では、これよりヒウンジムのジム戦を始めます! 使用ポケモンは三体。どちらかのポケモンが戦闘不能になった時点でバトル終了とします! なお、ポケモンの交代はチャレンジャーのみ可能です。それでは、バトル始め!」

「いくよ、ホイーガ!」

 

 一体目はホイーガか。

 むし・どくタイプ。燃やせば何とかなるだろうが、毒には要注意だな。

 

「ニャビー、気負わずやれよ」

「ニャブ!」

 

 これが初陣となるニャビー。

 ニトロチャージを習得する過程で色々と技を覚えたため、今日はその試運転もしてみたいところであるが、果たしてニャビーがどこまでやれるか。

 まあ、ニャビーの後に控えてるポケモンたちにとっては屁でもない相手だろうがな。

 

「見たことないのポケモンだね」

「まあ、イッシュの外から来たんで」

「なるほど、そういうことかい。でも、遠慮はしないよ! ホイーガ、ころがる!」

 

 先に動いたのはホイーガ。

 車のタイヤのように丸い身体を転がしてニャビーに向けて突進してくる。

 

「ニャビー、躱してかげぶんしん」

 

 引きつけたところで分身を作り出し、ホイーガを躱した。

 

「ほのおのうず」

 

 通り過ぎて方向を変えてなお、転がり続けるホイーガに向けて炎の渦を放つ。

 これはニトロチャージの特訓をしていく過程で先に習得した技だ。

 急には止まれないホイーガは影を消しながら炎の中を転がり続け、目のある側面が焦げていた。

 

「直接狙いにいくのは得策ではないようだね。ホイーガ、いやなおと!」

 

 ようやく止まったホイーガがキキキィィィッ! という嫌な音を発し始める。それに驚いたニャビーが怯んで顔を伏せてしまった。ゆったりとしたアローラ育ちで、俺といても爆音を聞くことがなかったニャビーにとっては慣れない辛さがあることだろう。

 

「ポイズンテール!」

 

 その隙を逃すまいと、ホイーガが短い尻尾に紫色の毒素を纏い、飛び込んできた。

 

「ニャビー、後ろに思いっきり飛べ」

 

 そういうとニャビーはくるくると回転しながら後ろに飛び退いた。

 どうやら俺の意図が掴めたらしい。

 

「アクロバットでホイーガを飛び越えろ」

 

 空気を蹴って一気に加速し、紫色の尻尾が空振りに終わったホイーガの後ろに移動。

 

「ホイーガ、後ろだよ! おいうち!」

 

 タイヤのような身体を回して方向転換したホイーガがニャビーの後を追ってくる。

 

「かげぶんしん」

「なっ!?」

 

 それを分身を作って躱し、かつホイーガの動きを止めた。

 

「ほのおのうず」

 

 そして、気が逸れたホイーガの背後から炎の渦で取り囲んでいく。

 

「ホイーガ、ころがるで脱出するんだ!」

 

 まあ、そう来るよな。

 さっきは転がってるところに当てたが、取り囲まれた今、やはりホイーガが脱出できそうな技なんてそれしかない。

 

「ニャビー、渦を覆うように外側にさらにほのおのうずだ」

 

 だから動きが読みやすいというもの。

 ホイーガが出てくる前に渦の外側に新たな炎の渦を作り上げていく。

 

「もう一回」

 

 転がり出したホイーガは急には止まれない。

 

「もう一回」

 

 何度炎を踏もうとも止まったら止まったで炎の渦に呑まれるのみ。

 

「もう一回」

 

 だから転がり続けるしかないが、五つ目の渦でホイーガが限界を迎えた。焦げ焦げになったホイーガが横たわっている。

 

「………よくやった、ニャビー。お前の勝ちだ」

 

 段を追うごとに範囲が広くなる炎の渦を作り上げたニャビーも息が上がっていた。

 もう数回使ってたらガス欠を起こしてたかもな。

 

「ホイーガ、戦闘不能!」

 

 審判の判定が下され、ニャビーの初勝利となった。

 

「戻ってくれ、ホイーガ」

 

 ホイーガをボールに戻したアーティがやれやれといった感じでこちらを見てくる。

 

「驚いたよ。ポケモンの実力はまだまだこれからのように感じたから、君もてっきりトレーナーに成り立てかまだ経験が浅いものだと思ったんだけど………ボクの考えは間違いだったみたいだね。そのポケモンの実力で勝てる戦術を組み立てられるトレーナーが初心者なわけがないよ」

 

 そんなことを思われていたのか。

 そりゃまあ、ニャビーはバトル初心者だし何ならこれが初の公式バトルだけども。

 俺ってそんなに弱い印象あったのかね。どうでもいいけど。

 

「まあ、否定はしませんよ。こいつは最近仲間になったポケモンなんで、その実力を試すために来たんすから」

「だったら、そのポケモンを倒して君本来の実力を見せてもらうとしようか。イシズマイ!」

 

 これじゃあどっちが挑戦者なのだか………。

 二体目のポケモンはイシズマイ。

 むし・いわタイプでほのおタイプも相手にできてしまうむしタイプだ。ついでにひこうタイプも可。

 だからニャビーのアクロバットもほのおのうずも効果は抜群とは言えなくなり、残り一つの技を決め手にしたいところだが、まだニャビーは習得した技が少なく、その決め手がない。結局まだニトロチャージも完成していないのだ。

 やれることとしたらほのおのうずで捉えてジワジワと攻めるくらいか。あとはアクロバットを使って翻弄させるか………。

 難しいところだな。いわタイプがすごくネックだ。交代も視野に入れてバトルを組み上げることにしよう。

 

「すなかけ!」

 

 うわぁ、また面倒な技を。

 目に砂入れようとしてくるとか性格悪いなー。

 

「ニャビー、一旦イシズマイから距離を取れ」

 

 砂をかけられる前に下がらせてイシズマイから距離を取らせる。

 

「イシズマイ、ロックブラスト!」

 

 ニャビーが下がったことで、今度はその距離を埋めるように連続で岩を飛ばしてきた。

 

「かげぶんしんで惑わせろ」

「連続でロックブラスト! 影を消すんだ!」

 

 分身を作って躱すと、その分身を消すようにさらに連続で岩を飛ばしてきた。連続技の連続使用ともなれば弾数もそれなりになり、分身は消されて本体も寸でのところで横に躱すこととなってしまった。

 やはり近づけないな。

 こういう時にこそ、ニトロチャージがあると便利なんだが………。

 まあ、ないものを言ったところでどうしようもない。ある手札でどうにか活路を見出すしかないか。

 

「ほのおのうず」

 

 これ以上連続で岩を飛ばされても困るため、一度炎の渦で取り囲む。

 

「アクロバット」

 

 そして、この間にくるくると後ろへ回転しながら下がらせる。

 

「ッ!? イシズマイ、うちおとすだ!」

 

 その動きだけで何をするつもりなのかは理解したようだ。だが、炎の渦に囲まれていては狙いを定めることも難しいだろう。

 ニャビーは空気を蹴って一気に炎の渦の中へと飛び込んでいく。その間にロックブラストよりは軽そうな岩が飛んでくることもなかった。狙いを定められなかったと見ていいだろう。

 

「……はっ?」

 

 技が決まったかと思えばニャビーの方が渦の中から飛び出てきて、そのまま赤い光へと変化していく。赤い光は俺の腰にあるボールへと吸い込まれていき、別のボールが開いて新たなポケモンが飛び出てきた。

 

「サナ!」

 

 あ、よかった。サーナイトだったか。

 いや、それよりもだ。

 まさかのここでニャビー自らが交代を望むとはな。しかもそれを実行するにあたって新しく技を習得してしまうとは…………。

 とんぼがえり。

 相手の懐に飛び込んで攻撃し、そのぶつかった勢いで自ら光となりボールに吸い込まれていく技だ。しかも代わりのポケモンが勝手に選出されてしまうというね。

 いや、もしかすると交代までの一瞬の間に、ポケモン間で何らかのやり取りがあるのかもしれない。そこは人間の俺たちには分かりかねることだが、サーナイトが出てきたのなら一気に終わらせていくとしよう。

 

「とんぼがえり……。あの様子からして今習得したってところかな。イシズマイ、シザークロス!」

「サーナイト、サイコキネシス」

 

 イシズマイが動くよりも早くサーナイトが超念力でイシズマイを吹き飛ばし、イケメンジムリーダーの後方の壁に叩きつける。

 

「イシズマイ!?」

 

 振り返った先ではイシズマイが目を回していることだろう。

 審判の人も様子を伺いに向かっている。

 

「イ、イシズマイ、戦闘不能!」

 

 めっちゃ声が震えてるんだけど。

 

「も、戻れイシズマイ………! これが君本来の実力か」

「いえ、こんなの序の口っすよ」

「っ!? き、君はトレーナーとしてかなりの実力があるんだね。それはもう四天王クラスの」

 

 四天王、四天王か………。

 実はチャンピオンもちょっと経験してないこともないですって言ったらどうなるんだろうな。何なら今のメンバーでではないが、チャンピオンを倒してるし。

 サーナイトのサイコキネシスで度肝を抜かれているようじゃ、あいつらのバトルなんか見た日にはおしっこ漏らしそうだな。

 

「最後だよ、ハハコモリ!」

「ハハーリ」

 

 三体って言ってたし、本当にハハコモリが最後ってことか。

 むし・くさタイプ。燃やすのが一番手っ取り早いが、生憎サーナイトはほのおタイプの技を覚えていない。マジカルフレイムでも覚えさせたいところだが、ニャビーもいることだしまとめてやりたいとも思っている。

 

「ハハコモリ、いとをはく!」

 

 まずはサーナイトの動きを拘束して封じ込めようってところか。

 なら、こっちは躱すまで。

 

「テレポート」

 

 サーナイトが瞬間移動したことでハハコモリの口から吐かれた白い糸が空振りに終わった。

 

「こごえるかぜ」

 

 そして、ハハコモリの背後に移動していたサーナイトから冷気を送り込まれている。

 こごえるかぜ。威力は低いものの素早さが落ちるという効果を持っている技た。全身が凍りつくまでにはいかないまでも脚に凍傷程度のものは受けていることだろう。

 

「くっ、リーフブレード!」

 

 腕の葉にエネルギーを溜めてサーナイトの方へと突っ込んでくる。

 だが、踏み込みが甘く思ったようにスピードに乗れていないらしい。

 

「マジカルシャイン」

 

 態と引きつけたところで、サーナイトの身体から光を放ち、視覚を奪った。

 ハハコモリの動きは完全に止まり、攻め込まれることはない。

 

「サイコキネシス」

 

 視界が回復し切らない内にハハコモリを超念力で吹き飛ばした。

 今度はジムリーダーの左側。

 後ろの壁の両側に打ちつけた時の衝撃で、所々ひび割れしているのが見える。

 

「ハハコモリ、戦闘不能! よって勝者チャレンジャー!」

 

 ジムリーダー相手にサーナイトはここまで余裕に戦えてしまうとは。アローラ地方でも島キング・島クイーンに余裕を見せていたし、リザードンたちとバトルしたらどこまでやれるようになっているのやら。

 

「お疲れさん」

「サナ!」

「強いね、本当に。ニャビーもサーナイトもよく育てられている」

「はぁ、どうも。俺もニャビーの現状が見れてよかったっすよ」

「課題は見えたのかい?」

「今ニトロチャージを習得しようとしてるんすけど、やっぱりあれがないと選択肢が狭まるなと」

「それであれだけのバトルを組み立てられるのだから大したものだよ。あぁ、これがビードルバッジだよ。受け取って欲しい」

「んじゃまあ、ありがたく」

 

 特にイッシュ地方のバッジを集めるつもりもないのだが、くれるというのだから差し出されたジムバッジを受け取った。

 

「ところで、君たちの本気はどんなバトルになるんだい?」

「そうっすね………。進化を超えたその先にあるバトルって感じですかね。今は訳あって離れてる俺のポケモンたちとやろうものなら、俺の指示なしでもフィールドをぶっ壊されてコテンパンにされると思いますよ」

 

 本気のバトルがどんなのか聞かれてもな。

 フィールドが壊れるくらいの表現しかしようがないぞ。

 

「………ボクの想像を遥かに超えるバトルになるということだけは分かったよ」

「んじゃ、俺は帰りますよ」

「気をつけてね。最近変な集団が出てたりするから」

 

 帰ろうとしたらそんなことを言われた。

 恐らくプラズマ団のことだろう。ジムリーダーにもそういう情報は流れてくるからな。

 

「了解っす」

 

 もう出会してるなんて知ったらどういう反応するんだろうか。まあ、言わないが。

 そのままサーナイトを連れ立ってヒウンジムを後にした。

 

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