アーマードコア・オルタネイティブ― 白い鳥 ―   作:カズヨシ0509

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 どーもです。
無謀だと知りながら、性懲りもなくこっちにも手を出してしまいました。
一応続きを投稿致します。

良かったらドゾ!( ゚∀゚)ゝ


第1話―燃ゆる空―

 

 

 

 

 

アーマード・コア・ネクスト

 

 

 

 嘗て存在した企業軍の新型アーマード・コアの総称。

『アーマード・コア・ネクスト』が正式名称だが、単純に省略して『ネクスト』と呼ばれることが最も多い。

 これに対し、従来のACは『ノーマル』と呼ばれる。

国家解体戦争にてパックス(企業グループ)側により初めて実戦投入された。

なお、ネクストのパイロットは“繋がる者”という意味で『リンクス(Links)』と呼ばれている。

 

他のACに比べて高速スピード戦に特化しており、プライマルアーマー、クイックブースト、二脚型ACでのキャノン兵器の構え無し自由射撃が標準になっているなど、極めて高性能である。

 

基本シャーシ部であるコア(胴体パーツ)を中心にユニット化された各パーツや武装を任務や戦況、戦術に応じて換装して機体を構成するという点では既存のACたるノーマルと同様だが、コジマ粒子を応用したコジマ技術、生体制御機構アレゴリーマニュピレイトシステム(AMS)、そして圧倒的な火力を誇る武装を装備しており、従来の機動兵器を大幅に凌駕する戦闘能力を持つ。

特にクイックブーストやオーバードブーストによる圧倒的な高速機動性と、プライマルアーマーによる防御力はネクストに従来の兵器とは次元を異にする戦闘力を付与しており、国家解体戦争ではパックスはたった26機のネクストを以って国家の解体を成し遂げることに成功した。

 

しかしながら、操縦システムであるAMSは操縦者に適性が無いと操れず、仮に操縦が可能であっても適性が低いリンクスは強い精神負荷による凄まじい苦痛を伴う。

さらにネクストは生体に悪影響を及ぼすコジマ粒子を常に放出し、瞬間的に音速を突破する殺人的加速やキャノン兵器の自由射撃等によって齎される肉体への負担など、ネクストに乗り続けることによってリンクスの受ける心身へのダメージは計り知れず、リンクス達は短命な者が多いと謂われている。

 

国家解体戦争からリンクス戦争にかけての時代においては、ネクストは戦場の覇者にして各企業の保有する最大の戦力となっており、まさに優秀なリンクスとネクストをどれだけ保有するかがその企業の力の大きさを表してたとも言える。

だがリンクス戦争においてリンクスの希少性、そしてその希少性を機械的手段で完全に代替することが現状不可能であるという事実が露呈すると、リンクス戦争後の時代を描いたACfAではアームズフォート(AF)による物量戦が各企業の基本戦略となり、新装備の開発こそ行われるものの、リンクスとネクストは専ら企業が地上で繰り広げる小競り合いの尖兵として使い潰されるだけの存在と化していく。

とはいえ、アームズフォートでは対応困難な作戦が存在することも事実であり、ネクストはAFと比較して遥かに小型で機動力と隠密性に優れていることから、ある意味ですみ分けができている状況になったとも言える。

 

(詳しくはwikiってくだち!) ( ゚∀゚)ゝ

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 白天翼の掌には、10名足らずだが民間人がしがみ付いている。

 

彼等は振り落とされない様、必死にマニピュレーターに捕まっているが、下手にブーストで加速すれば彼等を振り落とす可能性があった。

 

万が一振り落とされようものなら、彼等の命運は一目瞭然。

 

すぐさま、あの怪物の餌食となるだろう。

 

飛鳥は細心の注意を払い、ブースターの出力を調整しながら低空飛行でクレイドルから飛び去った。

 

――高度300メートル以上は、あのレーザーの的だ。この人達を抱えたままの回避は絶対に無理。

 

高度約150メートル前後で、時速100kmの低速低空の飛行を続ける。

 

周囲を見渡せば、まだ生き残り達が怪物との戦闘を続けている。

 

GA、オーメル、インテリオルの各陣営が入り乱れ、最早乱戦と化していた。

 

其処へオペレーターからの通信が入る。

 

 

(推奨BGM Liquid Cinema - Deimos)

 

 

『――此処から退避しろ、命令だ!企業の奴等、砲撃で一気にカタを付ける気だぞっ!!』

「――!?ど、どういう事ですっ!?」

『――説明は後だ、早くしろ!巻き込まれたいのか!!』

 

――クソったれッ!

 

思いもよらぬ状況の変化に飛鳥は僅かに舌打ちした。

 

更に彼女から立て続けに怒号が飛んで来る。

 

既にミサイル攻撃は実行され、此方に向かっているのだ言う。

 

「なんてこった!まだ友軍が戦っているのに……!」

 

 企業連は、味方ごと此処を吹き飛ばす算段なのだろう。

 

生き残っているのは友軍の彼等だけではない。

 

恐らくクレイドル内には、まだ立て籠っている民間人も居る筈だ。

 

混乱の極みにある戦況に業を煮やしたのだろう。

 

企業上層部は、砲撃で早期殲滅を図る積りだ。

 

「くっ!」

 

 飛鳥は友軍から目を背け、輸送車両の居る方角へと加速しようとする。

 

『早く!ミサイルが着弾する!いや、もう間に合わねぇっ!』

 

 ユウキからの諦観に似た叫び声が聞こえて来た。

 

飛鳥は透かさずレーダーを確認する。

 

白天翼の肩部には、索敵兵装のレーダーユニット『CR-WB69RA』が搭載されている。

 

初期型の支給品だが、頭部ユニットのレーダー機能よりも遥かに優れ、未だ経験の浅い彼とって無くてはならない装備だった。

 

そのレーダーユニットが大型ミサイルの機影を捉え、瞬時に危険信号へと変換され機体のモニターへと投影される。

 

企業連の放ったミサイルは予想以上に高速で、既に直ぐ其処まで接近し、着弾は時間の問題となっていた。

 

「――ぅ!?ミサイルがっ……」

 

 飛鳥が気付いた時には、頭上に大型のミサイルが数十発、降り注がんとしていた。

 

しかしミサイルが着弾する寸前、突如として光線の束がミサイルを貫き、数十発のミサイル全て爆発を起こす。

 

「――……!」

 

 爆散したミサイル群は奇妙な粒子を撒き散らし、消失した。

 

そう、この空域で飛来する物は例外なくレーザーの餌食となるのだ。

 

「――た…助かった…のか?」

 

 高度を上げればレーザーで打ち抜かれる状況が、今は彼を救った。

 

結果的に助かり命拾いをする事になったが、オペレーターから再度通信が入る。

 

『今のは、レーザーを減衰させる撹乱膜弾頭弾だ!今の内に脱出しろ!直ぐに本命の第二波が来るぞっ!』

「――り、了……!」

 

 折角拾った命だ。

 

生き残った友軍を見捨てる形にはなってしまうが、むざむざ此処で果てる訳にはいかない。

 

今の彼にも守るべき民間人達が居るのだ。

 

運良く友軍が自力で此処を退避する事を祈ろう。

 

――申し訳ない……。

 

飛鳥は心の中で未だ奮戦する友軍へ詫びながら、再度ブースターを加速させる。

 

機体の掌へしがみ付いている民間人は、全員が防護服を着用していた。

 

これなら多少加速しても、彼等に負担は掛からないだろう。

 

後は振り落とさない様に注意を払いながら、彼はクレイドルの墜落現場から退避し脱出に成功する。

 

その後間も無く、膨大な砲弾と大型のミサイルが現場へと降り注ぎ、現場一帯は爆発の嵐に見舞われた。

 

退避した飛鳥と現場は、かなりの距離が開いていたが、それでも爆発の衝撃と轟音が此処まで伝わって来る。

 

彼は一旦ブースト移動を停止させ、現場へと視線を戻した。

 

「…あ…あれは…()()()()()()……!」

 

 視線の先には、緑色に発光した爆発現象が巻き起こっていた。

 

企業はコジマ粒子を使用した、大規模破壊兵器(戦術級コジマミサイル)を使用したのだろう。

 

コジマ粒子を使用した兵器は、深刻な汚染を引き起こす事を代償に莫大なエネルギー付加価値を齎す。

 

嘗てアーマードコアネクストが、この粒子を使用し戦場を支配していた。

 

その結果、この地上は人が住めない程に汚染が進み、人々は空へと生活の場を移す。

 

しかしコジマ汚染から逃れる為の航空プラットフォーム『クレイドル』が、コジマミサイルによって破壊され尽くし終焉を迎える。

 

何と皮肉な結果だろうか。

 

「ああ…クレイドルが……」

「我々は、これからどうすれば……」

「悪夢だ……」

 

 民間人達もその光景に息を呑み、途方に暮れていた。

 

『……移動を再開します。捕まっていて下さい』

 

 飛鳥は彼等に呼び掛け、再び後方へと移動を開始した。

 

尚も続くコジマ爆発を背に……。

 

 

 

……

 

 

 

あれから無事、輸送車両へと帰還した飛鳥。

 

カスミ・スミカからの小言は飛んで来たが、彼女もユウキも飛鳥の無事を喜んだ。

 

救出した民間人を輸送車両に乗せ、彼等は一路GAグループの駐屯地へと向かう。

 

其処では複数の部隊が駐留していた。

 

どうやら、あの作戦で生き残った友軍が他にも居たらしい。

 

その中には、クレイドルに立て籠っていた民間人も含まれ、飛鳥以外にも生存者救出を優先した部隊が居た様だ。

 

問題は彼ら民間人の処遇だが、GAグループが民間人を保護した後、自分達の本拠地へと連れ帰るとの事だ。

 

彼等にどの様な生活環境が提供されるかは、分かりかねる。

 

願わくば、心身共に疲弊した彼等に平穏が訪れん事を――。

 

飛鳥達は今回の民間人救出を基に、依頼成功と見なされ報酬が振り込まれたのを確認した。

 

しかしGAグループは正体不明の怪物についての記録映像や戦闘記録のデーター譲渡を要求する。

 

「当然、見返りは有るのだろうな?」

 

 威圧的なGA社員の対し、カスミ・スミカも負けじと凄味を利かせた口調で交渉(?)を開始。

 

莫大な追加報酬をせしめた。

 

「うぉ、相変わらず…恐い恐い……」

「……凄い迫力だ……」

 

 ユウキと飛鳥は、彼女の醸し出す殺気を含んだ迫力に慄きながら、成り行きを見守る事しか出来なかった。

 

一連のやり取りを終え、一行は交易所へと帰路に着く。

 

「そう言えば気になっていた事があるのですが?」

『どうした?』

 

 飛鳥は再びACへと戻りコックピットから語り掛ける。

 

「GA駐屯地でヘルメットも無しで顔を晒していた人達が居たのですが」

『ああ、それな』

 

 国家解体戦争から始まった今日までの紛争で、地上は深刻な汚染状態の極みにある。

 

それはコジマ粒子に起因し、生態系に悪影響を及ばす。

 

当然呼吸系統にも影響し、そんな粒子が蔓延したこの地上は、人が住むに適した環境ではなくなっている。

 

その地上に留まるには最低でも防護服が必須となり、生身を晒すのは自殺行為に等しいのだ。

 

にも拘わず、先程の駐屯地では防護服も無しに素顔を晒していた人が複数に居たのであった。

 

『実は今、現在進行形でコジマ粒子の濃度が急激に下降しているんだ。計器を見てみるといい』

 

 飛鳥の質問にユウキが答え、飛鳥はモニターに在る大気の粒子濃度計に視線を向ける。

 

「――なっ…、コジマ粒子濃度……殆ど…ゼロっ!?……これは一体……」

 

 あり得ない事だった。

 

コジマ粒子は長期間大気中に滞留し、それが深刻な汚染問題の最大要因となっているのである。

 

そして今も徐々にだがコジマ粒子の濃度が下がり続けていた。

 

『残念だが原因は分からん。あの化け物といい、コジマ粒子霧散といい、何かが変わり始めているのは確かだ。恐らく世界規模でな』

『世界規模…ですか……』

 

 スミカの言にユウキが反応する。

 

「あの怪物関連の依頼、また来るかも知れませんね」

 

 そんな二人に対し、飛鳥はあの怪物と今後も関わるのではないかという懸念を示す。

 

各々が、地球に世界に対し疑念を抱きながらも輸送車は交易所へと向かっていた。

 

 

 

……

 

 

 

飛鳥達が拠点としている交易所は、数ある中でも大規模な部類に位置し、環境面や衛生面にも配慮がなされコジマ粒子が流入しない様に、何重もの装甲壁がドーム状で交易所を覆っている。

 

その為、此処の住人達は防護服無しでも気楽に外出する事が出来た。

 

天井も装甲壁に覆われている故に、空を見る事が出来ないのは難点だったが、既にコジマ粒子で汚染され尽くした地上だ。

 

空は常に灰色に染まり、時折汚染水と放射能を含んだ灰が降り注ぐのが当たり前の環境――。

 

国家解体後に生まれた世代は、空が青いという事さえ知らない為、さして気にする事でもなかった。

 

飛鳥もそんな国家解体後に誕生した世代の一人――。

 

彼は、政府が国家解体を宣言した時と同時に、この世に誕生したのであった。

 

交易所へ帰還した後、ACを整備ハンガーへと移動させ、機体整備と弾薬の補充を整備士達へと依頼した。

 

彼の専属整備士を買って出てくれたユウキも、修理作業へと乗り出し、飛鳥自身も手伝おうとしたが”ゆっくりと休め”とユウキに言われ今こうして一人、公園のベンチに腰かけていた。

 

汚染された地上とは違い、この公園には多種多様な木々や花が生い茂り、保護された鳥類が解き放たれていた。

 

今の時刻は夜で、天井の装甲壁に備え付けられたライトが外の昼夜に応じて空の色を演出する仕組みだ。

 

そのライトが夜を演出する為、公園は暗かったが地面に設置された多数の電光飾が上向きに光を発していた。

 

その電光飾(イルミネーションライト)に照らし出された植物群は、何とも幻想的で魅惑的な光景を演じ、その目当てにこの公園を訪れる利用客も多い。

 

飛鳥もそんな中の一人で、戦場で擦り減り摩耗した人間性を癒すかのように、暇な時はよく此処へと脚を運んでいるのである。

 

何をするでもなく、何かを考えるでもなく、目を閉じゆっくりと深呼吸を繰り返す飛鳥。

 

「やっぱり此処に居たんだな」

 

 突如として声を掛けられ、慌てて振り向くと其処にはユウキが立っていた。

 

 

 

(推奨BGM 初代アーマードコア ガレージBGM)

 

 

 

「ユウキさん……。もう修理は終わったのですか?」

「ああ、何時でも出撃出来る状態なんだが。今回の依頼で、かなりの追加報酬が入ったろ。そこで、その金を使ってお前の機体を強化しようと思ってな。一応お前の意見を聞きに来たんだ」

 

 何とも律義な青年である。

 

確かに飛鳥が養った身ではあるが、戦闘経験も技術も彼等の方が遥かに上なのだ。

 

強化だけ済ませ、後付けで報告しても飛鳥には文句を言える程、成熟はしていない。

 

だからこそ、こういった真っ当な人間性を持つ彼等だ。

 

飛鳥も難無く受け入れ、二人を信頼している訳だが――。

 

勿論彼に提案を拒絶する理由など無く、機体強化については賛同の意を示した。

 

「今回の依頼で、あの怪物の数がかなり膨大である事が明らかになってな。しかも全世界規模で繁殖しているらしいぜ?」

「――全世界でっ!?なんてこった!」

 

 ユウキの告げた事実に、飛鳥は驚きの表情を見せる。

 

墜落したあのクレイドル周辺だけでも、数千という数が明らかとなった。

 

今回、飛鳥が担当したあの一帯は、クレイドルのほんの一部分に過ぎず、人類種の天敵が手に掛けたクレイドルは数十機にも及ぶ。

 

つまり今回の様な依頼が世界各地で行われていた訳だ。

 

しかも、あの気味の悪い怪物は皆例外なく、クレイドル周辺に生息していたのだと言う。

 

「お前の懸念した通り、これから先あの怪物と遭遇する事も、想定しておいた方が良い」

「……」

 

 世界中で怪物が跳梁跋扈しているとすれば、今後も遭遇戦となる事は容易に想像できる。

 

たとえ怪物とは無関係な依頼であったとしても、偶発的な遭遇戦となり得る可能性は充分にある訳だ。

 

飛鳥は暫し押し黙り、今後必要と強化個所を思案した。

 

一応ユウキに全て委託してとしても、彼なら上手く飛鳥に合わせて強化を施してくれるだろう。

 

しかしそれでは、彼に依存する事になり何時まで経っても一人立ちする事は出来ない。

 

以前彼等から”何時までも一緒にはいられない”と言われ事があった。

 

信頼に足る二人だけに、この事実は少々残念に思う。

 

故に、自分で判断し自分の意思を伝える事に意味がある筈だ。

 

「ジェネレーターとブースターの強化を重点的に……」

「――追加の射撃武器も必要になるかな」

 

 ジェネレーターは、ACのあらゆる行動に必須となるエネルギーを生み出す言わばエンジン部分でもある。

 

今迄使っていたのは、支給品である初期型とも言える機材で、生み出すパワー、余剰エネルギーを蓄電し容量を司るコンデンサーも、あまり良好とは言えず、ブーストパワーを上げて加速すれば、瞬く間にエネルギーが枯渇してしまうのだ。

 

そして今のブースターも、推力の割には消費に見合うだけの推力は得られず、些かの不自由さを感じてはいた。

 

もしハイブーストを3連続で使用してしまおうものなら、アッという間にブースト用のエネルギー切れを起こし、強制的に緊急チャージへと移行してしまい、その間はほぼ無防備に近い態勢となってしまう。

 

あの怪物でそんな事態に陥れば、直ぐにでも生きたまま食い殺されてしまうだろう。

 

クレイドル周辺で見た、生きたまま食われてゆく友軍機達。

 

恐らくブーストエネルギーを使い切った状態を補足され、餌食となったに違いない。

 

MTやノーマルACだけでなく、ACハイエンドノーマルも含まれていたのだから。

 

ユウキの追加案の様に、射撃武器も考慮する必要があるだろう。

 

実際、弾切れを起こしかけ、初期ライフル一丁ではとてもではないが弾薬が足りない。

 

千や二千を超える怪物に、弾数百発そこそこの銃一丁――。

 

割に合わな過ぎる。

 

今のブレードは、幸いにも予備兵装として格納可能だ。

 

今後は両手に射撃武器を装備する事が推奨される。

 

「分かった。その案でいこうか」

「僕も手伝いますよ。そろそろちゃんと自分で覚えないと」

 

 既に休養は充分だ。

 

戦闘だけでなく、整備や保全業務にも心血を注がねば、いざという時頼れるのは結局は自信の力量なのだ。

 

何時までも誰かに依存する訳にはいかない。

 

飛鳥はベンチから立ち上がり、ユウキと共にAC格納ハンガーへと向かった。

 

二人はまだ気付いていない。

 

交易所を覆う装甲壁の向こうでは、空の色が元の青色を取り戻しつつあるという現実に……。

 

 

 

AC格納ハンガーにて強化作業を終えた二人は、換装したパーツの性能を試す為、演習場へと機体を移動させた。

 

一応この演習場は交易所の外に位置し、野外という事になる。

 

装甲壁屋内で、爆発物や実弾を放とうものなら忽ち硝煙が充満し、居住区の環境汚染に直結するからだ。

 

主に交換したのは、ジェネレーターとブースターで、右手用のライフルもワンランク上の物に交換し、加えて左手用のライフルも追加購入し装備させる事となった。

 

初期型のジェネレーター『CR-G69』を『CR-G91』換装し、出力とコンデンサ容量が大幅に完全され、エネルギー管理もより緩和される。

 

そして初期ブースター『CR-B69』を『CR-B81』に変更。

 

このブースターは、推力よりも消費エネルギーを抑えた持続型に分類されるパーツだ。

 

それでも初期のCR-G69に比べれば、パワーも高く速度と連続噴射時間の強化が両立できた。

 

そして右手用の初期ライフル『CR-WR69R』を『CR-WR73R2』に変更し、装弾数、威力、射程距離などの総合火力が増した。

 

加えて左手用のライフル『CR-YWH05R3』を追加する事で、手数の増強が実現できた。

 

まだまだ強化する余地は残っているが、初期と比べれば総合性能は増したと言えるだろう。

 

演習場へと出た飛鳥はAC白天翼に乗り込み、早速挙動の違いを確かめる事にした。

 

ブースターを吹かし、一定時間加速と飛行を行う。

 

「おお!加速力も飛行時間も見違えるようですよ!」

 

 内装系を強化した事で、早くも機動性の違いに飛鳥は興奮気味だった。

 

ブースター速度は300km近くを弾き出し、連続滞空時間も飛躍的に増加した。

 

これだけの強化でも、機体の機動性は見違える程に進化し、行動の選択肢も大幅に増す事になる。

 

『よし次は射撃を試そう。的に向かって撃ってくれ!』

 

 ユウキが機器を操作し、演習場に幾つかの動く的が出現する。

 

飛鳥はすぐさま的をサイトに捉え、左右のライフルを試射した。

 

使用しているのは訓練用の摸擬弾ではあったが、実弾と何ら変わらぬように設計されておりデーター取得に貢献する仕様になっている。

 

主兵装である右ライフルに加え、左ライフルも追加されたのだ。

 

単純火力も倍以上に跳ね上がっていた。

 

「これはすごいっ!少しパーツを変えるだけでここまで違いが――」

 

 劇的に増した機体性能と火力に飛鳥の意識は高揚していた。

 

しかしである。

 

突然ユウキから通信が割り込んで来た。

 

『――飛鳥!今直ぐ、空を見ろ!空が()()()()()っ!』

「――っ!?」

 

 焦りを滲ませたユウキの叫びに、”何事か”と飛鳥は直ぐに頭部カメラを上方へと向けた。

 

「――……!!」

 

 信じ難い光景が上空を支配していた。

 

(推奨BGM Liquid Cinema - Of Fire and Iron)

 

空が燃えていたのだ。

 

文字通り――。

 

「燃えて…いる…空が……」

 

 夜空一面に広がる、紅くも輝かしい光の絨毯(じゅうたん)

 

更に注視すれば地上から上空に向けて、夥しい数の光が昇っている。

 

「あれは…まさか……」

 

 天に昇り行く光の束――。

 

その光には見覚えがあった。

 

先程の作戦で、何度か狙撃された正体不明のレーザー光線だ。

 

そのレーザーが膨大な数を伴い、上空に照射されているのだ。

 

そしてレーザーの行く先には、紅く橙色に輝きを染める夜空――。

 

しかしレーザーの数は過剰な程に膨大だ。

 

遠間から観測している為、正確には把握出来ないが、恐らくレーザーの数は千や二千どころではなく、の位は軽く凌駕するだろう。

 

『お…おい見ろよ、あの空をっ!』

『燃えてやがるぜ……!』

『最近、変な事ばかりが起きやがる』

『この世界も、もうお終いかもね』

 

 燃えゆく空に異常を感じたのだろう。

 

居住区から住民達が次々と演習場や野外に出て、この異常事態に騒ぎ立てている。

 

更に区内速報(ニュース)が流れ、今の異常事態を交易所全体に流していた。

 

矢張りというか何と言うか。

 

住民の中には、防護服も付けず生身のまま野外に身を置いている者達も居た。

 

どうやら此処でもコジマ粒子が霧散しつつあるようだ。

 

今迄この様な現象は一度も無かったというのに。

 

「それにしても、あのレーザーは何を撃っているでしょう?」

『”アサルトセル”だ。あのレーザーは、アサルトセルを焼き払っている』

()()()()()()ですって!?」

 

 飛鳥の問いにユウキが通信越しに応える。

 

衛星軌道上に設置された、無差別迎撃端末アサルトセル。

 

とある企業が、宇宙へと進出する他企業を妨害する為だけに設置された、悪意と傲慢の象徴(シンボル)

 

射程距離内へと侵入したありとあらゆる物体を、無差別に攻撃する自動端末だ。

 

しかし、ただそれだけの為に無計画に設置した結果、皮肉にも人類宇宙進出の夢は閉ざされてしまった。

 

過去に反企業グループ『ORCA旅団』が、閉ざされた宇宙への道を切り開こうと暗躍したが、人類種の天敵とオールドキングの虐殺行為により水泡と帰した。

 

そして今もアサルトセルは衛星軌道上を支配し続け、宇宙進出を計画していた企業連は頭を悩ませていた。

 

『企業連の望む方向に…流れたか』

「宇宙進出への動きが加速するという事ですね」

『……どうだろうな』

 

 今もこうしてアサルトセルは焼き払われつつある。

 

結果として宇宙への扉は、確かに開かれたと言っていいだろう。

 

しかし、今尚徘徊している得体の知れない、あの怪物達。

 

今も遥か遠方から照射し続けている、正体不明のレーザー群。

 

何らかの関連性はあるだろう。

 

それ等の問題を放置し事を急いだ処で、打ち上げ途中の宇宙船ごとレーザーで貫かれるのは明白だ。

 

長らくとは言わないが、仮にも世界を統治してきた組織だ。

 

何らかの手は打つだろう。

 

――この世界で、何が起こってるんだ?

 

燃えゆく夜空――。

 

昇りゆく光の束――。

 

光に焼かれ火に染め上げる一面の空を仰ぐ、住人達。

 

飛鳥は一抹の不安と疑念を抱きながら、上空を見上げていた。

 

 

 

……

 

 

 

―― あれから一週間 ――

 

 

 

(推奨BGM アーマードコア・プロジェクトファンタズマ Grip)

 

 

 

強化されたACで、数々の依頼を達成した。

 

 

 

―― 廃工場にて ――

 

 

 

廃棄されて久しい、その施設。

 

或る小企業が、その施設の権利を買い取り再利用を画策していたが、未だ稼働し続けるガードメカに頭を悩ませていた。

 

そのガードメカを排除し、安全を確保するいう飛鳥の得意とする分野だ。

 

強化されたACにとって、旧式の無人兵器など最早居ないに等しく、難無く排除を完了。

 

目的達成を確認し帰投しようとした瞬間、奇襲を受けた。

 

忘れもしない、あの薄気味悪い怪物だった。

 

クレイドルで大半を占めていた、赤く異様な手足と顎を備えた個体が襲い掛かって来たのであった。

 

工場内という閉所での戦闘。

 

不利を悟った飛鳥は、必要最小限の反撃で一旦工場外に退避し、待ち伏せしながら赤い怪物を迎撃し、次々と殲滅。

 

総数150体を越えていたが、全滅させる事が出来た。

 

そしてこの戦闘で、初めて接近戦も経験する事になった。

 

生理的嫌悪感を催す風貌だったが、意外にも体組織は脆く、初期のレーザーブレード一閃で容易に切断する事が出来た。

 

 

 

―― 小規模交易所にて ――

 

 

 

ミグラントや残骸回収業者などが集まり、細々とした取引を行う為の小さな交易所。

 

其処へ突如と来襲した、あの怪物達――。

 

50を超える甲殻を纏った種と、300を超える白く手足と歪な頭部を備えた小型の個体で構成された群れだった。

 

甲殻を纏った種は、前方に対して高い対弾性を誇っている。

 

しかしクレイドル墜落現場で遭遇し、後方は無防備である事は既に理解していた。

 

飛鳥は機体を跳躍させ低空を維持しながら、上空後方からの射撃で次々と仕留めてゆく。

 

白い小型種は数が多く、弾薬数に不安を覚えたがレーザーブレードや蹴りなどで容易く仕留める事が出来た。

 

それ程頑丈ではないのだろう。

 

武装した歩兵や正体支援火器でも充分に対応が叶い、地元の警備隊との共闘で殲滅に成功。

 

無事に依頼を達成できた。

 

 

 

―― 欧州北部での荒野 ――

 

 

 

インテリオルユニオン主導の、光学兵器試験運用の護衛任務の時だった。

 

またもや、あの怪物が群れを成して現場へと来襲。

 

今度は、1万を超える驚異的な群れを形成していた。

 

対して此方の戦力は、飛鳥のACを含めてMT20、ACノーマル6の余りに寡兵――。

 

真面にぶつかり合えば、瞬時に飲み込まれるのは明白だ。

 

しかしユニオンの試験兵器が此処で真価を発揮した。

 

幾つもの多連装レーザーキャノンが、その威力を大いに振るい怪物の群れを焼き払った。

 

それは量産型アームズフォート『ランドグラブ』に搭載されていた主砲を改良した代物だった。

 

ユニオンは、GAグループからランドグラブを鹵獲または数台購入し、主砲を自社の兵器へと換装していた。

 

その主砲は掃討戦用の多連装大型レーザーキャノンで、実戦でも運用されていた。

 

今回の試験兵器は、その主砲を流用し更に小型化と汎用性を向上させた物だった。

 

この試験運用では設置型のみだったが、主電源用の大型車両とケーブルで繋がっており、ほぼエネルギー切れを起こす事無く多連装レーザーを怪物に向けて拡散照射を繰り返す。

 

アームズフォート用の主砲と比べれば威力は格段に劣るが、連射性やエネルギー効率にも優れ照射範囲の調整にも融通が利く設計となっていた。

 

結果、残り百体足らずが討ち漏らしとなったが、それだけの数ならば脅威とはならず、護衛部隊が瞬時に全滅させた。

 

思わぬ形で試験は大成功を収め、気を良くしたユニオンは飛鳥に追加報酬を上乗せする事となった。

 

 

 

(推奨BGM 初代アーマードコア ガレージBGM)

 

 

 

日を追う毎に増大してゆく怪物との遭遇戦。

 

種別にもよるが怪物単体の質は、ACハイエンドノーマルの敵ではなく戦術や環境次第では、ACノーマルは無論の事MTや武装歩兵でも十分対応出来た。

 

しかし脅威なのは、その数である。

 

依頼を遂行する度に、怪物の数に物言わせた質量戦術。

 

生半可な少数部隊では、その膨大な質量に押し潰され怪物の餌食と成り果てるのであった。

 

かと言って高度を上げ下手に飛行すれば、何処からともなく飛来するレーザーに撃ち抜かれてしまう。

 

度重なる怪物との戦闘で飛鳥は、その戦技と戦術を高めていったが彼自身にも深刻な現実が立ちはだかっていた。

 

「弾切れ…か……」

 

 AC格納ハンガーにて端末に映し出された映像を見ながら、飛鳥は呟く。

 

「ACの武器も、本来はあの怪物を想定してなかった筈だ」

 

 飛鳥の傍にはスミカとユウキも同伴していた。

 

「あのバカげた数を相手取る為に、ACは造られていない」

「あれだけの大群だ。AC用の武器では装弾数に不安が残るな」

 

 スミカとユウキがそれぞれ見解を述べる。

 

大部隊で怪物に対応するなら、まだ解決策は存在するだろう。

 

しかし飛鳥は独立傭兵という位置付けにあり、基本的に単機で行動する。

 

もしも一万や二万を超える大軍勢と遭遇した場合、単機で対応するのは現実的ではない。

 

ほぼ姿を消した『ACネクスト』でも、無補給でそれだけの数を戦い抜けるかは疑わしい。

 

AC用のマシンガン『WR04M-PIXIE2』と呼ばれる銃器が存在し、その装弾数は1000発を超えるが生産数が少なく市場に流れ次第、即座に熟練のレイヴンや組織に買い占められてしまい中々此方には回って来なかった。

 

兎に角、装弾数の多い武器が必要となる。

 

多少威力が低くとも、怪物の皮膚は脆弱で小口径弾でも容易に貫通できるのは、せめてもの救いだ。

 

「一応、提案があるんだが……」

 

 ユウキは、モニターに一つの銃器を回覧させた。

 

「マシンガンに見えるが…この銃、正規品ではないな」

 

 モニターに映し出された銃を見たスミカは、それはAC用ではないと直ぐに見切った。

 

「実は……」

 

 ユウキは映し出された銃について説明を始めた。

 

モニターに映し出された銃は、とある回収業者(ミグラント)から横流しされた非正規品だった。

 

スミカの見解通り、AC用の武器ではなく別種の兵器用に設計された代物らしい。

 

口径そのものは36ミリ弾を採用しているらしく、威力としてはAC用のマシンガンに比べ劣るようだが、装弾数は驚異の2000発を誇るという。

 

更に銃身上前部にはアタッチメント備え、大口径砲を装備できるとの事。

 

しかし、ユウキが指し示したこの銃には大口径砲は付属しておらず、代わりにロングバレルが装着されていた。

 

貫通力と命中射程距離を伸ばし支援用として運用される事を想定しているが、ロングバレル状態でも連射は問題なく可能であるという。

 

因みに表記されたこの銃の名は『WSー16C』と呼称されていた。

 

「多少威力は落ちるが、ロングバレル化で威力は上乗せされ装弾数連射性も申し分ないが、どうする…購入しておくか?」

「……」

 

 ユウキの案に飛鳥は暫し考え込んでいたが、意を決したのか購入の意思を伝えた。

 

「あの怪物大半の防御力は、MTや歩兵用の重機関銃でも貫く事が分かっていますからね。威力よりも、装弾数を重視すべきでしょう。それにロングバレル化が成されているのなら、()()()()としても()()()()()としても臨機応変に対応出来ます。多数の怪物相手には、有利に働くかと」

「OKだ。じゃあ早速、購入手続きに移るぜ」

「そろそろ機体の外装も取り換えた方が良い」

 

 飛鳥の意を受けユウキは購入手続きに移るが、そこへスミカが機体外装の強化案を提示した。

 

飛鳥のAC『白天翼』は、未だ外装は初期のままであった。

 

決して性能は悪くないのだが、今の状態では機体性能を十分に引き出すには少々役不足でもあった。

 

初期の外装パーツは、言わば癖を無くし生存性向上の為に比較的重装甲を施してある。

 

しかし彼自身の戦術は、やや高機動よりの戦術を多用していた。

 

それなりの依頼を成功させ、資金にもそこそこの余裕がある。

 

外装パーツを取り換え、更なる強化を図るには良い時期でもあった。

 

スミカの追加案に飛鳥は深く頷き、機体性能の強化も行う事にする。

 

こうして三人は、再び遭遇するであろう怪物との戦闘に備える為、各自動き始める事になった。

 

機体の強化が一通り終わり、見た目も性能も初期とは比較にならない程に変容した白天翼。

 

試運転と演習を済ませ、幾許かの時が過ぎた。

 

 

 

―― 数日後 ――

 

 

 

『ミッションの概要を説明しましょう。依頼主はオーメル・サイエンス社。目標は正体不明の怪物、通称”BETA(ベータ)”群の殲滅です。この作戦には多数の部隊や軍が参戦し、国連軍の一方面軍でもある”ソ連軍”も参加する事になっています。今回貴方の目標は、BETAの忌々しい光線級を殲滅させる事にあります。勿論、貴方一人にお任せする訳はなく、ソ連軍特殊部隊、オーメル専属の傭兵部隊との共同作戦となります。細やかな作戦、情報詳細は現地にてお伝えいたしますので、報酬のみならず情報入手という観点から鑑みても非常に意義ある依頼ではないでしょうか。オーメルサイエンス社との繋がりを強くする好機です。そちらにとっても悪い話では、なぁいと思いますが?』

 

 自室の端末より通達された一つの依頼。

 

今回は『オーメルサイエンステクノロジー』からの依頼だった。

 

それにしても、気になる単語が幾つか存在していた。

 

「”国連”?”ソ連”?……馬鹿な。国家は解体された筈だ」

 

 既に”スミカ””ユウキ”の二人も飛鳥の部屋に集まり、()の存在を仄めかすオーメル仲介人の言葉に眉を顰める、カスミ・スミカ。

 

「それだけではありません。あの怪物”BETA”とか言っていましたか?」

 

 今迄あの怪物の固有名称が明らかになっておらず、漸く怪物の呼び名が判明した事にユウキは情報の出所を探ろうとする。

 

「だけど、あのレーザーの正体は、BETA(ベータ)でしたか?その怪物の仕業だという事がこれでハッキリしました!」

 

 今日まで、一定高度にて狙撃される正体不明のレーザー群。

 

その主体が怪物であるという事が、暫定的ながら判明したのである。

 

「請けるんだろ?」

「ええ!」

 

 スミカの問いに飛鳥は短く頷く。

 

どんな作戦であれ、あの怪物の情報が手に入るのだ。

 

オーメルとの繋がりを深めるのは少々抵抗感は否めなかったが、国連やソ連といった言葉も心残りではあった。

 

今この世界で何が起こっているのか。

 

たとえ全容を把握できなくとも、情報の有無は生死に直結すると言っても過言ではない。

 

どうやら自分の目標は、あのレーザーを撃つ怪物『光線級』とやらの殲滅らしい。

 

参加する事で、戦術や怪物の情報が手に入るだろう。

 

高額な報酬以外にも参加する理由は、十分にあった。

 

飛鳥は受諾のボタンを押し、作戦参加の意を送信する。

 

矢張りと言うか、画面上に表記された自分の残高の数字が上昇し、前金が振り込まれたのを確認する。

 

作戦決行は二日後。

 

機体の強化は今の所、充分だろう。

 

三人は各自準備に移り、飛鳥は機体の調整と戦闘訓練に時間を割いた。

 

 

 

世界は変わりつつある――。

 

 

 

確実に――。

 

 

 

次元は既に融合していた――。

 

 

 

枝分かれした様々な世界――。

 

 

 

起こり得なかった結末――。

 

 

 

イレギュラーの存在――。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

リンクス

 

 

 

ネクストは操縦にアレゴリーマニピュレイトシステム(AMS)と呼ばれる搭乗者の脳と脊椎に直接接続し、脳波を読み取る装置を使用する。このAMSを使用するためには先天性の特殊な知覚能力が必要であり、これをAMS適性という。

この才能を持ち、ネクストと『繋がる(LINKする)』者という意味で、搭乗者達はリンクス(LINKs、またはLINX)と呼ばれる。

 

AMS適性の数値自体にも保持者によって個人差があり、操縦が可能であっても適性が低いリンクスは強い精神負荷による凄まじい苦痛を味わい、中には耐え切れずに心身に変調を来たしてしまう者もいる。

またネクスト自体が生体へ悪影響を与えるコジマ技術の塊であり、AMSによる精神的負担と殺人的な機動による肉体的負担もあって、リンクスは短命であると言われている。

(一部例外も存在する)

 

基本的にリンクス達は企業管理機構に登録されており、それぞれ管理ナンバーが振られている。

特にネクストが最初に実戦に投入された国家解体戦争に参加した26人のリンクスは『オリジナル』と呼ばれ、その時の功績の大きさ順にNo.1~26までの管理ナンバーが当てられており、実戦経験の豊富さと高いAMS適性から総じて優れた戦闘能力を誇る。

No、27以降は国家解体戦争後に登録されたリンクスたちであり、単純に登録した順番になっているためリンクスとしての実戦経験はオリジナルに劣るものの、中には被験体などとしてネクストの搭乗歴自体は長い者や、上位オリジナルを凌駕する実力を持つ者もいる。

また、企業に与せず、登録ナンバーを持たない『イレギュラー』と呼ばれるリンクスも少数ながら存在している。

リンクス戦争後の時代では、各企業がリンクスの占有権を表面上放棄、企業連管轄下のリンクス管理機構カラードに管理を委ねており、リンクス達にはその実力の順にカラードランクと呼ばれるナンバーが振られている。

 

希少なAMS適性保持者かつ一騎当千の戦闘力を誇るネクストを駆る存在であることから、リンクスにはプライドが高く一種の選民的意識を持つ者も多い(特にオリジナルや歳若いリンクス)が、AMS適性はあくまでも『ネクストの操縦に必要不可欠な能力』に過ぎず、それだけでは戦闘力に直結しない。戦術的な判断力や火器の運用技量などは別個の能力であり、高いAMS適性を持ちつつ兵士としても優秀な実力も兼ねるリンクスは自ずと限られることになる。

そのため、アマジーグやアナトリアの傭兵等のようにAMS適性が低いにもかかわらず、戦闘経験と技術そのものを生かしたり、敢えて心身への負荷を受け入れて自身を追い詰めるなどして高い戦闘能力を発揮するリンクスもごく僅かではあるが存在する。

 

ちなみにAMS適性が低い上に戦闘技術も低いリンクスは粗製と呼ばれ、リンクス達の間では侮蔑の対象とされている。

 

(詳しくはwikiってくだち!) ( ゚∀゚)ゝ

 

 

 

 

 

 




 正直に言って、機械工学の事も政治的駆け引きも社会情勢のやり取りの知識も全く以て皆無な私。
調べようにも理解できる頭すらないという、末期的な状態です。( ̄ω ̄;)
書けば書く程ボロが出て来る事は、早くも分かり切っているにも拘らず書いてしまった。
まぁ、そんな駄作ではありますが、良かったら生暖かい目で読んでいって下さい。
デハマタ。( ゚∀゚)ゝ
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