アーマードコア・オルタネイティブ― 白い鳥 ―   作:カズヨシ0509

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 こっちも投稿致します。
実際ロボット物は、以前からやってみたいとは思っていました。
どこまでやれるのかは別として。
そんな稚拙な作品ではありますが。
宜しければ、読んで行って下さいな。


第2話―オーメル、光線級漸減作戦―

コジマ粒子

 

国家解体戦争の7年ほど前に発見された新物質。発見者の名を冠して「コジマ粒子」と呼ばれる。

通称はKP(Kojima Particle)。

設定上はコジマ粒子発生機構を用いて“コジマ物質”に定量で安定した電気エネルギーを加えることで発生するとされている。

 

高い軍事活用の可能性が見出されており、クイックブースト、オーバードブースト、プライマルアーマー、コジマキャノンといったネクスト技術の根幹を成すさまざまなテクノロジーに応用されている。

また、スナイパーライフルの弾丸に対する空気抵抗を軽減させるコジマゼリー塗装なども存在しており、ネクスト用の武装にコジマ技術を意識していないものはほぼ存在しない。

 

その反面、広範かつ長期に渡って生体活動に深刻な悪影響を及ぼす環境汚染原でもあり、稼働時にコジマ粒子を大量に放出するネクストは、防衛や占領などには非常に不都合であり、作戦時間やプライマルアーマーの展開などに制限が課せられることも多い。

しかし、リンクス戦争後の大規模な汚染に伴い人類の過半数が航空プラットフォーム「クレイドル」へ居住区を移した事で、ネクストはそのような制限から開放され、更にアンサラーやソルディオス・オービットのような大規模にコジマ粒子を用いる事を前提としたアームズフォートの登場も促している。

また、BFFが管理する南極のスフィアに代表されるように、コジマ粒子を用いた発電施設も存在する。

 

(詳しくはwikiってくだち!) ( ゚∀゚)ゝ

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

      ―― 作戦当日 ――

 

 

 

(推奨BGM Muv-Luv Alternative――Briefing)

 

 

 

欧州東寄りの荒野に、数多くの部隊が集結していた。

 

作戦立案者である、オーメル陣営の主力部隊。

 

オーメル傘下の企業である、ローゼンタール、テクノクラート、アルゼブラの機動部隊。

 

聞き馴れない国連組織などと名乗る一方面軍、『ソ連軍』率いる大部隊。

 

そして何処にも属さない、フリーランスの独立傭兵達。

 

通称”レイヴン”――。

 

独立傭兵を除く各陣営は役割分担が明確なのだろうか、部隊編成には統一性が見られた。

 

やや遅れて、飛鳥のAC『白天翼』を積んだ輸送車両も、駐屯地へと到着する。

 

「……かなりの大部隊だ」

 

 飛鳥は既に機体へと乗り込み、コックピットのモニターから外の映像を見ていた。

 

投影された画像には実に様々な兵器群が集結しており、戦車やヘリと云った通常兵器からMT、ACノーマル、ACハイエンドノーマル、そして少数だがアームズフォートも映し出されていた。

 

「これだけの大戦力、今回の作戦は激戦が予想されるという事か」

 

 アームズフォートまでも投入した今回の作戦――。

 

未だ嘗てない激しい作戦を予期し、飛鳥は機体内で身を強張らせる。

 

『だが気になるのは、あのACに似た人型兵器群だな。初めてお目に掛る』

 

 オペレータ席からスミカの声が聞こえて来た。

 

集結していた兵器群には見た事も無い2脚型の人型兵器が多数、見受けられスミカもユウキもその機体に関心が向いていた。

 

『あの兵器が所持している銃、WSー16Cに酷似しています!』

 

 2脚の人型兵器が所持している銃にユウキは言及した。

 

映像を部分拡大してみると、現在AC『白天翼』が装備している銃に何処と無く似ている。

 

『成程、市場に横流しされたあの銃は、あの兵器の為に開発されたという事か』

 

 WSー16Cの出所が気になっていたスミカは、一人腑に落ちた様子だった。

 

――それにしても、かなりデカい機体だ。サイズはネクストを凌駕しているぞ。

 

見た事も無い機体からして、あの兵器群が『ソ連軍』とやらを名乗る組織なのだろう。

 

飛鳥はそう見切りを付ける。

 

戦車に分類される車両、約80両。

 

ヘリなどの航空戦力、約30機。

 

企業専属、無所属含めたMT、約100機。

 

同じくACノーマル、約80機。

 

AC『白天翼』を含めたACハイエンドノーマル、8機。

 

アームズフォート『ランドクラブ』、1機。

 

同じくアームズフォート『カブラカン』、1機。

 

そして『ソ連軍』所属の大型人型兵器、約40機。

 

これだけの戦力が揃えば、ACネクスト単機になら十分太刀打ちできる程の戦力だ。

 

程無くしてオーメルから集結部隊に対し通達される。

 

どうやら作戦内容の詳細を説明すべく、各参加者達に呼び掛けている様だ。

 

全参加者は駐屯地に設置された簡易司令本部へと向かうべく、機体を降り其処へと向かった。

 

降りてみて分かるが、無所属の傭兵達の服装は実に多種多様で統一性が無い。

 

逆に言えば、個性が際立っているとも言える。

 

安全性と生存性を重視し、パイロットスーツを纏っている者。

 

それとは真逆に、目立ちたがり屋なのか虚栄心を満たす為なのか、派手な服装で飄々と振舞う者。

 

飛鳥は当然前者で、生存性を重視したパイロットスーツに身を包んでいる。

 

そして企業専属側の兵士達は、傭兵に比べ装備に統一性が見られる。

 

しかし最も異質だったのは、ソ連軍を名乗る兵士達の服装だった。

 

大まかに見た限り、パイロットスーツなのだろう。

 

だが、男性はまだしも女性パイロットの服装には正直、目のやり場に困っていた。

 

裸体と変わらぬ程に、ボディラインの強調されたデザイン。

 

特に胸部や股間部は顕著で、胸の先端部が分かる程に体の線が強調されている。

 

しかもどう言う訳か、若い女性パイロットが異様に多く、中には自分と年齢の変わらない少女まで多数存在しているではないか。

 

『おいおい、何だよありゃぁ?』

『誘ってんじゃね?』

『ちげぇねぇ!』

『作戦が終わったら、ベッドで仲良くしてぇぜ!』

 

 扇情的な格好のソ連軍女性パイロット達に、好色の目を向ける傭兵やオーメル陣営の男達。

 

それとは対照的に、女性パイロット達はそんな視線にも平然としている。

 

飛鳥もそんな彼女達に視線を向けていたが、横から声を掛けられた。

 

「……お前も年頃なのは分かるが、見過ぎだ」

「目の保養も結構だが、先ずは任務遂行が最優先だぜ?」

 

 スミカとユウキだった。

 

何故か二人とも顔がニヤニヤとしている。

 

「――なっ!?茶化さないで下さい!()()()()()で見てたんじゃないっ!」

 

「全く……マセてるな」

「青春だねぇ……お前も」

 

 飛鳥は必至に弁明するも、スミカとユウキには軽く()なされてしまう。

 

そんな三人のやり取りに、一人の少女がふと視線を向けていたのを彼等が知る由はなかった。

 

「余所見をするなイーニア。もう直ぐ説明が始まる」

「――え?あ…うん」

 

 青味を帯びた長い銀髪の少女は、もう一人の背の高い銀髪の少女に窘められ慌てて視線を戻す。

 

作戦の詳細が説明された。

 

――が。

 

先ずは、あの正体不明の怪物についての情報が開示された。

 

件の怪物は、『BETA』と呼称されている。

 

Beings of the

Extra

Terrestrial origin which is

Abversary of human race

 

”人類に敵対的な地球外起源種”という意味だ。

 

信じ難い話だったが、彼等は地球外から飛来してきた生命体で、どう言う訳か人類を敵と見なし積極的に攻撃して来る生物だった。

 

その事実に無所属の傭兵達は、俄かに騒めき始め飛鳥達も例外ではなかった。

 

彼等は皆、怪物のルーツは何処かの企業が造り上げた生物兵器ではないか、と憶測を立てていたからだ。

 

しかしその憶測は大きく外れ、BETAなる怪物は地球外生命体だと言うのだから、騒ぎ立てるのも無理はない。

 

そして、BETAの種類についての情報が開示される。

 

それ等は皆、人に対し非常に危険な種別ばかりで、特に脅威と見なされているのは光線級と呼ばれる個体であった。

 

一定高度に飛び上がった飛翔体を文字通り高出力のレーザーで撃ち落とし、この個体種のお陰で弾道ミサイルや航空機による空爆の優位性が、実質消滅した言っても過言ではない。

 

小柄な体躯に巨大な眼球らしき体組織を備え、其処から高出力光線を放つという。

 

レーザーの出力と共に、射程距離、命中精度は極めて高く、制空権はBETA側にあると言ってもいい。

 

だが逆を正せば、この光線級を無力化させてしまえば、空爆やミサイルと云った支援攻撃の効果は劇的に増すという事だ。

 

今回の主目的は、この光線級の殲滅が最優先される。

 

他にも危険な種が紹介されたが、実質光線級のみが遠距離攻撃を有し、他は近接戦闘しか攻撃手段を持たない。

 

そして作戦説明は佳境に移り、光線級殲滅の為のプランが幾つか提示された。

 

 

 

先ず第一段階として、対レーザー砲弾『AL弾』と呼ばれる弾頭弾で砲撃を行う。

 

当然、光線級はレーザーで迎撃するので、破壊されたAL弾は重金属粒子を展開させ粒子雲を形成する。

 

その粒子雲を通過したレーザーは著しく、拡散、減衰され、その威力を大幅に低減させる事が可能。

 

光線級の習性を逆手にとった、戦術だった。

 

 

 

第二段階として、更にAL弾と通常砲弾を交えた飽和攻撃を行い、多くのBETAに対し損害を図る。

 

一定濃度の重金属粒子雲を維持しながら継続的に追加砲撃を行いつつ、第三段階に移行。

 

 

 

機を見計らい、此処でACハイエンドノーマルと人型戦術歩行戦闘機を主軸とした混成部隊を投入。

 

そこで、再突入殻と呼ばれるカーゴブロックに機体を搭載させ、VLSで高度2000メートルまで打ち上げる。

 

突入殻はその高度で分離し、BETA軍へと降下突入を図る。

 

分離の際、突入殻には対レーザー処理が施されAL弾と同様の効果を持つ為、対レーザーの盾としても機能する。

 

また分離した突入殻は先行して地上に落下し、その重量と質量兵器としてBETAを押し潰す役割も併せ持つ。

 

突入を果たした混成部隊は、そのまま光線級を目指し漸減を図る。

 

 

 

そして最終段階として、MT、ACノーマル部隊が全力進撃を行い、アームズフォートの支援砲撃を交えつつ『カブラカン』で地ならし、BETA群を殲滅するという作戦だった。

 

当然この作戦、特に突入を担当する混成部隊には極めて高いリスクが伴い、ハイエンドノーマルを駆る傭兵からは不満の声が続出した。

 

しかし、幾ら彼等が反論した処で作戦要項に変更はなく、予定通り決行される事となる。

 

そんな傭兵達に比べ、企業、国家所属の正規兵達は無言で敬礼するのみだった。

 

作戦説明が終わり、各陣営はそれぞれ持ち場へと慌ただしく動き始めた。

 

「結局、『国連』とやらの詳細を聞く事は叶わなかったか」

「仕方ありませんよ。あの怪物…『BETA』でしたか?アレらの情報が入っただけでも良しとしましょう」

 

 持ち場に就いていた、スミカとユウキ。

 

彼等はアームズフォート『ランドクラブ』に設置されている、第2ブリッジへと移動していた。

 

その場所で、友軍機の管制(オペレート)や各戦況分析を行う為だ。

 

尤も雇用した傭兵達の、不正や反逆を監視すると言う意味合いも含まれているが。

 

飛鳥もACを起動させ、アームズフォートのVLSへと移動を開始していた。

 

彼の『白天翼』はハイエンドノーマルに分類される為、対光線級の先鋒としての役割を与えられていた。

 

VLS発射と機体オペレートは基本的にランドクラブで行われ、カブラカンはあくまで残敵掃討用に使用される予定だ。

 

「ACの外装は、対光学兵器を考慮しているのか?」

「ええ、一応は……しかし、ACの装甲だけであの高出力レーザーを照射され続ければ、一溜りも無いのは確実です!」

 

 スミカの問いにユウキは応え、白天翼の外装は全て換装を終え、その外観は最早別物と言っていいだろう。

 

頭部を初期の『CR-H69S』から『CR-YH70S2』へ換装。

 

この頭部は、CR-H69Sを改修したもので、基本性能に優れたパーツだ。

 

装備負荷はやや上昇しているものの、防御力も実弾、対光学兵器ともに上昇している。

 

次に腕部を初期の『CR-A69S』を『A01-GALAGO』に換装。

 

これも機体重量の増加を代償に、優れた防御力をと射撃適性を誇るパーツだ。

 

腕に続き脚部も換装。

 

初期脚部『CR-LH69S』を『LH01-LYNX』に変更。

 

積載重量を犠牲にしたが、初期に比べ更なるレーザー防御効果を獲得。

 

但し、機体負荷の増加とブースト燃費の悪化を招く事になった。

 

最後にACの核となる胴体部のコアパーツ。

 

これも初期の『CRーC69U』から『CRーC75U2』へと変更し、総合性能向上を獲得するに至った。

 

多少対レーザー防御を代償に支払ったが、汎用性は大きく上昇している。

 

更には、冷却器であるラジエーター、FCS、等も変更を加え、近接武器であるブレードにも若干の変更が加えられた。

 

機体の外観と共に挙動も大きく変化し、白天翼は一定の防御を維持した運動性よりの汎用型となった。

 

特化した性能ではないが、総合的バランスに優れた扱い易い機体と言える。

 

今後は作戦内容に応じて装備を換装する事で、戦術に幅を持たせる事が出来るだろう。

 

しかし、まだまだ改良の余地は残されている。

 

これから技術が進歩し、更なる高機能を備えたパーツが現れるかも知れない。

 

AC『白天翼』は、まだまだ進化の可能性を秘めていた。

 

『こちら白天翼、出撃準備整いました。オペレーター、聞こえますか?』

 

 VLSに収納されたACから通信が入る。

 

VLSには再突入殻が収納され、その内部には飛鳥のACが格納されていた。

 

いつでも発射できる態勢だ。

 

「ああ、よく聞こえる。もう間もなく作戦が開始されるが、今度はかなり難度が高い!集中力を切らすなよ!」

『はいっ!』

 

 スミカなりの激励を受け、飛鳥は待機状態を維持する。

 

砲撃が開始され、ある程度のBETA群に被害を与える迄、基本的に飛鳥達の出番はない。

 

彼はコックピット内で静かに目を閉じ、ソ連軍所属の人型兵器を思い返していた。

 

――戦術歩行戦闘機…か…ACとは違った兵器だったな。何故今更あんなモノが……?

 

各部パーツを変更する事で、あらゆる戦況に対応出来るAC。

 

しかし先ほど見た戦術歩行機は、各部パーツに統一性が見受けられ、どちらかと言えばACノーマルに近い印象を抱かせていた。

 

――それに『国連』に『ソ連』……。既に国家は解体された筈なのに、未だに国そのものが残存しているかのような発言……。国が復古したのだろうか?

 

十数年前にACネクストによって国という概念が破壊され、世界は企業が統治する事になり今に至っている。

 

様々な憶測を立ててはみるものの、結局明確な答えなど出る訳もなく、飛鳥は気持ちを落ち着かせ静かに時が来るのを待つ事にした。

 

一方、作戦第一段階に向け、各部署の兵士達は慌ただしく動き回り、着々と準備を進めていた。

 

『戦車部隊、自走砲部隊、ロケット砲を含めた各種車両部隊、配置完了!』

『砲撃型MT、狙撃型ノーマル及び支援射撃型ノーマルの、各機準備宜し!』

『各種砲台へのAL弾、装填終わる!』

『先行突入部隊のVLS、発射準備完了!』

『各部隊へのデータリンクを確認、目標誤差修正良し!』

 

 各部署からの準備完了の報が、次々と旗艦を務めるランドクラブへと寄せられ、いよいよ作戦開始は秒読み段階へと移る。

 

『ランドクラブ主砲び副砲、砲撃地点へと目標合わせ!』

『BETA群、依然動きなし!』

『作戦開始まで、3…2…1……』

『――ミッション開始っ!!』

 

 

 

「――一斉砲撃始めぇっ!!」

 

 

 

ランドクラブ第一ブリッジにて、作戦開始と同時に砲撃命令が下された。

 

Muv-Luv Alternative――It!

 

ランドクラブの主砲、巨大口径の3連装砲が上空へと火を噴いた。

 

41センチ口径3連装4基の計12砲身から大型のAL弾が投射され、それを合図に多数配置された副砲、MT、ノーマル等の各砲撃部隊が一斉に砲弾を放つ。

 

全砲撃部隊から投射される、膨大な数のAL弾。

 

砲撃の反動で発生した振動は、ランドクラブ内のVLSにまで伝わっていた。

 

――始まったっ!

 

VLSから再突入殻、そしてACコックピットにまで到達する振動。

 

それを感じ取った飛鳥は、目を見開き姿勢を正す。

 

否が応にも気持ちが昂り、緊張感が身を強張らせた。

 

これからあの薄気味悪い光線級の群れへと突っ込むのだ、文字通り。

 

被弾こそしなかったものの、あのレーザーの恐怖は今でも鮮明に覚えている。

 

間違い無くレーザーの嵐に晒され、一歩でも判断を誤れば、そこで一巻の終わりだ。

 

一応、対光学兵器用の盾が支給品として、再突入殻に格納されていた。

 

オーメルの説明では、AC用ではなく本来は戦術歩行戦闘機用に開発された代物らしい。

 

気休め程度かも知れないが、防御用の兵装があるのなら有効活用しない手はない。

 

少しでも生存率を高める為には、使える物は何でも使う必要がある。

 

戦場とはそれ程に過酷な環境なのだ。

 

だが、気を張り詰めているのは自分だけではない筈だ。

 

自分と同様に、突入部隊に組み込まれた、幾多の友軍機達。

 

彼等も差異こそあれど同じ気持ちを抱いているだろう。

 

飛鳥は何気無く、側面に意識を傾けた。

 

何か確証がある訳でもない。

 

ただ気になるのだ。

 

漠然とした()()が――。

 

「何だろう?…包み込むような柔らかい()を感じる」

 

 五感ではない。

 

非常に曖昧な()()が、側面から流れて来るのだ。

 

依然『クレイドル』調査で迂闊にも高度を上げ、レーザー群に晒された。

 

しかし狙撃される直前、頭に何かをぶつけられるかの様な圧迫感と熱を直感的に感じ取り、半ば反射的に機体を動かし、偶然レ-ザーを躱す事が出来た。

 

今感じ取れる感覚は、その様な圧迫感とは、また異質のものだ。

 

何処と無く柔らかく包み込まれ、安堵感さえ覚える。

 

「どうしてしまったんだ僕は……、だけど…悪くない…この感覚……」

 

 暫しの間意識を傾けていたが、やがて視線を戻し、その感覚に身を委ねながらも自分の出番を静かに待つ。

 

時を同じくして――。

 

あるVLS内部にて――。

 

「橙色……あったかい」

「どうした、イーニア?」

 

 戦術機コックピット内で、二人の少女が乗り込んでいた。

 

「橙色の火……今は…とても小さく、優しく、暖かい……」

 

 その戦術機は複座型の特別製で、Su-27ジュラーブリクをベースに強化改良された機体だ。

 

「一体どうしたと言うんだ?さっきの作戦説明でも、余所見ばかり……」

 

 座席後部の銀髪の少女、クリスカ=ビャーチェノワは苦楽を共にして来た同胞を気に掛けた。

 

既に作戦は開始され、間も無く第二段階へ移行しようとしている。

 

一瞬の迷いが、()に繋がる作戦だというのに。

 

「クリスカ、大丈夫。寧ろ、すごく落ち着く……こんな事…初めて」

「イーニア?」

 

 クリスカの心配を余所に、イーニアの口調は芯の通ったものだった。

 

少々気になったのは、彼女が側面に意識を向けている事か。

 

――側面に何か有るのか?こんな事は一度も無かったぞ。

 

過去に前例のないイーニアの奇行に、クリスカは眉を顰め同じく側面に意識を傾けるが、何も感じる事は無かった。

 

――まぁいい。我々は役割を果たすだけだ。

 

クリスカは、気持ちを落ち着けゆっくりと呼吸を整える。

 

 

 

その頃戦場では、過剰とも言える砲撃がBETA群に降り注ぎ、至る所で激しい爆発が巻き起こっていた。

 

『重金属粒子雲!一定濃度に到達っ!』

『光線級のレーザー減衰率、50%を維持!』

 

 多数のAL弾がレーザーに撃ち落とされ、その砲弾に内包された粒子が散布され粒子雲を形成した。

 

その粒子は光線級のレーザーを、減衰拡散させる効果を有す。

 

アームズフォート内の各通信士からの報告で、重金属粒子雲が一定濃度に達した事を告げられ、次第にAL砲弾が迎撃される数を減らし着実に地上へと着弾している。

 

様々な大口径砲弾が炸裂し、その爆風で多数のBETAが吹き飛ばされた。

 

しかし、を軽く凌駕する大群の前には、今の被害は無きに等しい。

 

『これより第二段階へと移行!通常砲弾とAL弾を織り交ぜよ!多弾頭ミサイル攻撃も加える、発射用意っ!』

 

 作戦第二段階を宣言した指揮官は、適度にAL弾を織り交ぜつつ通常砲撃とミサイル攻撃を指示した。

 

その命を受けた砲撃部隊は、通常砲弾へと切り替え手順に移る。

 

ミサイル攻撃を担当していた部隊は、既に装填を終え命令が下り次第いつでも発射できる態勢だ。

 

装填されたミサイルは範囲攻撃を重視した弾頭が大半を占め、中には多弾頭ミサイルも含まれていた。

 

GAグループの子会社『MSAC社製』の多弾頭ミサイル『SALINE05』を装填したノーマルも存在している。

 

この多弾頭ミサイルは、嘗て『人類種の天敵』を屠ったACネクスト『ホワイトグリント』が装備していた事でも有名で、その知名度は極めて高い。

 

本来はACネクストの武装ではあるが、今回の作戦用にACノーマルでも運用できるよう、急遽改造を施していた。

 

そもそも、データーリンクはアームズフォートから提供される為、SALINE05を装備しているノーマルは発射するだけで良いのである。

 

 

 

『――てぇっ!!』

 

 

 

指揮官からの発射命令が下され、各部隊は再び砲撃を開始。

 

通常砲弾、ロケット弾、各種ミサイルを織り交ぜた飽和攻撃が開始された。

 

作戦第二段階へと移ったのである。

 

上空高く打ち上げられた各種弾頭。

 

当然、BETA光線級は逸早くこれを察知し、一斉にレーザーを解き放つ。

 

光線級、重光線級の放った怒涛のレーザーが弾頭に命中し空中で爆散するが、撃墜を免れた砲弾が明らかに増加していた。

 

先程放ったAL弾が功を成したのだろう。

 

形成された重金属粒子雲が、透過したレーザーを乱反射や減衰を齎し、その威力を低減させていた。

 

第一段階とは比較にならない程の砲弾が地表に着弾し、次々とBETA群を爆散、粉砕させた。

 

最も生息比率の高い『戦車級』と呼ばれる個体種は無論、前面防御に長けた『突撃級』、高い防御と攻撃力を有す『要撃級』も、砲弾とミサイルの餌食となり成す術も無く犠牲となる。

 

『命中を確認!効果有りを(みと)む!』

『宜しいっ!AL弾も混ぜつつ砲撃を続けよっ!』

 

 順調に第二段階も進行し、『オーメル』『ソ連』の連合軍は着実に成果を上げる。

 

だが怒涛の砲撃は光線級には未だ到達しておらず、尚も彼等は健在であった。

 

大まかな位置を特定は出来たが、光線級は基本、BETA群の最後尾近くに陣取る事が殆どで、大抵は大型種のBETAに守られている。

 

今回の主目的はあくまで、BETA光線級の排除と有用な戦術構築にある。

 

『BETA群、進軍を開始!真っ直ぐ此方へ突撃して来ますっ!!』

 

 第一ブリッジ内のオペレーターから、焦燥を含んだ声音で報告が来る。

 

『慌てるな予定通りだ!これより第三第階へと移行!突入混成部隊、射出用意っ!護衛部隊は砲撃部隊前へと展開、BETA群の進撃を食い止めよっ!』

 

 この動きも想定内なのだろう。

 

司令官は眉一つ動かす事なく、作戦を次の段階へと移行させた。

 

突撃級を前面に押し出したBETA大群が連合軍本隊へと迫り来るが、逆に光線級から引き離す事にも繋がる。

 

その隙を利用し、混成突入部隊を投入すれば光線級撃破の成功率も、より上昇するというものだ。

 

指令からの命が下り、護衛を担当していたMT、ACノーマル、戦術歩行戦闘機は陣形を組み、BETA進軍を持ち構える。

 

VLS内に設置された再突入殻。

 

突入担当のACと戦術機の彼等にも、作戦第三段階の報が告げられた。

 

『いよいよだな、敵陣真っ只中に突っ込んでの戦闘だ!未だ嘗てない程の過酷な激戦となる、しかし不様でもいい、危険だと判断すれば即退避しろっ、いいな!』

「ええっ!承知しています!」

 

 アームズフォート第二ブリッジから、通達されるスミカの声。

 

一応、作戦に参加しているとは言え、飛鳥は独立傭兵という立場だ。

 

仮に敵前逃亡したとしても、依頼主からは評価と信用を落とすだけで済む。

 

ベテランリンクスでもあったスミカにとって、企業連のやり口は嫌という程に熟知している。

 

何も命と身命を掛けて迄、忠義を尽くすには値しない組織だ。

 

本当に危険と判断すれば、即退避を通達する積りでいた。

 

一応彼女等はアームズフォート内に居る為、半ば監視状態ではあるが、いざとなれば生身で脱出する位の実力を有しているので、二人に関しては特に問題ないだろう。

 

「ふぅぅ~……、いよいよか!」

 

 コックピット内にアラームが鳴り響き、射出が近い事を飛鳥は悟る。

 

『混成突入部隊、第一陣としてAC部隊が投入される。奮闘を期待する!』

 

 オーメル専属の通信士から通達が入り、カウントダウンに移った。

 

――国連に戦術歩行戦闘機……聞いた事も無いが、気にするのは生き残ってからだ!

 

 

 

(推奨BGM Muv-Luv Alternative――Chi WO Hossoru Senjou)

 

 

 

『スリー、ツー、ワン……ゼロ!』

 

 やがてカウントがゼロを指し示し、同時にVLSハッチが開く。

 

そして再突入殻のエンジンユニットに点火、勢いよくロケットノズルが噴射し再突入殻が、天高く打ち上げられた。

 

どうやら飛鳥の再突入殻が最初に射出されたらしく、続けて次々とACを内包した再突入殻が打ち上げられる。

 

ロケットノズルから噴煙を撒き散らし、宛らミサイルの如く天空へと昇り行くAC達。

 

目指すは高度2000メートル。

 

順調に高度を上げるAC達であったが、案の定レーザーの洗礼を受ける事になった。

 

幸か不幸か真っ先に狙われたのは、飛鳥を収納する再突入殻だった。

 

重光線級の放った高出力レーザーが、再突入殻を照射し容赦なく焼いてゆく。

 

実は再突入殻の信頼度は91%と言われており、100機中9機が何も出来ぬままレーザーの餌食になると言う。

 

故にこの再突入殻は、棺桶とも比喩されていた。

 

『――不味い!飛鳥がっ、オートパージはッ……機能しないかっ!』

『焦るなユウキ、此方から信号を送り、遠隔操作で強制解除させる!』

 

 一応、目標高度に到達する前に照射を受けたとしても自動でパージされる機能は有していた。

 

しかし、確実に機能するとは限らず、いつの世でも不測の事態は発生するものだ。

 

当然オペレーター側からも、飛鳥の様子はリアルタイムでモニタリングされており、彼が真っ先にレーザー照射を受けている事は把握していた。

 

だが自動解除は機能不全で、焦るユウキを余所にスミカが強制解除の信号を飛鳥へと送信した。

 

『……強制解除、機能せず……!』

『――ちっ!オーメル共め、不良品を寄越しやがってっ!!』

 

 信号を何度も送信し強制解除を試みるものの、再突入殻は微動だにせずレーザーに照射され続けていた。

 

今の所何とか耐えていられるのは、AL弾の重金属粒子雲が機能しているからだ。

 

自然状況下でレーザーが放たれていれば、とっくに爆散していただろう。

 

『クソったれ!反応が無いっ!』

『飛鳥、飛鳥ぁっ!聞こえるかっ!中から何とかして脱出しろ!内部温度が危険域に上昇している!』

「――もうやってますっ!ええぃクソっ、やたらと頑丈だ、このカーゴブロック!!」

 

 数秒とはいえ重光線級のレーザーに長時間晒され、殻の外装部分は赤熱化し、それに伴う高温は内部にも影響を及ぼしていた。

 

飛鳥とて他力本願で静観していた訳ではなく、内部から脱出を試みていたが殻の対弾性、耐熱性の構造が完全に裏目となりビクともしない。

 

「――だ、駄目だっ、爆発する……!」

 

 既に内部で小規模の爆発が至る所で発生し、爆散は時間の問題となっていた。

 

――が、その時である。

 

偶然の産物か運命が味方したのか、レーザーが殻のロックユニットを焼き切り、自動解除プログラムが作動。

 

再突入殻は爆散と同時に分離し、損傷は有るもののロケットブースターが点火する事で、ACよりも先に地上へ向け落下を開始した。

 

当然、分離した再突入殻もレーザーに晒されるが、底面部分は特に対光学兵器を重視して造られている。

 

更に粒子雲で、減衰したレーザーに耐えながら地表へと落下を続けた。

 

「……な…なんとか、助かったっ……!」

 

 爆発に巻き込まれ若干の損傷はあれど、戦闘そのものに何ら支障はなく、取り敢えずは安堵した飛鳥。

 

『――おいっ!無事なのかっ!?』

「何とか生きてます!これより降下を開始します!」

『……ふぅ…、ヒヤッとしたぜ……』

 

 爆散の映像はオペレーター側にも届いていた為、最悪の状況を覚悟していたが、飛鳥の無事を確認しユウキは大きく息を吐く。

 

『オーメルめ…ミッションが終わったら覚えていろよっ……!』

 

 不良品を掴まされた事に、スミカは静かながら激しい怒りを顕わにしていた。

 

 

 

(推奨BGM Armored Core3――Artifical Sky III )

 

 

 

予定の高度には到達出来なかったが、何とか再突入殻から分離に成功しAC『白天翼』は、ブースターを吹かしながら自由落下の速度を上乗せし、地表へと高速落下を開始。

 

AL弾の効果は未だ残ってはいたが下手に上空に留まれば、再度光線級の的になるのは自明の理。

 

――!っ来るっ!

 

異様な圧迫感を感じ取り、再度スラスターを吹かし機体を横方向へ僅かにズラす。

 

すると、間も無くして高出力のレーザーが横を通り過ぎた。

 

そして後から鳴り響く、熱源接近の警報。

 

「――ポンコツめ!役に立ってないじゃないかっ!」

 

 この作戦に合わせて、オーメル陣営からレーザー回避プログラムが支給されていた。

 

しかし、その精度は見ての通り、お察しの水準である。

 

飛鳥はレーザー回避プログラムを停止させ、自分の勘を信じる事にした。

 

そもそもレーザーに撃たれてからプログラムが作動しているようでは、只の重荷にしかならないのだ。

 

その後も次々と感じ取る不快な圧迫感――。

 

飛鳥はそのを信じ、機体の姿勢を捻り、小刻みにブースターで軸移動し、ハイブーストで射線を外しながら、絶え間なく雪崩れ込んで来るレーザーの嵐を悉く躱す。

 

とは言え、数百を超える全てのレーザーを全弾回避出来る訳にはいかず、一、二発は、接触を許す事になった。

 

尤も、それ等は全て支給された追加装甲()で遮断したが。

 

幾ら高出力とは言え、初期照射の間に照射地点をズラしながら回避行動を執れば、充分に凌ぐ事が出来た。

 

元々は戦術歩行戦闘機の為の防御兵装であったが、オーメルが独自に改良を施し対光学処理を上昇させた代物であった。

 

――と言った処で偽りの善意、実験の意味合いも兼ね死んだ処で、大した痛手とはならない傭兵に支給する事で、運用データーを取ろうとする企業連独特の思惑が働いてはいるのだが。

 

「――よし!もう直ぐ地表だっ!」

 

 高度200メートルを切り、夥しいレーザーも殆ど殺到する事は無くなった。

 

ACより先んじて落下した再突入殻の残骸は、幾つかのBETAを押し潰し損害を与え、その役割を果たしていた。

 

――あの個体種、確か『要撃級』と言ったか?

 

飛鳥はツルハシ状の腕部と歯を喰いしばったかの様な尾を持つBETAに、狙いを定める。

 

そしてそのまま自由落下に任せ、盾の先端部を要撃級の背に突き刺した。

 

要撃級の背は盾の先端部に深く食い込み、赤い体液を撒き散らしながらACを振り解こうと暴れ狂う。

 

この盾は先端部を尖らせる事で、打突兵器としての機能も付加されていた。

 

BETAとの大群と真正面からぶつかり合う事を想定しての配慮だった。

 

「――大人しくしろっ!」

 

 飛鳥は、もう片方に装着されている『WS-16C』を顔に似た尾節部分に弾丸を3点射(スリーバースト)

 

続いて盾を引き抜き、その傷口に向け弾丸を2発叩き込み『要撃級』を沈黙させた。

 

――顔に似た部分、確か感覚を司る器官だったか。一応それだけでも破壊すれば、戦闘力を大きく減衰させる事は可能か。

 

主目的はあくまで光線級だが、進軍に脅威となる個体種は状況が許す限りで倒せばいい。

 

たとえ確殺に至らずとも、後続の友軍機や砲撃が止めを刺してくれるだろう。

 

直ぐ其処までBETAが群れを成して此方に殺到している。

 

十中八九、標的は彼とACだろう事は間違いない。

 

飛鳥は小ジャンプで無力化した要撃級から離れ、只管に光線級の陣取る陣地を目指す事にした。

 

飛鳥の上空では、先程から機体が爆散する音と分離した再突入殻が落下し、周囲のBETAを押し潰す様が見て取れた。

 

恐らく哀れにも空中でレーザーの餌食となった友軍機、そして分離を終えた友軍機が入り混じっているのだろう。

 

彼等への意識を必要最小限に留め、突撃級、要撃級に飛び乗りながら上方、或いは後方側面から、BETAの戦闘力を次々と消失させた。

 

止めには至っていないが、弾薬も無限ではない。

 

最悪攻撃力や機動力さえ奪えば、後続の味方が止めを刺してくれる。

 

現に降下を成功させたAC達が順次、BETAとの戦闘を繰り広げていた。

 

皆状況を理解しているのか一路、光線級の方へと向かおうとしている。

 

光線級の陣地へはまだまだ距離があり、一気に飛行したい処だが下手に高度を上げる事は出来ない。

 

現在AC『白天翼』が装備している突撃砲は、WS-16Cにロングバレルを装着した本来狙撃や支援に威力を発揮するタイプだ。

 

しかし飛鳥は長砲身が齎す弾道安定化による威力上昇に目を付け、これをACのライフルに見立て運用していた。

 

威力が上がれば結果的に弾薬の節約にも繋がり、大群を相手にする状況では経戦能力が重視される。

 

一応、弾薬補給の為にコンテナが投下される事は作戦説明で聞いていたが、この乱戦状況では真面に補給する事は容易では無いだろう。

 

飛鳥の得意とする距離は近距離と中距離戦ではあったが、ロングバレル化を施したこの突撃砲は、彼にとって都合が良かったのだった。

 

貫通力を増した銃で急所さえ射抜けば、『戦車級』なら一撃で仕留める事が出来る。

 

飛鳥はジャンプ攻撃と小刻みなブースト機動を織り交ぜながら、殆ど脚部を地に着ける事無く単発でBETAを仕留めてゆく。

 

戦況は佳境を迎えようとしていた。

 

 

 

 

 

機体アセンブル

 

頭部:CR-YH70S2

 

胴体部:CRーC75U2

 

腕部:A01-GALAGO

 

脚部:LH01-LYNX

 

ジェネレーター:CR-G91

 

ブースター:CR-B81

 

ラジエーター:CRーR76

 

FCS:MF03-VOLUTE2

 

右手武装:WSー16C

 

左手武装:追加装甲防盾・オーメル仕様(CR-YWH05R3は盾にマウント)

 

右背部武装:CRーWB69RA

 

左背部武装:CRーWB69M

 

左格納武装:WL01LB-ELF

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

クレイドル

 

超巨大航空機。

リンクス戦争によりコジマ粒子で汚染された地上から避難するために建造された居住用の高空プラットフォームである。

高度7000m(アサルト・セルの影響を受けない限界高度)を半永久的に飛び続けるようで、その構造から地上への着陸は想定されていないと見られる。

GA製とインテリオル製のものがあり、それぞれ企業ごとに航行ルートが制定されている。また他の企業はどちらかからレンタルしており、企業連の盟主たるオーメルもその例に漏れない。

エネルギー供給を地上からの送電設備アルテリアに完全依存した設計であるため、飛行ルートはアルテリアのエネルギー供給可能範囲内を辿るような形になる。

また、アルテリアに何らかの障害が発生するなどした場合には、基幹インフラに相当の影響が出る。

企業連設立時の時代では、人類の過半数がこのクレイドルに移り住んでいる。

また、企業の要人は有澤隆文等の例外を除いた殆どがこちらに住んでおり、この時代の企業支配体制を指す言葉でもある。

ただし、クレイドル間での移動は、"一旦地上に降りてから別のクレイドルに飛び立つ"という手法がとられており、自ずとクレイドル同士での交流はかなり少ないようである。

中央ブロックにはアルテリアからエネルギーを受け取る受信板がある。

 

(詳しくはwikiってくだち!) ( ゚∀゚)ゝ

 

 

 

 

 

 




 やっと、マブラヴ側のキャラを出せました。
搭乗している機体は、本編より前の古い機種となっていますが、これには理由が有ります。
まぁ半分ネタバレみたいなもんですが、彼女ら初登場よりも前の時期という訳です。

如何だったでしょうか?
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
デハマタ。( ゚∀゚)ゝ

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