悪役令嬢「わたくしを断罪ですって!?受けて立ちますわ、闇のゲームで!」   作:sesamer

13 / 13
 挿絵を更新したので初投稿です。
 今回はエースモンスターも描いた(ハルバードラゴン)ので色塗りは凄く適当なことに...
 モンスター描くことの難しさを痛感して、改めてカズキングに尊敬の念が...え?KONAMIはって?んにゃぴ...



料理人が戦士だとしても間違いなくハンバーガーは戦士じゃない

 乙女ゲームと遊戯王を悪魔合体させたデュエラブ・ターミナルは、どのルートでも共通のイベントとして学園の行事がある。今回の部活対抗決闘大会もその一つで、これは部活の中から選ばれた1人が代表としてトーナメントをし、その年の活動費などを決める変わった(オブラート)行事である。

 

 そしてゲームの中で優華はレベッカを始めとした友達と「勇者部」を作り、そのリーダーとして大会に出るのだが...

 

「えっ?料理部に入るのですの?」

 

「うん、他の子に部活を作ろうって言われたんだけど...」

 

 優華は少し気恥ずかしさを感じながらエリザベスに答える。

 

「あんまり私ってリーダーっぽくないし、そういうのはいいかなって」

 

「そうなのですか?(確かゲームでは割とノリノリだったような気が)」

 

「それに新しく部活を作ると周りからああいう風に思われるかなって...」

 

 優華が目線を向けた先にはリューキを顧問とした満足部の面々がいた。彼らは他の部活に紛れて校庭で決闘をしているのだが、彼らが着用しているジャケットの所為で全然紛れてなかった。

 

「うん...確かにあれはちょっと嫌ですわね..」

 

「それで料理部に入ることにしたんだけど...他の子はあまり料理なんてしないらしくて、別の部活に入ることになったの」

 

「確かに貴族の殆どは自分から料理をすることなんてありませんわね。しかし1人で大丈夫ですの?」

 

 エリザベスとしては勇者部を作って友達といてくれた方が安全だと思ったが、本人のことなのであまり干渉をせず心配だけする。ちなみに前世のエリザベスは趣味が遊戯王しかなくて、料理などという女子力の高い趣味を持っていなかった悲しき生き物であった。

 

「多分部活の皆とは仲良くなれると思うけど...1人で行くのは不安なんだよね」

 

「それならわたくしが同行して差し上げますわ!」

 

「え?いいの?最近凄く忙しそうにしていたけど...」

 

 優華は最近のエリザベスを思い出しながら尋ねる。決闘大会に新たな賞品としてルークとエリザベスのカードを贈呈するという彼女の企画は、最初は先生達の間から反対されていたが、エリザベスは生徒会や一部の先生を説得してこれを了承させたのだった。

 

 エリザベスはそれだけではなく、大会の余興として部活に入っていないルークと彼女が特別に決闘することも決め、多くの生徒達の期待を受けながら準備に追われていた。

 

「わたくしがすることはもう終わりましたわ!後はデッキの調整とかするだけですし、わたくしも是非優華さんが大会に出て欲しいと思っていますからね!」

 

「エリザベスさん...!ありがとうございます!」

 

 優華の満面の笑みにライフを0にされそうになって、エリザベスは改めてこの人が乙女ゲーの主人公であることを確認したのであった。

 

 

 

 

 そしてその放課後2人は料理部に来たのだが、今話題のエリザベスが来たことで料理部は軽くパニックになっていた。

 

「エ、エリザベス様!本物のエリザベス様ですか!?」

 

「ええ、仮にわたくしに偽者がいて貴方がその人を本物だと思っているなら話は違いますが(オタク特有の面倒くさい言い回し)」

 

「エリザベス様がいらしたぞ!丁重にもてなすんだ!」

「これは我が料理部に栄光がやって来るという福音!つまり大会の勝利は我々の物だ!」

「「うおおおおお!」」

 

「ええと...それで今日はわたくしの御学友がここに入部したいということで、付き添いで来ましたの」

 

「は、はじめまして!城西優華です!勇者をやらせて頂いています!」

 

 料理部の面々は優華が頭を下げたのを見て即座に片膝を突いた。部員が平民で構成されている料理部からすれば、ローゼス家のお嬢様やそのご友人は雲の上の存在だった。

 

「あ、あの!私はエリザベスさんのような偉い人ではないので!そんな畏まらないで頂いて結構です!」

 

「了解しました!」

 

 頭を下げていた部員達は即座に立ち上がった。それを見たエリザベスは料理部のキャラの濃さに将来優華が苦労するだろうなと思っていた。

 

「ちなみに大会には誰が出場する予定になっておりますの?」

 

「それは部長の予定です!彼はまだ教室にいると思います!」

 

「あら、そうなの。それなら2人で今から行って彼に出場権を譲って貰えるように頼みましょう」

 

「大丈夫です!部長もエリザベス様のご意向とならば草葉の陰で喜んでくれると思います!」

 

「勝手に殺すなあああ!」

 

 突然部室に入って来た男がエリザベスに答えていた部員にドロップキックをかます。それを喰らった部員は吹き飛んで厨房にまで行ってしまった。

 

「料理部の鉄の掟を忘れたか!大会に出るのは炎の料理人であること!それを忘れては料理部の意味など無い!」

 

「ええと、貴方が部長さんですか?」

 

「そうです!料理部部長、炎の料理人とは俺のことです!」

 

 エリザベスの問いに部長は胸を張って答える。突然のことに驚いていた優華も流石に慣れてきたのかすぐに落ち着いて彼に尋ねる。

 

「えっと、料理部の鉄の掟ってなんですか?」

 

「よくぞ聞いてくれました!我が料理部では代々料理の腕と決闘の腕、双方を極めた炎の料理人が部の代表となり、大会に出るしきたりになっているのです!つまり貴方が大会に出たいのならば炎の料理人になるしかありません!」

 

「え、ええと...じゃあ炎の料理人にはどうやってなるんですか?」

 

「それは現在の部長である私と料理と決闘のそれぞれで対決をし、俺に勝った場合に貴方が第76代の炎の料理人としてこの料理部の代表になれるでしょう!」

 

「つまり、これから優華さんが貴方に料理とデュエルそれぞれで勝てば、優華さんが大会に出られるわけね」

 

「ええ!ただ例えエリザベス様の御友人だとしても、俺の料理に敵うとは思えませんが!」

 

 エリザベスが話をまとめると部長は鼻を高くして同意する。そして部長と優華の料理対決が始まったのであった。

 

 

 

 

 

「ま、参りました」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 そしてその料理対決は優華の勝利で終わった。

 

「というか優華様の料理メッチャ美味くね?」

「そもそも部長そんな料理得意じゃないし...」

「逆に何故勝てると思っていたのか...」

 

「優華さん!これとても美味しいですわ!(というかマヨネーズって自作できるものだと初めて知りましたわ...)」

 

「エリザベス様が良ければまた作りますよ」

 

「やったー!」

 

「ま、まだです!」

 

 部員達やエリザベスが優華の料理に盛り上がっている中、部長が立ち上がる。その瞳は熱い闘志が燃え上がっていた。

 

「料理の腕は認めましょう!しかし炎の料理人にとって決闘の腕も重要!そう簡単に勝てるとは思わないことです!」

 

「確かに私の決闘の腕はまだ未熟かもしれませんが、エリザベスさんと一緒に作ったデッキで負けるわけにはいきません!」

 

「優華さん!心配することはありませんわ!貴方なら勝てますわ!」

 

「はい!」

 

 部長が決闘領域を展開し、領域の中には部長と優華が取り残される。そして互いのデッキがお互いの左腕の魔法陣に装填されると、そこから5枚の手札がデッキから2人の元へと動く。

 

「「デュエル!」」

 

ーーー

 

優華 LP 4000

部長 LP 4000

 

ーーー

 

ターン1

 

「私のターンです!メインフェイズまで進み、クリバンデットを通常召喚!エンドフェイズにクリバンデットをリリースして効果発動!デッキトップを5枚めくり、その中からクリボーを呼ぶ笛を手札に加え、それ以外は墓地に!」

 

 山賊めいた格好をした黒いクリボーが現れる。その顔はただ可愛らしいだけでなくちょいワルな表情をしていて、その表情に優華が一目惚れしたカードだった。

 

ーーー

 

クリバンデット

通常召喚した自身をリリースすることでデッキトップから墓地肥やしと魔法罠のサーチができる優秀なカードですわ!

レベルが3なのもあってどちらかと言うとクリッターに近い存在なのだとわたくしは勝手に思ってますわ!

 

ーーー

 

フィールド(優華)

無し

 

ターン2

 

「俺のターン、ドロー!メインフェイズに入り、ゴブリンドバーグを通常召喚!召喚時効果によりH・C エクストラ・ソードを特殊召喚して自身を守備表示にする!」

 

「(ゴブリンドバーグにヒロイック、これはランク4を主体としたデッキですわね...それにしてもなんでエクストラソードが...?)」

 

ーーー

 

ゴブリンドバーグ

召喚時に手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚しますわ!更にその後自身が守備表示になるため、特殊召喚したモンスターに落とし穴などのカードを発動できませんわ!(特殊召喚時というタイミングが無いから)

 

H・C エクストラ・ソード

エクシーズ素材となった時にそのモンスターの攻撃力を1000アップさせる「ヒロイック」のモンスターですわ。

ヒロイックはランク4戦士族テーマで確かにランク4が立て易くなるけど、エクストラソードはその中でそれほど優先されるカードではないわ。部長の狙いは一体...?

 

ーーー

 

「レベル4のモンスターが2体!来ますわ、優華さん!」

 

「俺はレベル4のモンスター2体でオーバーレイ!」

 

「ヒャッハー!食材は調理だー!!エクシーズ召喚!ランク4、No.59 背反の料理人!」

 

 コックが着用するコートを着た男が召喚される。その手は鉄鍋を持っていて一見普通の料理人に見えるが、その背中に担がれている火炎放射器から明らかに只者ではない威圧感を放っていた。

 

ーーー

 

No.59 背反の料理人(バック・ザ・コック)

自分フィールドに自身以外のカードが存在しない時に完全耐性を得るランク4モンスターね!

一見使い辛く見える条件だけど、もう一つの効果が自身以外の自分のカードを全て破壊するフリーチェーン効果だから耐性を得ること自体は簡単だわ!

完全耐性とは「他のカードの効果を受けない」効果を持ったモンスターよ!完全耐性を持ったモンスターを除去するためには戦闘破壊するか、ルール効果であるリリースを利用した除去(壊獣など)が必要ね!

 

ーーー

 

「素材になったエクストラソードの効果発動!背反の料理人の攻撃力を1000アップさせる!これは背反の料理人の効果として適用される為、自身の耐性をすり抜ける!」

 

「(成程!エクストラソードの採用理由は背反の料理人の弱点である攻撃力の低さをカバーするためでしたか!)」

 

ーーー

 

H・C エクストラ・ソード(エクシーズ素材としての解説)

エクシーズ素材になった時に効果を発揮するこれらのカード達は、召喚したエクシーズモンスターに効果を新たに付け加える形で発動されるわ!

どうしてそんな回りくどいかという質問にわたくしの推測で答えさせて頂けば、エクシーズ素材はフィールドにありながらフィールドに存在しない(?)、特殊な裁定が取られておりますの!

どこにも存在しない場所でカードが発動するなんておかしいから、エクシーズモンスターに効果を付与するという形で効果を発揮しているのだと思いますわ!

 

ーーー

 

「バトルだ!背反の料理人でダイレクトアタック!」

 

「(3300のダメージは痛い...!そして墓地にあるクリボーンの効果を使えばダメージを0に出来る...けど、決闘に於いて重要なのは自分のライフを保つことじゃない!ここは温存する!)くっ!」

 

ーーー

 

優華 LP 4000 → 700

 

ーーー

 

 背反の料理人が火炎放射器から炎を放つ。その炎に焼かれてダメージを受けながらも優華はエリザベスからの教えを守っていた。

 

「フッ、様子見している余裕なんて無いぞ。俺はカードを3枚伏せてターンエンド!」

 

フィールド(部長)

背反の料理人(ATK3300)

セットカード3枚

 

ターン3

 

「私のターン、ドロー!そしてスタンバイフェイズに墓地の黄泉ガエルの効果を発動!自身を蘇生させる!」

 

 翼を生やしたカエルが優華のフィールドに現れる。そのカードはエリザベスが取り敢えず入れなさいと勧めたカードであり、その後優華の使い方に思わず肝を冷やしたカードだった。

 

「メインフェイズに入り、速攻魔法、クリボーを呼ぶ笛を発動!デッキからハネクリボーを特殊召喚!」

 

「更に黄泉ガエルをリンクマーカーにセット、リンクリボーをリンク召喚!」

 

「突然だが新しく料理部へ入る君にここで問題だ。この料理部で料理する時、重要なことはなんだと思う?」

 

「へ?料理をする時に重要なことですか?」

 

 本当に唐突に問題を出した部長に対して優華が困惑する。しかし優しい彼女は部長を無視することなんてせずに、暫く考えて答える。

 

「あ、愛情、とか....え、えと...調味料!とかですかね...?」

「(う、うわぁあ!料理に愛情が大事なんて格好つけたことを言っちゃった!しかも料理部の部長さん相手に!)」

 

 自分の出した答えに思わず恥ずかしがる優華だったが、答えを聞いた部長は満足気に頷いていた。

 

「確かに、料理に於いて愛情は重要だ!そして味付けに必要な塩などもまた重要なものである!」

 

「(あれ?あってた?)」

 

「だがっ!それは一般的な料理の話であって、料理部という戦場では違うのだ!」

 

「そう、料理部は今まで先生や料理部以外の部活から存在意義を問われており、我々はその猛攻に耐えて来た...」

 

「(唐突に語り出した!)」

 

「それは料理部の多くが平民であることや、我々の料理が学園のシェフの作る物に到底敵わないということもあるかもしれない...だが、その1番の原因は今から5年前のある騒動にある!」

 

「ある騒動?」

 

「その騒動が起きた時、俺は未だ学園に入学していなかったため詳細は分からない。しかしその騒動で我が料理部は大勢の貴族に毒を盛ったと言われている」

 

「毒を盛った!?」

 

「厳密に言えば、毒を持った食材の調理法を詳しく知らずに料理を振る舞ったらしい。幸い死人や重症者は出なかったが、その事件後この部活は存続の危機にあった」

 

「そして我が部はこれを教訓に胸に刻み、料理をする時に常に心構えとしていることがある!」

 

 部長は語気を強めたままにセットされていたカードを発動させる。

 

「一つ目は食材を完璧に洗い、生きた食材は絶対に殺すことだ!トラップカードオープン!激流葬!」

 

「そして二つ目、食材を調達する時には細心の注意を払い、会計に負担を強いらないこと!チェーンしてトラップカード、ゴブリンのやりくり上手を発動!」

 

「最後に三つ目、毒を完全に浄化するために、焼き過ぎるぐらい火を通すことだ!更にチェーンして背反の料理人の効果発動!」

 

 部長が教訓を宣言しながらカードを発動する。奇しくも部長の発動したカードはその教訓に応じたものだった。

 

ーーー

 

激流葬

召喚時に場の全てのモンスターを破壊する罠ですわ!

 

ゴブリンのやりくり上手

墓地の同名カードを参照してその数+1ドロー、その後手札を1枚手札に戻しますわ!

 

コンボの解説

遊戯王においてチェーンを組んだものは逆順に処理しますわ。この場合最後の背反の料理人の効果によって部長の伏せが全て破壊され、チェーン2のやりくり上手が発動。料理人に破壊されたやりくり上手が墓地にあるため2ドローして1枚戻し、最後に激流葬が発動しますが、料理人は耐性を得ている為相手のモンスターだけ破壊されますわ!

 

ーーー

 

「なっ、ハネクリボー達が!?」

 

「更に料理人の効果でモンスターが墓地に送られた為、料理人の攻撃力は300アップする!更に更に!俺は2枚ドローして1枚デッキに戻す!」

 

「...え?モンスターが墓地に送られた?」

 

「(まさか...3枚目の伏せは...!)」

 

 料理人の攻撃力がアップしたことに優華とエリザベスは不審を覚える。それは料理人の効果はモンスターを破壊した時にしか発動しないからだ。そして部長の場に料理人以外のモンスターはいなかったからだ。それに対してエリザベスはあるカード達を連想する。

 

「破壊されたアーティファクト-アイギスの効果を発動!自身を蘇生させ、自分フィールドのアーティファクトはターン終了時まで効果の対象にならず、効果で破壊されない!」

 

「(やはり...アーティファクト!)」

 

 古代の遺物の内の聖盾が降臨する。部長の場は強力な耐性を持つ聖盾と尋常ではない火力を持った料理人という、隙のない布陣だった。

 

ーーー

 

アーティファクト-アイギス

アーティファクトは共通効果として自身を魔法罠のようにセットすることができますわ。セットした後発動することはできませんが、破壊された場合に効果が起動するので相手の除去を抑制することができますわ!

アイギスは自身の「アーティファクト」に耐性を持たせることができますわ!

デスサイズだいきらいですわ!!!

 

ーーー

 

「アイギスの特殊召喚により料理人の耐性は失われるが、アイギスは守備力2500で強力な耐性持ちだ!攻撃力3600の背反の料理人と合わせて突破できるかな?」

 

「(確かにあの盤面は私のデッキじゃ崩せない...)だけど、決闘に勝利する為に相手のモンスターを除去する必要は無いんですよ」

 

「なに...?」

 

「私は手札からジェスター・コンフィを特殊召喚!更にワンチャン!?を発動して金華猫をサーチ!そして金華猫を召喚!効果で墓地の黄泉ガエルを蘇生!」

 

「レベル1のモンスターが揃ったか!」

 

「私はレベル1のジェスター・コンフィと黄泉ガエルでオーバーレイ!ランク1、森羅の姫芽宮をエクシーズ召喚!」

 

 美しい着物を着た少女が優華の元へ現れる。彼女の周囲には桜吹雪が舞っていて幻想的な空間を作り上げていた。

 

ーーー

 

ジェスター・コンフィ

適当に特殊召喚できるレベル1モンスターですわね!

 

金華猫

召喚時にレベル1モンスターを釣り上げるスピリットモンスターですわ!スピリットだからエンドフェイズに手札に戻るのに加え、釣り上げたモンスターはその時除外されるので処理する必要がありますわね。

 

森羅の姫芽宮

デッキトップを1枚めくり、それが魔法罠なら手札に加えてモンスターなら墓地に落とす効果を持っていますわ。

このカードを見てるとSPYRALの悪夢が...

 

ーーー

 

「森羅の姫芽宮の効果発動!デッキトップを1枚めくる!トップは進化する翼、魔法カードなので手札に加えます!」

 

「カードを2枚伏せてエンドフェイズ、金華猫は手札に戻ります!」

 

フィールド(優華)

森羅の姫芽宮(DEF100)

セットカード2枚

 

ターン4

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 部長はドローすると優華の伏せカードを見ながら考える。

 

「(あの2枚の伏せカードは恐らくこの状況で逆転できるミラーフォースのようなカード...だが、料理人の効果はダメージステップでない限り使えるから除去にはチェーンすることで耐性を得られる...仮にミラーフォースだとしてもあの伏せが両方ミラーフォースのような事がない限り料理人は必ず生き残る)」

 

「(ならばここはそのまま攻撃する!)」

 

「バトルだ!アイギスで森羅の姫芽宮を攻撃!」

 

 盾から放たれる光によって姫芽宮は消滅する。残った優華のフィールドにモンスターはいなかった。しかしそんな状況でも優華は表情を変えない。

 

「(伏せカードを発動しない!?料理人には発動しても無駄だぞ!?)」

 

「料理人でダイレクトアタック!」

 

 料理人がその火炎放射器を優華に向け、炎を放つ寸前に優華が動き出す。

 

「(今です!)攻撃宣言時、墓地のクリボーンを除外して効果を発動!墓地のハネクリボー、クリボー、クリアクリボーを特殊召喚させる!」

 

「成程!壁を増やしたか!」

 

「それだけではありません!速攻魔法、進化する翼を発動!ハネクリボーと手札2枚を墓地に送り、デッキからハネクリボー LV10を特殊召喚!」

 

 ハネクリボーが叫ぶと周囲に光を放つ。そしてその光が収まると大きな翼、尻尾、そして竜のような衣装の鎧を装備したハネクリボーがいた。

 

「ハネクリボー LV10の効果発動!自身をリリースして相手フィールドの全ての攻撃表示モンスターを破壊し、その攻撃力分のダメージを相手に与える!」

 

「なっ!ミラーフォースよりも強い効果だと!?しかし無駄だ!チェーンして背反の料理人の効果発動!自身以外のカードを破壊し、攻撃力を300アップさせる!更に料理人は他の効果を受けない!」

 

「それはおとりです!チェーンしてトラップカード、スウィッチヒーローを発動!自身と相手フィールドのモンスターの数が同じ時にそれぞれのコントロールを入れ替える!」

 

「ぐっ、まだだ!それにチェーンして速攻魔法、死者への供物を発動!クリボーを破壊する!対象の数が合わないためスウィッチヒーローは不発だ!」

 

「それは無駄です!死者への供物にチェーンして墓地のリンクリボーの効果!クリボーをリリースして自身を蘇生!モンスターの数は減りません!」

 

「くそっ!」

 

 部長と優華のフィールドのモンスターが入れ替わり、背反の料理人の効果で部長のフィールドのカードが破壊される。その結果フィールドには優華の場に料理人とアイギスしか残っていなかった。

 

ーーー

 

進化する翼

手札2枚と場のハネクリボーをコストにハネクリボーLV10を特殊召喚しますわ!コストが凄く重いからここぞという時に使いたいわね!

 

ハネクリボーLV10

自身をリリースして相手の場の表側攻撃表示モンスター全てを破壊、更にその攻撃力分のダメージを相手に与えるフィニッシャーですわね!

ただ相手バトルフェイズにしか使えないから上手く場を整える必要がありますわね

 

スウィッチヒーロー

自身と相手の場のモンスターが同じ時、全てのモンスターのコントロールを入れ替える一発逆転の罠カードですわ!

ただ効果処理時に場のモンスターが同じでないといけない点や、一体でも入れ替えられない(耐性など)場合は不発になるため、使い所が難しいカードでもありますわね。

正直優華のタクティクスがエグくてヤバい...

 

死者への供物

相手の表側表示モンスターを破壊する速攻魔法ですわ!かなり使い易いけど次のターンドローができなくなるから注意ね!

 

ーーー

 

「く...まだだ!メイン2にカメンレオンを通常召喚!効果でゴブリンドバーグを蘇生!」

 

「レベル4モンスター2体でオーバーレイ!ランク4、No.39 希望皇ホープをエクシーズ召喚!」

 

「(背反の料理人の効果で除去を躱される以上、ここは耐えて逆転するしかない!ホープで守りを固める!)」

 

フィールド(部長)

No.39 希望皇ホープ(DEF2000)

 

ターン5

 

「私のターン、ドロー!そしてスタンバイフェイズ!黄泉ガエルの効果発動、自身を蘇生する!更に速攻魔法、エネミーコントローラーを発動!」

 

「(うわ)」

 

「黄泉ガエルをリリースしてホープのコントロールを得ます!更に黄泉ガエルの効果で自身を蘇生!黄泉ガエルをリリースして墓地のリンクリボーを蘇生!再び黄泉ガエルを蘇生!」

 

「そ、そんな...」

 

「(リンクリボーを使ったカエルのダンスは優華に教えたんだけど...それを更に発展させるんだから優華のタクティクスの高さが窺えるわね...)」

 

 部長の頼みの綱のホープも優華によって奪われる。優華の場にはリンクリボーと黄泉ガエル、そして部長のモンスターである3体が勢揃いしていた。

 

ーーー

 

黄泉ガエル

自身の場に魔法罠が無くて、場に黄泉ガエルがない時スタンバイフェイズに墓地から自己蘇生しますわ。この効果にターン1が書いてないから、即座に墓地に送ることによって再度蘇生できますわ。墓地のリンクリボーを使うことで容易にモンスターを増やせるわけね。エネミーコントローラーの場合は実質コスト無しで発動することになるわ。

 

ーーー

 

「メインフェイズにホープとアイギスを攻撃表示にしてバトルフェイズ!ホープでダイレクトアタック!」

 

「ぐううぅぅぅ!」

 

ーーー

 

部長 LP 4000 → 1500

 

ーーー

 

「背反の料理人でトドメです!」

 

「ぐあああああ!!!」

 

ーーー

 

部長 LP 1500 → 0

 

ーーー

 

「やった...勝ちましたっ!エリザベスさんっ!」

 

「ええ!良くやったわ!」

 

 優華がエリザベスの元へと駆け寄り、2人で喜び合う。料理部の部員は全員、2人の健闘を称えて拍手をするのだった。

 

「ま、まさかこの俺が負けることになるとは...卒業まで部長でい続けるつもりだったのに...」

 

「部長さん...」

 

「だが鉄の掟は絶対だ。俺は部長を辞め、城西君に譲ろう」

 

 部長が2人の元へと歩み寄ると、静かに宣言する。その姿に優華だけでなく他の部員も感銘を受ける。

 

「部長...」

「元部長...」

「そんなに料理が得意じゃない元部長...」

 

「(ひょっとして俺は嫌われてるのか?)」

 

「ええと、それなんですけど...まだ一年生の私に部長なんて早いし、部長は部長さんが続けた方が続けた方が良いと思います。大会には出たいですけど」

 

「城西君...それは、俺の方がこの料理部の部長に相応しいということか...?」

 

「ええ、そうです(そんなこと言ってないけど)」

 

「ありがとう!ならば特別措置として、俺が部長のまま城西君には大会に出てもらうとしよう!」

 

「ありがとうございます!」

 

「部長...」

「辛うじて踏みとどまった部長...」

「元部長のなり損ない...」

 

「最後のは誰だぁぁあああ!!!」

 

 賑やかな料理部の一員に歓迎された優華を見ながら、エリザベスは彼女がこの世界で楽しく過ごせそうで良かったと思ったのだった。

 

 




 優華の戦術は表遊戯のえげつない戦い方を意識したのですがどうだったでしょうか?それもこれもお嬢様が入れ知恵してるせいですね。
 何気に部長のデッキは割と気に入ってます。チューナーも入れてイージーチューニングすると攻撃力4000越えの完全耐性とかも作れて楽しいと思います。
 あと今回のデュエルは兎に角チェーン組みまくってるので分かりにくい所があるかもしれません。後学のためにもそういった所を感想に書いて頂けると助かります。

 追伸、エクシーズ素材が無い状態で効果を発動するという、恐らく遊戯王小説家史上初の大ガバをやらかしてしまいました。泣きたい...
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。