悪役令嬢「わたくしを断罪ですって!?受けて立ちますわ、闇のゲームで!」 作:sesamer
凄い嬉しい!と手放しに喜べない自分がいます...
相変わらずオリ主がオリカでグダグダしてるだけなので中盤まで飛ばしてもらって結構です。
前回のあらすじ
エリザベス「ルチアを育成して満足するしかねぇ!」
ルチア「遊戯王分かんないよ!」
作者「俺も分かんないとこだらけだから(震え声」
ローゼス家の一室、エリザベスの部屋はまさに異様とも言える状況になっていた。
「そ、そんな、このわたくしがッ、ルールミスをするなんて...!?」
「お、お嬢様ぁ!」
長く美しく髪を床に散らしながら、エリザベスは崩れ落ちる。
その傍らではルチアがエリザベスを支えていて、必死なルチアの顔を見てエリザベスはフッと笑うと語り出す。
「情けないものね...あんだけ上級者っぽいオーラを出して、ルチアにルールを教えようとしたのに、自分がルールミスしてるんだからどうしょうもないわ...」
「お、お嬢様!エリザベス様が私めに親切にルールを教えてくれたのは確かです!例えその内容に違いはあっても、教えてくれたというお嬢様の優しさが変わることはありません!」
「ルチアはわたくしを慰めてくれるのね、ありがとうこんな酷い主人を見限らず、着いてきてくれて...!」
「お、お嬢様...?」
エリザベスは笑顔をルチアに向けたまま動かなくなった。
「デュエルで笑顔を...」
「おじょうさまぁぁああ!」
「で結局なんのルールを間違ってたんですか?」
「そうね、これはわたくしも間違ってたけど、結論から言えば後付けでなんとかなったとも言えるのよね」
エリザベスは何事もなかったかのように立ち上がると、プロジェクター、とボソッと呟いて魔法を発動する。
すると部屋の壁の一角に映像が映し出される。そこには先日のアレイシスとエリザベスの一戦が映し出された。
「ですが、貴方の行動は読めていましたの。手札から魔法カード、ウォーダーフュージョンを発動。場のナイトと裏側のディムを融合」
「流れ混ざる水の結晶よ、氷結し、新たな姿を見せよ!融合召喚、ウォーダーアイサー・ファーシオン!」
「これはエリザベス様が融合召喚をしたシーンですね」
「あ、融合については知ってるのね」
「ええ、詳しいルールは知りませんけど強力なモンスターを喚び出すのでしょう?」
「まぁ、今はその認識でいいわ」
「召喚時にその伏せカードを使わないということは、そのカードはいつでも発動できるフリーチェーン、もしくは発動タイミングがここではない攻撃反応などのカードということです」
「そういえば、あの時にはまだアレイシス様には伏せカードがありましたよね」
「何のカードを伏せていたか分かる?」
「ゲーテとデモンズチェーンは使ったから、ミラーフォースが残ってるはずです!」
「そのミラーフォースですが、あのカードはモンスターが攻撃した瞬間にしか使えないのですわ。だからその前に破壊ならなんなりしてしまえば、無効化されるということですね」
「なるほど、強い代わりに制限があるということですね!」
「フリーチェーンなら今打った方が良いですよ。バトルフェイズ!ファーシオンの効果発動!」
「ファーシオンの効果により、フィールドの全ての効果は無効化される、アイスワールド!」
「なにっ!セットカードが無効化されたっ!」
「ファーシオンで魔導書士バテルに攻撃!アイスソード!」
「はぇー、フィールドの効果が無効化されるから、ミラーフォースは発動しても無効化されてるってことですか?」
「そうね!その認識で合っているわ。ウォーダーアイサーはウォーダーの進化先エースにして、ウォーダーのサポートカード。自身のカードも無効にしてくれるからウォーダーの効果も発動しやすくなるわ!」
「だがライフは残った。次のターンで切り返せば...!」
「それはどうかしら!(カンコーン!)」
「なにっ!」
「墓地のウォーダーフュージョンの効果発動!自分フィールドのウォーダーアイサー・ファーシオンを無効にし、破壊しますわ!」
「ここですッ!」
「ここですか?」
エリザベスが映像を止める。そこは丁度墓地からウォーダーフュージョンが除外されているところだった。
「えーと、このカードが2つも効果を持ってるのがおかしい!ってことですか?」
「いや、今どきの専用融合は融合以外にも効果を持っててもおかしくないわ。それにこの効果は自分のモンスターしか対象に取れないから、ただ使うだけじゃデメリットになるわね」
「そうか、ウォーダーの効果を無効に出来ますね」
「そうよ、今出てるウォーダーカードは効果が自壊だけだから大したことないけど、ウォーダーの上級はデメリットもキツいものばかりになるから、アイサーやフュージョンで無効化しないと運用しにくいわね」
「では、一体何が間違っているのです?」
「墓地発動できるタイミングよ!」
「タイミング?」
「例えばさっき貴女にはメインフェイズじゃないとカードは使えないと言ったでしょ?」
「そうですね、だからスタンバイフェイズは飛ばすのが一般的だと」
「それはバトルフェイズにも言えるのよ。バトルフェイズに召喚や通常魔法の発動、カードのセットは出来ないの」
「えっ、でも私はバトル中に魔法を使って攻撃力を上げてたのを見た事あります!」
「それは速攻魔法ね、速攻魔法は相手の発動にチェーンしたりメインフェイズ以外に発動できるわ。これは罠や一部のモンスターにも言える事で、この事はスペルスピードという概念として後で教えるわ」
「そうですか。では、ウォーダーフュージョンが速攻魔法ならルールミスにはならないじゃないんですか?」
「そう、わたくしもそのつもりだったのですけど。速攻魔法の墓地効果は通常魔法と同じでスペルスピード1なのですわ!だからこのバトルフェイズでの速攻魔法の墓地効果発動はルールミスなのですわ」
「えっ、だけど発動してるじゃないですか?じゃあなんで発動してるんですか?」
「そう、それでね。後になってウォーダーフュージョンを見たらね、いつの間にかこんな効果になってたのよ」
<ウォーダーフュージョン>
速攻魔法
(1) 自分の手札・フィールドから、「ウォーダーアイサー」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
(2)墓地のこのカードを除外し、自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果を無効にし、破壊する。この効果は相手ターンでも発動できる。
「相手ターンにも...?」
「そう、この文言がつけば誘発即時効果となって、相手ターンやメインフェイズ以外に使えるようになるわ!」
「へぇー、そうなんですか。だったら別にルールミスしてたわけじゃないんじゃあ?」
「それは違いますわ!(DNGNRNP)」
「ひゃっ!」
「例え神様によってカードが書き換えられても、自分のしようとしてた事がミスであることには変わりません!それになんですか!誘発即時効果って!それじゃあただわたくしがインチキ効果を盛ってるみたいではありませんか!」
「(実際盛ってるのでは...?)」
「それでさらにわたくしが手直ししたものが此方になります」
エリザベスはデッキから1枚のカードを抜き出すと、それを画面へと投影する。
<ウォーダーフュージョン>
通常罠
(1) 自分の手札・フィールドから、「ウォーダーアイサー」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
この時自分フィールドのモンスターのみを融合素材とする場合、このカードは手札から発動する事ができる。
(2)墓地のこのカードを除外し、自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果を無効にし、破壊する。
「これ罠カードになってるじゃないですか!」
「そうね、罠カードにしてみたわ!」
「罠カードは自分のターンには使えないはず…って、手札から発動する事ができる!?」
「そんなに強くない効果のトラップが手札から発動されることは、今の流行でもあるわ。元々はインチキだと受け入れられなかったんだけど、今より3代前の王様が手札からトラップを発動したことで上流階級では必須のスキルにもなったわ!」
「そんなに強くないって、このカードってそんなに強くないんですか?」
「ええ!このカードの弱い点はザッと3点ほど挙げられるわね!まず手札から融合する時には1ターン待たないと融合できないところ!2つ目は融合先が限定されているところ!3つ目は手札から発動する場合、チェーンしてモンスターが場からいなくなると融合できずに不発になるところだわ!」
「(なんでこの人は誇らしげに自分のカードの弱い所を数えてるのだろう?)」
ルチアには決闘者の性がちっとも分からなかった。
デデッ、デーデッデ、 デーン!(GXのアイキャッチ)
「お嬢様がルールを間違っていたことは分かりました。それで突然私を呼んだのはなんでですか?呼び出されたときにお嬢様が倒れてたので凄い焦ったんですよ」
「あぁ、それはごめんなさい。ルールミスに気付いたのが丁度その時だったのよ。それで今日はルチアにデッキをプレゼントしようと思ったの!」
「はぁ、私にデッキを...? え?」
「そう、わたくしのデッキの一つを譲るのも考えたのですが、わたくしのデッキで強いものは爬虫類(まともな強化を寄越さないKONMAIへの怒りの一品、9.10期仕立て)ぐらいしかなくて、爬虫類はルチアには似合わないしで、この際ルチアに決めて貰うことにしたの!」
「デッキを?私に?」
「そうよ!これから強くなるんだから、愛用のデッキも欲しいじゃない!」
「デッキって平民にとっては一人立ちの象徴なんですよ?私もそのためにここで奉公してるのに、それを私に?」
「大丈夫、大丈夫。パパっと出来ちゃうから問題無いわ!」
「(問題しかない気がする...!)」
「それで、ルチアはどんなデッキ使いたいとかある?やっぱ一気に逆転できる攻め攻め系?それとも相手のやりたい事を否定する束縛系?まさか自分のペースに付き合わせるマイペース系だったり!?」
「いえ、あのですね、私はそういうのは詳しくないし...デッキを作るのは後になってでもいいんじゃないでしょうか...?」
ルチアがおずおずと提案すると、エリザベスはハッと気付く。その後うんうんと納得するエリザベスにルチアはほっと安堵するが、エリザベスはとんでもないことを言い出す。
「そっかそっか!ルチアはまだ何のデッキがあるとか知らないものね!いいわ、それなら社交界に行きましょう!社交界デュエルなら色んなデッキと出会えるはずだわ!」
「社交界デュエル!?」
「私としては接待と加護だらけのあの世界はキュークツだけど!ルチアのためを思えば我慢してみせますわー!(それに最近はお父様からもそろそろ社交界に行けとせっつかれてたし)」
「え?ええっ!?」
「では行きましょう!社交界デュエルへ!!」
社交界デュエルって何だよ...?
☆☆☆
お嬢様に連れられ、パーティの会場まで連れられた私の目は多分死んでたと思う。
本来ならまだ10歳にも満たないお嬢様には彼女のお父様やお母様が着いていくべきなのだが、エリザベス様は2人の提案を
「ルチアが着いてきてくれるから必要無いですわ、それともわたくしがデュエルで恥を晒すとでも思っているのですか?」
とカードを構えて一蹴、御二方は明らかにエリザベス様を怯えて、私に必死に(なんとかしてくれ!)と目線で訴えていた。
いや、両親が無理なら私になんとかできるわけないでしょ、と私は彼らの期待に応える事なく、こうしてパーティにまで連れられた私はまるでドナドナされる仔牛のようだった。
パーティ会場はまさに豪華絢爛という言葉に相応しく、普段からローゼス家に見慣れていた私でさえ別世界であると錯覚するようなものだった。
どこを見ても煌びやかで目が移りそうになるが、パーティ会場に入る前にお嬢様から「あまりキョロキョロしないで」と言われたので、とにかくお嬢様の後ろにベッタリ着いていく。
お嬢様は普段よりも更に豪奢なドレスを身に纏い、それは私と同じ人間だとは思えない程であった。
「おや、そこにいるのはローゼス家のエリザベス様ではありませんか?」
「貴方はジョニー家のトーギ様ですわね」
お嬢様は貴族のおじさまと話している。よく歳上の人と話せるなぁ、やっぱりエリザベス様は凄いなぁと思いながら話を聞く。
「おやおや数年前に一度お会いしたきりで、よく覚えていらっしゃいましたね。今日はお父様は一緒ではないのですか?」
「ええ、今日着いているのは使用人だけですわ」
「それはそれは、エリザベス様はお父様に随分と信頼されていらっしゃるようですが、1人で心細くないのでしょうか?」
「わたくしなら大丈夫ですわ。いっそ決闘で確かめますか?」
「おや、私ではエリザベス様に敵うとは思いませんが...決闘を断っては貴族の名折れ。受けて立ちましょう」
あまりにも自然な流れで決闘が始まったことに一瞬気付かなかったが、2人がカードを5枚引いたところでお嬢様が話しかけてくる。
「社交界ではミニデュエルを行いますわ」
「ミニデュエル?」
「先攻の防衛側と後攻の攻撃側に分かれて行う、1ターンだけのデュエルですわ。ライフは4000ポイント、これを攻撃側が防衛側のライフを削り切れるかどうかを争い、削らなければ防衛側の勝ちという防衛有利のルールです。この半ば勝敗は決まったルールで貴族は自分のデッキを披露しますわ」
「では私が防衛側を頂きましょう。メインフェイズに神獣王バルバロスをリリース無しで通常召喚、カードを2枚伏せてターンエンドです」
<神獣王バルバロス>
効果モンスター
星8/地属性/獣戦士族/攻3000/守1200
(1):このカードはリリースなしで通常召喚できる。
(2):このカードの(1)の方法で通常召喚したこのカードの元々の攻撃力は1900になる。
(3):このカードはモンスター3体をリリースして召喚する事もできる。
(4):このカードがこのカードの(3)の方法で召喚に成功した場合に発動する。
相手フィールドのカードを全て破壊する。
トーギが巨大な槍と盾を持った大型のモンスターを召喚する。バルバロスは地面に着地した後に小さくなったが、それでも尚放たれるプレッシャーは変わらなかった。
「トーギ様、わたくし相手には手加減なんてしなくても良いですわ!ドロー!」
「ではお構いなくするとしましょう」
「(伏せたカードは禁じられた聖杯とリビングデッドの呼び声。エリザベス様相手には使わないつもりだったが、お嬢様自身が言うのでしたら片方は使いましょうかね)」
「お、お嬢様ぁ。あのカードって」
ルチアがエリザベスに小声で話しかける。エリザベスは対戦相手の方を見ながら、ルチアにのみ聞こえるように返す。
「バルバロスね、本来ならレベル8のモンスターは2体生贄となるモンスターが必要なのだけど、それをステータスを下げる事で無くすことができるカードよ」
「それだったら今のバルバロスは1900だから、それを越えれば...」
「そうはいかないわね。推測だけどあの伏せカードはバルバロスの効果を無効化するカード。無効化されたバルバロスはステータスが戻るわ、コンボ自体は私のウォーダーとも似てるわね」
「似てるわねって、それって3000ってことじゃないですか!?」
「更に伏せカードは2枚だからその上で妨害が来る可能性もあるわ」
「それって勝ち目がないですよぉ!」
ルチアの諦めた顔を見てエリザベスはニコッと笑うと、周囲に聞こえる声で話し始める。
「それをどうにかするから決闘は楽しいのですわ!メインフェイズにウォーダーナイトを通常召喚、デッキからウォーダーエンペラーを手札に加えて自身を破壊しますわ」
エリザベスが召喚した騎士はその形を崩壊させて、水に戻ってしまった。
「ああっ!せっかくのモンスターが!」
「ふむ、あの時とは違うデッキをお使いなさるのですな」
「永続魔法ウォーダーサプライを発動、発動時効果で墓地のウォーダーナイトを攻撃表示で特殊召喚しますわ!」
<ウォーダーサプライ>
永続魔法
(1):このカードの発動時の効果処理として、墓地の「ウォーダー」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):自分フィールドのモンスターが効果を発動した時に発動できる。
そのモンスターの効果の発動を無効にする。
「自身のフィールドにウォーダーナイトがいるのでウォーダーディムを特殊召喚!」
「お嬢様ぁ、この後どうするんですかぁ。3000には届きませんよぅ。手札に今使えるカードはありませんしぃ」
「こうするのですわ!レベル4のナイトとディムでオーバーレイ!」
「これは!?」
「水の結晶は今光を超え、その力に目覚める!氷の使者、その力で凍てつけ!エクシーズ召喚、ウォーダーアイサーシエザール!」
<ウォーダーアイサーシエザール>
エクシーズモンスター
ランク4/水属性/魔法使い族/攻 2500/守 2000
レベル4モンスター×2
(1)このカードのX素材を1つ取り除きフィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードの効果を無効にする。
(2)X素材を持つこのカードが効果で破壊された場合に発動できる。
墓地から「ウォーダー」モンスター1体を特殊召喚する
氷によって象られた魔法使いが杖を振り回して構える。その周囲には2つの光が飛び回っていた。
「まさか、その歳でエクシーズ召喚を使えるとは...先程手加減はしなくていいと言った言葉も嘘ではないようですね...」
トーギは驚いたように呟く。周囲で決闘を観戦していた貴族達も同様にエリザベスに注目を寄せる。
注目を受ける中で、ルチアだけがこの状況に焦りを覚える。
「お嬢様!シエザールの攻撃力では3000に届きません!」
「まぁまぁ、エクシーズモンスターにも効果はあるから、ね?」
「む、確かにそうですね」
焦ってエリザベスに進言するルチアだったが、エリザベスの余裕な表情を見て落ち着く。
「では、シエザールの効果を発動しますわ!オーバーレイユニットを1つ取り除き、フィールドのカードを無効にする!対象はバルバロス!」
「は?」
シエザールの持つ杖から冷気が発射され、それがバルバロスに命中する。しかし、バルバロスはそれを受けて弱体化するどころか、大きく進化してしまった。
関心を寄せていた観客が静まり、ルチアが冷や汗を大量に流す中、最初に口を開けたトーギは大きく笑って周囲に語りかける。
「クク、ハハハハハハ!その歳でエクシーズ召喚を使うエリザベス様の才は凄まじいが、未だその使い方は未熟と見える!」
その言葉から周囲にも笑う者が出始め、エリザベスを生暖かい目で見始める。
会場の異様な雰囲気を感じたルチアは周囲の空気に耐えかねて、思わずエリザベスに詰め寄る。エリザベスは俯いていて、ルチアには彼女が恥ずかしがっているに違いないと思った。
「無効にしたらステータスが3000に戻るって言ったのはお嬢様じゃないですかぁぁああ!何してるんですか!」
「ルチア」
しかし、エリザベスの目を見て彼女は決して恥ずかしがっているわけではないことに気付く。
「ヒッ!」
怒りや情け無さでいっぱいだったルチアだったが、エリザベスの顔を見て恐怖する。周囲からは見えないその顔は先程までの感情が消え、虚無となっていた。
「わたくしはこれがキライなの。決闘に勝つためではない、決闘を楽しむわけでもない、ただ自分の豊かさや相手の愚かさとかを決闘を通じて周囲に見せしめる。それが社交界デュエルの在り方」
「それでも貴女はこんな風にはならないで。相手のことを考えない決闘は私は死ぬ程嫌いなの」
エリザベスは俯いていた顔を上げる。顔を上げた瞬間、会場を取り込む空気が一段冷たくなった様にルチアには感じた。
「フィールドのモンスターの効果が無効になった時、手札からこのカードを特殊召喚できる」
「水霊騎士団を従え、戦乱に終結を齎す皇帝!此処に降臨せよ!ウォーダーエンペラーを特殊召喚!」
<ウォーダーエンペラー>
効果モンスター
星10/水属性/戦士族/攻 3000/守 2500
このカードは通常召喚できない。
フィールドのモンスターの効果が無効になった場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(1)相手フィールドのカードを1枚破壊し、自分フィールドのモンスターを対象に取って発動できる。
そのカードを破壊する。この効果は1ターンに2回まで発動できる。
(2)このカードが戦闘によってモンスターを破壊し、墓地に送った場合に相手にそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与えて発動する。
自分は与えた分の2倍のダメージを受ける。
氷でできた王冠を身につけ、マントをたなびかせた戦士が玉座から立ち上がる。その威光にルチアは勿論、笑っていたトーギや観客も圧倒される。
「ウォーダーエンペラーの効果発動、その右のセットカードを破壊してシエザールを破壊する!」
「チェーンして禁じられた聖杯を発...何っ!」
「ざぁんねん!フリーチェーンならウォーダーエンペラーの召喚が通った瞬間に発動すべきだった!」
トーギが伏せていたカードを発動しようとするものの、その伏せカードが発動されることなくエンペラーの威光によって消滅する。
「破壊されたシエザールの効果!ウォーダーディムを特殊召喚!」
「ウォーダーエンペラーの効果は1ターンに2度まで発動できる!もう一度効果を発動してディムを破壊する!」
「チェーンしてディムの効果!エンペラーの攻撃力を1000アップして破壊される!」
王がその剣を抜くだけで、トーギのフィールドにはバルバロスしか残っていなかった。そのバルバロスも王を前に萎縮しているようにトーギには思えた。
「だが、バルバロスを破壊しても私のライフは3000!伏せカードを恐れるがあまり見誤ったな!」
「貴方のライフは残らない!ウォーダーエンペラーの攻撃!流乱怒涛刃殺撃!」
「ぐぁっ!」
王はその剣をバルバロスへと振るう。剣から迸る流水は2つに分かれたバルバロスの身体を流し、トーギの元へと迫る。
トーギ LP4000 →3000
「さらに、破壊したバルバロスの攻撃力3000のダメージを相手に与えてウォーダーエンペラーの効果が発動して私はその倍の6000のダメージを受ける!だがその効果が発動される前に貴方は敗北する!」
「なっ!」
王の剣から溢れる流水は主人にも牙を剥くが、それは障壁によって阻まれる。結果として荒れ狂う波はトーギだけを狙う。
「終わりだ、狂乱怒涛抹消撃!」
「うわあああああああ!」
デュエルが終わると周囲の人々はざわめき始める。それは決してパーティ会場の一角だけではなく、会場全体がエリザベスとそのカードのもつ圧力に飲まれていた。
エリザベスは周囲の注目を受けながらカードを魔法によってデッキに戻すと、周囲を見渡して宣言する。
「わたくしを未熟者だと言いたいのなら、決闘に勝ってから言って欲しいのですわ」
彼女が本格的に氷の姫と呼ばれ、恐れられるのはこの時からとなる。
今回はエリザベスの悪役令嬢っぽいところが見せられたかな!
あれ、悪役だけど悪役令嬢ではないって?
悪役の令嬢だから悪役令嬢でいいんだ上等だろ!
それにしても思ってたより凶悪な効果になってしまった...(チェーン封じと直火焼きを見ながら)
まぁなろう系だと思って見ててください(遊戯王でなろう系ってなんだよ?)