悪役令嬢「わたくしを断罪ですって!?受けて立ちますわ、闇のゲームで!」   作:sesamer

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 ランキングに載ってから、お気に入りの増加が止まらなくて怖いです...
 こんなに注目されても、皆様の期待を裏切りそうで...

 今回は前回より(色々な意味で)やりたい放題してます。
 だって思い付いたんだもん!(推敲しない底辺作家の鑑)



乗馬デュエル!アクセラレーション!(しない)

 ここはローゼス家の邸宅の一部屋、その部屋の主であるエリザベス・ローゼスは燃え尽きていた。

 

「マジなんなん?ルークってやつ...婚約者になったからって頻繁に顔出しすぎなんですけど...」

 

「お嬢様、それだけ彼に好まれている証ですよ。巷で噂ですよ、イケメン王子様が氷の姫を溶かそうとしている、って」

 

「なーにが氷の姫よ、わたくしがルークのデュエルに付き合ってる時点で、その心は海の様に広く、太陽の様に温かいことは明白ですわ」

 

 エリザベスは溜息を吐いて机に項垂れる。ルチアははしたないですよ、と注意するものの、正直エリザベスの気持ちも理解できた。

 

「(まぁあんな激しいデュエルを何度もしてたら疲れるのもしょうがないと思いますけど...)」

 

 ルチアは先日の光景を思い出す。それは一方的な虐殺では無かったものの、下手な抵抗が却って獅子を楽しませているようにしか思えなかった。

 

 

ーーー

 

 

「手札からハーピィの羽根帚を発動!」

 

「流石にもう懲りましたわ!トラップカード、スターライトロードを発動!」

 

「素晴らしい!さらに手札からカウンタートラップ、レッドリブートを発動!」

 

「(あぁぁああもうやだぁぁあああ!)」

 

 

スターライトロード

2枚以上破壊する効果を無効にして、スターダストドラゴンを特殊召喚します。

大革命返しと用法が似ているけど、破壊をスターダストでもう一度止めれるのが強いわ!と、お嬢様は仰ってました。

 

 

レッドリブート

手札から発動でき、罠をそのターン使えなくする強力なカウンタートラップです。

相手に罠をデッキからセットさせるというデメリットがありますが、そのターンに殺し切れば問題無く、お嬢様はなんでこんな凶悪なカードがこの世界にあって、尚且つアイツの手に渡ってるんだ!?と怒っておられました。

 

 

ーーー

 

 

「それでも何度かは勝ってるじゃないですか。決闘の間はお嬢様も楽しそうに見えますけど...」

 

「...まぁ楽しく無いわけじゃないわ、少なくとも全ての決闘でボコボコにされてるわけじゃないし...」

 

 ルチアの一言にエリザベスは頭を上げて答える。しかしそれも長く続かず、エリザベスは頭を下ろして机にぶつける。

 

「ああいう重い決闘は1週間に1回とか1か月に1回なら全然いいのよ!だけどそれをほぼ毎日って...もう1人回しするのも億劫になってきたわ...」

 

「あの常に1人回ししてるような人がそこまで言うなんて、流石はルーク様と言うべきなのか...」

 

「(あれ?そう言えばこの人、お友達と遊ぶ姿を見かけないけど、お友達はいらっしゃるのかな?)」

 

 そのとき、彼女の部屋の扉が勢いよく開かれる。

 

「エリザベスッ!またお茶会をすっぽかしたようね!」

 

「ゲゲッ、お母様!」

 

「貴女の我儘が治ってしっかりした性格になってから、私は貴女を信頼してました!決闘の腕も家庭教師要らずなまで上達し、このまま社交界やお茶会で交友関係を広めてくれれば何も言うことは無いと!」

 

「まぁ、わたくしは決闘の腕に定評がありますからね!」

 

「(何の定評ですか...)」

 

 胸を張るエリザベスにルチアは内心でツッコむ。それに対してエリザベスの母であるマリーは一喝する。

 

「しかしっ!!!」

 

「ひぅっ!」

 

「貴女は我儘が無くなった代わりに、周囲と関わらなくなってしまった!このままでは貴女は将来孤立します!」

 

 母の説教にエリザベスは目を天井に向けながら、なんとか逃れようとする。

 

「ですがお母様。わたくしは将来、ルーク様の妻になります(なれないかもしれないけど)王族にもなれば、孤立なんてしないのでは?」

 

「考えが甘っちょろい!!!」

 

「ひょえー」

 

 マリーが叫ぶと部屋の窓は揺れ、外では鳥が驚いて飛び去っていった。これは一流の決闘者がドローをする時にしばしば起きる現象である。

 

「王族になるからこそ、周囲の助けは絶対必要なのです!それに、婚約したからといって絶対に結婚するわけではありません!貴女の態度次第では解消されることだってあるのですよ!」

 

「(お母様は預言者かなにか?)」

 

 その言葉は未来を知っているエリザベスに深く刺さった。なんなら遠回しに貴女はぼっちだと言われ致命傷だった。

 

「今だったらルーク様との許嫁の関係で、貴女への注目してる貴族の方はたくさんいます。貴女がお茶会への参加を希望すれば、招待してくれる方はいるでしょう」

 

「はい...」

 

 項垂れるエリザベスを見て、ルチアは上には上がいるのだと実感する。王族であるルークにさえ裏で言いたい放題言っているあのエリザベスが、仔犬のように大人しくなっているのは、見てて正直面白かった(小並感)

 

「そこの使用人も!」

 

「ハイッ!」

 

「エリザベスがお茶会を逃げ出さないか、常に見張ってなさい!」

 

「了解しました!奥様!」

 

 敬礼をするルチアに満足そうに頷くと、マリーは部屋から出る。そして部屋から出る直前、エリザベスに宣告する。

 

「貴方がその身に背負うのは、ローゼス家の誇りであると同時に、世界をも破壊できる力であることを忘れてはいけませんよ」

 

「はい...お母様」

 

「(...世界を破壊できる力?そういうお年頃なのかな...?」

 

「...聞こえてますわよ」

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 そしてルチアは先程以上にナイーブなエリザベスを連れて、お茶会の会場であるペオニー家の邸宅に向かう。しおらしいお嬢様の様子を見て、社交界に行く時の私と同じ気持ちをしてるんだろうなぁ、と考えると面白(以下略)

 

「ほら着きましたよ、ここがペオニー家です。ってあれ?お嬢様?」

 

 ルチアが振り向くと、そこには牛歩の進みで歩くエリザベスがいた。ルチアは呆れ返ってエリザベスの元へ向かう。

 

「なーにやってるんですか!子供ですか!?」

 

「いや子供だし、まだ8歳だし!」

 

「そんなにお茶会に行きたくないんですか!?」

 

 ルチアが思わず聞くと、エリザベスは腰を下ろして地面にののじを描きながら話す。

 

「だって大人相手なら我儘姫と言われようが氷の姫と言われて嫌われようとも問題ないですが、もし同年代に嫌われたら立ち直れないですぅもん」

 

「そんな初対面でエリザベス様を嫌うわけないじゃないですか!」

 

「だけどほら、最近氷の姫って噂になってるし、もしかしたら両親にアイツは危ないやつだって忠告されて...」

 

「それならお茶会に誘うわけないでしょうが!」

 

「もしかしたらルーク様の許嫁という関係を嫉妬されて、虐めに遭ったり...!」

 

「想像力が豊かですねお嬢様は!まだ子供なんですからそんなことあるわけないでしょうが!」

 

 うおおお離せえええ、と暴れるエリザベスの肩を掴み、ペオニー家に入ろうとする。その時庭から小さな悲鳴が聞こえ、それに反応したエリザベスはルチアの拘束を解いて悲鳴の方へと逃げる。

 

「あっ!お嬢様!そっちはお茶会会場ですけど...」

 

ーーー

 

「(エリザベスがお茶会を逃げ出さないか、常に見張ってなさい!)」

 

ーーー

 

「ハイッ奥様!あっ、待ってください!お嬢様ぁー!」

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

「お嬢様、そこで何してるんですか?」

 

「しっ!隠れてなさい!」

 

 庭の木々に小さく身を隠したエリザベスはルチアも同じように隠すと、その光景を見せる。

 

「おい!これで全員か!?」

 

「(コクコク)」

 

「じゃあズラかるぞ!いいか?お前達がもし大きな声を出したりしたら、どうなるか分かってるよな?」

 

 大きな男に抱えられた少女が必死な形相で頷く。それを確認すると男は馬車に乗ろうとする。

 

「これって...誘拐!?」

 

「突入するわ!」

 

「えっ!お嬢様ぁ!?」

 

 ルチアが止める間も無くエリザベスが飛び出す。男の乗ろうとする馬車の後ろに行くと、彼らに宣言する。

 

「幼き少女を誘拐する見下げた根性!例え創世神は見逃してもこのエリザベス・ローゼスは見逃しませんわ!!!」

 

「あ?まだガキが残ってやがったか?」

 

 男が馬車から出ると、それに続いて同じくらい大きく太った男と、長い背の細身の男が出てくる。

 

「どうする?アブナイか?」

 

「ここは逃げよう。使用人が来る」

 

 細身の男がルチアの接近に気付くと、2人に提案する。それに2人は納得いかなさそうな顔を見せるが、

 

「先程も言ってたが、先生は誘拐自体には協力しない。ここでしくじれば俺達はお終いだが、ここで逃げれば先生がついているんだぞ」

 

「そうだな!先生なら誰にも負けねぇ!」

 

「ここで戦うのはアブナイってことだな!」

 

 馬車に乗って逃げ出そうとする3人を見て、エリザベスは反応して魔法をかけようとする。

 

「決闘空間展開!」

 

 3人を馬車ごとデュエルフィールドに囲もうとするが、細身の男が「先生」と呼ぶとそのフィールドは解除される。

 

「何っ!決闘空間解除魔法ですってっ!?」

 

「はっ!お前みたいなガキに負けるわけないが、俺達には時間が無いんだよ!じゃあな!」

 

 3人を乗せた馬車は発進し、ペオニー家を出ようとする。

 

「お嬢様!家の人を呼ばなければ!」

 

「いえ、わたくしは彼女達を救出しに行きます!」

 

 ルチアがエリザベスの方を見ると、彼女は庭の隣にあった馬舎から馬を解放し、それに乗ろうとしていた。

 

「なっ、何してるんですか!?他人ん家の馬ですよ!?」

 

「彼らの言っていた先生が気になります。ここは追わなければいけません!さぁ、ルチアも乗りなさい!」

 

 ルチアはエリザベスと家を見比べ、渋々諦めた顔をすると、エリザベスの後ろに乗りこむ。

 

「はいはい、お嬢様は一度言ったら聞かないんですから」

 

「さぁ行きなさい、エポナ!」

 

 エリザベスが勢いよく馬の腹を蹴ると、その馬は飛び出す。その目には前方の馬車が写っていた。

 

 2人を乗せた馬はグングンとスピードを上げ、馬車との距離を縮めようとする。

 

「驚きました。お嬢様って乗馬も習っていたのですね」

 

「いや、そんなことはないけど」

 

「えっ!?」

 

「まぁ、わたくしはリンクの後ろ姿を見慣れてますから、馬の扱いは大丈夫ですわ!」

 

「それは大丈夫じゃないやつです!」

 

 馬の接近に気づいた馬車はスピードを上げ、2匹のレースは街を駆け抜けて続く。

 

「どうするんですか!?一体何か秘策はあるんですか!?」

 

「秘策はあるわ!見てなさい!」

 

 馬と馬車の距離が馬一頭分にまで迫ったとき、エリザベスは馬から立ち上がる。

 

「決闘空間展開!」

 

「何っ!?馬に乗ったままデュエルだって!?」

 

 それと同時にエリザベスは馬から飛び降りる。そうすると停止したエリザベスを中心としたデュエルフィールドは勢いよく走る馬車を遮り、その障壁が解除される前に馬車の勢いを完全に止めた。

 

 急に止まった馬車から男達が現れる。ちなみにルチアも文句を言いながらエリザベスに合流した。

 

「こんな舗装されてない道で馬に乗ったままデュエルなんて危険ですわ。流石に無理がありますわ」

 

「お嬢様!まるで舗装されていれば出来たような言い方はおやめ下さい!」

 

「このガキめ!大人しくしてれば見逃そうとしてたものを!」

 

「アブナイやつだ」

 

「いいのですか?貴方達は2人、こちらは4人ですよ?」

 

「ええ!寧ろ相手はわたくしだけで十分ですわ!」

 

「テメェ!貴族だからって舐めやがって!こうなりゃ俺達だけでぶっ潰す!」

 

「まぁ先生がいなくても余裕ですね」

 

「オマエ、アブナイぞ!」

 

 男達に挑発するエリザベスの後ろで、ルチアは弱気になる。

 

「お嬢様ぁ、流石に1対3は無理ですって!私もデッキが無いですし、素直に逃げましょうよ!」

 

「大丈夫よ、ルチア。私はこういう時のために、1対多を想定したデッキを持ってるわ!」

 

「1対多を想定したデッキ?」

 

「「「「デュエル!!」」」」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

「まずは俺のターンだ!ドロー!」

 

 大男がドローすると他の2人と目を合わせ、その後3人でエリザベスに宣言する。

 

「「「俺達はバーン三兄弟!!!」」」

 

「バーン三兄弟?」

 

「そうだ!お前は何も出来ずに負けるのだ!ガーハッハッハ!」

 

 3人が大笑いしているのを見てエリザベスは焦りを覚える。彼女を見てルチアもまた焦っていた。

 

「お嬢様ぁ!バーンって言ったら...」

 

「相手に戦闘ダメージではなく、効果ダメージを与えることね。戦闘を介さない分安定したダメージが与えられるわ。本来なら相手に何もさせずに勝つことなんて不可能だけど、バーンと特殊勝利ならそれができるわ。特に3人もいれば成功率も高いのかも」

 

「ええっ!成功したら負けるじゃないですか!?」

 

「そうね、わたくしとしてはなるべく成功率の低い手段だといいんだけど...」

 

 ルチアが顔を青褪めさせる中、男が動く。

 

「メインフェイズに入ってトリックスター・キャンディナを通常召喚!」

 

 

ーーー

 

<トリックスター・キャンディナ>

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1800/守 400

(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。

デッキから「トリックスター」カード1枚を手札に加える。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

相手が魔法・罠カードを発動する度に相手に200ダメージを与える。

 

ーーー

 

 

 そうして出てきたのは全身を黄色い衣装に身に包んだ可愛いらしい天使だった。ルチアが大男と天使のギャップに拍子抜けする中、エリザベスはその額から一筋の汗を流した。

 

「キャンディナの召喚時効果!トリックスター・ライトステージを発動。発動時の効果によってトリックスター・マンジュシカを手札に加え、そのままマンジュシカの効果発動!キャンディナを手札に戻して特殊召喚!」

 

ーーー

 

<トリックスター・ライトステージ>

フィールド魔法(現実では制限カード)

(1):このカードの発動時の効果処理として、

デッキから「トリックスター」モンスター1体を手札に加える事ができる。

(2):1ターンに1度、相手の魔法&罠ゾーンにセットされたカード1枚を対象として発動できる。

このカードがフィールドゾーンに存在する限り、

セットされたそのカードはエンドフェイズまで発動できず、

相手はエンドフェイズにそのカードを発動するか、墓地へ送らなければならない。

(3):自分フィールドの「トリックスター」モンスターが戦闘・効果で相手にダメージを与える度に、

相手に200ダメージを与える。

 

 

 

<トリックスター・マンジュシカ>

効果モンスター

星3/光属性/天使族/攻1600/守1200

(1):手札のこのカードを相手に見せ、「トリックスター・マンジュシカ」以外の

自分フィールドの「トリックスター」モンスター1体を対象として発動できる。

このカードを特殊召喚し、対象のモンスターを持ち主の手札に戻す。

この効果は相手ターンでも発動できる。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

相手の手札にカードが加わる度に、加えたカードの数×200ダメージを相手に与える。

 

ーーー

 

 

 キラキラとしたライブステージで、キャンディナはクルリと1回転して観客にアピールすると、今度は落ち着いた赤の衣装を着た黒髪の天使にバトンタッチする。

 

「カードを1枚セットしてターンエンドだ!次はディブ、お前だ」

 

「それはアブナイな、ドロー!」

 

 ディブと呼ばれた男がドローする中、ルチアはホッと一息をついた。

 

「良かった。なんか思ったより可愛いモンスターだし、セットカードも少ないですよ。ダメージも大したことないでしょう」

 

 それを受けてエリザベスは否定する。

 

「いえ、トリックスターはバーンを扱うデッキの中では最も安定性が高く、強いデッキと言っても過言ではないわ」

 

「えぇ!?あんな可愛いカードがですか!?」

 

「あんな可愛いからこそ、よ」

 

 ルチアの視線の先ではマンジュシカが観客へ投げキッスをした。それを見てもルチアにはあの天使のような子がバーンなんてするとは思えなかった。

 

「マンジュシカの効果は相手がカードを手札に加えるごとに200ポイントのダメージを与えるわ。更にライトステージの効果でダメージは400ポイントね」

 

「なんだぁ、だったらたかが400ポイントじゃないですか。何を恐れてるんですか?」

 

「あぁ言い方が合ってなかったわね。正確には手札加えた数ごとにダメージ、例えばドローカードで2枚ドローするとマンジュシカで400ポイント、ライトステージ合わせて600ポイントのダメージになるわ」

 

「え?」

 

「更にあの伏せカードは十中八九、トリックスター・リインカネーション。効果は手札入れ替えで、仮に私のターンのドロー後に発動すれば、ダメージは1400ね」

 

「えぇー!そんなにですかぁ!」

 

「これが3人分だと4200で1発KOね...」

 

「おらは手札からフィールド魔法、トリックスター・ライトステージを発動するだ」

 

 太った男が先程と同じカードを発動する。サーチについて詳しい説明を受けたルチアならこれが何を意味するか分かった。

 

「お嬢様...!」

 

「ほらね」

 

「ほらねじゃないですよぉおお!これ3人同じデッキですよぉこのままじゃあ負けちゃうじゃないですかぁああ!」

 

 ルチアによって首をグラグラ揺さぶられながら、エリザベスはルチアを宥めようとする。

 

「まぁまぁ、こういう時に便利なのは手札誘発ね」

 

「手札誘発?」

 

「手札から即座に発動できるカードのことよ。相手ターンにモンスターを無効化することで相手を妨害したり、攻撃や効果ダメージを無効化することで自身の敗北を防ぐことができるわ」

 

「へぇー、そんな便利なものがあるんですか?」

 

「まぁ、モンスターを無効化するエフェクトヴェーラーとかうららとかGとかはこの世界ではあまり無いみたいだけど。効果ダメージを無効化するならハネワタは市場で流行ってるし、貴族や王族の中でも入れてる人は多いわ」

 

「じゃあお嬢様も...!」

 

 安心して既に涙目になっているルチアに、エリザベスは申し訳なさそうな顔をする。

 

「わたくしは趣味じゃないので入れてないわぁ」

 

 ルチアは白目を剥いて倒れた。エリザベスはルチアを回復体位にして寝かせると、フィールドを見る。

 

 既に細身の男のターンとなっており、その男は2体のマンジュシカを特殊召喚する。

 

 (もしあっちの方なら私が死ぬことは無いのに...!くそっ!ルークだったら悩むことは無いのに...!)

 

 細身の男がターンを終えるかと思いきや、男は唐突に叫ぶ。

 

「これが俺達のバーンコンボだ!魔法カード、手札抹殺を発動!」

 

「キタキター!兄貴が持つ古代のカード!伝説の力を喰らえ!」

 

「(!!!)」

 

 

ーーー

 

<手札抹殺>

通常魔法(古代のカード)

(1):手札があるプレイヤーは、その手札を全て捨てる。

その後、それぞれ自身が捨てた枚数分デッキからドローする。

 

ーーー

 

 

 全員の手札のカードが全て捨てられ、デッキから新たなカードが補充される。それに反応して、三兄弟の場の黒髪の天使がその手に持った指揮棒を振り上げると、ステージから光が溢れてエリザベスに向かう。

 

 そのまま光は直撃し、大爆発を起こした。

 

「しゃあっ!1度に合計で4600ダメージ!後遺症確定だぜ!」

 

「こうなれば人質としては機能しないだろう。あの女2人は奴隷市場に売り捌く」

 

「それってアブナイなー」

 

 3人はエリザベスの方へ向かおうとしてあること気づく。

 デュエルフィールドが解除されてない。デュエルは続いている!

 

「バッ、バカな!!まさか!!!」

 

 煙が晴れるとそこには無傷のエリザベスが立っていた。

 

「わたくしは手札抹殺の効果にチェーンして、墓地からトラップカード、RR-レディネスを発動していましたわ!」

 

「ぼぼぼ、墓地からトラップ!?」

 

「その効果によりわたくしが受けるダメージは全て0になりましたわ!」

 

 

ーーー

 

<RR(レイドラプターズ)-レディネス>

通常罠

(1):このターン、自分フィールドの「RR」モンスターは戦闘では破壊されない。

(2):自分の墓地に「RR」モンスターが存在する場合に墓地のこのカードを除外して発動できる。

このターン、自分が受ける全てのダメージは0になる。

 

ーーー

 

 

「たかが一発防いだところでなんだ!俺の伏せカードはトリックスター・リインカネーション!これでお前を今度こそ殺してやる!」

 

「先程わたくしの手札にはレディネスが2枚ありました。その意味が分かりますか?」

 

 エリザベスの一言に細身の男は顔を青褪めさせる。彼はそのままターンを終了した。

 

「わたくしのターン!ドローですわ!」

 

「マンジュシカとライトステージの効果で1400のダメージを与える!更にトリックスター・リインカネーションを発動!」

 

「チェーンしてRR-レディネスを発動しますわ!」

 

「くっ、くそっ!」

 

ーーー

 

 

エリザベス LP4000 → 2600

 

 

ーーー

 

「後はわたくしが貴方達を倒せば終わりですわ」

 

 エリザベスの宣告に3人は震える。それはエリザベスの声に感情が無く、その声を聞くと背筋が凍り自身の敗北を悟ったからだった。

 

「まだ終わりじゃねぇ!」

 

「!」

 

「バーン三兄弟は最強だ!最強の1番槍の兄貴に、2番手で殺し切る俺、3番手のディブは落とし穴によって相手を妨害する完璧なチームワーク!これを倒せるのは先生しかいねぇ!」

 

「ならばそれを見せなさい!わたくしはRR-トリビュートレイニアスを通常召喚!」

 

「奈落の落とし穴を発動するだ!」

 

 トリビュートレイニアスが除外されるがエリザベスは止まらない。

 

「速攻魔法、クイックリボルブを発動!デッキからヴァレットトレーサーを特殊召喚!」

 

「底なし落とし穴を発動するだ!」

 

「ならばヴァレットトレーサーの効果発動!自身を破壊してヴァレットリチャージャーを特殊召喚!」

 

「もう一個しか落とし穴が無いだ...」

 

「更に場に闇属性モンスターがいる時、RR-ストラングルレイニアスを手札から特殊召喚!」

 

「くそっ!ディブ、その落とし穴は次のモンスターに使え!」

 

「分かってるだ!」

 

「冥府の戦士よ、亡友の意思を継ぎ、終ぞ敵わなかった叛逆を!エクシーズ召喚!ランック4!翔誕せよ、レイダーズナイト!」

 

 黒の馬に乗った黒騎士が光の向こうから現れる。その身は朽ち果ててもその戦意は肉体を持っていると感じさせるほどの威圧感を、その場に放っていた。

 

「煉獄の落とし穴!」

 

「それにチェーンして手札からランクアップマジック-ファントム・フォースを発動!墓地の闇属性モンスター2体を除外し、レイダーズナイトを対象に除外させた分ランクアップさせる!」

 

 騎士の真下に出現した落とし穴に飲まれる寸前、騎士からその魂が抜け出す。その魂は光の向こうへと向かって、新たな姿となる。

 

「誇り高き叛逆者達よ!その血潮に濡れた翼を翻し、革命の歌を唄え!」

 

 エリザベスが腕を振り上げると、光の向こうからそのモンスターは姿を見せる。

 

「ランクアップ・エクシーズッ・チェンジ!現れろォ!ランック6!RR-レボリューションファルコン!!!」

 

 

 

ーーー

 

 

<RR-レボリューションファルコン>

エクシーズ・効果モンスター

ランク6/闇属性/鳥獣族/攻2000/守3000

鳥獣族レベル6モンスター×3

(1):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

このターン、このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。

(2):このカードが特殊召喚された表側表示モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。

そのモンスターの攻撃力・守備力を0にする。

(3):このカードが「RR」XモンスターをX素材としている場合、以下の効果を得る。

●1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを破壊し、その攻撃力の半分のダメージを相手に与える。

 

 

ーーー

 

 

 光の中から現れたのは、その身の殆どの機能を機械に代えたハヤブサだった。その周囲には3つの光の玉が回っており、その中の一つは先程黒騎士から放たれた魂だった。

 

「くっ、くっく、くっくっくっくっく!」

 

「...兄貴?」

 

「ハハハハハハハハハハハハハハ!」

 

「そんだけカッコつけて出たモンスターが攻撃力2000!そんなんじゃ俺達1人すら落とすことができねーんだよ!」

 

「...そうだ兄貴の言う通りだ!ディブの落とし穴をあんだけ受けて勝てるわけが無い!」

 

「果たしてそうかな!手札から速攻魔法!コンセントレイトを発動!」

 

 

 

ーーー

 

 

<コンセントレイト>

速攻魔法

(1):自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力はターン終了時までその守備力分アップする。

このカードを発動するターン、対象のモンスター以外の自分のモンスターは攻撃できない。

 

 

ーーー

 

 

 

「なっ!攻撃力...」

 

「5000...!!!」

 

「だっ、だが!コンセントレイトの効果を使えばそのモンスターしか攻撃できない!俺達の1人しか倒せない!」

 

「それが遺言でいいですのね?レボリューションファルコンの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き、このカードは全てのモンスターに攻撃する!」

 

「ばっ、ばかなぁぁぁあああ!」

 

「バトルだっ!レボリューションファルコンの攻撃!失った者の意思を継ぎ、全ての敵を殲滅せよ!レボリューショナルエアレイドォ!!!」

 

 鉄のハヤブサは上空へと飛び立つと、その羽根を展開する。そこには数多のミサイルが装填されており、ハヤブサはそれを飛びながら発射する。

 

「「「うぎああああああああ!!!」」」

 

ーーー

 

 

バーン三兄弟 LP4000 → 0

 

 

ーーー

 

 爆発が巻き起こり、その煙が晴れるとそこにはエリザベスしか立っていなかった。エリザベスは大きな伸びをして一息ついて、

 

「ちょぉおおお気持ちいいですわぁああ!」

 

 と叫んだ。

 

 

 




 書いてて滅茶苦茶楽しかった!
 本来ならこれは前座のはずだったんですが、元々RRは愛用のデッキで、アニメの初登場の時みたいな多人数を相手に無双するのは書きたかったですけど、相手をトリックスター使いにして隙のないコンボを考えてると、エリザベスの強さも書けるしRRの布教になるやん!ってなってこうなりました(語彙消失)

 勢いだけで書いたので誤字、ルールミス、そもそも読みづらいなどあるかもしれないので、感想で教えてくれると嬉しいです!

 因みに今回本命だったはずの「先生」ですが、分かる人はどういう人か分かるかも...?
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