士郎が帰宅した事で僕達は報告を聞く事にした。そして桜が現在は部活中の為にまだここにはいない。これが僕達の運命を決める大きな分岐点になるだろうな。
「士郎……教えてくれないか?響は……誰と接触していた?」
僕が士郎に頼んだのは響との接触だ。そしてあわよくば響の協力者を割り出せれば良いと思っていた。しかし士郎は既に協力者を確認していたのだ。
「響の協力者は〈キャスター〉って言ってた。恐らく俺はキャスターとの接触が無いと思われていたのか、響はキャスターの真名を知っているかのような口ぶりをしていた。そして遠坂の〈アーチャー〉との面識もほのめかしていた。そいつらの真名に心当たりがあるだろう………修治?」
流石士郎だ。この世界に存在しない筈の人物がマスターやサーヴァントとして存在する以上、士郎やセイバーの知識はアテにならない可能性は高いが、同時に僕達の記憶は大きく役立つ事もわかっている。
「まずは響の協力者であるキャスターだけど、真名はヨーロッパに名をはぜた錬金術師〈サンジェルマン伯爵〉だよ。ただし僕達の教科書とは違い、嘗ての切歌ちゃん達のいた世界のサンジェルマンさんだ」
そう……この世界のサンジェルマン伯爵の情報とシンフォギアの世界のサンジェルマンさんは同一の出自ではあるが、あの世界の彼女の方が錬金術師としての技術が恐らく高い。
「そしてそのキャスターのマスターは桜だ。桜は士郎へと強い〈想い〉を秘めている。それこそ聖杯の力を扱える程に……ね」
桜と話し合いをした僕だけが知る桜の想いの強さは、想定できる桜の中でも屈指の実力を誇るからな。
「だけど俺は未だに信じられないよ。桜が魔術師だなんてね。だってそんな気配1度も……」
士郎が言葉を続けることはできなかった。僕が口を開こうとしたのもあるし、何よりも……
「シロウ……んっ……シロウ……私は貴方を守ります。例え私がどうなろうと……シロウを守る為なら……」
士郎へと視線を向けるセイバーだが、響と戦闘をした時よりも士郎を見ている。まるで自分の存在意義を士郎に見出したかのような雰囲気だな。
「シロウ……私は……レロォ……シロウを……んっ!必ず……ん!守り……ますからぁ……」
セイバーは士郎を押し倒すとむさぼり食うように士郎の唇を奪った。正直……ここまで士郎への感情を高めていたとは僕も想定していなかった。
「セイバー……一体何を……?」
士郎は困惑していた。学校から帰宅すればセイバーは既に態度を丸くしており、まさか自分の唇を奪って来るとは思わなかったのだろう。僕だって想定していたよりもセイバーの感情が高ぶっていたことは素直に驚いた。
「セイバーさん……少し落ち着いてください。士郎の話を聞かないと後手後手の可能性があります」
「あたし達は負ける訳にはいかないデス。恋する乙女の強さに上限は無いのデェス!」
士郎を押し倒してキスをしていたセイバーを僕がなだめる事にした。しかしセイバーの表情は恍惚としていた。
「さてさて……セイバーも協力的になったところで作戦会議だよぉ!」
僕は荒ぶる
「士郎は僕達の利点や有利な点はどこだと思う?」
「まずは数だな。〈3人集まれば文殊の知恵〉とも言えるし、何よりも頭数は戦いでは大事だろう?」
流石主人公だ。戦力の分析は冷静にしてるな。
「えぇ。しかしシュウジ……私の宝具を何故戦力に加え無いのですか?」
「最優秀のサーヴァントと名高いセイバーだろ?ならそれなりの宝具をセイバーは持っており、真名バレのリスクが
高いから。士郎を守りたいなら他のサーヴァントよりも宝具の扱いは慎重になるべきだから……これじゃあ不満かな?」
「…………シロウを守る為ならば仕方無いですね。ならばシュウジに作戦を一任しましょう。シュウジならば信頼できます」
アカン……〈セイバーの行動原理=士郎〉になってる。コレは……桜に捕まったらウチの陣営終わるかも……
「あたし達ザババの力で響さんだろうと未来さんだろうと刈れば良いのデェス!」
「泥棒は殺さないと……私達の愛するお兄ちゃんは渡さない……」
切調コンビに両方の腕を掴まれた僕はどうしましょう……。
「とはいえ……桜の魔術ってなんだろうな?」
士郎……やめて。その話はやめて……。
「先輩……顔色が悪いデスよ?どうしたんデスか?」
「そんなに危険なら殺せば良い。私達の先輩を誑かすかもしれない女性は殺さないと……」
ザババが物騒だよぉ!セイバー助けてえぇ!
「しかしマスターを狙う事は理に叶っています。検討の余地はありますよ?」
ソレは一般的なマスターの話なんだよぉ!桜の属性はヤバいんだよぉ!
「なら……心して聞いて欲しい。桜の魔術属性は〈虚数〉……概念にすら干渉できる能力で、サーヴァントからすれば相性最悪とも言える属性だよ。桜に捕獲されれば令呪を残したまま敗退するようなものだよ。桜とは……対立するべきじゃあないよ。だってそこにバーサーカーもいるんだよ?」
響がサーヴァントとやり合えるスペックなのも予想外で、おまけに未来…………だからな。
「なら……修治……お前が言いたいのは……」
「恐らく〈最悪の可能性〉を未然に防ぐならこの選択肢しか無いね」
「シロウ……」
「先輩…………」
「お兄ちゃん……」
3人の少女が僕達を見つめていた。僕達も覚悟を決めるとしよう。
そして明確に使えそうな選択肢を絞り込んだ僕は提案をした。
「1つ目の選択肢は遠坂との同盟だね。」
「現実的だけどそれであの2人に対抗できるのか?」
「それは姉さん………アーチャー次第かな」
しかし当然反対意見が出た。
「クリス先輩はダメに決まっているのデェス!あんなに大きなお胸で先輩を誘惑するに決まっているのデェス!」
「巨乳には私達の辛さがわからない……」
ザババのお2人が殺気立つ事で……
「なら次……ランサーとの同盟だね。クー・フーリンって真名もわかっているよ。間違いなく大英雄だね」
「なるほど……〈アイルランドの光の御子〉ですか。確かにサーヴァントとしては強力でしょう。しかし……明らかにイリヤスフィールが………」
今度はセイバーが反対してきた。まぁ……こちらも予想通りだけどね。
「じゃあ桜とヒの2人と同盟を組む……コレはどうかな?」
「シロウを盗られる可能性が高く……サーヴァントの天敵と背中合わせ……どこまで安全か……」
「響先輩と未来さんまで……確かに敵にするには相手が……」
「だけど私達が1番警戒しないとお兄ちゃんが……」
1番雰囲気が悪いな。なら……最後の選択肢かな。
「なら最後だ。姿を見せないライダー陣営に協力を要請する……コレはどうかな?」
一種の賭けだな。僕の知る人物でなければ可能性が1番あるだろう。
「未だ姿を見せないライダー……そしてそのマスター……ですか…………」
「ここまで知り合いが多いと何が起こっても……」
「でも……そうするしか無いかもしれないデス……」
1番印象が良さそうかな……?だったらこの提案で……
「そうだな。皆の意見が纏まらないならまずはライダーを探そう。もしかしたら既に襲われているかもしれないしな…」
「「「っ!?」」」
士郎の言葉に3人が反応した。……一体何をするつもりだ?
「例え知り合いだろうとなかろうと………」
「恩を売れば関係無いデス!」
「そして馬車馬みたいに働いて貰おう……そして私達は先輩と…………」
あ〜納得した。なるほどね。
「じゃあ当面の目的はライダー陣営の捜索……そして交渉と同盟の提携かな?」
「「「異議なし(デス)!」」」
ひとまずは……僕達のこれからの動きは決まった。まだ見ぬライダー陣営……一体どんなマスターとサーヴァントがいるんだろう?
「やれやれ……数が多いわね……。そっちはどうかしら〈ライダー〉!」
「こちらも滞りなく撃破している。しかし……なんだこの異質な敵は?倒しても倒しても手応えをまるで感じないぞ?」
「しかし反応はサーヴァントのソレよ。言うならコレは………シャドウ・サーヴァントと言う事かしらね?」
本当に不気味ね。修治は大丈夫かしら?私達がついてあげないと心配ね……。きちんと平和に過ごせてるかしら?
「マリア……修治ならきっと心配は要らないさ。この世界は確かに異質だが、私達が修治をこの戦いから守れば良いのだからな!」
「ふふふっ……そうね〈翼〉。確かにそうすれば良いだけね。」
「ならば修治の住所を調べるとするか。私達は魔術師ではあるが……」
「どちらかと言えば科学分野の人間だものね……」
そしてマリアは教会へと足を運んだ。
「こんばんは聖杯戦争の監督さん……少し今回の聖杯戦争での報告があるわよ?」
すると教会から今回の監督役………〈天羽 奏〉が姿を現した。
「おや?ライダーのマスターにして後輩か。どうしたんだよこんなタイミングで……翼のパートナーだろ?」
「えぇ。だけど今回の聖杯戦争に置いてイレギュラーが確認されたわ。まずはコレを見て欲しいの……」
私は先程まで戦っていた〈襲撃者〉の情報を奏に開示した。
「……なるほどな。コイツは全陣営に通達しなきゃいけないな……もちろんつい昨日参加を表明した修治にもな……」
今……奏さんは何と言ったかしら?修治が……参加者?
「奏さん……今〈修治〉って……言ったかしら?」
「あぁ……。〈木原 修治〉君。今回の聖杯戦争の参加者にして……あたし達の愛して止まない王子様だよ……」
私達は奏さんの言葉に動揺を隠せなかった。
とうとう動き出したライダー陣営………。そして現れた〈シャドウサーヴァント〉。歪んだ運命の歯車が導く先とは………
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主人公達の関係性…………最終的にどうしましょう?
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知り合い同士での同盟!
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主人公達は同盟を組む!
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もちろん2人とも厄ネタ降り注ぐ!
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ハイライトは仕事しない!