僕が士郎との決別を告げた時……1人の人物の気配を感じた。
「そこにいるのは〈アーチャー〉だね? 僕に一体なんのようかな?」
すると今まで隠れていた事が嘘であるかのようにあっさりとその人物は姿を現した。そして同時に彼女達も臨戦態勢へと動きを変えた。
「お兄ちゃんをやらせる訳にはいかない。私達は2度と後悔したくないから……」
「相手が誰であろうと退く当たるじゃあ無いのデス! お前が敵ならあたし達は刃を振るうだけなのデス!」
「だけど仮にもアーチャーを名乗るサーヴァントならその挙動は明らかに不自然極まりないよ。貴方は……一体何が目的なんですか……〈エミヤ シロウ〉さん」
するとアーチャーは驚いた表情をしたように見えた。モヤに覆われていて詳細こそわからないが、なんとなくそれだけは理解できた。
「いや何……生前の記憶に存在しない人物がいて興味を惹かれただけさ。なぜなら……君は……
そこまでわかるのか。流石
「なるほどね。抑止の守護者に褒められるとは光栄だよ。だけど買い被り過ぎとも言えますね。僕はただの平凡だった魔術師だ。しかも自分の運命に嘆いた……ね」
「ふっ……よく言うな。お前は運命に抗った者だよ。私の目は誤魔化せ無いからな?」
随分高く評価してくれる……か。何が狙いなんだ?
「さて…………それじゃあ僕も質問をしよう。エミヤ……お前の目的はなんだ? シャドウサーヴァントとなってまで現れた目的だよ?」
「フム……その質問だが答えは2つだな。1つ目の答えは〈衛宮 士郎〉の抹殺……と言いたいところだが、奴の心境が既に私の在命時代と異なるのでな。強いて言うならば…………然るべき手段を以って託しに来た……と言うところだな」
「なるほどね。既に士郎の価値観においてセイバーが大きな要素を形成していた訳か。そうなれば価値観も変わるよね…………」
「ん? ……お前がけしかけた訳では無いのか?」
「冗談はやめてくれよ。確かに僕は士郎のサバイバーズ・ギルトに変化を望んでいたよ。だけど……僕自身のトラブルがあって再会したら今の状態だ」
するとエミヤは〈面白い〉……と言った表情で2つ目の質問に答えた。
「では2つ目の答えだ。だが……答えは
なるほど。士郎を導く為にエミヤを召喚した。しかしそれは〈世界の意思〉……か。
「一応他のシャドウサーヴァントとお前の雰囲気の重さが違う理由を聞いておくよ。お前は他のシャドウサーヴァントに比べて雰囲気が重すぎるからね」
「だろうな。私を召喚した意思と他のシャドウサーヴァントを召喚した人物は異なるだろうな……」
なるほど……納得したよ。
「なら……お前と敵対する理由は無さそうだな。とりあえずは……お互いの目的が果たせる事を願っているよ」
「そうだな。そうするとしよう」
その言葉を最後に僕達は別れを告げた。
夢を見ていた。正義の味方として人々の為に戦い続けて……〈悪〉と呼ばれた者達を倒し続けて……心が擦り切れ……やがて……救った者達に殺される……。そんな夢を見た。
「この夢は……何を示しているんだろうな……」
1人の男の視点で見せられたその光景は……ただ……孤独だ。
「I am the bone of my sword.
(体は剣で出来ている)
Steel is my body, and fire is my blood.
(血潮は鉄で、心は硝子)
I have created over a thousand blades.
(幾たびの戦場を越えて不敗)
Unknown to Death. Nor known to Life.
(ただの一度も敗走は無く、ただの一度も理解されない)
Have withstood pain to create many weapons.
(彼の者は常に独り、剣の丘で勝利に酔う)
Yet, those hands will never hold anything.
(故に、生涯に意味は無く)
So as I pray, unlimited blade works」
(その体は、きっと剣で出来ていた)
その光景は……嘗ての俺の終着点であり……起こり得る未来だ。だけど……今の俺には守りたい
「今までの俺は……正義の味方になりたかった。たけど……今の俺は……セイバーを守りたい。セイバーに守られるだけの俺で……ありたくない」
ならばどうするのか? ……そんな事は1つしか無い。
「強く……なりたいな。だけど……我武者羅なだけじゃあ…………ダメだ」
その結果がきっと……あの未来だ。ならば……どうするのか?
「理想を叶えるだけの力と……信念……そして……」
だけど……今の俺は……支えてくれるセイバーがいる。だから……怖く無い。
「なら……恐れる事も……きっと無い。だから……まずは未来を掴もう…………」
「ふむ……。ようやく現れたな衛宮士郎。俺はお前を認め無い。例えセイバーに求められるような存在になったところで……な」
やはりアーチャーの標的は俺だったのか。だけど……俺も確かめるべき言葉がある。だから……前に進んで見せるさ。
「そうだな……俺もお前に聞きたい事。いや……言いたい事があるよ。お前は…………未来の俺だろう?」
「シロウ……それではあのアーチャーはやはり…………」
セイバーも薄々は気付いていたみたいだな。だけど……本人の口からじゃないと……そんな気がしてならない。しかし奴の告げた言葉に俺達は驚く事になる。
「その通りさセイバー。いや……こう言えば良いのかな?
〈
と……ね?」
するとセイバーの表情が変わった。
「やはり…………貴方はシロウなのですね。私の真名を呼ぶ者がいたのは驚きましたが……未来のシロウなら識っている筈ですから……」
セイバーは自分の真名を明かされた事に驚いたが、それでも俺の言葉だと納得していた。
「なるほどな。お前が未来の俺だと言うこれ以上無い証拠だよ。だけど……それがどうした?」
確かにセイバーの真名には驚いたし、そこには確かな歴史があった筈だ。だけど……それを……今の俺に当て嵌めるなよ?
「そうなるなら俺もお前に言うべき事があったよ」
「ほう……正義の味方の結末か? そんなに知りたい出来事か?」
確かに以前の俺なら聞きたいと言っただろう。だけど……今の俺はセイバーの為に生きたい。だから……聞きたいのは別の事だ。
「お前が過ごしたセイバーは
「ッ!?」
すると奴は言葉を止めたが、やがて答えを教えてくれる雰囲気を出した。
「そうだな……その答えを識りたいならばお前も
なるほどな。一筋縄じゃあ教えてくれないか。
「そうだろうな。なんせ俺だ。安易に答えを知れたところで納得はしないだろうな。だから……」
その先の俺と奴の言葉は重なり合った。
「「実力を示して答えを掴む(め)!! 」」
すると奴は二振りの剣を〈投影〉した。
「お前も夢でよく見た剣だろう? 私の長く愛用した剣だ。そして……お前が扱うであろう剣だ……」
「そうかもしれないが違うかもしれない。だけどわかることもあるぜ? お前の軌跡がそこに宿っている…………そうだろう?」
すると奴は答える変わりに
「I am the bone of my sword.…………」
(体は剣で出来ている)
この詠唱を俺は
「それがお前の奥の手だな? なら……俺はそれを正面から打ち破るよ」
するとセイバーは俺の手を握った。
「シロウ…………何があろうと私はシロウを信じています。ですから……必ず……」
俺はセイバーの言葉を止めさせた。
「その先は俺に言わせてくれ」
そして俺はセイバーに告げた。
「必ずアイツを……未来の俺を超えるよ。だからセイバー……俺を……〈衛宮 士郎〉の戦いを見届けて欲しい」
するとセイバーは俺の手を再び握り答えた。
「はい。必ず見届けましょう。シロウの勝利を収める瞬間を!」
そしてアーチャーの方はいよいよ詠唱が終わりを迎える。
「So as I pray, unlimited blade works!」
(その体はきっと……剣で出来ていた!)
そして周囲の風景が剣の荒野へと変化した。
次回は展開された宝具の中で行われた戦いです!
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主人公達の関係性…………最終的にどうしましょう?
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知り合い同士での同盟!
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主人公達は同盟を組む!
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もちろん2人とも厄ネタ降り注ぐ!
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ハイライトは仕事しない!