「待たせたなアーチャー。俺は守るべき対象だったかもしれない。だけど……愛するアルトリアを守りたい。だから……お前を超えるぞ! アーチャー!」
「ほぅ……。良い面構えをしているな衛宮士郎。ならばこれ以上の問答は不要だな。既に私達は互いに語るべき事は語り終えた。そうだろう?」
「あぁ。俺は嘗ての自分が至る未来の結末も聞いた」
そしてこの問答で答えを得たのは奴も同じだろう。
「そうだな。私もお前が守りたい者に出会えた瞬間に立ち会えた」
ならば思い残す事は無いだろう。俺達は全力で戦う事ができる。
「だけど互いに譲る理由は持ち合わせていない」
「そして信念がぶつかりあったならば残る手段葉1つだけだな」
「「互いの信念をかけてお前を全力で倒すぞ! 〈衛宮 士郎〉! 」」
俺達は幾度目かの夫婦剣の投影を開始した。
「
互いに同じ武器の投影を行い……俺達は斬り結んだ。しかし今度の俺は力負けする事は無かった。
「ッ!? 衛宮士郎! お前……どこにこんな余力を残していた!
確かにさっきまでの俺も全力で攻撃を行い続けた。だけど……さっきと今の俺には明確な違いが存在している。
「アーチャー……俺は言った筈だ! 背中を守り……隣に立ちたい彼女の本当の名前を……俺は知る事が
できた! 」
左足に力を込めて地面を蹴った。そしてその勢いを利用して右腕の剣を振り下ろす。しかしアーチャーはいともたやすく受け止めた。
「ハッ! 英霊と魔術師の膂力が同じだと思ったか! 甘い……甘いぞ衛宮士郎!」
とはいえ体勢を崩した状態では十全に力を込めるのは不可能だろう。
「だけどアーチャー! 体勢が崩れてるぜ? それはつまり……俺の力をさばき切れて……無いって……事だろう!」
もう一振りの剣も叩きつける。するとアーチャーの体勢はより崩れる事となった。
「チィ! 中々の勢いと重みだ! さてはお前……その剣に覚悟を乗せたな!」
とはいえ流石は俺だ。容易にその理由までたどり着くなんてな。
「だったらどうする? 俺は諦めず……守られるだけの存在じゃあ終われない! アルトリア・ペンドラゴンを守れるぐらい強くなるのが目標なんだからな! 」
そしてとうとうアーチャーは完全に体勢を崩した。ここが勝機だ!
「その隙を待っていたぞ!」
俺は左足に魔力を集めて奴を蹴り飛ばした!
「うおお!?」
ボキリ!
鈍い音が響き……そしてアーチャーは地面に背をつけた。
「ハァ……ハァ……よもやこれ程……魔術……師と……しての……質を……向上……させて……いる……とはな…………」
右の肋骨に蹴りを入れて骨を砕いた手応えはあった。だけど……
「はぁ…………ふぅ……。まさか……これで有利を取れたと思ったか?」
「まさか! だけど……今の1撃は確実に響くぞ? ここから……俺の進化に……対応できると思うなよ!」
奇しくもこの戦いで俺は進化した。ただアルトリアに守られるだけの魔術師だった昨日までの〈衛宮 士郎〉じゃあ無い。ここに立つのは…………
「アルトリア・ペンドラゴンと並び立てる為に力を欲した〈衛宮 士郎〉だ! 」
「そうだな。今のお前は……私の知る〈衛宮 士郎〉では無い。〈正義の味方〉という仮初めの……いや、借り物の夢では無い……本当の想いを手にしたのが私の目の前に立つ〈衛宮 士郎〉だな。ならば……わかるだろう?」
アーチャーは最高の言葉を敢えて濁した。なら……俺の口から言わせて貰う!
「この1撃で全てを決める! 決着をつけるぞ! アーチャー! 」
「望み通り決着をつけるぞ衛宮士郎! ならば……この剣を越えてみよ! 」
するとアーチャーは残る魔力の大半を
「なんだ……何をするつもり……だ?」
俺が困惑していると……アルトリアが驚愕と言える表情をしていた。
「アーチャー……まさか貴方の投影しようとしていた剣は!」
「ふっ……
一体……何の剣を投影すると……言うんだ?
「この剣は……遙か遠い幻想の剣……その名は……
コレが……アルトリアの宝具。その力を……アーチャーは再現したんだ。
「勘違いするなよ? アルトリアの聖剣はこの程度の輝きでは無い。私の投影は所詮贋作だ」
「だとしても……お前がアルトリアの背中を追いかけて……そしてその剣を手にできる程の成果を残した事実は変わらない。それがお前の極地だな?」
「否定はしない。この剣こそが私の投影できる最高の剣だ。しかし……お前はそれすらも超えるのだろう? ならば……この私を越えてみろ! 」
アーチャーは黄金の剣を振るう。それだけでこの荒野の崩壊が始まった。
「魔力を……結界の維持すらも……もはや不要と言うのですね。ならば私も見届けます。嘗てのシロウが行き着いた…………理想の果てを!」
「今の俺には確かにそこまでの投影技術は無い! だけど……
士郎はアーチャーの
「しかし狙いがわかれば、どう判断して行動するかは明白だ。対策ならいくらでもできるぞ衛宮士郎!」
アーチャーは左腕で剣を振るう。もちろん右腕を使えないのではなく、
「だけどアーチャー! 両手で振るう剣を片手持ちにすれば! 」
士郎はこの戦いにおいて〈衛宮 士郎〉の未来を見た。そしてその技術を我が物にする事ができた。
「今の俺は片手でその長さの剣を振るうお前の動きが
士郎は走り出した際に手にしていた剣を衛宮へと投げた。しかしその軌道は
「ッ!? 衛宮士郎……お前……そこまで俺の経験を!」
アーチャーも右腕に投影した短剣で応戦するべく構えるが、既に士郎は間合いの内側へと潜り込んでいた。
「コレが……俺の覚悟だあぁ!! 」
士郎は接近している間に更にもう二振りの夫婦剣の投影をした。そして左腕でアーチャーの短剣を、右腕で聖剣の動きを封じるように鍔迫り合いを仕掛けた。
「私の剣を止めた事は見事だろう。しかし衛宮士郎よ! お前の攻撃は止めきったぞ!」
「そうだなアーチャー。
「なんだと!? お前まさか!?」
アーチャーは困惑したが
「鶴翼三連! ……コレが……俺の。そして……未来を切り開く為の始まりの一歩だぁ!」
そして士郎は剣の到達前に後退をしたが、均衡していた鍔迫り合いが急に解けたところでアーチャーは体勢を崩す。
「チィ! 中々良い一手だ! そして……」
アーチャーは短剣を撃ち落とす為に聖剣を構え……薙ぎ払う。しかしその動きこそが士郎の狙いだった。
「その一振りを待っていたぞ! アーチャー!」
士郎は残る魔力の大半を込めて〈干将・莫耶〉を投影した。そして完全に体勢を崩したアーチャーを十字の軌道で切り裂いた!
「うおぉ……!」
そしてその1撃が決定打となりアーチャーの体からおびただしい量の血が流れた。そして同時に聖剣と荒野の形成をしていた魔力が完全に尽きた。
「アーチャー……俺の勝利だな?」
「あぁ……そして私の敗北だ……」
〈衛宮 士郎〉は正義の味方を極めた未来を打ち破り、
遥か高い目標だろうと進むと決めた士郎には迷う理由は無い。困難に直面しようと……その覚悟が鈍らないならばいずれ彼はその困難を乗り越えるだろう……
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主人公達の関係性…………最終的にどうしましょう?
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知り合い同士での同盟!
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主人公達は同盟を組む!
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もちろん2人とも厄ネタ降り注ぐ!
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ハイライトは仕事しない!