『じゃあ語るよ? キャロルが……僕の娘が世界に始めた悲しい復讐の物語を……』
魔法少女事変……その内容は、俺の知らない話だけど……彼の娘が何故そんな事をしたのか……俺は聞かないといけない。恐らく……今回の聖杯戦争への介入に……多大な影響があるんだ。
「地球への月の落下以上の事態……一体何を……」
『まずはロンドンで歌姫のコンサートがあってね……キャロルは配下の1人をけしかけた。そして別の配下へ自分の元から
敢えて逃げ出させた……か。何の為に?
『キャロルとその娘は……言うならば姉妹みたいなものだね。正確にはクローンだけど……。でも、キャロルにはその娘……エルフナインちゃんを本部に保護させるのが目的の1つだった』
「自分のクローンを……襲って……保護させる? なんでそんな……手間を……?」
口封じなら襲う理由はわかる。追い出すだけなら保護させるのもわかる。だけど……その2つは並列しない目的の筈だ。
『矛盾を感じるよね? それがキャロルの狙いの1つだったんだ。キャロルは……シンフォギアを1度破壊して、
「シンフォギアに……組み込む? なんで……わざわざ……?」
明らかに非効率だ。何故……敵対組織を強化する必要が?
『キャロルの最終的な目的は復讐による世界の分解だった。そして……組み込ませた聖遺物は……
〈呪いの魔剣ダイン=スレイブ〉
だよ……。いや本当に我が娘ながら恐ろしく周到な計画だよ……』
「呪いの魔剣ダイン=スレイブって……一度抜けば必ず人を殺すあの魔剣ですよね? なんで……そんな剣を……装者に……?」
俺はキャロルの真意が読めなかった。だけど……先程まで聞いたフォニックゲインによる奇跡……それが無関係とは思えなかった。
『士郎くんも気づいたんだね。そう……キャロルは
「要所を……押さえる? それはどういう……?」
〈呪い〉を用いるところまでは分かる。だけど……ソレを用いる方法が検討がつかない。
『装者の歌……つまりフォニックゲインを譜面とするんだよ。その譜面をレイラインの要所……つまり要石等がある場所から呪いのエネルギーを送ればどうなると思う?』
地球の要所に破壊のエネルギーを送れば……当然崩壊等の被害が出る。だけど……そもそも出力が足りるのか? 膨大過ぎるエネルギーに弾かれ無いのか?
「少し無理がありませんか? 明らかに地球を分解するのなら1人で行うのは無理がある。そもそも……そんな企みを秘密裏に行うのは不可能だ!」
『そうだね。キャロル1人では不可能だ。だけど……
装者に……記録させる?
『正確に記録するのはキャロルの配下だけど……その配下に旋律を刻むのは装者なんだ。装者はキャロルの攻撃を阻止するために配下と戦い撃破する。そして配下の撃破と同時に呪われた譜面がキャロルに届く。ソレを数回繰り返すとどうなるかな?』
「まさか……イザークさんの娘は!?」
1度ギアを破壊して装者の戦力向上の為に呪われた魔剣を装備させる。そして装備された魔剣の呪いを記録する。後は刻んだ呪いを膨大なエネルギーの流れに乗せる……そういう事なのか!?
『その表情……恐らく理解してくれたみたいだね。キャロルの計画の危険性を……』
「だけど……重要な事が抜けています。キャロルは
そこが問題だ。ソレだけのエネルギーは簡単には制御できない筈だ。じゃあどうするつもりなんだ?
『フォニックゲインだよ。もちろん……キャロル自身にシンフォギアは存在しない。だから発生させる事はできない。だけど……キャロルは錬金術師だ。
「まさかキャロルの狙いは!?」
呪いとフォニックゲインの両方を手に入れる為に……配下を……自分を……
『そしてね……キャロルには切り札が有るんだ。錬金術師には想い出を……
記憶を……エネルギーに? でも……それなら!?
「数百年も生きれば……ソレだけのエネルギーに……」
『そういう事だよ。キャロルは自分の記憶を力に変えてレイラインに呪われた旋律を流し込み、自身のフォニックゲインで調律する。それが世界を分解する為にエネルギーを放てば後は……ね?』
「なんて……スケールの……計画だよ。なんで……そこまでして……」
自分の記憶すらも失うのに……どうしてキャロルは…………。
『復讐……だったらしい。大好きだった僕を……奪った……世界への……ね?』
「復讐……か。大好きな家族を……理不尽に……悪意で殺されたならば……あり得るのか……」
それだけの覚悟と時間……そして自分に残る全てを捨ててまで成そうとした復讐は……愛から来てるんだな……。
『それを響ちゃん達は止めたんだよ。家族の繋がりを再認識して……ね』
「そう……ですよね。響達にも……家族はいますからね……」
だからこそ響は止めたのだろう。俺が知る響は穂群原学園に来てからの響だけど……アイツが前と変わっていないなら、キャロルにも……手を伸ばした……筈だ。
『うん。響ちゃんは確かに
その時は……か。なら……どうやって?
『それを語るにはエルフナインちゃんの話もするよ?』
イザークさんはそう続けて……後の錬金術師達の結社の話をした。
『コレが僕の友人の組織の話だよ。その時の大幹部であり、計画の運行を実際に執り行うのは彼女……サンジェルマンだ』
そこでキャスターの話へと繋がった。なるほど……修治はこうやってあの人と出会う訳か……。
「だけど……まだありますよね? 最後の……神の話が……」
『そうだね。その時までキャロルは意識を眠らせたままだったけど……宿主であるエルフナインの覚悟とたゆまぬ努力によってキャロルは再誕したんだ。もちろん制約がかなりあったけど……ね』
そこでキャロルの再登場か。なるほど……確かに実力は健在だな。
「とはいえ……神とやりあって時間を稼いだり、その攻撃を受け止めるのは……実力の高さが……伺えますね……」
『うん。キャロルは今成すべき事に全力だ。だからこそ……僕の仇討ちの為に世界を破壊しようともしたんだ。だけど……聡明なキャロルは……自分の行動が八つ当たりだという事もわかっていた。なのに……』
それでも……自分を抑えられ無かった。奪われた家族への想い出が……消える事になっても……。
「なら……イザークさん。アイツは……修治はその世界で
ここが……知るべきところだ。
『修治君の目的は……
予想通りの回答だったけど、イザークさんは言葉を続けた。
『先に渡すよ。キャロルが僕の存在に気づいた筈だから……』
そう言ってイザークさんは4つの魔術刻印を俺に刻んだ。
「っ!? あぐぅ……!」
『手荒い譲渡になった事は謝るよ。だけど……その刻印は
俺の腕に刻まれたのは〈剣〉・〈弓〉・〈雪〉。そして……
「剣が俺だとしたら……遠坂とイリヤ……そして桜か?」
『そうだよ。君達の為の刻印だ。そして……その刻印は
修治とは……再会する理由が増えたな。
「最後に……修治の話を教えてください。アイツは……
『それは…………』
イザークさんの言葉を……俺はしっかりと聞き届けると決めた。
シンフォギアの世界を……軌跡を知った士郎は、修治がその世界で何をしたのかをイザークさんに問いかけた。そこに……装者と……そしてキャロルとの間にあった想いを知る為に……。
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主人公達の関係性…………最終的にどうしましょう?
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