俺はイザークさんに魔術刻印を託された。しかし……修治との再会はできていない。俺達が最後に出会う前に同盟の破棄を強制したのは……〈ライダー陣営〉だ。ならばまずは……彼女達への接触が最優先事項だろうな。
「奏さん……ライダー陣営にコンタクトがしたいです。しかし……俺には伝手がありません。でも……監督役を担う貴女ならば…………その手段に心当たりがありませんか?」
「はは! なるほどな。なら大丈夫だよ。マスターのマリアも……サーヴァントの翼もあたしを邪険にはしないし、何よりも……
〈今の2人〉……? どういう……事だ?
「奏さん……教えて欲しい。それは……どういう事なんだよ……」
「難しい意味は無いんだけどさ……。なんて言うかなぁ……2人共、嫉妬と不安に囚われていたんだよ。修治へと……想いを伝える前に響に殺されたせいで……な」
そういえばイザークさんの話で修治の事を……そしてその功績も俺は知る事になった。正義の味方じゃあ無くて……目の前の少女達に手を差し伸べたのは……未来を知るからでも……ましてや義務感では無い。
「そんな2人は……俺と修治の同盟を快くは思わなかったんですよね? 奏さんが自分で言ってましたから……」
「まぁな。マリアは切歌と調を人質に取らせて修治に抵抗する権利を奪った。そして……修治を…………
「笑顔で言う事じゃあ無いだろぉ! 」
叫ぶなと言われようとコレはダメだな。いや……俺も喰われたけど……流石に……同情してしまうなぁ……。
「と……まぁ……とりあえずマリアと翼……どっちとコンタクトをとるかな? 好きに決めてくれよな!」
「そこは……奏さんの連絡出来る方で良いですよ。俺は……助けて貰う立場ですから……」
すると奏さんは驚いた表情を見せた。
「はぁ〜……なるほどねぇ。謙虚な事だけど……ちょっと違うなぁ……」
「違う……ですか? 俺からすれば依頼を断られるまでが当たり前ですけれど……」
「まぁな。
〈サンジェルマン伯爵〉か……。桜のサーヴァントであり、錬金術師としての功績は相当なモノと言う事しか俺は知らない。だけど……修治へと向けるその感情が……間違い無く愛に溢れていた。
「でも……あくまでも桜のサーヴァントに過ぎないんですよね?」
「まぁな……とはいえ、正規の聖杯戦争なんて起きていたら間違いなく優勝は桜ちゃんだろうな。いくら士郎が覚醒して、セイバーが高名なサーヴァントでも彼女達2人を打倒するのは多分無理だよ。それこそ全ての陣営が協力すれば可能性はあったかもしれないけど……」
あ〜…………分かる。桜のアレはヤバすぎた。俺がいくら攻撃しても手応えを感じなかったんだ。それは……間違いなく桜のポテンシャルの高さが現れていた。
「そんな桜ですら片割れ……なんですよね? 俺は……桜からセイバーを取り戻さないといけません。その為には修治との再会が不可欠です。だったらその障害となるライダー陣営には接触します!」
「士郎の覚悟はわかっているよ。だから……ココから先はアタシに任せな! まずは交渉のテーブルを設けるし、アタシも2人に2、3個確認する事がある。もちろん士郎にも関係る話だよ…………」
「わかりました奏さん。よろしくお願いします……」
「なるほど……ここが会談の場所か。誂え向き……どころか……奏さんの教会かよ! 」
「まぁな。ここならマリアも必ず辿り着くだろう?」
俺は奏さんとライダー陣営の到着を待った。すると10分と立たずにその扉は開かれた。
「待たせたわね。奏さん……私達の話を……聞いて貰えるかしら?」
「ごめんなさい奏……私達……
入って来た2人は以前の顔合わせの時と違い
「なるほどな。
奏さんはまるで全てを見抜いているかの様に語っていた。そして俺は……その会話の流れに於いて行かれていた。
「ライダーのサーヴァント〈風鳴 翼〉、そしてそのマスターたる〈マリア・カデンツァヴナ・イヴ〉さん。教えて欲しい。アンタ達に……
「当然の疑問だ。そして……私達には答える義務が存在している。故に聞いて欲しい……」
「私達の魂に刻まれた……最も素晴らしくて凶悪な呪いをね……」
2人の表情から……間違いなく当時が正気で無かった事と、現在は正気だと言える事を確信した。
「アレは……既に私達の世界で植えられていたと考えるのが妥当ね。恐らくは私を起点にされたのでしょうね……」
「植えられたのは〈感情の種〉で、作用した感情は間違いなく〈修治への愛〉だな。むしろそれ以外の要素は無いだろう……」
「だろうな。そして植えたのは他でも無い……」
「〈キャロル・マールス・ディーンハイム〉……イザークさんの娘であり、アンタ達が嘗て戦い、共闘した錬金術師だろ?」
その人物の名前を……俺は誰よりも早く口にしていた……。
「イザークさんから聞いたのね……。そうよ……私達に嫉妬の炎を燻ぶらせて……修治の童貞を奪ったのは……キャロルによる暗示……いえ……洗脳とも言えるわね」
「しかしそれは、自らの欲望の強さを表していた。私達は……立花が活動すると思うと……とても辛い思いとなった。そして……本能のままに……修治を欲した……」
「わかっています。ですが……貴女達はどうして正気に戻れたんですか?」
この答えが大切なパズルのピースだ……
「それは間違いなく……
「だからこそ私達は正気に戻れた。故に……士郎の頼みは私達の命をかけて達成させる事を奏に誓おう!」
風向きが変わったな。なら……俺のやるべき事をするために協力して貰うぜ?
「修治と……そして残る全陣営で桜を……そして響達の陣営を叩く。その為の協力をして欲しい!」
「わかっているわ。キャロルの企みが以前よりも強い想いに基づいているのは身をもって知ったわ。だからこそ……私達に協力させて欲しい。まずはその為の誓いを立てるわ!」
「もし士郎が戦う事を戸惑う相手がいるならば私達が士郎に代わり止める。もちろん士郎が向き合うと言うならば、その戦いに無粋な横槍が入らない様に見届け……警護しよう!」
なるほどな。風鳴翼は話通り正々堂々を好む人物らしいな。なら……伯爵が目下の脅威だろうな……。
「サンジェルマン伯爵が恐らく目下最大の脅威だ。桜を止めるならば彼女は間違い無く動くだろう。しかし……俺には彼女への対応策が少ない……もといイザークさんからの情報しか持ち合わせていない」
「わかっているわ。彼女は私達が倒すべき……いえ、正気に戻させる。それでももし不可能ならば……その時は……」
マリアさんは正直言い難そうな気配を見せていた。〈倒す〉ってニュアンスじゃあ無いみたいだから……多分……。
「その時は修治の為に活路を開いてください。貴女達同様に彼女が洗脳されているならば、修治の力も必要ですから……」
「ええ。そして直ぐに修治と合流するわよ。もちろん……私達は全面的な支援を約束するわ。修治へと抱いた愛に誓うわ!」
「よろしくお願いします!」
俺達は固く握手をした!修治……俺達はまだ戦う必要は無さそうだぜ!
実際はひびみくに種を植える最高に巻き添えだった2人。しかし……巻き添えの2人でさえこれほどの狂愛に侵されていた。
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主人公達の関係性…………最終的にどうしましょう?
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知り合い同士での同盟!
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主人公達は同盟を組む!
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もちろん2人とも厄ネタ降り注ぐ!
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ハイライトは仕事しない!