〈願い〉と〈愛〉が交差して……   作:タク-F

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炎に包まれたキャロルと、対峙する3人の主人公達。そしてその場所には……戦いを終えた4組の人物も合流を果たす。




聖杯戦争のオワリ

「では……オレも歌うとしよう」

 

 炎の中でキャロルは確かにそう告げた。

 

「そして……オレはこの瞬間を待っていた! 

 

 キャロルのダヴルダヴラが炎の中から僕を拘束した!? 

 

うわぁぁぁぁ──ぁぁ!!! 

 

修治! 

 

しゅう君! 

 

 響と士郎の声が聞こえたが……僕はキャロルの手元に引き寄せられてしまった。そして……僕を抱き寄せて拘束したキャロルは2人へと告げた。

 

「衛宮士郎……立花響……この戦いより手を引け。そうすれば……今すぐに()()()()をくれてやろう……」

 

 キャロルの掲げた聖杯は()()()()()()()()()

 

「やめ……ろ……2人……とも……ここ……で……ひい……たら……」

 

 掠れる程の声で僕は2人へと訴えるが……2人はキャロルを見据えていた。

 

「話にならないよキャロルちゃん……しゅう君を……返してよ……」

 

「お前の行動が解せないな。聖杯なんてそう簡単に渡せる代物じゃない。何が目的だ? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()? 

 

「ほう? ()()()()()()()()。しかし……少し遅すぎたぞ! 

 

 キャロルは()()()()()()()()()()()()()()

 

グアァァァァァァ!!!! 

 

 僕は悲鳴をあげて苦しむが……キャロルは悲痛な声を押し殺すように僕に語りかけた。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

 

 キャロルの囁きが終わる頃……複数の魔法陣が出現した。

 

修治! 無事……何があった!? 

 

修治! お前……なんで! 

 

修治! ……あぁぁぁ!! 

 

先輩! 今すぐに! 

 

待ってて! すぐ助けるから! 

 

「任務完了しましたわマスター……」

 

「アタシ達の役割は……」

 

「派手に達成しました」

 

「まっ……ガリィちゃん達ですから♪」

 

 僕達の戦いの舞台に転移してきたのはキャロルの配下である終末の4騎士(ナイトクォーツァー)。そして……〈奏さん〉•〈マリアさん〉•〈姉さん〉•〈切歌ちゃん〉•〈調ちゃん〉だ。

 

「ちょうど良いからよく見ておけ。オレの計画の最後の行程をなぁ! 

 

グアァァァァァァ!! 

 

 僕に埋め込まれた()()()が激しく反応している。一体……キャロルは……何を……

 

「修治……お前の身体は今より〈精神〉•〈〉•〈肉体〉へと分割された後にザババの2人とオレに割譲される。なぁに……既に修治の新たなホムンクルスの肉体は準備済だ。直ぐに終わるさ……」

 

やめるデスキャロル! 

 

そんな事をしたら! 

 

「安心しろ。危険性は無い。何故なら……この()()()()を使うからだ! 

 

 キャロルがレガリアを掲げた時……僕の身体は〈精神〉•〈魂〉•〈肉体〉へと分割されて…………精神と魂はホムンクルスへ……そして〈肉体〉には()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()がインストールされた。

 

「これは……一体……?」

 

「なんで……僕が……2人に……?」

 

()()()()()()()()()()()()()()。こうすれば修治は……オレとお前達を愛する事ができるだろう?」

 

「キャロル……貴女……」

 

「最初から……このつもりで……」

 

「あぁそれと……貴様もさっさと出てこい! 

 

 グィ〜〜〜ビタアァァァン!! 

 

うぎゃあぁあぁ!! 

 

 キャロルが聖杯へと糸を伸ばすと()()()()()()が引き摺り出されて地面へと叩きつけられた。

 

「いてぇぇよぉぉぉ……」

 

「この通り聖杯の浄化等とうの昔に終わっている。故に好きに使え。オレ達は修治さえいればそれでいいのだからな……」

 

「キャロル……やっぱり……」

 

「当然だろう? オレは修治に全てを捧げる。しかし……修治は心残りがある。ならば……分ければ良かろう? まぁ……その方法は乱暴だがな……」

 

「まぁでも……マスターにしては平和的ですよねぇ?」

 

「それだけ派手に惚れてたという事だろう?」

 

「私達も同じ気持ちではありますがね?」

 

「アタシもそう思うゾ!」

 

 4人の自動人形もキャロルの行動に納得していた。

 

「その修治を……どうするつもりなの?」

 

「当初の予定通りだ。月に連れて行き平和な世界を過ごす。それだけだ……」

 

「そしてその花婿様はザババの伴侶ですわよ? もちろん……マスターより刻印が刻まれておりますわ。花婿様がお2人のモノである証……それが何よりの印……ですわよ?」

 

「キャロル……貴女は……」

 

「そこまで…………あたし達の事を……」

 

「そういう事だ。では修治の身体は貰って行くぞ?」

 

 キャロルは僕(の今までの肉体)を連れて何処かへと転移して行った。多分行き先は……月……なんだろうけど……。

 

「なんだろう…………あっけなく終わってしまった感じが……するかな?」

 

「だな。流石に反応にこまる事が多すぎてあたし様もショートしてる……」

 

「計画が周到的過ぎて笑えねぇ。しかも……全員に利のある終わりとか……想像して無かった……」

 

「まぁそれでも……」

 

「先輩か戻って来てくれて嬉しいデース! キャロルも最後は良いことをしてくれたデース!」

 

 良いこと……か。僕にとっては……どうなんだろうな。

 

「まぁ……この身体も今まで同様の使い方で問題無いみたいだからね。これからもよろしくね……切歌ちゃん・調ちゃん……」

 

「修治先輩……」

 

「お兄ちゃん……」

 

 いや……ちょっと違うね。僕の言葉が足りて無いね。やっぱり2人には言い直そう。

 

「ごめん。少しだけ訂正するよ。…………() ()()()()()()……()() ()調()()()()……僕と生涯のパートナーとして側にいて欲しい。僕は2人の事を愛しているよ……」

 

修治……先輩! 

 

修治お兄ちゃん! 

 

「「こちらこそ! よろしくお願いします(デス)! 」」

 

 僕は2人の後輩を優しく抱きしめた。

 

「修治……それがお前の答え……なんだな?」

 

「あぁ……僕は後悔しないよ? だって……()()1()()()()()()()()()()()()!」

 

「そう……だな……。じゃあ……あたしはコイツを凛に届けるよ。この先も……付き合いが長そう……だからな……」  

 

「そう……だね。サーヴァントが全員生存だなんて……想定して無い……からね……」

 

「でも……()()()()()()()()()()()もあるわよ? 例えば……修治……貴方とね?」

 

 マリアさんの微笑みが僕にとっては何よりも怖かった。

 

「さて……それじゃあ帰ろうぜ? 俺達が求めていた……嘗ての平和な日常へな!」

 

「少し形が変わってしまったけどね!」

 

「しゅう君……私達……絶対に諦め無いから! 

 

「ふふっ……響さん……」

 

寝言は寝て言え……デスよ?」

 

絶対に! 今度こそ私と未来でしゅう君を振り向かせるんだからぁ! 

 

「それなら……あたし達も同じだな。修治を可愛いがるのは姉ちゃんの役目だろ?」

 

「肌を重ねた私達が除け者とは酷いわね? 私達も諦め無いわよ?」

 

「とうーぜん! 今度はあたしも参戦するぜ? だって……あたしも恋する乙女だからな! 

 

ちょっと!? みんな話を聞いてくださいよぉ〜! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬木市……それは聖杯戦争の開催の地にて……様々な〈願い〉と〈〉が交差した土地……。そこで生活する魔術師は……一癖も二癖もある人物達だ。そして……その魔術師達は強い愛を胸に秘めている。意中の男性を振り向かせる為に……常に想いを伝え合う。その想いが報われるかは……彼女達の歩む未来次第……だろう。

 

「だけど……この世界に溢れる愛は……きっと……何よりも大切なモノ……だろうね……」

 

せ〜んぱ〜い! こっちデスよ〜ー

 

わかってるよ〜! 直ぐに行くから〜! 

 

 まぁ……僕達の未来は間違い無く困難だらけだけど……彼女達が側にいれば……何でも乗り越えられる。……そんな気がするんだ……!  

 

 




まさかの修治分割!そして……連れて行かれた方の彼はキャロル一派とムーンセルの内部で月のサーヴァント達とドンパチする事になりますが……その先は皆様の想像にお任せします。

全50話お付き合いいただきありがとうございました!

よろしければ他の作品も読んでいただければ嬉しいです。よろしくお願いします。

主人公達の関係性…………最終的にどうしましょう?

  • 知り合い同士での同盟!
  • 主人公達は同盟を組む!
  • もちろん2人とも厄ネタ降り注ぐ!
  • ハイライトは仕事しない!

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