夏休み入ってすぐのこと…
沖縄リゾートでの暗殺訓練に励んでいる中一人の男、いや男の娘が声を出した。
「息抜きにどっか遊びにいかない?」
今この場には、俺、茅野、神崎、そして提案者の潮田がいた。
「あ!いいねぇ!どこいく!?」
やはり一番に食いつくのは茅野だ。
「確かに、最近練習ばっかりで疲れてたから…いいかも」
なんともまぁ楽しそうで。
そんな会話を横に俺は練習を続ける。
俺が行っても歓迎されるかわかんないからな。
「って聞いてる比企谷君?」
確定演出きた。
俺の過去、ボッチライフを否定する訳ではないが人との繋がりは幸福がある。
「あ、あぁ聞いてたぞ。俺も一緒に行ってもいいのか?」
「もちろんだよっ!ってか皆比企谷君を嫌ってる訳じゃないからそんな下から来ないでよ!もっと比企谷君自身からぐいぐいきてっ!」
初めに提案した訳でもない、茅野が言う。
やはり俺の生息地域はここしかないないな。
「あ、ああすまない。今度から気をつける」
「それを言われるんだよ。比企谷君。」
神崎の注意が入る。
俺が気を遣わせてるような事を言ってしまったと後悔した後、俺は自分の気持ちを言う。
「ありがとな」
「どういたしまして~」
まるで子供のようなどいたまを貰った。
「まぁでも取り敢えずはこの練習を終わらせてからはなそ!」
そうしていつもどおりに練習を再開するのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・
練習が終わって一度家に帰り昼御飯を食べた後、近くの駅で四人集まっていた。
「まずはどこ行くー!?」
「私は特にどこかいきたいところはないけど…」
「じゃあ映画みない!?最新作ホラーの『グリン~ダサ子の家』ってのちょっと気になってるんだ」
「あ!それ知ってるー!今結構流行ってるよねー」
俺も何か話さないとな…
「俺はそれで良いと思うぞ。面白そうだ」
「えぇ!私ホラーちょっと苦手だなぁ。でもたまにはこういうのもいいかも。神崎さんはどう?」
「えぇ、私はホラーとか意外と好きだから賛成かな」
「じゃあきまったね!早速行こうか!」
・・・・・・・・・・・・
今その映画を見てるのだが
これがまたすごく怖い…
ようにできている。
席の順番は左から潮田、茅野、俺、神崎とならんでいるのだが、いかんせん茅野がうるさすぎる。
ガチ悲鳴ってやつだ。
怖すぎて体が跳ねたり、潮田の肩に掴まったり…
なにイチャついてんだ…羨ましい
そんな物を横目に右を見てみると神崎がいるわけだが、神崎はとてもおとなしかった。
むしろこの結構な怖さのものを微笑んで見ているのだ。
何か…不気味だ。むしろ実はこっちの方がホラーなんじゃないかと錯覚してしまう。
そしてちょっと長く見つめてしまっていたから神崎が気配に気付いてこっちを向く…
目が合ってしまった!気まずい!
そのまま一秒、体感十秒の時が過ぎると神崎が首を
コテンッ。と[[rb:傾 > かし]]げた。
なにこれちょっと可愛すぎだろ。昔の俺だったらもう告白してたよ!
「あぁすまないなんでもない」
そう小さく残し俺はスクリーンに目を向け、後は特になにもなく映画は終わった。
・・・・・・・・・・・・
「いやーめっちゃ怖かったー。もう二度とホラーなんてみないっ!」
「ははっ、確かに怖かったねー。でも茅野はさすがに驚きすぎだよ。映画の内容途中入って来なかったもん」
「ぐぐぐ…ごめん」
「別にいいよ。それより比企谷君と神崎さん一回も驚いてなくない?あんなに怖かったのに!」
「いやまぁ俺はホラーとか全然いける口だから」
恐怖心とかまず持ってない
「私はホラーとかはよく見てるから慣れてるの。でもまぁ今回他の作品より怖くて面白かったかな」
「二人ともすごいね…で次はどうする?どこか行きたいとことかある?」
「私は特にないかなー」
「俺も特にはないな」
「私も特には…」
「んーじゃあちょっと早いけどご飯にして解散にしようか。明日も練習あるから出歩きっぱなしもあれだからね」
「うんっ!」
「っでどこで食べたいとかある?」
「私どこでもいいかな」
「比企谷君は何かある?」
俺に回ってきたー
多分会話は次に神崎へと回ると思うんだがきっと神崎もどこでもいいと言うだろう。
きっと二人とも否定が怖いとか責任を負いたくないとかではなく本当に行きたいとこは決まってないのだろう。だから俺がここで決めるべきだ!男として!
「じゃあサイゼで」
過去がフラッシュバックされる。
葉山と折本と遊びにいった時と同じ場面だ。
つい出てしまったが笑わないでくれー!
「じゃあサイゼでいいよね?行こうか」
「うんっ」
「ええ」
[newpage]
随分と話込んでしまったようだ。
5時過ぎくらいに入ったが店をでたのは7時半になっていた。
まだ夏だから外は比較的明るい
俺がこんなにも話せるなんて思ってもみなかったな
「じゃあ今日はこれで解散かな」
「うんっ!また明日も練習頑張ろー!」
「ああ、じゃあな」
そして帰路につく。
潮田と茅野はまた別々に帰っているが神崎と俺は途中まで道が一緒なのでそこまで一緒に帰ることになった。
ここは男である俺が話掛けないとな
「映画怖かったな。ってかお前がホラー得意なんて知らなかったな。」
「まぁ誰かに言うことでもないから…比企谷君こそ以外とビビる人なんじゃないかと思ってたんだけどな…いや期待してたのかも…」
「まぁ俺はそこら辺の感情は薄い方だからな」
…
そして少しの沈黙が流れた。
俺、会話続けんの下手くそすぎるだろ!?
さて今度は何を話そうかそう考えてると神崎の方から先に口を開けてくれた。
「私は今日とても楽しかったな。みんなで居る、仲間が居るって本当に幸せなんだなって思えた。」
少しの違和感を覚えた。
何か言い方に含みがあるような。
でなければ『私は』なんて言う必要があったのだろうか
「俺も楽しかったぞ。サイゼでもみんn「嘘だよ…」
神崎がこちらを向いて足をとめた。
「何だよ嘘って」
「だって比企谷君の笑った顔、今日一度も見てない」
「何か勘違いをしてるぞ。お前は俺は楽しくなかったから笑ってなかったと思ってるかもしれないが、俺はもとも「元々感情が表にだせないって言うんでしょ?でもあの時の比企谷君は怒った顔もしてたし、最後には笑ってたよ?」
やばい頭が真っ白になっていく。
なにを言えばいいんだ…
どうにか正解を…
探せ、どうにかする方法を
早く早く早くはやく…
「今だって何も言わないってことは比企谷君は正解を探してるんでしょ?私は…私は比企谷君自身の本物の言葉が聞きたいのに!」
本物…間違いなく神崎は本物だ。今だって神崎は本音で話している。
「いや俺は…」
神崎に圧倒されてそこから先が一向にでてこない。
俺は本当に楽しかった…そう思っていたははずなのに…
「比企谷君はいろんな隠し事をしてるよね…なんであんなにも強いのかとか…実は頭が良いのに平均点ばかりとっているのとか、自分でも言うようになんで感情が薄くなってしまったとか…比企谷君は私達の事を本物だって言ってくれたけど、私は比企谷君の事を本物だとは思えないよ…比企谷君自身のことを何も
知れないから!何も教えてくれないから!」
泣きながら彼女はそう言った。
未だに俺は何も言えずにいる…
「ねぇ教えてよ…私の質問の答えを…。隠してること全てを…」
壊れる…言ったら壊れてしまう。
恐怖が顔を出してきた。
実際に壊れるかは分からないが万が一にもその確率があるならしたくない…
それにあれは俺にとっても俺の記憶だけに封じ込めておきたい黒歴史。
誰かに言うなんてことはしたくない…
「すまない…言えない」
すまない神崎…
俺は…俺は…
「そう…じゃあもういいよ。私先帰るね。ごめん怒鳴ったりなんかして…」
そう言って神崎は帰って言った。
後に残ったのは夏の暑さと蝉の声と立ち尽くし
独りぼっちで頭を抱えてる俺だけだった