それ以外特になし!
それでは!
「あぁ……今日から来た外国語の臨時講師を紹介する」
「イリーナ・イェラビッチと申します
皆さんよろしく!」
めちゃめちゃ美人だ。胸もとても大きい。
ついつい目で追っかけてさせちゃうほどに。
だが残念な点がある。
仮面がめちゃんくそ分かりやすい。
さすがに殺せんせーも分かってるだろう。
しかしここに来たってことはこの人のもかなりの暗殺のプロなのだろう。
仮面がとても分かりやすすぎるため、きっとあまり人と接することのない暗殺術の使い手なのだろう。
例えば狙撃手とか。
「本格的な外国語に触れさせたいという学校の意向だ。英語の半分は彼女の受け持ちで文句はないな?」
「仕方ありませんねぇ」
・・・・・・・・・・・・・
昼休み
「殺せんせー!烏間先生から聞きましたわ、すっごく足がお速いんですって?」
「いやぁ、それほどでもないですねぇ」
今日、俺はベストプレイスに行っていない。
静かに教室でご飯だ。
なぜ雨でもないのにそんなことしてるって?
もちろんビッチ先生を観察するためだ。
「お願いがあるの……一度本場のベトナムコーヒーを飲んでみたくて……私が英語を教えている間に買ってきて下さらない?」
「お安い御用です。ベトナムにいい店を知ってますから、直ぐに買ってきます!」
俺は教室にいるため会話は聞こえないが殺せんせーはどこか飛んでいってしまった。まぁビッチ先生に何かお願いでもされたのだろう。ちょうどチャイムも鳴った。だがビッチ先生は動かない。
「……で、えーと、イリーナ……先生?授業始まるし教室戻ります?」
「授業?……ああ…各自適当に自習でもしてなさい。それとファーストネームで気安く呼ぶの辞めてくれる?あのタコの前以外では先生を演じるつもりもないしイェラビッチお嬢様と呼びなさい」
何やら空気が重たくなった。
きっとビッチ先生が本性を現したことに驚いてるってところか?
騙すなら生徒達も騙しとけよ。
告げ口されたら危なくないか?
「で、どうすんの?ビッチねえさん」
「略すな!!」
なにか怒ったようだ。
さすが赤羽。煽りがいつも通り上手いようだ。
「あんた殺し屋なんでしょ?クラス総がかりで殺せないモンスター……ビッチねえさん一人で殺れんの?」
「……ガキが、大人にはね、大人のやり方があるのよ、例えば……潮田渚ってあんたよね?」
ビッチ先生が潮田に近づいていく。
何をするのかと思ったその瞬間。
潮田にキスをした。
うぉ!まじか!すげーいやらしい!
潮田があまりの気持ちよさに気絶しそうになっている。
これが大人か!
これがプロか!
ただ一つ疑問が浮かんできた。
狙撃手にキスはいるのか?ということ。
このためだけにキスの練習をするとは思えない。
まさかとは思うが、『ハニー・トラップ』のプロとかか?
でもあの仮面…まぁ後で分かるだろう。
「後で職員室にいらっしゃい、あんたが調べた奴の情報聞いてみたいわ。ま……強制的に話させる方法なんていくらでもあるけどね」
そこでいかにも悪そうな男達がやってきた。
めっちゃモブみたいだな。
悪党Aみたいな。
「技術も人脈も全てあるのがプロの仕事よ。ガキは外野で大人しくして拝んでなさい。あと、少しでも私の暗殺の邪魔をしたら……殺すわよ」
・・・・・・・・・・・・・
五時間目 英語
「なービッチねえさん、授業してくれよー」
おー、お前らもビッチで呼んでるのか!
だがなんで姉さん?
「そーだよ、一応ここの先生なんだろ、ビッチねえさん」
「あー!!ビッチビッチうるさいわね!!まず正確な発音が違う!!あんたら日本人はBとVの区別もつかないのね!!正しいVの発音を教えてあげるわ、まず歯で下唇を噛む!!ほら!!」
俺は一番後ろの席なのでそんなことはせずに本を読んでおく。
「……そう、そのまま一時間過ごしていれば静かでいいわ」
こいつも煽りのプロなの…か?
・・・・・・・・・・・・・・・
六時間目 体育
「おいおいマジか、殺せんせーとビッチねえさん二人で倉庫にしけこんでいくぞ」
「なんかガッカリだな殺せんせー、あんなみえみえの女に引っ掛かって」
さすがにお前らでも仮面は分かっていたんだな。
だが殺せんせーの凄さにはまだ気づいてないみたいだ。
そんなことを思っていると、すごい数の銃声が聞こえてきた。
銃声は1分ほどしたら止んだが、今度はビッチ先生の悲鳴とヌルヌル音が聞こえてくる。
「めっちゃ執拗にヌルヌルされてるぞ!」
「行ってみようぜ!」
クラスの『皆』が倉庫に向かって走りだす。
ちなみにその『皆』の中に、俺は入っていない。
「君は行かないのか?」
烏間先生だ。
「まぁボッチは集団行動が苦手ですからね。」
「そうか。今君しかいないが訓練するか?」
「いえ、結構です。こうなってしまっては授業もできないだろうし、俺は先に教室へ戻らせてもらいます。」
「分かった。」
・・・・・・・・・・・・・・・
翌日
ビッチ先生はとてもイライラしながらタブレットを叩いている。今日も授業をする気はないようだ。
「あはっ、必死だねビッチねえさん、あんなことされちゃプライドズタズタだろうね~」
「先生……授業してくれないなら殺せんせーと変わってくれませんか?一応俺達今年受験なんで。」
「はっ、あの凶悪生物に教わりたいの?地球の危機と受験を比べられるなんて……ガキは平和でいいわね~、それに聞けばあんた達E組って……この学校の落ちこぼれだそうじゃない。勉強なんて今さらしても意味ないでしょ。」
「そうだ!!じゃあこうしましょ。私が暗殺に成功したら一人五百万分けたあげる!!あんたたちがこれから一生目にする事のない大金よ!!無駄な勉強するよりずっと有益でしょ、だから黙って私に従い……」
言い終わる前に誰かが消しゴムを投げつける。
「出てけよ」
ここいにいる全員からすさまじい殺気を感じた。
さすがの俺もゾワッとするほどに。
こいつらにもいろんな才能があることを俺は初めて知った。
「出てけよくそビッチ!」
「殺せんせーと代わってよ!!」
「そーだそーだ!!巨乳なんていらない!!」
なんか一人おかしくなかったか?
そんなことより、これは軽く学級崩壊したな。
・・・・・・・・・・・・・・
翌日のビッチ先生の時間
いきなりビッチ先生が黒板に何か書き出した。
「You are incredible in bed ! repeat」
おいそれまさか…
「ほらっ!」
「「ゆ、ゆーあー いんくれでぃぶる いんべっと」」
「アメリカでとあるVIPを暗殺したとき、まずそいつのボディーガードに色仕掛けで接近したわ。その時彼が私に言った言葉よ。意味は…」
「ベッドでの君はすごいよぉ」
おい中学生になんて文読ませてんだよ!
「外国語を短い時間で習得するには、その国の恋人を作るのが手っ取り早いとよく言われるわ。」
「相手の気持ちをよく知りたいから必死で言葉を理解しようとするのね。」
それは普通に勉強になるな。
『あそこ』でも習わなかった。
「私は仕事上必要な時、そのやり方で新たな言語を身につけてきた。」
「だがら私の授業では、外国人の口説き方を教えたげる。プロの暗殺者の直伝の仲良くなる会話のコツ、身につければ実際に外国人に会ったときに必ず役にたつわ。」
「受験に必要な勉強なんて…あのタコに教わりなさい。私が教えてあげられるのはあくまで、実験的な会話術だけ。」
「もし…それでもあんた達が私を先生と思えなかったら…その時は暗殺を諦めて出ていくわ。」
「そ…それなら文句ないでしょ…あ、あと悪かったわよ…いろいろ。」
…………。
「「わはははははは」」
クラスに大爆笑がおきる。
「なにビクビクしてんのさ、さっきまで殺すとか言ってたくせに~」
「なんか…普通に先生になっちゃったな。」
「もうビッチ姉さんなんて呼べないね…。」
「っ…アンタ達…。分かってくれたのね…。」
「考えてみれば先生に向かって失礼な呼び方だったよね!」
「うん…呼び方変えないとね!」
「じゃあ、ビッチ先生で!」
ん?確かに呼び方は変わったけど肝心の名前の部分が変わってなくね?
まぁ俺もこいつらと同じ呼び方になったわけだ。
「えっとぉ…せっかくだからビッチから離れてみない?ほら!気安くファーストネームで呼んでくれて構わない…」
「でもまぁ…すっかりビッチで固定されちゃったし…」
「うん!イリーナ先生よりビッチ先生の方がしっくりくるよ!」
「そんな訳で宜しく!ビッチ先生!」
「授業始めようぜ!ビッチ先生!」
「キィぃぃぃぃぃ!やっぱり嫌いよアンタ達ー!」
そして俺たち三年E組に新たな仲間できた。
しかし俺は喜べない。
これが暗殺のプロだと?
結局こいつはハニー・トラップの達人だった訳だがさすがにレベルが低すぎるように思えるんだが。
もしこれが世界のプロだとするならば、殺せんせーを殺せるやつはこの世界にほぼ『0』だろう。
しかしなぜいきなりビッチ先生があんなにも先生をするようになったのか…。
それは、殺せんせーの手入れにあるだろう。
あれはとても厄介だ。
相手に本物の殺意を向けさせない。
そんな力がある。
このままでは誰も殺せんせーを殺せない。
やっぱりこのまま世界は滅びるのだろうか。
それはそれでいいのかもしれないが。
やっぱり俺は生きていたい。
俺にも生存本能はある。
いつか殺せんせーを殺せる人に俺はなれるだろうか。
そんな期待と不安を抱えながら俺はビッチ先生の授業を適当に聞いとくのであった。
いやー今回は薄かったと思います。
言うことはそれしかありません!
ではこの先もお楽しみに。