やはり俺が暗殺教室に行ったのは間違っている。   作:アキメン

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やはり俺がボッチなのは間違っている

 

 

 

体育の時間の終わり

 

 

俺は今、皆と離れた所にいる。

もちろんステルスヒッキーは発動中だ。

いつもなら皆と離れすぎてしまうと逆に目立ってしまうが今は少し状況が違う…。

 

 

「け、ケーキ!」

 

「ラ・ヘルメスのエクレアまで!?」

 

 

そうE組の生徒全員が今、ケーキを食べているのだ。

もちろん烏間先生がそんなことをする訳ない。あの人は必要以上に生徒との距離を縮めたりしない。

なら誰がそんなことしているのか…

 

そう、また新たな人がここに来たのだ。

 

 

「食え食え!俺の財布を食うつもりで、遠慮なくな!」

 

 

「よくこんな甘いものブランド知ってますね」

 

 

「まぁ、ぶっちゃけLOVEなんで…砂糖がよっ」

 

 

「明日からの体育の授業は鷹岡先生が?」

 

 

「おう、政府からの要請でな、烏間の負担を減らすために…」

 

 

「ジュルジュル」

 

 

殺せんせーがいつのまにかいた。

甘いもの好きだからなぁ

 

 

「おぉ!あんたが殺せんせーか!食え食え!…まぁいずれ殺すけどな。ハッハッハッハ」

 

 

「同僚なのに烏間先生と随分違うっすね」

 

 

「なんか近所の父ちゃんみたいですよ」

 

 

「へっへっへー、いいじゃねーか父ちゃんで!同じ教室にいるからには俺達は家族みたいなもんだろ?」

 

 

一見いい人そうに見えるが、あの笑顔…とても胡散臭い。

あの笑顔の裏には支配者のような顔も感じる…。

明日からは地獄になるだろうな…

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつらにとって。 

 

 

 

 

 

 

さて、観察も終わったことだし俺は帰るか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

翌日

 

 

 

「よぉし!皆集まったなぁ?今日からちょっと厳しくなるが、終わったらまた旨いもん食わせてやるからな!」

 

 

「そんなこと言って自分が食いたいだけなんじゃないのー?」

 

 

「まぁな…おかげでこの横幅だ」

 

 

「さて!訓練内容の一新に伴って新たな時間割を組んだ!」

 

 

「うそ……だろ?」

 

 

「10時間目?!」

 

 

「夜9時まで訓練!?」

 

 

「このぐらいは当然さ!このカリキュラムにつてこられれば、お前らの能力は飛躍的に上がる…では早速…」

 

 

「ちょっ待ってくれよ、無理だぜこんなの!勉強の時間これだけじゃ成績落ちるよ!

遊ぶ時間もねーし!

できるわけねーよ、こんなの!」

 

 

こんなカリキュラム、俺からしたら全然ぬるいが、さすがにこいつらにはきつずきる

 

 

ガシッ!

 

 

鷹岡が前原の頭を掴んだ。

その瞬間…

鷹岡が前原に膝蹴りをした。

 

 

 

「『できない』じゃない『やる』んだよ。

言っただろ?俺達は家族で俺は父親だ。

世の中に父親の命令を聞かない家族がどこにいる?

抜けたいやつは抜けてもいいぞ?

その時は俺の権限で新しい生徒を補充する……けどな…俺はそんなことしたくないんだ…。

お前らは大事な家族なんだから父親として一人も欠けてほしくない。家族みんなで地球を救おうぜ?な!」

 

 

倉橋と三村が捕まった。

答えをミスれば暴力を受けるだろう。

 

 

「な?おまえは父ちゃんについてきてくれるよな」

 

 

わたし…わたしは、烏間先生の授業をの方がいいです。」

 

 

 

バシン!

 

 

 

倉橋がビンタされた。

それも結構ぶっ飛ぶくらいの威力で。

 

 

俺も女子にここまでするような奴だとは正直思っていなかった。

首が少し逝っていてもおかしくない。

 

 

「やめろ鷹岡!大丈夫か?首の筋に痛みは無いか」

 

 

「烏間先生…大丈夫だよ」

 

 

「前原君は?」

 

 

「へっ、へーきっす」

 

 

「ちゃんと手加減してるさ烏間。大事な俺の家族だ、当然だろ」

 

 

「いいや、あなたの家族じゃない。私の生徒です!」

 

 

「殺せんせー!」

 

 

「私の目を離した隙に…何をやっている!」

 

 

「文句があるのかモンスター?

体育は教科担任の俺に一任されているはずだ。そして今の罰も立派に教育の範囲内だ

短時間でおまえを殺す暗殺者を育てるんだぜ?厳しくなるのは当然さ。

それとも何か?

多少教育論が違うだけで、おまえに危害も加えてない男を攻撃するのか?」

 

 

さすがに殺せんせーも怒っているが、理性もしっかりとしている。

ここで鷹岡をやってしまうのは悪手だということにちゃんと気付いているのだ。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

そして俺らは今、スクワットを永遠とやらされ続けている。

普通の女の子はもう潰れてしまっているだろうが、殺せんせーのおかげでなんとか耐えている状況だろう。

 

 

「じょ、冗談じゃねぇ」

 

「スクワット300回とか死んじまうよ…」

 

 

確かにこれでは女子どころか、男子も全員潰れてしまう。

それだと殺せんせーの暗殺にだいぶ不利になってしまうため俺としても避けたいところだ。

 

 

「烏間先生…」

 

 

矢田がついその言葉を発してしまった。

この言葉を発してしまったからには暴力が待っているだろう。

 

 

「おい、烏間は俺達の家族じゃないぞ?

お仕置きだなぁ?父ちゃんだけを頼ろうとしない子は!」

 

 

ガシッ!

 

 

「なんだ?お前は?…」

 

 

矢田が殴られそうになる瞬間俺が後ろから止めた。

 

 

「確か比企谷だっけかー?安心しろ、影の薄いお前も家族だと思っているからな。それよりも…父ちゃんに逆らうとはいい度胸してるなぁ?」

 

 

 

俺は鷹岡のこの発言を無視することにする。

 

 

「おいおい無視か?ひどいぜ全く。お前もお仕置きする必要があるなぁ!」

 

 

鷹岡が俺に拳を振る。

 

 

 

 

 

 

だが俺はこの拳を避けないことにする。

 

 

 

 

ドン!

 

 

 

 

俺は殴られた。

 

 

 

 

 

だが吹っ飛ばないし、表情も変わらない。

さすがに少し痛いがこの程度の痛み…今じゃ生ぬるい。

 

 

「は?なんだお前…気に入らねぇなぁ!」

 

 

続けて拳が飛んでくる。

何回も何回も…。

 

だが俺は動じない。

表情も変わらない。

真顔。

時に恐怖をも煽る真顔。

 

 

「おい、なんだその顔は?舐めてんのか!」

 

 

俺が支配に落ちないからなかなか終わらない。

まぁずっと殴られ続けようが相手が折れるまで俺は動くつもりはない。

 

 

 

 

 

 

 

そしてついに烏間先生が後ろから走ってくるのが見えた。

 

 

「そこまでだ…暴れたいなら俺が相手を務めてやる」

 

 

「烏間…?そろそろ横槍をいれて来る頃だと思ったよ…」

 

 

「言ったろ?これは暴力じゃない教育なんだ。暴力でおまえとやり合う気は無い

やるならあくまで…

 

 

 

『教師』としてだ

 

 

 

お前が育てた中で一押しの生徒を選べ

そいつが俺と戦い、一度でも俺にナイフを当てられたら、お前の教育は俺よりも優れていたのだと認めて出て行ってやる」

 

 

「ただし…使うのは[[rb:これ > 対先生ナイフ]]じゃない…」

 

 

 

グサッ!

 

 

本物のナイフを地面に突き刺した。

 

 

「殺す相手は俺なんだ…使う刃物も本物じゃなくちゃな?」

 

 

「本物の…ナイフだと…?よせ!彼らは人間を殺す訓練も、用意もしていない!」

 

 

「安心しなぁ、寸止めでも当たったことににしてやるよ。俺は素手だし、これ以上ないハンデだろぉ?

さぁ烏間、一人選べよ?嫌なら無条件で俺に服従だ。」

 

 

この勝負…勝てるな。

 

烏間先生は俺を選ぶことはまずないだろう。

なぜなら俺の実力を先生はまだ知らないからだ。

さっきの出来事だけで俺を選ぶような馬鹿ではないだろう。

つまり烏間先生が選ぶ人は絶対的な才能を持っているかつ信用できる人…

その人物は…

 

 

「渚君…できるか?」

 

 

そう潮田だ。

彼の才能ならこいつ程度では普通に勝てるだろう。

だがどんなことをするかは、全く想像がつかないが…

 

 

「なっ、なんで渚?!」

 

 

「俺は地球を救う暗殺任務を依頼した側として、君達とはプロ同士だと思っている。プロとして君達に支払うべき最低限の報酬は、当たり前の中学生活を保証することだと思っている。だからこのナイフは無理に受けとる必要はない…

その時は俺が鷹岡に頼んで報酬を維持してもらえるよう努力する…」

 

 

烏間先生の目…

とても真っ直ぐ目を見て話している。

こんなことしてくれる人はほとんどいないだろう…。

それを受けた潮田はどう答えるか…

 

 

「やります!」

 

 

良かった…潮田はやはりすごいやつだ。

 

 

「烏間~?お前の目も曇ったなぁ?」

 

 

「渚のナイフ当たると思うか?」

 

「無理だよ!プロ相手に本物のナイフなんて…」

 

 

お前らは余計なことを言わず見てろよ…

そんなこと俺は一生いえないけど

 

 

「さぁ来い!」

 

 

潮田がナイフを構えた。

 

勝負が始まった。

 

 

鷹岡がよりいっそう、目に支配の色を宿す

 

そして舐めている…こんな素人をボコるのが大好きだと言うかのような顔で…

 

 

だがその瞬間、鷹岡の顔が変わった。

まるで生まれて初めて犬を見たかのような顔。

 

 

なぜそうなったかと言うと…

 

 

 

 

 

 

潮田がいきなりニッコリと笑い、歩きだした。

まるで通学路を通っているかのように。

そして鷹岡の腕に当たったとこで止まった。

 

鷹岡は未だ動けないでいる。

 

 

 

 

 

そこで潮田は動いた。

ナイフを思いきり振り上げて…

 

そして鷹岡もギリギリナイフを避けた…

が、鷹岡も気付いたようだ。

今殺されそうになっていたということに…

鷹岡は焦ったためバランスを崩してしまった。

そこを潮田は服を引っ張り仕留めに行く…

まるで蛇かのように、後ろに回り…

 

 

 

首にナイフを当てた…

 

 

「捕まえた…」

 

 

 

 

周りは驚いている。

俺も含めて。

 

殺気を隠して近く才能…

殺気で相手を怯ませる才能…

本番に物怖じしない才能…

 

普通ではありえないほどの領域にいる。

俺は今までたくさんのプロを見てきたがその中で一番潮田が、暗殺の才能を持っている…。

 

もしかしたら潮田なら、今から本気でその才能を磨けば、殺せんせーを卒業までには殺せるかもしれない。

 

 

だがその才能は咲くことはないだろう。

 

殺せんせーはそれを絶対止める。

烏間先生も戸惑うだろう。

 

 

 

「そこまで!勝負ありですね!烏間先生。

全く…本物のナイフを生徒に持たすなど、正気の沙汰ではありません。怪我でもしたらどうするんですか。」

 

 

怪我しそうになったら助けに行っただろ。

 

 

クラスのやつが全員で潮田を囲い騒いでいる。

 

 

「このガキ!父親も同然の俺に歯向かって…まぐれの勝ちがそんなに嬉しいか!

もう一回だ!心も体も全部残らずへし折ってやるぅぅぅぅ!」

 

 

「確かに…次やったら絶対僕が負けます…

でもはっきりしたのは、僕らの担任は殺せんせーで、僕らの教官は烏間先生です。

これは絶対譲れません。父親を押し付ける鷹岡先生より、プロに徹する烏間先生の方が、僕は温かく感じます…

本気で僕らを強くしようとしてくれたのは、感謝します。

でもごめんなさい。出ていってください。」

 

 

鷹岡が逆上し、潮田に襲いかかった。

 

だがそれは烏間先生の肘によって止められた。

 

鷹岡は倒れる。

 

 

烏間先生も結構、人間離れする動きするよな。

 

 

「身内が、迷惑をかけてすまなかった。

後のことは心配するな。今まで通り俺が教官を務められるよう、上と交渉する。」

 

 

 

「やらせるか、そんなこと!

俺が席にかけあって…」

 

 

「交渉の必要はありません…。」

 

 

理事長のご登場。

どんな恐怖を与えるのか…

 

 

「新任教師の主案について興味がありまして、全て拝見させていただきました。」

 

 

鷹岡の顔がどんどん恐怖に染まっていく。

既に鷹岡も理事長からの恐怖を一回受けたとみていいな。

 

 

「鷹岡先生…あなたの授業はつまらなかった…教育に恐怖は必要です。が、暴力でしか恐怖を与ることができないなら、その教師は三流以下だ。」

 

 

紙が鷹岡の口に入れられる。

 

 

「解雇通知です。ここの教師の任命権はあな方防衛省にはない。全て私の支配下だということをお忘れなく。」

 

 

そして理事長は去っていく。

 

 

「くそ…くそ…くそくそくそくそくそぉぉぉぉぉ!」

 

 

鷹岡もバッグを持って走り去っていく。

 

 

 

それを見て、クラスの奴らは歓喜の声をあげた。

 

 

 

もうこの日はなんにもないだろう。

 

クラスの奴が歓喜しているなか、俺は教室からバッグを取り、そのまま家に帰った。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

鷹岡は出て行き。

次の日の昼休み

 

 

 

俺は今、いつものベストプレイスにいる。

そして俺はいつものように考え事していた。

 

 

潮田渚…

暗殺の才能があそこまで高いとは思っていなかった。

今回のことで、少なからず潮田も少しは自分の才能に気付いたのではないかと思う。

だから本当に思う。

もっと早くに自分の才能に気付いておれば、殺せんせーを殺すことも夢ではなかった。

しかし殺すことは無理だとしても、俺の戦力には充分になるだろう。

 

そして俺は一回パンをかじる。

 

それに鷹岡。

烏間ほどではないが、充分に強い男だったと思う。

俺が受けたパンチ力ランキングトップ150位には入っていたんではないかというくらい強い。

できれば改心してもらい、E組の戦力として居続けてほしかったところはある。

ある程度の強さを持っている人は多いに越したことはないからな。

 

次はマッカンのストローを咥え、胃袋に流しこむ。

一口、二口、三口…

そしてストローを口から離し、またパンをかじる。

 

 

 

 

が…その瞬間。

殺せんせーが俺の目の前にいつのまにかいた。

 

 

殺せんせー「おや?今回は驚かないんですねぇ」

 

 

当たり前だ。

俺に同じ手は通じない。

場所がバレてしまっているので警戒は常にしていた。

 

 

比企谷「心の中ではすごく驚きましたよ。」

 

 

殺せんせー「君は本当に素直じゃないですねぇ。」

 

 

比企谷「それで、どうしたんですか?俺を驚かせに来ただけじゃないでしょう?」

 

 

殺せんせー「えぇもちろん。今日は比企谷君とお話したいなと思いまして」

 

 

比企谷「そうですか。上手く話せるよう頑張ります。」

 

 

殺せんせー「では早速…比企谷君は楽しく学校生活を過ごせてますか?」

 

 

これは答えても特に問題ないだろう。

 

 

比企谷「えぇ、平穏な日々を送れてますよ。」

 

 

殺せんせー「それはよかったです。ではどうして比企谷君は一人がいいのですか?皆とお話した方がもっと楽しい生活ができると思いますよ。」

 

 

なるほど…今から俺は手入れを受けるのか

 

 

比企谷「先生…本当に俺を手入れできるとでも思っているんですか?」

 

 

殺せんせー「さぁ…それはまだ先生も分かりません」

 

 

手入れ…

本当に俺に手入れなんてできるのだろうか…

 

そうだ。

話に乗っかってみてもいいかもしれない。

殺せんせーは俺を手入れすることができないと自信がある。

だから逆に俺が先生の思考パターンを掴んでやる。

 

 

比企谷「そうですか…まぁ話してもいいですよ

俺は上辺だけの関係が大嫌いです。相手の事なんて一つも考えていない…自分が良ければそれでいい…。いつも人はあなたのためなんて言うけど、それは結局自分の気持ちを相手に押し付けてるだけ。

欺瞞で満ち溢れた偽物の関係。

 

優しさなんてものも嘘だ。

いつも期待させてきてはいつも裏切る。

真実は残酷だというのなら、きっと嘘は優しい。

だから優しさも嘘だ。

 

そしてそれを人間は良いものとしている。

だが俺はそんな偽物の関係なんてほしくない。

俺が欲しいのは本物の関係…それだけ。

 

だが本物なんてものはないと俺は知りました。

だから俺はもう期待をするのも、希望をもつのもやめた。

本物がないのなら俺は人に関わりたいなんて思わない。

絶対悪な俺は、人に関わった数だけ傷つくだけ。

もう俺はそんなことになりたくない。

だから俺は自らボッチになる道を選びます。

例え、相手から俺に距離を縮めようとしてきたとしても、俺は全力で距離を離そうとするでしょう。前の神崎達みたいに…。」

 

 

殺せんせー「なるほど…」

 

 

先生は今、俺にどう言葉を返そうか迷っているようだ。

 

 

 

比企谷「それで俺に手入れはできそうですか?」

 

 

 

 

 

殺せんせー「そうですねぇ…私『には』君に手入れは無理かもしれませんねぇ。」

 

 

 

やっぱり俺に手入れなんてものは無理なんだ…。

 

 

 

殺せんせー「ですが…他の人ならできるかもしれません。」

 

 

 

 

 

なに?

 

 

 

 

 

 

神崎「比企谷君…」

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜ?

 

なぜ…こいつら…

 

E組の生徒全員がここにいるんだ…?

 

 

この場所は俺しか知らないはず…

 

 

 

 

 

 

 

 

…いやここを知るルートは2つあるな。

 

一つは殺せんせーが、全員にこの場所を教えた。

だがこれでは、一つ疑問に残ることがある。

なぜこういうことはいつもサボっている赤羽までいるのかということ。

 

つまり可能性が高いルートは2つ目の…

 

 

比企谷「よくもやってくれたな…律。」

 

 

律「すいません…ですが私にはこれが必要だと判断しました。」

 

 

最新鋭AIなら俺の携帯をハッキングすることなど容易いことだろう。

 

 

比企谷「まぁいい…それでお前達は何しにここに来たんだ?俺とお前らには契約があったはずだが?」

 

 

杉野「比企谷君…その契約もうやめにしないか?」

 

 

比企谷「なんだと?俺がボッチなことに同情でもしているのか?お前らもさっきの話聞いてただろ。それなのになぜお前らはそんなことを言うんだ?」

 

 

杉野「比企谷君が一人で生きていかないといけない理由なんてないと思うんだ」

 

 

比企谷「俺は絶対悪だ。お前らを傷付けるだけの生き物でしかない。俺と関わって得するものはなんてないぞ。

俺は人を不幸にするだけの人間だ」

 

 

 

神崎「違うよ…比企谷君はそんな人じゃない。」

 

 

 

比企谷「違うだと?お前はなぜ俺を否定できるだ?」

 

 

 

 

神崎の目…俺を信じているようなそんな目

突き放さないと…

 

 

 

 

比企谷「そうか分かった…教えてやるよ。

お前らも風の噂で聞いたことがあると思う。

文化祭の時に実行委員長を泣かせて、スケジュールを遅らせたやつがいること。

 

二年生の修学旅行で、恋の告白に横槍をいれて潰したやつがいること。

 

 

そう…

 

 

それは全て俺だ…

 

 

俺は昔から人の不幸を見て喜ぶようなやつなんだ。」

 

 

 

神崎「嘘だよ!比企谷君はそんなこと思っていない!

私は知ってるよ…比企谷君は誰よりも優しい人なんだってことを!」

 

 

 

「優しいだと…?俺が?」

 

 

なんだ?

何を言っている?

理解ができない。

 

 

神崎「そうだよ。比企谷君は誰よりも優しい。

私ね修学旅行の時…比企谷君に助けられたんだよ?

肩書きなんて気にする必要はない。

自分を否定するな。って。

私はその時…やっと解放されたの。

自分の過去から…

自分の中の呪縛から…

 

それだけじゃない。

私は見たよ…比企谷君がトラックに轢かれそうになっている女の子を自分の頭を打ってまで助けたこと…」

 

 

矢田「それなら私も…昨日鷹岡先生に殴られそうになった時、比企谷君が助けてくれたこと本当に感謝してる…私、本当にあの時怖かったから…

殴られたらどんなに痛かったか…今でも想像しちゃう…。

でもそうならなかったのは比企谷君のおかげ…」

 

 

神崎「ねぇ、比企谷君…その噂も裏では本当は人を助けていたんじゃないの?

比企谷君は誰かのために動いていたんじゃないの?

それこそ私達にしたように…」

 

 

 

 

 

 

比企谷「なんだよそれ…ふざけるな!俺が優しい訳ねぇだろ!」

 

 

 

「!」

 

 

 

比企谷「俺がお前らのために動いたって本気で思っているのか?

それならとんだ勘違いだな。

俺はお前らの為に動いたことなんて一度たりともない!

じゃあなぜ俺はお前らを助けたのかって?

 

それは全て俺のためだ!

俺の未来が勝者であるための土台作りだ!

そこにはお前らの為なんて感情一切ない!

 

結局お前らは、俺の手のひらの上で踊らされていたんだよ…

全て計算されていた。

 

 

俺は優しさという嘘なんてものはつかない!

俺は誰かのためなんて欺瞞は言わない!

俺のことは俺が一番よく分かっている!」

 

 

神崎「比企谷君は今、自分のことしか知らない!

私達が見ている比企谷君のことを、比企谷君はどれだけ知っているんですか!?」

 

 

 

 

 

比企谷「………は?」

 

 

 

神崎「比企谷君は誰よりも優しい。

例え自分が危険なことにあっても、誰かを優先してくれる優しさがある…

 

確かに比企谷君にとってそれは優しさではなかったのかもしれない。

でも私達はそれを優しさと感じた…

だから私は比企谷君は優しい人だと思います。」

 

 

比企谷「やめろ…そんなものはただの幻想だ…

俺はそんなやつじゃない…」

 

 

神崎「ねぇ、比企谷君。本当はどうして私達を助けようとしてくれるんですか?」

 

 

 

比企谷「やめろつってんだろぉ!」

 

 

 

神崎「比企谷君…わざとそんなに怒って私達を突き放そうしなくていいんですよ。」

 

 

 

比企谷「……え?」

 

 

 

俺は神崎の胸元に抱き寄せられた。

 

 

 

神崎「比企谷君が本当は優しいことを皆、もう知っていますから。」

 

 

比企谷「なっ、なにをして、何を言っている…?」

 

 

神崎「大丈夫ですよ。比企谷君は一人になる必要はありません。」

 

 

比企谷「いや…駄目だ…俺は絶対悪なんだ…俺とお前らが関わっていいはずがない…」

 

 

神崎「いいえ、比企谷君は絶対悪なんかではありません。私達と比企谷君が関わってはいけないなんてこともありません。」

 

 

 

 

比企谷「じゃあなんで俺がいつも悪者になっているんだよ…

じゃあなんで俺は前より一人になったんだよ…

じゃあなんで雪ノ下達は俺を否定し、怒ったんだよ…

じゃあ…じゃあなんで俺を助けてくれた恩師は傷付いて、俺に頭を下げるようなことになってしまったんだよ!」

 

 

 

 

俺は目から涙が溢れでた。

 

 

 

 

 

 

比企谷「その答えは全て同じで、解はもうでている…

 

 

 

俺が人と関わったからだ…

絶対悪の俺が人に関わったからだ…」

 

 

 

神崎「違います。それらは全て、本当は皆に愛されるべき比企谷君が皆から突き放されているのを見て、悲しいと思ったからです。」

 

 

比企谷「俺が皆から突き放されているのを見て、かなしいとおもっ…た…だと?」

 

 

神崎「そうです。

比企谷君のことを自分のことかのように思っていたんですよ…。」

 

 

 

 

 

本物?

 

俺は本物をすでに持っていたとでもいうのか…?

そしてそれを。俺は自ら手放した?

 

 

 

 

 

比企谷「そんな…そんなことが…俺は…俺なんかは…」

 

 

神崎「比企谷君…私達では比企谷君の中の本物になれるか分かりません。

だけど私達は比企谷君と心の底から友達になりたいと本気で思っています。」

 

 

 

 

 

 

 

本物だ…。

正真正銘の本物。

この世界に本物なんてものが本当にあったんだ…

 

 

 

俺は神崎から少し離れ皆の方を向く。

 

 

 

 

そして…

 

 

比企谷「なぁお前ら…俺はお前らにたくさんの酷いことを言ってきた。

だけどそんな俺でも…今からお前達の仲間に入れてくれないか?」

 

 

 

 

 

 

 

俺は初めて、人と関わりたいと言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺なんかを皆は受け入れてくれるのだろうか。

はたまた俺に対して怒り、また裏切られるのだろうか…

俺でもわからない。

 

とても不安で怖い…

こんな感情初めてだ。

 

 

 

 

あぁ…どうなるだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「もちろん!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

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