倫也がコンタクトBOXを受け取る。
「なんだよこれ」
「コンタクトレンズよ」
「使い方わかんねぇよ」
「目に入れる以外にどうやって使うのよ!?」
「いれたことないから」
「って、そんな細かいことはほんとどうでもいいのよ・・・」
「お前なぁ・・・」
「っというわけで、明日の朝は迎えに来るから一緒に学校いくわよ」
「・・・なんで?」
「なんでもかんでもないわよ。わたしと一緒に登校するのが一番認知してもらうのに手っ取り早いからよ」
「何を?」
「わたしと倫也が付き合っていることに決まっているじゃない」
「えっ?」
「えっ、澤村ちゃん、トモと付き合っているの??」
「いや、付き合う予定なのよ」
「予定って・・・」
その時、英梨々のケータイが鳴る。
「あの、澤村さん・・・、何を血迷ったのかしら?」
「えっ、何か間違えた?」
「どうして、告白イベントの前に付き合っているのよ?」
「同じことじゃない?」
「ぜんぜんちがうんじゃないかしら・・・」
「じゃあ、今、告白するわ」
英梨々がケータイを切る。
「わたしは倫也が好き。10年前からずっと好き」
倫也は絶句して声がでない。美智留も固まっている。
「倫也が社長になったら、わたしを迎えにきてくれるんだよね?」
「ああっ・・・そうだな」
「それって、プロポーズだよね?」
「いや・・・別にそのつもりは・・・」
「でも、わたしはプロポーズだと受け取っているから」
「英梨々・・・どうしたんだよ・・・お前」
「明日から学校に一緒に行くから」
「・・・」
「あと、明日、恵との関係修復もお願いね・・・」
「・・・」
「お嬢様である偽りのわたしを応援してくれる友達もいる。その人達も裏切りたくない」
「英梨々、落ち着け」
「倫也・・・わたしはどうしらいいかわからないよ」
英梨々が涙目になる。それも真剣に泣くまいと気持ちを抑えている。
「お前、キャラ崩壊してんぞ・・・」
「あー、トモ、澤村ちゃん泣かしてんじゃん・・・」
「俺が悪いの!?」
「ちゃかしている場合じゃないと思うけどなー」
「なんか、美智留が現れた理由がわかった気がするよ・・・」
「そう?」
「とにかく、今は時間をくれ・・・」
倫也が考える。おかしい。少しフラグを変えると未来が大きく変化する。コントロールがきかない。ケータイを取り出す。
「あっ、伊織。俺だけど」
「やぁ倫也くん。あけましてだね」
「ああ、今はそれどころじゃないんだけど」
「どうしたんだい?また殺されそうなのかい?」
「・・・あながち間違ってねぇな・・・」
「ははっ、冗談だよ。で、どうしたんだい?」
「プロットだ。プロット確認して。今日は何がある予定だった?」
「んー。『英梨々、倫也の家で眼鏡を折って明日の約束をする』ってあるけど」
「そうか・・・そんな一行がこんなことになるんだな・・・」
「でも、先が目まぐるしく変わっているね」
「・・・これ、総没にできないか?」
「最初から書き直す?」
「ああ、ちょっと英梨々が暴走して・・・」
「それは倫也くんの読みが甘かったんじゃないかな?それに総没はできないよ」
「どうして・・・」
「だって、氷堂さんも出海も登場してし、何よりも妹の渾身の入浴シーンをボツにするのは忍びないなぁ」
「そこをなんとか・・・」
「まぁ僕にそんな権限ないけどね」
「・・・」
「やれるだけやってみなよ。どう転んだって・・・同人の域はでないのだからね」
「俺は嫌なんだよ、誰かが泣いて悲しむような終わり方はさ」
「知ってるさ、負け犬2だって・・・」
「今はその話はいい」
「いいかい倫也くん、君のいいところは目の前のことをがむしゃらに突っ走ることだろ?予定にないイベントかもしれない。でも、今がその時なんじゃないないか?」
「ああ、伊織。お前の言う通りだ・・・」
「まっ、僕は出海のために短編の資料でも集めておくよ」
「いやまて、この話が先だろ・・・」
「ふふふっ、じゃーね、倫也くん」
電話が切れる。
(つづく)
次回も続きます。
ご意見・感想・評価等あればよろしくです。