負け犬ヒロインの育て方3   作:きりぼー

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今回は加藤回


第六章

前回、霞ヶ丘詩羽によって解説が行われ、今後のイベントも見通しがたったようなそうでもないような作者ですが、負け犬2で登場した加藤恵@メインヒロイン型をなんとかしておかないと、英梨々が襲われたり、倫也が襲われたりと物語が崩壊してしまいます。

 そこで、今回は加藤恵になんとかしてもらいましょうという、シュールな回であり、もはや原作と読者に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 

 少し時間遡って恵の部屋。倫也と英梨々は初詣中です。

 

「ちょっと、動かないでたらっ!」

「がるるぅ・・・」

 

 抑えられているのが顔なしの加藤恵@メインヒロイン型。抑えている方がこの時間軸の恵。

 

「英梨々と安芸くんがすぐにくっついたりしないからっ」

「がるぅ」

「そんなに邪魔しにいかなくても平気だよ」

「がるるぅぅ」

「そう、落ち着いて」

 

 なぜここに、@メインヒロイン型がいるのか?それは謎である。ただ前作の流れから、これが英梨々を邪魔することを危惧した恵が捕まえた。それによって、英梨々の物語は今のところ平穏に進んでいる。

 

「そんなにね、邪魔したり、ましてや安芸くんを殺して物語を終わらせたりしなくてもいいんだよ?」

「がる?」

「わたしをメインヒロインにしてくれるのはありがたいことかもしれないけれど・・・でも、やっぱりほどほどのイベントじゃないと・・・」

「がるぅ。。。」

「それにね、恋のライバルがいて、初めて輝けるんだと思う。メインヒロインだからって理由だけで安芸くんとハッピーエンドを迎えてもしょうがないと思うんだよ」

「がるがる」

 

 恵によるこの@メインヒロイン型との問答は、自問自答なのだろうか。やはりこの@メインヒロイン型は恵の内在的な欲望なのだろうか。それとも呪いなのだろうか。

 

「だからね、わたしはあんまりというか、あなたの介入なんかなくてもいいし、その結果、英梨々に負けて、安芸くんと結ばれなくても・・・いいと思うんだよ」

「がるるぅぅ!」

 

 これには@メインヒロイン型が納得いかないようだ。

 

「あんまりこの世界に干渉して欲しくないし、わたしをもっと自由にしてほしい」

「がるぅ」

 

 恵はケータイを取り出し、霞ヶ丘詩羽に連絡する。

 

「霞ヶ丘先輩、あけましておめでとうございます」

「あら加藤さん、あけましておめでとう。今年もよろしくね」

「はい。それで相談したいことが」

「私になにかできるのかしら?」

「霞ヶ丘先輩なら説明しなくてもわかると思うのだけど・・・」

「そうね、私の『記憶(メモリー)』の能力は書き起こされたものも、ボツになったものも把握できるからね」

「丁寧な説明セリフありがとうございます」

「いいのよ、あなたが礼なんていわなくても、作者の力量の低さだけがうすら寒いだけだもの」

「で、この子をなんとかしたいのですが」

 

 @メインヒロイン型がおとなしくしている。

 

「で、その子って、加藤さん、あなた自身なのかしら?」

「たぶん・・・違うと思います。わたしはこんなんじゃない・・・とまでは言いません。確かに嫉妬もしますし・・・」

「素直ね・・・」

「ただ、どちらかといえば、わたしはこのメインヒロイン像から分裂したというか・・・束縛された存在な気がします」

「なるほど・・・」

「この子がなにものであれ、すぐに解決できないのであれば、少しでも安全な状況を確保しないと・・・また凄惨なエンドを迎えることになって・・・」

「わかったわ。次のイベントフラグで少しだけなんとかしてみるわ」

「お手数おかけします」

 

 恵がケータイをもったまま頭を下げる。

 あたりを見回すと、@メインヒロイン型がいない。

 

「あっ、さっきまで捕まえてたのに・・・いなくなってしまいました」

「本家のステルス性能ってところかしらね」

「英梨々、大丈夫かな」

「そんなに心配しなくても大丈夫よ。彼女は無事に帰ったわ」

「そう、良かった。じゃあ安芸くんとは何もなかったんですね?」

「知りたいの?」

「・・・けっこうです。わたしは関係ないしぃー」

「あなたも苦労するわね」

 

 電話を切って、恵はため息をつく。もう少し楽しい日常的なイベントでいいのにっと思いながら・・・

 再度、霞ヶ丘詩羽から電話がかかる。

 

「そうだ加藤さん」

「なんですか、霞ヶ丘先輩」

「あなた、『日常会話がつまらないは、寒いは、退屈だは』を気にしているようだけど・・・」

「・・・」

「わけのわからないモンスターと部屋で過ごすのは日常じゃないわよ・・・」

「それって・・・どういう意味・・・」

「じゃあね、加藤さん」

 

 恵はムスッとした表情をする。

 

「・・・リテイク」

 

※ ※ ※

 

「ちょっと、動かないでたらっ!」

「シーラナイヨー」

 

 抑えられているのが顔なし状態のメインヒロイン型。抑えている方がこの時間軸の恵。

 

「英梨々と安芸くんがすぐにくっついたりしないからっ」

「カンケイナイシー」

「そんなに邪魔しにいかなくても平気だよ」

「ソウナノカナー」

「そう、落ち着いて」

 

 なんでここに@メインヒロイン型がいるのか?それは謎である。ただ前作の流れから、これが英梨々を邪魔することを危惧した恵が捕まえた。それによって、英梨々の物語は今のところ平穏に進んでいる。

 

「そんなにね、邪魔したり、ましてや安芸くんを殺して物語を終わらせたりしなくてもいいんだよ?」

「ナンダカナーダヨ」

「わたしをメインヒロインにしてくれるのはありがたいことかもしれないけれど・・・でも、やっぱりほどほどのイベントじゃないと・・・」

「アア ソウナンダー」

「それにね、恋のライバルがいて、初めて輝けるんだと思う。メインヒロインだからって理由だけで安芸くんとハッピーエンドを迎えてもしょうがないと思うんだよ」

「エッナンデ?」

 

 恵によるこの@メインヒロイン型との問答は、自問自答なのだろうか。やはりこの@メインヒロイン型は恵の内在的な欲望なのだろうか。それとも呪いなのだろうか。

 

「だからね、わたしはあんまりというか、あなたの介入なんかなくてもいいし、その結果、英梨々に負けて、安芸くんと結ばれなくても・・・いいと思うんだよ」

「シラナイヨ!」

 

「・・・うーん」

 

 相方って大事だなって、芸人加藤は思うのであった。

 

(つづく)

 




次回は紅坂朱音と詩羽・英梨々のマルズ回
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