東方龍魂伝 ~ Battle of Fantasia   作:龍玉@MUGEN

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バトルパート入ります。


VS妖精

 魔理沙は驚いていた。

 

 

 この新神龍虎という人物が、才能が無ければ扱う事はほぼ不可能と言われる霊力、そもそも最初から人間は持ちあわせていない筈の魔力、そして未知の力、気力という物をたった1日で習得したという事に。

 それだけで無く、それらの力を驚異的なスピードで強めている事にも。

 これが、才能という物か。そう魔理沙は感じていた。 

 

 彼女が現れて半年。

 彼女は、ある時は数日間飲まず食わずで黙想し、ある時は何冊もの魔道書を数日で熟知し、ある時は体に何十キロもの重りをつけて突きを繰り出し続けてた。

 そして、今日も彼女は、修行を続ける。

 

 そして師匠として実戦トレーニングの相手をしてきた魔理沙は、そんな彼女に恐怖すら覚えてきた。いつかこの私すら超えてしまうのではないのかと……

 だから、魔理沙は決心した。

 

 

 

  今日、彼女を、とある()()と戦わせると。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 只今絶賛修行中、龍虎です。

 

 

 今日の修行のメニューは、100キロもの重りを体に付けて牛乳……ならぬ天狗の新聞を配るというもの。

 やはり射命丸さん以外にも新聞をやっている天狗は多く、中にはめんどくさがりやな天狗もいる。そういう天狗が配る代わりに俺が配っているのだ。 お陰でまだ風神録でもないのに妖怪の山との友好が深まりました。楽しみはとっておきたかったのだが。

 ちなみに、重りは香霖に頼みました。(前話参照)

 

 

 幻想入りして半年、俺こと龍虎は、相変わらず異常と呼べるくらいのスピードで実力を付けていた。

 某先代巫女じゃないけど、漫画みたいな馬鹿馬鹿しいぐらいの修行をしてみたいなーと思ってましたら、案外出来ちゃいましたw

 どうやら俺は悟天並の才能を持っていたらしい(ドヤ)。

 

 しかし今は、そこらの三流妖怪ぐらいは軽くぶっ飛ばせれるが、魔理沙には全くかなわないという状況が続いている。

 そう、いわゆる壁というものにぶつかっている。

 ……かと言ってどうしろということもないので、ただがむしゃらに修行しているしかないの だが。

 

 

 さて、次の新聞はあの家で……

 

「やっと見つけたぜ」

「うおっ!?」

 

 俺が全力疾走しているところに、魔理沙が空から急にやってきた。

 ったく、俺がぶつかったらどうしてくr

 

「この修行メニューが終わったら私についてきてほしい」

「あー?」

 

 ほんっと最近の子ってマイペースなんだから・・・

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 暇だ。

 

 

 霧の湖の湖畔を、大妖精はそう思いながら何かないものかと放浪していた。

 いくら自由な種族・妖精といえど、こんなにも日常が平和過ぎると、自由という言葉もかえって邪魔に感じてくる。

 

 

 ふと見ると、湖畔の森に人影が見えた。

 緑髪の天然がかったショートヘアーにアホ毛、頭髪と同じ緑を基調とした武道着を着、全身にプロテクターのような物をつけた、まだ年端のいかない少女が歩を進めていた。

 見慣れない人物だ、妖精じゃない。

 

 そうと分かった彼女は、早速人影の近くの茂みに隠れた。飛んで火に入る夏の虫、暇潰しの格好のエサである。

 妖精とは基本的にいたずら好きな種族である。この大妖精もまた然りであった。

 さて、どのようなイタズラを仕掛けてやろうかと彼女が考えていたその時……

 

 少女は進めていた足を急に止め、口を開いた。

 

 

 

「貴様見ているな?」

 

 

 

 大妖精は驚愕した。

 本来妖精の気質は自然に近く、注意深く感じようとしない限り気配を察知される事は滅多にない。しかしその少女は、別に感じ取ろうとする動作を一切せず、平然と気配を察知しのだ。

 ただ者ではない。一瞬で分かった。

 

「俺も元々お前等に用があって来たんだ。ちょうどいい、来るなら来い。ただし、正々堂々真っ向勝負でな」

 

 そして次に発した言葉は、宣戦布告だった。 そう、この少女は最初から妖精達とケンカをするためにここに来たのだ。

 しかし大妖精もタダで負ける気がしなかった。 彼女は妖精の中でも力が強い方であり、他の妖精も集めれば確実に勝てると考えていた。

 

「いいですよ……その挑戦、受けました」

 

 

 

 

 

 

少女戦闘準備中・・・

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 俺、龍虎は、今霧の湖の湖畔に来ている。無論、妖精にケンカふっかけにだ。

 

 魔理沙に言われた内容とはこの事だった。「今のお前ならあの妖精共も一掃できるだろう?」って。

 いやでも妖精って一般の成人男性がラクにボコせる位の力だって聞くよ? だったら普段からボコしてる三下妖怪の方が強いだろ? ひょっとしてお前なめてんの?

 まあ何にしろ、修行になるなら何でもいいが。

 

 

 ……と、説明はこれくらいにして、今は目の前の事に向き合おう。

 現在俺は、大勢の妖精に囲まれている。

 え? 大ちゃんだけじゃないのって? いやぁ、俺も大ちゃんだけだと思っていたのだが……よく見たら四方八方からモブ妖精が飛び出して来ましてねぇ……基本的に同じ事しか考えねぇのか、妖精ってのは。

 

 さて、この量だと100匹位か。あっちはもう戦闘準備完了っぽいし、早速重りを外して……

 「ふん、よくあんたみたいな奴が私のテリトリーに入ってこれたね!」「は? ここは私のテリトリーよ!」「いいや私のだ!」「なにを~! だったら今ここで決着をつけてやる!!」

 ……うん、このままの方が良さそうだ。

 

 それでももよぉ、今頃ケンカすんなよなおい……

 しょうがねぇ待つか……

 

 

 

 

 

~十分経過~

 

 

 

 

 

「あんたそんな事もわからないの!? ほんっとにバカね!!」

「あーっ! バカって言った方がバカなんだぞー!!」

「バカって何?」

「こらこら、みんないい加減に……」

「「バカは黙ってろ!!」」

「なっ、もっ、もう許さないぞー!!」

 

 いまだに続いている。終わる気配が全くない。

 というか、もう全体がこのざまですよ……もう目的どころじゃねぇ……

 

 このままでいても仕方ないし、ここらで一喝を……

 

「なあもう始め……」

「「「「「あんたも黙ってろォ!!!!」」」」」

 

 

 

 プチン

 

 

 

「いい加減にしろテメェらァァァァァァァァ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女激怒中・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 てめーは俺を怒らせた

 

 その一言に尽きる。

 

 

 この怒りに身を任せてこいつらを駆逐してやってもよかったが、あくまでも戦いの修行をしに 来たまでなので、そこは我慢した。代わりに見せしめに目の前にいた妖精を頭から植樹してやった。

 ちぇっ、妖精なんか相手にムキんなっちまったぜ。まだまだ俺もガキだな。

 

「よ……よくもやってくれたね!!」

「ボコボコにされる覚悟はある?」

 

 いや、こっちのセリフだよ。散々騒いで人を怒らせといてそれはねぇだろ。

 

「んなこと言ってるぐらいなら、さっさとかかって来たらどうだ?」

「「「「「言われなくても!!」」」」」

 

 そう彼女等が応えた瞬間、一気に目の前が輝く弾に包まれた。

 ハァ……やっと弾幕だ。ここまでどれだけの苦労がかかったか……

 

 

 脳内リセット。戦闘モードに頭を切り替える。

 

 この弾幕はそうだな……通常の拡散型弾幕と言ったところか。

 なかなか密度はあるが、魔理沙の弾幕に比べりゃお釣りが来るぜ!!

 

 この弾を右、そしてまた右、その次に左!

 

「なっ、か…かわされてる!?」

「なんてスピードなの!?」

 

 こんなもんか? スロー過ぎてあくびが出るぜ!

 ……止めよう、後のフラグになる前に。

 

 さて、かわし続けていてもしょうがないし、そろそろ攻撃するか。

 いくぞっ!!

 

 素早い動きでどんどん妖精を突き飛ばしていく!!

 シュバババババッ!!

 

「「「「「うわああああーっ!!」」」」」ドボーン

「なに!? 一気に五人が湖に飛ばされた!?」

 

 お前も飛ぶんだよ!!

 

 シュバババババババババババ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な…何者ですか、あなたは……」

 

 最後に一人残った大妖精が、そう問いかけてきた。

 

「んー?ただの戦闘バカな人間だよー?」

 

 前世からそうだった。何よりも強い敵と戦うのが生き甲斐だったからな。

 吹き飛ばした大勢の妖精が、湖にプカプカ浮いている。

 

「ハハ…戦闘バカ、ですか……」

 

 懐かしいものでも思い出すかのように、彼女は呟いた。

 

「ちょっかいを出す相手を、間違えたかもしれませんね………でも」

 

 そして決意するように、

 

「最後まで、やり抜きましょう!」

 

 ……ならば、それに全力で応えてやるまでさ。 さぁ、戦いの再開だ!!

 あれ、これなんてシリアス?

 

 

 

 ズババババババババ!!!!

 

 大妖精の弾幕が飛ぶ。 たった一人だってのに、さっきのモブ妖精達よりも密度が高く一弾一弾が速い。

 さっきよりきついな………だが、

 この程度の弾幕で倒せる俺ではない!

 

 先程と同じようになるべく無駄の無い動きでかわしてゆく。

 

「まだ避けますか……」

「この程度か?」

「いえ、まだまだぁ!!」

「うおっ!?」

 

 弾幕が濃くなった。まだこんな力を隠していたのか。……いや、よく見たら大妖精が苦しそうにしている。限界を超えたか。

 

「そろそろっ……押し負けたらどうですかッ!!」

「へへ……すげぇなぁ……でもこんなもんじゃぁ、俺は倒せん!!」

 

 よく頑張ったがここまでだ。

 俺は先程からためていた霊力を、弾幕を見切り大妖精へ打ち出す。

 

「霊銃『レイガン』!!」

「……ッ!!」

 

 彼女が弾幕を繰り出す事だけに集中していたためか、霊丸は彼女へ一直線に向かっていった。

 そして、着弾。

 

 

 ドォォォォォォン……

 

 

 見事に命中。しかし予想以上の大爆発が起こった。やり過ぎたか。

 

「………ケホッ」

 

 ……ああそうだった、確か妖精ってのは、体が粉々に吹っ飛ぶ怪我を負っても元通りに再生する程タフなんだっけ。よかったあ……初戦の相手が散り散りに吹っ飛んで死にましたなんてマジで言い訳つかないからな………

 

「…………負けましたか」

「ああ、俺の勝ちだ」

 

 

 

 ……とまぁ、ミッションクリアって感じ?

 いや、まだだ。

 俺の目的は先程言った通り『妖精達とのガチンコ勝負』だが、今の妖精達は()()じゃない。

 

 そう、俺の本命は―――

 

 

「大ちゃん?」

「チルノ………ちゃん?」

 

 

 頭上から話し声がした。見上げると、青色のワンピースに頭にリボン、背中には氷の羽を持つ少女がいた。

 そうそうコイツ。幻想郷()()の妖精、チルノだ。

 

 やはり前世の知識と同じく、チルノは妖精の中では飛び抜けて強いらしい。

 それもそこらの三下妖怪なら楽に一掃出来る程………って、あれ?違くね?

 

「チルノちゃん、今まで何処にいたの?」

「なんかどんどんみんなが湖に落ちてったから……面白くて見てた」

 

 はい今コイツSだろと思ったそこのアナタ! 違うよ! ただのバカだからね!

 

「それでよく見たら大ちゃんが戦っていたから……ってあ、やい! そこのオマエ! よくもアタイの友達をぶっ飛ばしてくれたわね!!」

 

 あ、本当にチルノだ。全国1億2000万人のチルノファンの方々、お先に失礼しますw

 

「やい!やいやいやい!話を聞けーーー!!」

「いや、聞いてはいたけどさ………俺とやり合うつもりか?」

 

 一応聞いておいておく。

 

「あたりまえじゃない!絶対ゆるさないんだからね!!」

 

 だよね。やっぱりやる気はマンマンらしい。

 ならば早速―――

 

 

 

 

 

 ―――手合わせ、願おうか!




見ていて「原作より妖精強くね?」と思ったのは僕だけじゃないハズ。
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