東方龍魂伝 ~ Battle of Fantasia 作:龍玉@MUGEN
死ぬしかないじゃない!
……やめよう。原作もあまり知らないくせにマミさんのネタを使うやめよう。
そして現実逃避もやめよう。
はい皆さん、おはようございますこんにちはこんばんは。龍虎です。
これよく実況者が使うよね。憧れてたんだ。
え? その前に状況がわからないだって?
ああそうだったな、これまでの事を説明するとだな………
チルノ現る→やらないか(ケンカ)→避けてみろーっ!→イ゛エァァァ!!
→今のは痛かったぞーっ!!→帰宅疑惑→ンな訳ねぇだろおぇぇぇッ!?→チルノのバカヤロー!
→絶対許さんぞムシケラ共ーっ!!
というわけだぁ!
…………今のは説明になっていたのだろうか……。
まあいいや。詳しくは前話参照って事で。
……で、ともかくだなともかく。俺はチルノを怒らせてしまった。
現在例のチルノさんはドス黒いオーラをガンガン放っています。おお、怖い怖い(リアルに)。
「絶対……絶対許さないんだからね」
「あわわ……まずいよ緑のお兄ちゃん! 早く謝らないと……」
逃げるんだぁ……勝てるわけが無い……!
じゃなくてだな。こうやって全力で現実逃避してるぐらいなら、この状況を何とかしろってんだ俺。そろそろヤバいぞ。
そして俺はお兄ちゃんじゃない。
「早く早く! 本当にやばいんだから!」
ハイハイ、わかったから
これはアレだな。早めにキッパリと一言言ってしまおう。
そうと決めた俺は大きく息を吸い込み………
「よかったな。これで俺と、遠慮無く戦えるだろ?」
………チルノを、挑発した。
「は?」
「アンタ……あたいをさらにバカにしてるの?」
「ああそうだ。全力で戦えるように
「ッ!! じょうとーじゃない! アンタもカエルみたいにカチンコチンにしてやる!!」
そう、そもそも俺はコイツらに和解しに来たわけではなく
だから俺はケンカを売った。
俺がそう言ってからしばらくして、大妖精の方から「馬鹿だ……」という、驚きと呆れが混じった声が聞こえた。
何しろ、先程ボコボコにやられた相手を挑発するという理解し難い行為をやってのけたのだから、当然の事だろう。
ま……前世もこんな感じに裏路地のチンピラ共にケンカ売ってましたっけね。
………そんな感じに過去の思い出をしみじみ思っていたら、チルノがかなり余裕そうな顔をしているのに気付いた。
ドヤ顔に似た、ムカつく位の余裕の表情だ。
何故だと、必ずその理由はあるハズと俺は思い、少しの沈黙の間考えてみたが……
意外にも、簡単すぎる答えだった。
「本当にいいの? アタイまだ、『スペルカード』使ってないんだけど」
………そういやそうだったね!
この幻想郷には、「スペルカードルール」を使った遊び、「弾幕ごっこ」が存在する。現在、俺とチルノがやっているのがそれだ。
その「弾幕ごっこ」において「スペルカード」とは、やる側にとっては絶対不可欠の必殺技、やられる側にとっては越えなければならない壁として存在する。
……説明終了。お分かり頂けただろうか? そう、以上の説明をもってこのチルノの顔を
お前通常弾幕であのザマだってのにスペルカードブレイクなんて出来んのかよwwwwwwwww
ということだ。
「あれ? さっきまでの……それ?はどうしたの?」
「く……クソったれが……」
チルノめ! 完全に俺をなめてやがる!
『勢い』を『それ』としか言えないようなヤツのくせに……!
そして隣の方から笑い声も聞こえてきやがった……大妖精ェ!!
笑うなぁ! 命が惜しかったら笑うなぁ!!
「お姉ちゃん? 本当に……クスッ大丈夫なの?」
テメェ……さっき俺にブッ飛ばされてたよなぁ!? そのクセによくもいい気に……
って感じで大妖精を睨み付けたら「ひいぃ!?」と言って涙目で縮こまった。憎い相手のハズなのに可愛いと思ってしまった。無念。
まあそれはそれでだな。
クソったれ、どんだけコロコロ状況が変われば気がすむんだよ。ここん所ずっと言い争いだぞ? 早く打開策を……って、あ。
そういやあったぜ、打開策……!
「………そういうテメェこそ大丈夫なのかよ、チルノ」
「フフフ………ん、え?」
「
「ッ!?」
チルノの余裕に満ちきった顔が、一気に険しい顔に変わった。しめしめ。
そう、常時身に付けていたため思い出すのに時間がかかってしまったが、俺はまだ重量プロテクター(合計100キログラム)を身に付けていたのだった。もっとも、先程の弾幕を受けてボロボロになってしまってはいるが。
しかしおかげで、まだチルノがスペルカードを使っていなかったという不利は帳消しになった。というかこっちの方が有利的な状況になった。ありがたや。
さて、この有利をを使ってもう少し弄り倒してやろうk
「"ぷろてくたー”って、何………?」
………有利不利以前にそこからの話だったのかよっっっ!!!!
「ねぇ、大ちゃんは知ってる?」
「え……ふぇ!? 私!?」
「うん。その……"ぷろてくたー”って?」
「う、うーん………。あ! あれだよチルノちゃん! このお兄ちゃんの場合は、わざと自分の体を重くして………」
「??? なんでわざわざ自分の体をおもくするの?」
「ゑ、そ、それは………」
駄目だコイツ……早くなんとかしないと……
スペルカードうんぬんで散々俺をバカにしてた時のアレは何だったんだ……俺は幻でも見てたのか……
さて、こうなってはどうしようもないので、ここは俺から戦闘モードのスイッチを入れてやろう。そしてこの寒い空気を消し去らねば。気まずすぎる。
「要するに、俺もお前には本気を出していなかったという事だよ」
よし。俺はさっきのチルノみたいな、余裕に満ちきった嘲笑うような表情でそう言った。というか言ってやった。さっきのお返しだクソったれ。
「なにぃ~! なめてたのか~!」
「ひぃっ! お、落ち着いてチルノちゃん!」
案の定、簡単に釣れたよ。単純なヤツめ。
よし、戦闘モードになってきたな。さっきの鬱憤は晴らさせてもらうぞ!
「
「言われなくても分かってるわ。この最初のスペルカードだけでカチンコチンにしてやる!」
「も、もう、どうにでもなれ………(投げやり)」
「さあ、第二ラウンド、始めっか!」
………やっとね。
◆◆◆
相変わらず、魔理沙は湖の上空で様子を眺めていた。
見据える先の龍虎達は、先程までなにやら言い争いをしていたようだ。
ハッキリ言って呆れかけてた魔理沙だったが、どうやら言い争いは決着がついたらしく、現在は殺気漂うピリピリとした雰囲気が下方の湖を覆っている。
しかしその魔理沙も、言い争いの始まる前は結構盛り上がっていた。
久しぶりに見たチルノの弾幕の量に驚き、不意を突かれて慌てていた龍虎に声援を送ったり、
さらに龍虎が弾幕を受けた時に限っては「リュウーーーーー!!」とまで叫んでいた。
だが、そんな余裕さえも、今の魔理沙には無い。
何故なら、今から彼女らが
確かに、魔理沙はあのプロテクターを外した龍虎を知っている。強い。だが、まだ彼女の敵ではない。しかしそれは、あくまでも
もしかしたら、実戦では自分以上の実力を持っているかもしれない。チルノに限ってもそう言える。もしかしたら、あの時とは比べ物にならないぐらい強くなっているかもしれない。
だから、彼女には余裕が無いのだ。
(さあ、見せてくれよ。お前らの全力!)
◇◇◇
沈黙と化した空気を破り、先に動いたのは龍虎だった。
「いいぜ。テメェがやっと本気を出すってなら」
ボロボロになったプロテクターに手をかけ、
「俺も、その
バリバリ! という音とともに破り捨てた。
「はああああ……!」
さらに闘気を溜め始める。龍虎の回りの大気が揺らめきだし、威圧も増大してゆく。
そして、
「はあっ!!」
解放。
ドンッ! という音とともに、彼女の回りで揺らいでた大気が一気に放たれる。放たれた大気はそのまま暴風となって、チルノ、大妖精、魔理沙、そして霧の湖周辺の木々へ叩きつけられる。
そして龍虎の回りには、先程彼女を包み込んでいた大気に討って変わって、白い闘気が炎のように揺らめき上がっている。
「待たせたな……こいつが俺のフルパワーだ!!」
圧倒的な威圧感。そのあまりの威圧感に大妖精も「うわぁ……」と感嘆の声を上げる。
そしてチルノは―――
「………なんだ、この程度じゃ不服か?」
言い争いの時に見せていた、余裕の表情。
これ程の威圧を受けての、この表情。余程の自信家なのか、ただのバカなのか。
「いいねお兄ちゃん。これくらい無ければ、たおしがいが無いってものね」
「御託はもういいと言ったハズだ。ゴチャゴチャ言ってるヒマがあんだったら、さっさと来い! クソったれ!!」
「なっ! ……もういいよ。これまで散々バカにしてきたの、こーかいさせてあげる!」
しかしその余裕の表情も、いとも簡単に引き剥がされる。再びチルノを怒らせ、戦闘モードに入らせた。
第二回戦。戦いの火蓋は、切って落とされた。
「せんてひっしょー! さっさと勝たせてもらうわ!」
早速動いたチルノは、手にカードを持つような構えをとる。
するとそこへ、どこからともなく流れてきた冷気が集束されてゆく。
そして冷気は、一つのカードを形取った。
「雹符『ヘイルストーム』!!」
ゴオッ!
彼女がスペルカードを天に掲げ、宣言した瞬間、彼女の体から圧倒的な量の冷気が放たれた。
その冷気は、また別の物を形取ってゆく。
そして出来たのは――
彼女の背景を覆い尽くす程の弾幕――いや、
一つ一つが氷で出来た鋭利な弾。これを受けたら一貫の終わり、体を蜂の巣にされて死ぬのみだろう。
先程、彼女が『本当にいいの?』と尋ねた理由が、これだった。余裕だった態度も頷ける。
この脅威の図を見て、大妖精は上を見上げたまま口をポカンと開けたままの状態になった。
「死んでも知らないよ! こーかいすることねっ!」
そう言って彼女は、自ら作り出したすべての弾丸を打ち出した。
弾の一つ一つが、実際の弾丸の如きスピードで標的へ襲いかかる。
しかしその標的の龍虎は、棒立ちで尽くしたままでいる。
あきらめたか、とチルノが勝利を確信したその時――――
「肝に命じとけ。後悔すんのは、自分の方だとよ!」
彼女が、
「「な!?」」
チルノ、大妖精の二人が同時に、驚愕の声を上げた。
そう、彼女が
当然、本当に消えた訳ではない。目で追えない程の有り得ないぐらいのスピードで動いたのだ。
対してチルノは、予想外のこの事態に驚きながらも対処していた。
奴が何処へ消えたのか、必死に気配を探る。
(どこへ行った!? こんなの見つかればどうってことないのに……)
しかし湖上では、ただ氷弾同士がぶつかり合う音のみ鳴り響く。奴が動く音は、聞こえない。
でもって、見つからなければ攻撃すら出来ない。そのようなことを考えながらチルノが必死に行方を探っていると――
「こっちだ、ウスノロ」
瞬間、龍虎の右拳が、チルノの顔面へ飛ぶ。
振り向いたチルノは事態を飲み込めぬまま、バキィッ! という音とともに後方へ突き飛ばされる。
間髪入れず、爆発的スピードで詰め寄った龍虎の、左足の蹴りがチルノの腹部にめり込む。
彼女は「ガハァッ!」という声を上げつつ、今度は右方向へ吹き飛んだ。
さらに龍虎は、彼女が吹き飛ばされた後方へ回り、激しく叩き落とす。
叩き落とされたれた彼女は、成す術も無く湖畔へ打ち付けられる。
ドゴォン! という音を出し、湖畔が瓦礫の山と化した。
この間、僅か三秒。
「終わりだ」
一瞬の出来事だった。
――――次回へ続く!