姉妹艦隊 『シャルンホルスト』と『グナイゼナウ』 作:シャルとグナ
軍艦に姉妹艦は付き物ですが、単に同型艦と言うだけで一緒に戦い続け
た実績のある姉妹艦は『シャルンホルスト』・『グナイゼナウ』と
金剛型高速戦艦四姉妹位です。
金剛型の活躍は皆さん良く取り上げておられるようなので私は題材と
するのは避けました。
本当は『ダンケルク』級、『リシュリュー』級などを取り上げたいのですが
あの四連双砲塔を生かした話が思いつきません。
出来たら発表するかもしれません。
「すまん!監察軍から無理を言って借り出した『グレードアトラスター』
がこんな有様になってしまった。ミレケネス、詫びのしようもない!」
カイザルはいつもの喫茶店のテーブルに頭を擦りつけた。
「これだけやられれば頭にも来ない、かえって痛快だわ・・・でも変ね、敵は
2隻とはいってもどっちも水上艦よね。」ミレケネスは奇妙な事に気が付
いた。
「ほらこの写真とこの写真、俯瞰で撮られた物よ、この写真は『グレー
ド・アトラスター』の艦尾方向から撮ったものじゃない?これはとても
敵艦上からは撮れないわ。」彼女は不審な写真の幾つかを指し示した。
「じゃこの新聞自体が謀略と言うことか?」カイザルは暗闇に光明を見出
した気分で言った。
「それはどうかしら、私の受けている被害報告とこの写真の被害状況は
一致している。
どちらかと言うとこの有得ないアングルの写真を撮る方法を敵が持ってい
る事を警戒すべきじゃない?」カイザルは彼女の指摘が今一つ、胸に落ち
なかった。
それは同じ技術文明を持つロデニウス連合王国の方がグラ・バルカス帝国
より進んだ文明、延いては軍事力を持つ事を認める事になるからだ。
「こんなに簡単に秘密が暴かれるのなら私のスカートの内を盗撮する位訳
ないじゃない!」
ミレケイネスはトンデモナイ心配をした。
「それはまさかないと思うが・・・。」カイザルが呆れた。
「だから裏をかかれるの! ある日新聞をひろげたら「これがカイザル・
ローランドだ!!」と言う見出しと共にあんたのヌードが一面を飾る日がこ
ないとは言えないのよ!」彼女の発想はぶっ飛んでいた。
「おかしな点は他にもある、敵艦隊の構成艦、何故こんな弱小戦艦を出し
て来たのかしら?
こちらの情報部ではロデニウス連合は疑似『グレード・アトラスター』級
2隻、疑似ヘラクレス級2隻その他40.6cm砲を装備した戦艦で口径が
50口径もある化物が多数配備されているらしいわ、何故それらを使わず
28cm砲艦を出してきたのかしら。
勝利の説得力が無いじゃない、可笑しいわよ。」ミレケネスはこちらの方が
謀略だと考えていた。
「ラクスタルが帰って来たら戦闘詳報を出すだろう。 そうすればもう少し
戦闘の概要が掴めるかもしれない。」カイザル・ローランド海軍大将は
とりあえず出す皇帝への報告書の内容に頭を悩ませた。
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「敵艦隊発見、これは訓練ではない!座標・・・。」早期警戒艦の装備をその
まま残している「あたご」から地球艦隊全軍に警報が走った。
予てからの計画通り、ライニッケ姉妹の第1偵察戦隊が飛び出してゆく。
この2隻の装甲艦は他の艦とあまりに設計思想が違うので土方は偵察艦隊と
して使う事にしたのだ。
また、「転移砲(ワープ・カノン)」を含めた新装備も機動力があって
こそのものだと彼は思っていた。
「あっという間に消えていきましたね。 まるでワープしたみたいに・・・。
」戦術長が感心して言った。
「お前はまだ、実際のワープを見た事がないんだな、 今のがそうだ。」
広瀬艦長が得意げに言った。
「えっ、ワープは『ヤマト』しか出来ないはずでは・・・。」戦術長は戸
惑っていた。
「確かに、人類史上初めてワープを成功させた船は『ヤマト』だ。
しかし今は他の船でも出来る艦もある。
特に、『シャルンホルスト』、『グナイゼナウ』の様な機動力を武器に
する艦には真っ先に装備したんだ。
ただし、『ヤマト』の様に何千光年なんて大遠距離をジャンプする必要はな
い、1光時も跳べれば充分だがな。」広瀬は親指を立てて見せた。
しかし、1光時といったら約11億kmである、それを一瞬で跳ぶとは、今ま
での地球艦では考えられない航行能力だった。
ショート・ワープに入った二艦には異変が起きていた。
前方を監視するメイン・スクリーンがホワイトアウトして何も写っていな
い状態だった。
本来ならワープ・アウト先の空間の情報が写っているはずなのだ。
しかもショート・ワープは直ぐ明ける、こんなに何時までも続くものでは
い。
<フローラ・ライニッケ、フレイア・ライニッケ、二人にクエストを与え
る。>、<フレイア念話でふざけないで!>フローラが叱責した。
<俺は何もしてねぇよ。外部からの働きかけか?>フレイアが訝った。
<なかなか物分かりが良いようで助かる。 実は…。>謎の声は「召喚」
と言う大規模な神事がある事。
それに巻き込まれて難儀している者達が居る事、それを解決する者を探し
ており、二人を選んだ
事を告げた。<人助けは悪くない話だけどこちらも全人類の命が掛かっ
た戦いの最中よ、他人の面倒を診る余裕はないわ!>フローラが鋭く切り
返した。
<大丈夫、クエストが達成されれば今この時間、我々が邂逅する前の時間
に戻すから今の任務に支障はない。安心して行っておいで。>
再び二人は、いや二人を乗せたまま『シャルンホルスト』と『グナイゼナ
ウ』は発光し亜空間から消えて行った。
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<ショート・ワープは直ぐ終わる、「あたご」からの情報だと敵艦隊の左
舷に出るはず。
私が「転移砲(ワープ・カノン」の照準をしている間、敵艦隊の注意を
引き付けて!>
<おしゃーぁ、判ったぜ! グズグズ照準していると俺の反物性ミサ
イルで敵艦隊はいなくなっちまうぜ!>フレイアが怪気炎を上げる。
フレイアが『グナイゼナウ』を敵艦隊に突撃させる。
「いくぜ、『グレード・・・・・』じゃない、『ガミラス』!!」
〖 完 〗
姉妹艦隊と言いながら色気の”い”の字も無いメカ小説でした。
こんな偏狭な小説でも楽しんで頂けたらそれに勝る歓びはありません。
ご愛読有難う御座いました。
1国連宇宙軍の兵器について
反物性ミサイル マイクロブラックホールを内蔵した弾頭を装備。
反物質ミサイルとは別の分類。
転移砲(ワープ・カノン)6インチ砲弾をワープさせ・敵艦の質量中心点に
出現させ物質重複により全てを光子に変換して飛散させる兵器。
ただ照準が難しくフローラ・ライニッケ級の射手でないと命中させられない。