姉妹艦隊 『シャルンホルスト』と『グナイゼナウ』 作:シャルとグナ
召喚前の職場は国連宇宙軍ドイツ艦隊! はてはてどうなります事やら。
そのころ、タウイタウイ泊地にこの作戦を成功させる鍵となる人物が
二人召喚されてきていた。
二人は泊地入口の検問所で責任者に会うための申告をしたがその内容があまりに
荒唐無稽なため相手にされなかったので一端引いた。
やがて一時間位たったころ検問所の衛兵はヒュイヒュイという聞いた事の無い音が
空からするのを聞いて空を見上げた、すると闇夜であるにも関わらず、何か
大質量の物体が浮かんでいるのが感じられた。その物体から地面に向けて光の柱が
照射されその光に乗って降りて来た人物が二人いた。
よく見ると先程門前払いを食らわした二人だった。
彼は恐怖に駆られ飛び退ると司令部に連絡し、指示を仰いだ。
「先進11ヵ国会議の護衛艦隊の指揮がしたいと? 何故だね。」泊地提督はこの
二人の軍人の申し出に困惑していた。
「提督、このタウイタウイ泊地は地球から”召喚”されてこの惑星に転移して来た
のですよね。しかし転移された理由は判らない・・・。」フローラが確認する様に言った。
「そうだが、君たちもそうなのかね?」泊地提督は彼女達もそうなのだろうと
推測したが答えはまるで違っていた。
「私達はやはり地球から転移して来ました。但し時間は今から約二百五十年後
です。 私は国連宇宙軍ドイツ艦隊大佐、フローラ・ライニッケ、後ろに控える
のは同じく国連宇宙軍ドイツ艦隊中佐フレイア・ライニッケです。
そしてあなた方と私達が決定的に違っているのは私達は”短期召喚”、目的を
果たせば召喚理由はなくなり、元いた場所に戻る事です。
「で、その召喚解除の条件とは?」泊地提督は大きな興味を抱いた。
「先進11ヵ国会議を襲う、グラ・バルカス帝国の大型戦艦、
『グレード・アトラスター』を撃沈、ないしは退ける事です。」
フローラはとんでもない事を言い切った。
「なんでその事を知っている!それは最重要機密だぞ! 」泊地提督は唖然とした。
「知らねえよ、俺達だって脳の記憶野に勝手にデータを書き込まれたんだから、
責任ねえよ。」フレイアがお手上げの仕草をした。
「私達もなんで先進11ヵ国会議が神聖ミリシアル帝国の港町カルトアルパスで
開かれ、その会議をグラ・バルカス帝国が何故狙うのか理由は知りません。
ただこの惑星に転移してくる過程で私達の脳に直接働きかけがあって
『グレード・アトラスター』と闘い勝利する事が唯一の再転位の条件だと
言う事が知らされました。」泊地提督はフローラの告げた言葉の意味を考えニヤリとした。
「君達は国連宇宙軍の所属だと言ったよね。だったら『宇宙船』で来た?」泊地提督は
言葉を選びながら質問した。
「はい、そうです。泊地の裏の入り江に沈めてあります。」フローラは素直に答えた。
「まさか、見せて貰える…かな?」泊地提督は好奇心の塊だった。
「見せても良いけどよ、今回の作戦には使えないぜ。」今度はフレイアが
泊地提督の魂胆を見抜いていった。
「オレとアネキのフネは宇宙船、大気圏内航行能力はあるけど戦闘出来る
機動性は無い。 搭載兵器も大気圏内じゃ使えない物が殆どだ。 唯一の例外も
あるが『グレード・アトラスター』を吹っ飛ばすと同時にこの星も四分の一が
吹っ飛ばされてなくなっちまう。」フレイアは恐ろしい事をシレッと言った。
「それで、俺達にコンタクトを取って来た訳か…。艦を手に入れる為に・・・。」
泊地提督は事態が思わぬ方向に動こうとしているのを感じた。
<彼女達は使える艦が欲しい。 俺達はドイツ艦隊を使いこなせる人材が欲しい。
これは決まりだな。>泊地提督は微笑みながら黙って手を差し伸べた。
艦娘と司令のダブルブッキングで挑む戦い、劣勢な勢力でジャイアントキリングは
果たして出来るのだろうか?