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カルとハゲルドを殺害したアルトがヤミ達がいる洞窟内へと降り立ったとうとした時だった。
目の前から光魔法の巨大な光線に襲われた。
アルトあ光よりも早く空間を歪めて消滅させた。
光魔法が途絶えた為、洞窟内へと降り立つと、そこには倒れたリヒトと、岩を背もたれにして気絶したヴァルトスがおり、リヒトの前には[黒の暴牛]が集まっていた。
「こっちも片は付きました」
「おー。戻ってきたか。こっちも終わった所だ」
アルトの報告にヤミが受け答えをしている最中、倒れているリヒトが無理に顔を上げてゴーシュに視線を向けた。
「君を‥傷つけるわけには‥いかなかった」
「あ?なに言ってやがる」
「あれ?知り合いだったの、ボコっちゃってゴメンな」
「そんなわけないでしょう。知りませんよこんな奴」
リヒトの言葉からまるでゴーシュを知っている様な発言にヤミはゴーシュに謝罪するが、当の本人はリヒトを知らない様だった。
「‥いずれ‥‥わかるよ」
リヒトがそう言うと、無理してあげていた頭を地に乗せて動かなくなった。
「?」
「なんかよくわかんねぇけど‥‥これであの熱血真面目大王も浮かばれんだろ。安らかに眠れ」
「勝手にうちの団長を殺さないでくれませんか?」
「うるせぇ!細けぇことを一々気にすんじゃねぇ!」
「細かいっ!?」
アルトの抗議にヤミが怒り気味で告げる。
その内容にアスタが驚愕する。
「さて‥‥追い詰めたとはいえ、拘束しねぇとな」
「では俺も‥‥っ!?」
ヤミが拘束魔法を使って拘束しようとしていたので、アルトも拘束魔法を行使しようとしたが、その前に突如別の場所から新たな魔力を感じ取り、そちらへと視線を向けた。
同じくヤミ達も感じ取っていたので視線を向けると、そこには見覚えのある空間魔法から三人の男女が現れた。
アルトがヴァルトスを見ると、
「いくら面倒くさがりなウチでも、マブ達は助けないとな」
そう言った主な黒髪の中に数カ所白髪が交じった中年の男性が欠伸をした後、ヤミの前に突如として現れた。
「へ~変わった柄だな」
「っ!?」
(チッ! コイツも光速移動を‥‥)
__混沌火魔法"灼熱の鉤爪"__
左手の人差し指と中指に灼熱の火が現れ、獣の鉤爪の如く新手の黒髪中年に攻撃する。
「おっと‥‥」
しかし、後方に飛び退かれて事で回避されるが、ヤミが攻撃する事に気付き"神速の歩み"で、ヤミの5m右側に移動した。
ヤミも氣の感知でアルトがやろうとしている事に気付いていた為、抜刀しながら"闇纏い・無明斬り"を黒髪中年に放つ。
闇の斬撃を黒髪中年は左後方へと回避するが、間合いを間違えて、右腕に軽傷ながらも攻撃を受けてしまう。
「痛って!クソ面倒いなもう‥‥まぁこのくらいすぐに治せるから良っか」
黒髪中年がそう言うと、怪我した右腕に光魔法による回復魔法が起きていた。
「あの魔法は‥‥っ!?」
アスタはその回復魔法を見た事があるようだ。
そして、黒髪中年と共にやってきた毛深マッチョな大男と、赤みが掛ったピンク色の少女が、それぞれリヒトを守る様に達、リヒトの容態を見るようにしゃがんでいた。
「来てくれたんだね。すまな。私一人では及ばなかった」
「リヒト、痛い?」
「ファナ。君が来てくれたから」
「もう大丈夫」
__炎回復魔法"
リヒトを覆うようにファナの炎で出来た羽衣が、傷ついたリヒトを癒やし始めた。
「君たちが来たなら安心だ」
「あ? 随分と嘗められたものだな」
「紹介しよう。彼等は[白夜の魔眼]でも最強の存在。
「最強だって‥‥!?」
「そう。こと戦闘に置いては私よりも上の存在<
リヒトのその言葉にフィンラルは冗談だと思った。
「この人より強いだなんて、流石にハッタリでしょう」
「ハッタリなんて面倒なことしねぇよ」
「君たちのクローバー王国は、その名の通り、クローバーを象徴しているね。彼等にはクローバーの三つの対となる名を付けて貰った」
リヒトが回復されながらも<三魔眼>を紹介した。
「誠実の対と成る《不実》のライア」
先程ヤミの魔導書に触れた黒髪の中年男__《不実》のライア__
「希望と対と成る《絶望》のヴェット」
リヒトを守る様に立っていた毛深マッチョの大男__《絶望》のヴェット__
「愛と対と成る《憎悪》のファナ」
そして、リヒトを回復させている女__《憎悪》のファナ__
状況的に団長クラスが四人に増えた事にアルトは焦りを感じていたが、焦り以上に困惑に襲われていた。
(ファナにライアに、ヴェットだと‥‥!?)
リヒトに続いて、ファナ・ライア・ヴェットの名前が出た事にだ。
アルトは三人をようく観察すると夢で見た人物たちと似ていた。
(間違いない‥‥夢で見たあの‥)
観察した結果、夢で見た者達と少なからず似ていた。
「‥お前らに質問する。エヴァンスマナって言葉に聞き覚えはないか?」
『ッ!!!』
故にアルトは彼等に質問をした。
彼の質問してきた内容を聞いて[白夜の魔眼]たちは目を見開き、驚愕した。
アルトは四人が驚愕した事を見逃さなかった。
「‥‥知ってるようだな」
「何故‥君がそれを‥」
リヒトは困惑し、エヴァンスマナの事を問うように呟いた。
アスタに対して取った言動とは真逆の反応だった。
「ここ最近、奇妙な夢ばかりを見てな。テティアって女を姉上って呼んでいる奴の記憶の様な夢をな」
『!』
アルトがそう言うと又もやリヒト達は驚いていた。
しかし、聞いているアスタ達はまるで分って居らず、頭が可笑しいのではと言わんばかりな疑いの目だった。
「そうか‥‥君は彼の‥‥」
「どうするリヒト君?」
「彼奴だけは我らと同じく絶望を受けた者だ」
「‥‥彼を陥れた人間‥憎い‥許さない」
リヒトと<三魔眼>はそれぞれそう言った。
どうやらアルトの夢に関わる人物の記憶は彼等にとってとても関係が深いようだ。
「そうだね。手荒だが、連れて行くとしよう」
「それじゃあ、ファナのためにも連れて行きますか」
「他の面は果てしなき絶望を与えてやる」
「‥あなた達に‥二度と彼を陥れさせない‥!」
リヒトと<三魔眼>はそれぞれそう言うや重傷であるリヒトを除いて好戦的な雰囲気を出し始めた。
「なんだかよくわかんねぇが‥‥<三魔眼>ね。大層な名前を付けたようだが、名前だけじゃ強いかどうかわからねぇな」
「それじゃ証明しようか、面倒だけど」
そう言ったライアは闇魔法で出来た刀を作り出した。
「あれは‥‥‥」
「ヤミ団長と同じ‥」
アスタ達がライアの使った魔法を見て驚愕・困惑しているのを無視して、光速移動で近づいたライアは左手に刀の峰を乗せるような構えを取ると魔法を使った。
__模倣魔法"闇纏い・無明斬り"__
ライアはリヒト戦でヤミが使った闇魔法の一つを行使し、横一文字に斬撃を放った。
「《不実》のライアとか言ったな。テメェ人の魔法を勝手に使うんじゃねぇ! 著作権の侵害で訴えるぞ!」
ヤミはそう言うと縦に同じ魔法の斬撃を行使した。
二つの魔法が衝突し合うと互いに消滅した。
「ヤミさん!」
フィンラルがヤミを心配な声で言う中、アルトは"無限の倍加"によって強化し続ける身体能力で、やって来たヴェット相手に攻撃した。
「ほぅ。我の動きに反応したか。だが、その程度で希望を持つな!」
__獣魔法"ベア・クロウ"__
クマの爪の名を冠した魔法名の通りの攻撃力を持ったヴェットの獣魔法にアルトは攻撃を紙一重しながら"無限の倍加"で殴りつけるが、同じ様にヴェットもアルトの攻撃を簡単に躱し、距離を取るとすぐさまアルトに襲い掛かる。
「気絶していろ!!」
ヴェットが襲い来る中、横からヤミが切りかかるも、ヴェットはヤミを見ることなく回避した。
(コイツ、オレの氣を読みやがった)
ヤミが驚く中、ヴェットは獣が獲物を見つけたような笑みを浮かべると、ヤミへと襲う。
__混沌時間魔法"
アルトはヴェットが鈍くヤミへと襲うような時間軸へと己の時間を加速させてうヴェットに近づいた。
__混沌風魔法"螺旋連丸"__
両の掌に"螺旋丸"を作り出すと、ヴェットの身体にぶつけた。
二つの乱回転の風魔法の球体に攻撃された瞬間、時間軸が元に戻り、ヴェットは距離を置かされ、同時にダメージを負った。
「やるではないか。だが、真の絶望はまだこれからだ」
ヴェットがそう言いながら獰猛とした目つきで睨み付けてきた。
アルトとヤミが警戒する中、二人とも魔力と氣の感知で次の攻撃にすぐさま気づき、アスタ達の近くへと移動すると、アルトが水魔法を発動した。
__混沌水魔法"
極大の海の津波を洞窟内で発生させたアルトは大津波を起こさせて、迫り来る巨大な炎球を防いだ。
その際に、あまりの火力に水蒸気が発生。
煙が起きてしまうが、すぐさまアルトが魔力を放出する事で水蒸気を一掃する。
すると、先程炎球を放たれた場所にはファナが立っており、ファナの右肩に小さな翼を生やした赤色のトカゲがいた。
__炎精霊魔法"サラマンダーの吐息"__
「憎い。許さない、殺してやる」
ファナが憎悪の籠もった目で睨んできた。
「サラマンダー‥‥精霊魔法か」
「よりにもよって攻撃力の高い火の精霊‥」
「《憎悪》のファナとか言ったか? ヒステリックな女はモテねぇぞ。(チッ! まだ未発達みてぇだが、四大属性の火の精霊ってまじか)」
リヒトが自分よりも強いと口語しただけあって、三人が厄介な相手である事は間違いなかった。
(こうなったら、消滅魔法で奴らを‥‥)
アルトが先程ハゲルドを倒した消滅魔法を行使しようとした直後だった。
ドクンッ!!
ハゲルドとの戦いの後以上に、心臓が高鳴り、体中に痛みが走り、気分が悪化し始めた。
「グッ‥‥!(またか)」
「さてと、じゃあ」
「覚悟するんだな」
「リヒトの受けた痛み、何倍にもして返してあげる」
そういうや否や、三人が攻撃を始めた。
迫り来る三人の攻撃にヤミとアルトが対処するが、アルトは唯でさえ不調な状態の中で、ヴェットの獣の如き猛攻とライアの模倣魔法による闇魔法の斬撃、ファナの精霊魔法とヤミと分担して戦ってもきりが無く、身体に切り傷を増やしていった。
「ヤミ団長、アルト!オレも‥‥」
「坊主。まさかオレを心配してんのか? 十‥‥いや百年早ぇな。そこで見てろ。オレが今ここで、限界を超えるのを‥‥」
「‥‥無駄だよ。彼等は魔法騎士団長より強い」
三人のトドメと言わんばかりの同時攻撃にヤミとアルトが絶対的窮地に追い込まれる中、二人と三つの攻撃の間に発光体が出現した。
「面白そーな戦いやってんじゃねーか、ヤミぃぃちょっと混ぜろや‥‥!!」
現れたのは三人の団長。
左から[蒼の野薔薇]団長シャーロット・ローズレイ。[銀翼の大鷲]団長ノゼル・シルヴァ。そして[翠緑の蟷螂]団長ジャック・ザ・リッパーだった。
「テメェら、魔法騎士団長より強いんだって、そりゃあいい。試してやるぜ!」
ジャックが舌なめずりしながらそう言った。
「‥あ~~~~あ‥もう少しでオレの何かが覚醒しそうだったのに‥‥何してくれんのこの腐れ縁団長共」
ヤミは尻餅をつきながらもジャック達に苦渋を告げていた。
因みにアルトは気を失って倒れていた。
「その様でよくそのような言葉が口から出るな‥‥貴様はいつか私が処刑してやるから首を洗って待っていろ異国人」
「何だテメー、変な前髪しやがって」
ノゼルはそんなヤミにきつい言葉を告げるが、ヤミは喧嘩口調で啀み合う。
「まったく男のくせに情けない」
「愛からわずオレに厳しいな、お前は」
辛辣な事を言うシャーロットにヤミがそう言った。
「魔法騎士団、団長が三人か」
「ハン! 何人‥いや、何匹現れようが我々の敵ではない」
「リヒトを傷つける奴は殺す。絶対に」
現れた団長三人を見ながら、<三魔眼>はそう言った。
「さてと、殺ろうじゃねぇか。八つ裂きにしてやるぜ」
「[白夜の魔眼]とやら」
「貴様等には聞きたいことが山ほどある」
団長三人と<三魔眼>が睨み合い、彼等の間に緊張感が襲った。
次回~ザウスの異変~