21話目で越えられたらいいな!と思っています。
それでは、どうぞ
<三魔眼>との戦いを終えたアスタ達。
アルトに起きた異変もあったが、[白夜の魔眼]の撤退という事で勝利を収めた魔法騎士団。
気絶したアルトとアスタはマリエラ達によってネアンという平界の村の一つの家の一室にて眠っていた。
目を覚ましたアルトの前にはレグルスの力を付与されたマリエラの氷魔法に囲まれながらも、ミモザの回復魔法を受けていた。
アルトが上半身を起こすと、自身を囲む氷魔法を使っているマリエラと回復魔法を行なっているミモザが見えた。
「マリエラ。ミモザ」
「アルトさん!」
「漸くお目覚めですか」
ミモザはアルトが起きた事に喜び、マリエラはツンケンな態度で、アルトの目覚めを確認した。
他にもミモザとマリエラの他にユノやノエル、そしてクラウスがおり、隣にはミモザの回復魔法を受けたアスタが眠っていた。
しかしすぐさま‥‥‥‥
「──────死んでたまるかぁぁあああ!!!」
「キャッ!?」
突然のアスタの発言にミモザが驚き、魔法を解いてしまった。
「ぐぉ!?」
魔法が解かれた為、落ちてしまう二人だが、アルトだけは転けなかった。
「何寝ぼけてるのよ」
「お前が死ぬなんてありえねぇ」
アスタの発言にノエルとユノが否定した。
「それで?これは何のつもりだレグルス」
「お主の暴走を止める為のことぞ」
「ふむ。それならいいが、お前の目的が暴走を止めるだけとは思えんがな」
「‥‥‥」
アルトの問いに答えたレグルスだったがアルトも混沌の暴走というだけで手を貸すとは到底思えなかった。
故に、なにかあると言わんばかりに告げると、レグルスが黙ってしまった。
どうやら、レグルスにとっても無償のつもりはないようだ。
そんなアルトとレグルスの雰囲気が悪くなり、レグルスの契約者であり、アルトに好意を抱くマリエラは板挟みの状態だった。
そんなアルトとレグルスの間に生まれた空気を壊すため、ノエルが話しをし始めた。
「えぇぇぇぇ!!!オレとアルト、丸一日寝てたのか!?」
「そうよ。鼾まで掻いていい気なモノね」
ノエルは丸一日も寝ていたアスタとアルトに呆れていた。
「それだけ全力を出し切ったという事だ。我々も向かったのだが、既に終わった後だった」
「それで運び込まれたアスタさんとアルトさんを看病していたのですわ」
アルトはそれを訊くと、回復魔法を掛けていたのがミモザだった事を思い出し感謝を告げた。
「ミモザ、礼を言う」
「いえ、私なんて‥‥それに3年前の恩返しが出来てよかったですわ」
ミモザはアルトに感謝されると頬を紅潮させて謙遜するが、同時に3年前にアルトに助けられた際の恩返しが出来た事に歓喜していた。
しかし、その際のミモザの態度にマリエラは嫉妬した。
昨日に続いて嫉妬している事に彼女自身でも驚いていた。
数回の会話を行なっているとアルトがアジトに帰ることを告げた。
「アジトに戻って報告書を出すから、俺達は此処で退散させて貰う」
「では我々も戻るか」
「はい」
アルトの言葉に続くようにクラウスたちもアジトへと帰還するのだった。
その後は洞窟内での出来事をアルトとマリエラが合同で報告書を出したのだった。
────────────────────────
翌日。
一日という時間を置いて魔法騎士団本部の最重要人物を取り調べる地下牢へと、魔法帝直属の魔導士マルクス・フランソワと共にやってきたアスタとアルト。
そこには柱に括り付けられた二人の魔導士と、その前にいる魔法帝ユリウスがいた。
「やぁアスタ君、アルト君。今回もご苦労様」
「魔法帝。お疲れ様です!」
「悪いね、疲れてるところ‥‥
ユリウスはそう言いながらアスタとアルトへと近づきながら、疲労が蓄積している二人に謝罪をしながらも、理由を告げた。
しかし、それは則の魔の出来事‥‥‥
「ところで、[白夜の魔眼]の幹部と手合わせしたんだって?」
目をキラキラと玩具を貰った子供のように歓喜の瞳をしてアスタとアルトに近づいた。
その反応に困っているとアスタとアルトに、ユリウスは手を肩に乗せた。
「何々、模倣魔法?人の魔法をコピーするって、凄いなぁ。おぉ!獣魔法だって、そんな魔法聞いたことないよ。精霊魔法!?火の!サラマンダー!僕も見たかったなぁ」
ユリウスはまるで見ていたかのように幹部の魔法を次々と当てた。
どうやらユリウスはアスタとアルトの体に触れ、彼等の周りの魔を遡行する事で洞窟内での出来事を知ったようだ。
そんな趣味思考に入ってしまったユリウスにマルクスが咎める。
咎められたユリウスは頭を掻きながら反省すると、直ぐさまアスタとアルトに頼んだ。
ユリウスの頼みを聞いて、アスタは断魔の剣を、アルトは右手に"幻想殺し"を発動して近づいた。
「こんなガキ共が何だって言うのよ」
しかし、目の前のアスタ達を知らぬユノに敗北したキャサリンは怪訝な表情を浮かべる。
「まずい。あの小僧は反魔法を使う小僧と、混沌魔法の小僧だ。俺達に掛けられた
それを聞いたキャサリンは慌てた様に狼狽え始める。
「や、やめて‥止めなさいよ、このクソガキ共っ!!」
偉そうにもそう言うキャサリンだったが、すぐさまアスタの剣の鍔とアルトの右手によって彼等の額をコンッと当てられると、彼等に掛けられた保護魔法が解除された証明である黒い靄が現れた。
それを確認したユリウスはマルクスに指示を出した。
__記憶交信魔法"メモアール・アブソリュ"__
マルクスの記憶交信魔法によって[白夜の魔眼]の二人の頭の上に、水色の棘が付いた半休体が現れ、頭頂部から細い線が現れ、枝分かれしながら白い映像が現れた。
「な、なんだこれ‥‥」
「彼等の頭に直接交信し、真実の記憶だけを聞き出す魔法だ。これでもう隠し事はできない」
「スゲェエッ!!」
「だよね!だよね!凄い魔法だよねぇ、格好いいよねぇ!」
「うっす!!」
マルクスの魔法を凄く感じたから出た言葉に反応したユリウスがまたも暴走しかける。
しかし、マルクスの一括で二人は黙らされた。
「五月蠅い、静かにして下さい!!」
「「はい‥‥」」
二人を黙らせたマルクスは颯爽と二人に質問をした。
「君たちに幾つか質問をする。正直に答えるんだ‥‥いいね?」
「「はい」」
捕えられた二人は虚な瞳でマルクスの質問に正直に答えた。
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マルクスの質問が終えると、ユリウスはマルクスに別室で待たせている魔法騎士団長全員をこの場に呼び寄せた。
「おう小僧。テキパキ働いているか?」
「う、うっす‥‥お疲れ様っす」
ヤミからの質問に、何時ものアスタらしい活気な返事が返ってこなかった。
「何のご用ですか?魔法帝」
「その二人は‥‥[白夜の魔眼]の。なにかわかったのですか?」
ウィリアムとシャーロットの質問に、ユリウスはいつも通りの態度で返した。
「ああ。色々わかったよ。アスタ君とアルト君とマルクス君のお陰でね」
背後に光が灯っているが故に、逆光でユリウスの顔が暗く見えにくい中、[白夜の魔眼]から得た一番の情報があったと笑顔で告げた。
「一番の情報はこれかな。[白夜の魔眼]に協力した裏切り者が君たちの中にいる事が分ったよ」
ユリウスの言葉に、驚愕する者や、ユリウスと同じ事を考えに行き着いていた者、自身以外の者への疑いの視線など色々あった。
「────では、答えてくれるかな。[白夜の魔眼]に協力した裏切り者の団長は誰だい?」
「「それは、[紫遠の鯱]団長‥ゲルドル・ポイゾット」」
二人の言葉によって、誰もがゲルドルから距離を取った。
それは今尚眠っている[珊瑚の孔雀]団長ドロシー・アンズワースすらも、距離を取っていた。
「なっ!?‥馬鹿なっ!?何を言っている!?や、奴らは国家に反逆するテロリストだ。あのような奴らの言うことを信じるのか!?この私が王国を売るようなことをするかっ!!」
名指しされたゲルドルは精一杯の言い訳を行なっていた。
しかし、彼の信頼など他の団長たちからすれば、無かった。
何故なら、ゲルドルの黒い噂がある事をシャーロットを初めとする他の団長達が次々に言ってきたからだ。
ユリウスたちを初め、ゲルドルを除く他の団長達も彼に対して睨み付けていた。
ゲルドルは自身の信頼がない事から今度は[白夜の魔眼]の二人が虚偽をしていると告げてくるが、マルクスの言葉に敢えなく撃沈。
ゲルドルは追い詰められ、後退りする。
そんなゲルドルにヤミがマルクスの魔法を受ける事を提案した。
マルクスも同様にそれに賛成する。
しかし、ゲルドルはそれを受け入れようとしなかった。
そんな不審な行動に誰もが疑う中、その行動に彼が裏切り者である事をうなづけさせていた。
「やっぱりお前なのかっ!?お前のせいで、フエゴレオン団長はっ!!!」
アスタは彼の行動から彼を黒と決めつけ、怒りを燃やしていた。
アルトも発言をしないが、怒りの感情を隠していなかった。
誰もが彼を裏切り者と見られたゲルドルは自身の魔導書を右手に持った。
「私は汚名を雪ぐ!これは戦略的撤退だ!」
__透過魔法"見えざる大魔導士"__
ゲルドルが魔法を使うと、足下から姿が透過していき、姿が消えた。
『っ!?』
「消えたっ!?」
誰もがその行動に驚き、アスタはゲルドルが消えた事に驚いた。
ヤミが驚くアスタにゲルドルの魔法の効果を説明していると、ゲルドルは更に新たな魔法で魔法騎士団長を攻撃した。
__透過創成魔法"見えざる軍兵"__
同じく透過した見えない兵団が十人以上も現れた。
その軍兵達によ攻撃に騎士団長達は各々の魔法を使って迎撃する。
しかし、一定時間、自身の姿を消し、魔法を透過させるという魔法効果があり、軍兵たちにもそれが携えており、防御は出来ても、攻撃という点では意味がなかった。
ある二人を除いては‥‥
「何かと思いきや、下らんな」
「え?」
アルトのその言葉にマルクスが反応し、ユリウスも自身の後ろ側にいたアルトに視線を向けた。
すると、アルトの瞳には独特の魔法陣が描かれていた。
__混沌消滅魔法"破滅の魔眼"__
アルトの両眼がほんの一瞬、赤く発光すると、ゲルドルの使った魔法が解除された。
「なっ!?」
『ッ!!』
ゲルドルの魔法が解除された事に当人は無論のこと、他の者も驚いていた。
しかし、アルトは周りの反応など気にも止めずに歩いて行く。
「魔法を透過したぐらいで無敵だとでも思っていたのか?」
アルトがそう言うと、誰もがアルトに視線を向けた。
アルトの瞳に独特な魔法陣が描かれている事に他の者も気付いた。
アルトはゆっくりとゲルドルへと歩いて行く。
ゲルドルは何度も魔法を行使しようとするが、全てが悉く破壊され消滅していく。
これはアルトがハゲルドに使った"混滅の魔眼"と似通っているが、魔法効果と魔法の持続や行使難易度は"破滅の魔眼"の方が良かった。
映る全てを破壊し、消滅させる"破滅の魔眼"は一種の
故にゲルドルの魔法を幾度も無力化し、物質すらも破滅させる。
そんな魔法を受けたゲルドルはまるで信じられないと言わんばかりは表情を浮かべていた。
「どうした?まさか自分の魔法が無敵だとでも思ったか?」
そんなゲルドルを嘲笑うかの如く、アルトはゆっくりと、更に近づきながら、似た様な台詞を再度告げる。
「嘗めるな!私は団長だぞ!!」
「哀れな。お前の敵は俺だけではないぞ」
アルトがそう言うと、先程同様に"見えざる大魔導士"を行使したゲルドルが懲りずに魔法を行なおうとするが、ゲルドルがいた場所の左側からアスタが断魔の剣で斬りつけた。
すると、ゲルドルの魔法がアルトと同じく強制的に解除された。
二人も自身の魔法を解除した存在にゲルドルはあんぐりと口を開けて唖然とする。
「アスタの
「‥‥‥‥ッ!!?」
ゲルドルは下民で団長でもない者達に二度も自身の魔法を解除されれば
因みに、アルトがアスタの氣の感知を知っていたのは、ヤミがリヒトの攻撃を捌いていた際に彼が説明していたのをカルを睨んでいた際に聞いていたからだ。
あまりに自信を傷つけられた彼は逃げの一手を取ろうとしたが、既に横にいたアルトがゲルドルの腹を貫いた。
「グフッ!?」
口から血を流したゲルドル。
そんなゲルドルの腹から手を抜き、胸ぐらを掴んで捕えられている二人の[白夜の魔眼]の方面へと投げた。
投げられたゲルドルは音速で向かって行き、捕虜二人の間の前あたりにやってくると、その上に既に描かれていた絵の具がゲルドルを捕える。
すると、絵の具が無数の帯の如く集合してゲルドルを捕えると、泉に体の大半を捕えられ、腕と足が使えない状態へと捕獲されたゲルドルの姿があった。
「なんだこの魔法‥」
「絵画魔法か」
アスタはその魔法を行使した、水色の髪色をした団長内で最年少の少年が捕まえていた。
「リル。貴様生ぬるい真似を‥‥」
「だってぇ。僕がやらないと、ここ一帯消えちゃいますもん」
[水色の幻鹿]団長リル・ボワモルティエが他の団長達を見ると、天井などを壊して手にした瓦礫などを使って準備をしていた。
「奴の魔法は一切の魔法を透過する。ならば周囲の物体を利用して攻撃するまで、建造物など下々の者にまた建て直させればいい」
水銀で瓦礫を掴んでいるノゼルが告げる。
「カ!団長とガチで殺り合うチャンスを逃しちまったぜ。ハムに似ているだけあってスライスしがいがあったのにな」
続いてジャックが裂断魔法の刃を両腕から生やし、ノゼルと違い瓦礫を利用した形跡がなかった。
そしてジャックに続くようにヤミが煙草を咥えながらも、闇魔法が籠もった刀を持って構えていた。
「魔法騎士団、団長として、ただボゥっと見ているだけってのは不味いだろ。ポーズだけでも取っとかないと‥ってか、テメェは寝てんのかよ!」
ヤミがポーズだけを取っている中でも、先程から眠っているドロシーに告げる。
彼女は先程から一切起きていないのだ。
「男のくせに逃亡とは情けない。裏切り者以前に団長失格だな(なぜ、ヤミはドロシーを気に掛ける。ああいう隙のある女が好みなのか?)」
辛辣な意見を告げるシャーロットだったが、好意を抱く男性がドロシーに告げた為に、ヤキモチを抱いていた。
そんな戦闘態勢を取る彼等に[金色の夜明け]団長ウィリアム・ヴァンジャンスが魔法を行使していないが、彼等に意見をした。
「皆、そのぐらいにしておこう。何者かに魔法で操られている可能性もある」
「ならば逃げる必要はない。操るなら、操っていた間の記憶を消すぐらいの方法は取る。裏切り者が逃げた時点で操られている線はなくなったも同義だ」
そんなウィリアムの言葉にアルトが意見した。
しかも、目上に対する口調ではなく。
「いや~皆がいる所で話して良かった。私じゃ加減ができないからね」
そう言うユリウスの手には金星の様な形状に似た透明な球体と時の文字が描かれた円輪がある時間魔法を用意していた。
(滅茶苦茶だこの人達‥‥それにアルトまで‥‥)
アスタは余りに無茶苦茶な行動を取る事に驚愕しながら、幼馴染みのアルトまでもがその域にいる事に驚いていた。
その後、リルがアスタとアルトに友達になろうと言ってきた為、二人は軽く了承していた事は余談である。
「さて、色々聞かせて貰おうかな?ゲルドル」
捕えたゲルドルの前にユリウスが立ち、その後方には最強の魔導士に認められた右腕の如き実力者が7名と特異な実力者2名が立っていた。
ゲルドルにマルクスの魔法を行なった。
「ゲルドル。ここまで君が答えた事は間違いないかい?」
「はい」
「出るわ出るわ。団員達への暴行。片や国宝級の魔導具の横流し。他国から危険な薬物の密輸。裏切り以前に真っ黒じゃねぇか。コイツこそ[黒の暴牛]に相応しいのでは?」
「カッ!なにくだらねぇこと言ってんだ」
「だから記憶を見られるのを嫌ったのか」
ゲルドルの記憶の中にあったのは犯罪者丸出しの真っ黒な経歴だけだった。
アルトはゲルドルへの怒りを感じながらも、怒りを抑える様に努力していた。
「そして何より、障壁魔導士の誘拐。コレが[白夜の魔眼]の協力と言えるな」
シャーロットがそう言った記憶には[白夜の魔眼]のフードを被った人物がゲルドル相手に貴重な魔導具を提供し、その代償となる障壁魔導士の誘拐補助を行なった記憶があった事がゲルドルの記憶を見ていた誰もが理解した。
「これは前代未聞の失態だ。本来国民を守るべき騎士団がこの国を売るような真似を、国民を不安に陥れない為にも、公表を避けるが、二度とこの様な事がないよう‥‥全団員に改めて反勢力と繋がりがないかどうか確認してくれ!」
『了解!』
ユリウスの言葉に誰もが了承した。
「さて、アルト君。実は君を呼んだのはもう一つあってね」
「俺が何者なのか訊く事も加わっている‥‥でしょ?」
「‥‥その通りだよ」
「‥‥‥っ!?」
アルトとユリウスの会話にアスタが驚いていた。
しかし、ユリウスがアルトの発言を肯定したのには理由がある。
アルトに起きた二つの異変。
その異変の解明をしておく必要があるのだ。
そして、アルトがその事を指摘したという事は、アルト自身が自分が何者なのかを知っている事を示している証明だった。
「君は何者なんだい?」
ユリウスの発言に団長達はアルトを見る。
特に被害を受けた四人の団長の視線を鋭かった。
それ程までに彼等が体験したのは[白夜の魔眼]以上の事象なのだ。
「‥‥俺はこの国の王族キーラ家と生誕の神との間に生まれた
『っ!!??』
アルトが告げた言葉に誰もが驚いた。
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次回~ザウスの真実~