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アルトから告げられた言葉にこの場にいる全員(一部の者除いて)が驚いていた。
「‥‥ぇぇぇぇえええええええ!!!??王族と神様の子供っ!!?」
アスタは大声を出して驚いていた。
「あ、アルト。ほ、本当か!?」
「あぁ。俺の父は【そこからは私が話そう】」
「「「ッ!!?」」」
その声を聞いて驚いた者が三人。
「この声は‥‥」
「‥あの時に聞こえた声だな」
シャーロットとノゼルはその声がアルトに起きた異変が止まった際に起きた何者かの声である事に気付く。
「いいのか、父さん?」
【あぁ。その方が納得してくれる者が多い。私と知り合いが数名いるしな】
「では、その間は俺が抑えていよう」
【スマンな】
アルトが何者かの声と会話をすると、どうやらその声の主が話すことになった。
アルトが一度瞼を閉じてから瞼を開くと、額から角を、背中から蝙蝠の様な翼を、お尻には剣のような形の尾先をした尻尾を生やしていた。
そして同時に、瞳が獰猛な縦筋の瞳孔を持った赤い眼へと変わっていた。
【ふぅ。久々の現世だな】
アルトは肉体を父に貸した。
つまり、肉体はアルトだが、精神は父である。
【さて、久しぶりだなユリウス。ヤミとヴァンジャスも団長になっていたのか。おめでとう】
アルトの父が語り出した。
突然の親しみのある物言いに他の者は怪訝な表情で、見つめていた。
その中には先程まで寝ていたドロシーまでもが起床し、同じ様に見つめていたのだった。
しかし、その中で、驚愕した様に目を見開いた状態で固まってしまっているヤミ、ヴァンジャンス、そしてユリウス。
「まさか‥‥」
「‥‥マジか‥」
「‥‥‥」
【私の名はバヴェル・キーラ。嘗て[勝利の剣豪]と呼ばれた男だ】
アルトの父・バヴェル・キーラが自己紹介を行なった。
バヴェルの名を知る者は、誰もが驚き、この場を驚愕の空気が占領した。
「本当にバヴェルなのかい?」
バヴェルの存在に最初に訪ねたのはユリウスだった。
【疑うのも仕方がないな。なら、今から20年前のお前の恥ずかしい話しを訊いたらお前も納得するか?】
「いや、遠慮しておくよ‥‥バヴェルだね」
ユリウスは羞恥の話しを話される前にバヴェル認定を示した。
「ユリウスの旦那。それで認めちゃダメだろ」
そんなユリウスにヤミがツッコミを入れる。
しかし、そんなヤミとヴァンジャンスには威圧感をぶつけたバヴェル。
すると、その際の威圧感に覚えがあるのか、二人は冷や汗を流していた。
【何か言ったか?】
「いえ‥‥」
「バヴェルの旦那であってるわ」
ヤミとヴァンジャンスもアルトの体を使って話している人物がバヴェルである事を認めた。
「えぇ!?それだけで認めちゃうんですか魔法帝!」
「いや~、こういう言い回しをするのがバヴェルだから‥‥」
よっぽど訊かれたくないのか誤魔化そうとするユリウス。
【さて、息子の事だったな】
バヴェルは誤魔化そうとするユリウスを放っておき、話し始めた。
突然に本題に入った為、先程までの三人も真剣な顔立ちになった。
【あの子は嘗て、私がクローバー王国国王と魔法帝就任の前に起きた事件にて出会った生誕の理を司る神との間に生まれた】
「だが、貴様の姿と、アルトの体を借りている事にどう結びつく?」
アルトの出生について、彼の両親を話したバヴェル。
しかしそれは、先程アルトが言った為、この場にいる者は誰もが知っていることだ。(捕虜二人と、ゲルドルは除く)
よって、ノゼルは質問した。
しかも、その言葉には少しばかり怒りや憎しみが交じった様な発音だった。
【アルトが生まれて翌日だった。私は神々が住む世界。「天府」から下界してきた破滅の神の呪いを受け、私は人間から悪魔に転生させられた】
『っ!!?』
神の呪いによる種族転生。
訊いただけでも驚くべき内容だった。
正しく神の御業だ。
【私は妻と子を守るために戦ったが、破壊の理に敵わず、瀕死を負った。妻は私を癒やしながら破滅の神と戦っていたが、二人とも殺す事を躊躇っていたのだが、後に破滅の神は躊躇無く妻を殺しにかかった】
「それがどうかされたのですか?」
バヴェルの説明を聞いて、ヴァンジャンスがそう訪ねた
【神は理を司り、司った理が魔法になる。つまり、神を殺す事は、その理を消し去る事を意味するらしい】
『ッ!!?』
その言葉を聞いて誰もが驚愕した。
神々が理を司る事は王族や貴族ならば、誰もが古書などで知っている可能性がある知識だ。
しかし、その理を厳守しなければならない。
にも関わらず破滅の神は同じ神であるバヴェルの妻を神殺しした。
【神は一つでも理が崩れるのを許さぬらしい。にも関わらず、破滅の神は妻を殺しにかかった】
バヴェルは当時の事を思い出したのか、暗いを雰囲気を出していた。
彼から感じた雰囲気は歴戦の戦いをしてきた団長達やユリウスは親しい者・愛する者の死に対して悲しむ者のものだった。
【さて、今から話すとしよう。アルトが生まれるまでの詳しい経緯を‥‥】
そう言ってバヴェルは話し始めた。
────────────────────────
時は遡り、アルトの異変から目が覚めるまでの一日の間での出来事だった。
アルトは<三魔眼>と三人の団長の戦闘時の際に入った光しかない空間へとやって来た。
しかし、今回は光だけでなく闇も空間内に同じ量で空間を埋めていた。
「またここか‥‥」
アルトはそう言うと、警戒した。
先程同様のことが起きると思ったからだ。
そんなアルトに話しかける者がいた。
【そう警戒するな】
アルトがその声を聞こえると、その方向へと向きながらも後退した。
そこには、闇の空間の中に、左右に歪曲状の赤黒い角が生やし、背中に蝙蝠の翼を生やした自分が俯いた状態で立っており、その隣に中年男性ぐらいの顔をした自身と同じ様な角と翼を生やし、尻尾を生やしていた存在が立っていた。
同時に背後から先程自身に攻撃してきた存在の力を感じ取った。
背後は先程同様、光の空間があり、そこには気絶した際に見た人物がおり、靄も存在していたが、以前よりは靄が弱まっていた。
【その靄には封印を再度行なった。今は問題ないがお前自身が解決しない限り、ソイツの殺戮行為の呪いからは解放されないぞ】
中年の男性がそう言ってきた。
【‥ぐ‥ぬぅ‥貴様‥‥】
靄から目と口が出てきて、頭の部分に光輪が出てきた。
靄から告げられた言葉はまるで恨み言のようなものだった。
【まだ喋れたのか】
中年男性がそう言った。
どうやら中年男によって靄は封印によって力が不安定になっているのだろう。
【貴様如きが‥‥】
「黙れ」
アルトは自身を乗っ取ろうとした靄相手に黄金の鎖で縛り付けた。
【‥こ‥これは‥っ!?】
「黙れと言った」
アルトは未だに話し続ける靄に空間をキューブ型の空間で囲まれた。鎖に縛られている光景も加えて正しく、封印の言葉が合うような光景だった。
「それで、アンタは誰だ?」
【私の名はバヴェル。バヴェル・キーラ。神々によって悪魔へと強制転生させられたクローバー王国王族・キーラ家の者であり、お前の実の父親だ】
「‥‥‥‥ッ!?」
アルトはその言葉に驚愕を隠せなかった。
しかし、瞬時に驚愕から脱したアルトは問い詰める。
「それが事実だと‥証拠があるのか?」
【だからこそ、お前に見せよう。お前が戦う度にお前の魂の中で私だけの魔法を得ておいたからな】
バヴェルはそう言うと、両手を広げた。
同時に魔力を解放させた。
【見るがいい。お前のルーツだ】
__消滅魔法"起源の伝達"__
膨大な黒い粒子がアルトを包み込んだ。
アルトの頭に、いや、脳内の記憶を司る部分にバヴェルの魔法が作用した。
────────────────────────
(ここは‥‥?)
アルトが視界に入ったのは、王都の中で一番高い場所に建てられた王家の敷地内だった。
【なに?それは本当か?】
アルトが声がした方向へと視線を向けると、そこには姿が違うがバヴェルがいた。
【はい!以前確認された悪魔とはまた別の危険な魔力が観測されました】
【叔父上】
王家の三家の一家の屋内にて、バヴェルが歩きながら隣に年老いた老人が報告を行なっていた。
そんな中、オールバックの髪型をし前髪を一房だけ額に出し、唇と顎の中間部分にほくろを持つ少年が現れた。
【ダムナティオ】
【叔父上、本当に向かわれるおつもりですか!?】
ダムナティオと呼ばれた少年は慌てた様にバヴェルと会話をしていた。
【俺が行かなくては解決出来ないなら、行くまでだ】
【どう考えても罠です。アウグストゥスが叔父上を目の敵にしているのはご存じの筈です!!】
【無論知っている。アイツが俺を亡き者にしたいだけであることも、国王となる為に次期国王筆頭である俺が邪魔であることもな】
どうやらアウグストゥスと呼ばれる者が老人の報告にあった出来事を引き起こしている様だ。
そしてその目的がバヴェルの始末と次期国王の椅子を手にすること。
【だが同時に悪魔や悪魔以外の種族が国民達に被害を与えるのならば、俺が斬るだけだ。俺はこの国の王家であり、魔法騎士団なのだがらな】
バヴェルはそう言うとダムナティオの頭を優しく撫でていた。
【例え俺が戻らなければ、お前が悪を罰しろ。お前の魔法は真実を明らかにし正義を全うする力があるんだからな】
【‥‥‥叔父上】
ダムナティオは目尻に涙を浮かべていた。
【爺やもよく世話してくれた】
【‥‥坊ちゃま】
バヴェルが老人を爺やと呼び、爺やはダムナティオ同様涙を流していた。
しかし、涙を拭っては覚悟を決め、主人に尽くすかのような執事としての顔をすると、頭を下げた。
【行ってらっしゃいませ!坊ちゃま】
【行ってくる】
バヴェルは爺やの言葉を受けながら家から出て行った。
────────────────────────
場所が変わり、恵外界から更に離れた場所にい移動したバヴェル。
【爺やの報告ではここだな】
バヴェルは警戒をしながら歩み続けた。
すると、ある湖から膨大な魔力が放出された。
その魔力はとても神々しく、慈愛に満ちた魔力だった。
湖から一つの発光が中心から起き、そこから湖をすり抜けるかのように頭頂部と水平になるように光輪があり、純白のドレスを身に纏った豊かな胸部を持つ女性が現れた。
【来てくれましたね】
【どういう意味だ?】
バヴェルは手が届く範囲に剣を思わせる表紙を持った魔導書を白く輝かせながら女性に質問した。
【私は生誕の理を司り[セフィラの樹]の第3の
女性は女神と言っていい程の慈愛に満ちた優しい微笑みを浮かべていた。
【?お前が俺を呼びつけた様な言い方だが、お前はアウグストゥスと手を組んでいるのではないのか?】
【アウグストゥス?いったい誰のことでしょうか?】
バヴェルはビナーが惚けている様子がない事から、アウグストゥスが悪魔とは別の危険な魔力を討伐させて自分を戦死させたいだけで、情報の正確性は一切なかったという事がわかった。
【では、[セフィロトの樹]第3の
【貴方達に神の雷が起きようとしています】
ビナーは真剣な表情と雰囲気でバヴェルに告げた。
その雰囲気は先程の慈愛に満ちた優しい微笑みなど一切無く、彼女の表情だけで殺せるといっていいい程の真剣さだった。
それを感じ取ったバヴェルは気を引き締めた。
【我ら神が住まう世界‥‥天府にて神々は地上に住まう人間や生命体を消し去るつもりです】
【なぜ神がそんな事を‥‥】
【天府に住まう神々は、元々この星に住む全ての生命の安寧の為に理を司る存在として混沌に創られました】
ビナーは湖の水から出るために湖の上を歩いていた。
【しかし、嘗ての混沌を手にした人間はその力に自惚れ、悪行を繰り広げました。混沌の魔導士を倒しても、人間や異種族の争いに嫌気を挿した神々はこの星に、神以外の種族を必要としない事を決定したのです】
【!!!??】
(なんだと‥‥!?)
バヴェルとこの記憶を見ていたアルトも驚いていた。
アルトは先程まで神の呪いによる暴走での記憶がなかったからだ。
【なぜそう判断したのだ?】
流石のバヴェルもその事がわからず質問した。
【世界に光と闇の様な相反したモノがあるからだと、世界の理の主を司る十二柱の私以外の神がそう判断しました】
ビナーは悲しむようにその十二柱を思った。
【故に神々は世界を一つに染めることで世界は平和となる。それが出来るのは神だけで、他の種族は星を食い尽くすだけの悪病だと決めつけたのです】
ビナーはその時の十二柱たちの発言をさせた事がとても悲しんでいた。
【神々は司る理こそが魔法なのです。ですから我々はその魔法と共に感情もそうなっています。私は全ての生命の誕生に対して歓喜を感じ、幸せを願う様に‥‥ほかの十二柱にもそれぞれの理の感情と魔法を有しているのです】
理=魔法が神々であるらしい。
ビナーは何かが生まれる事に対する喜びが主に強く影響しているらしい。
故に、彼女はほかの十二柱たちの考えが理解出来なかったのだろう。
【ビナー殿の考えに賛同する者はいなかったのか?】
【ほんの僅かな味方はいましたが、それでも‥‥‥】
【‥‥‥‥】
バヴェルはビナーが味方以外の神々の考えにとても哀しく感じてしまっており、表情も落ち込んだ様に暗かった。
【それで、ビナー殿はどうするつもりなのだ?】
【どのような理由であれ、いずれ種を越えて生きていく事になります。そこには種を越えた生命の誕生もあります。私は生誕を司る神。新たな命が生まれてこそ幸せを感じ、新たな人生を進み続ける。それが生命の輝き。その輝きは神であろうと奪う権利はありません。私はどのような事に手を染めようと護ります】
ビナーの瞳から彼女の覚悟が伝わっていた。
バヴェルは彼女から一切のウソを感じず、そして、彼女の言葉から覚悟の度合いを感じ取って、彼は返答した。
【わかった。手を貸そう】
【!本当ですか】
バヴェルの了承を訊いてビナーはまるで子供のように笑顔になった。
その笑顔にドキッ!となったバヴェルだったが、知られないように話しを続けた。
【あぁ。さっさと行くぞ】
【はい】
バヴェルはビナーを連れて、神々からの全生命の滅亡阻止の為に動き始めた。
────────────────────────
バヴェルが行方知れずになってから1年と4ヶ月。
ビナーと共に行動し始めたバヴェルは刀剣魔法を駆使して、色々な準備をしてきた。
その準備の最中に二人の間に愛が生まれ、生誕神ビナーは初めて魔法や理ではなく、己の身体から新たな
【あら、動いたわ】
【本当か】
【えぇ。触ってみて】
ビナーは胎内に宿る新たな命に対して、今まで味わった事がない愛情で満たされていた。
彼女の胎内は既に妊娠9ヶ月も経っており、見るからに妊婦であるとわかる程に彼女のお腹は膨らんでいた。
神々による他の生命の滅亡までの間に、阻止のために行動を共にしていた二人。
先程も言ったが1年と4ヶ月の間に愛が生まれ、神と人間との間に生命が生まれたのだ。
その為、バヴェルとビナーは夫婦となり、彼等が行なっていた準備の為に使っていた時間が少なくなっていた。
しかし、愛する者との間に生まれる新たな命に対して、親の愛情が湧き上がり続けるバヴェルとビナー。
ビナーは妊娠9ヶ月を経っており、既に胎内の赤子はいつ出産しても可笑しくないものだった。
本当ならば、彼女の理・魔法でなら、出産時期など関係なく出産させる事など簡単な事なのだが、彼女も今までの多種族の生命誕生に対する聖女のような感情ではなく、親として愛する夫の子供を産みたいという愛を知り、人間の様に、出産時期というモノを味わっていた。
バヴェルも初めてとなる父親としての愛情が赤子にあった。
ビナーの胎内にいる赤子は元気よく、彼女の胎内を中から蹴っていた。
その際の感触を感じ取ったビナーは、とても愛情に満ちた笑みでお腹を擦る。
そんなビナーが言った言葉に反応するバヴェルは安静にしている彼女に近寄った。
ビナーは近寄った夫の手を取り、腹部に手を当てた。
当てたから赤子の胎動が感じ取り、彼も子供への愛情に満ちた微笑みを浮かべる。
【名前は考えてくれた?】
【あぁ。アルトだ】
【アルト‥‥とても良い名前。早く生まれてきてね。アルト】
生まれくる子供への親の愛はビナーが告げた悲劇___神々による多種族の滅亡__を阻止する為に、何時襲撃を受けるかわからない緊張感の中で生まれた一つの命は、二人の緊張感を和らげ、平和を噛みしめるモノだった。
しかし、既に天府では、神と人間の子を産もうとするビナーに向けられた刺客が、現世に顕現しようとしていた。
次回~ザウスの真実・後編~