【休載中】混沌の魔法騎士王   作:森雄

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漸くできました。

七つの大罪と魔王学院の不適合者の台詞を所々入れてみました。

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混沌の王VS第5の理神

 バヴェルがアスタ達に説明をしている間。

 アルトは悪魔の力を使い神の呪いを受けている神の己自身と相対していた。

 

 悪魔化している為、自分の立ち位置が黒い空間内に立っていた。

 

【貴様はどうするつもりだ?】

 

 アルトは意識を失っていた間、ゲブラーの呪いで暴れ続けていた

 

【‥‥‥】

 

 しかし、呪いに掛かっているからか、俯き、沈黙を貫いていた。

 

 そんな中、一人の存在が神化アルトの近くにいた。

 その存在とは、バヴェルとの対話の際に、彼の力で封じられながらもアルトにさらに縛られていた靄が人の形をしながらも、束縛されていた。

 

【愚かな神の子よ】

 

 人の形をしたゲブラーが語りだした。

 

【ほう。負け犬が何の用だ?】

【神の血を引きし者が、他種族を救うなど愚かな】

【誰が喋っていいと言った?】

 

 アルトがそういうと、ゲブラーに縛り付けた鎖が更に縛り付けられ、口元に猿轡までもがされていた。

 

【さて、漸く話ができるな】

【‥‥‥‥】

 

 悪魔化アルトの言葉に未だ反応を示さない。

 まるで主人が動かさない限り動くことのない人形の如く‥‥‥‥

 

 そんな神化アルトにジーっと見つめ続ける悪魔化アルト。

 その目はまるで観察対象と言わんばかりなものだった。

 神化アルトの近くにいる束縛されたゲブラーが神の力を行使して束縛を破壊しようとするが、一向にそれが叶うことはなく、うぅっ!!?と言葉を告げようにもくぐもりった声がでるだけで、言葉が出ることはなかった。

 

【なるほど、生まれる前の子供に対して呪いを行ったことで、神化はいまだに理性が得られるずにいるということか】

【!?‥‥‥‥っ!!】

 

 アルトがそういうと、ゲブラーが焦りだすかのように身動きを荒々しく始めた。

 そんな破壊の神など気にもせずアルトが神化アルトに左手を向けた。

 

【や、やめろ!!】

 

 焦ったゲブラーが声を荒げながら制止を求める。

 

【聞く気はない】

 

 しかし、アルトがそんな懇願を聞く気など全くなく、囚われている神化アルトに魔法を行った。

 

 __混沌魔法"全呪解放"__

 

 アルトが知る人間が使う文字とはまた違った禍々しい黒色の文字が使われ、神化アルトへと纏わり付き、神化アルトの肉体についていた白く発光するまた別の文字が衝突すると、相殺するかのごとく二つの文字が消え去り、そして、人間が使う文字が神化アルトへと入っていく。

 

【目覚めるがいい】

【‥‥‥‥んっ】

 

 神化アルトに反応が起きた。

 

 ────────────────────────

 

 アルトが精神世界で神化アルトと対話をし、ゲブラーの呪いを解く約5分ほど前。

 

 アルトが<三魔眼>との戦いにて気絶している間に起きた出来事を語り終えたバヴェルは話を終えた頃だった。

 

 話しを聞いていた魔法帝とアスタ、マルクスと七人の魔法騎士団長は沈黙していた。

 誰もがバヴェル達に起きた事を悲惨なモノであるが故に、痛みと苦しみを感じ取っていた。

 

【私は15年間。アルトの中で破壊の神の呪いが発動した際の対応への準備をしていた。それがあの洞窟内で、[白夜の魔眼]内にいた神の一柱との戦いで、相反する力と言える悪魔(わたし)の力が現出した事と、アルトが未覚醒であった事、そして神の呪いへの均衡が崩れてしまったが故に、アルトは神の呪いによって神の力を一時的に現出し、暴れていたのだ】

 

 バヴェルはアルトの出生と自分達に起きた出来事の全てを語ると、今度は洞窟内での一件でアルトが暴走した理由を軽く説明した。

 前置きのように語られた出来事がアルトの暴走に繋がっている事は話しを聞いていた者ならば誰もが理解出来た事だ。

 超が付くほど大馬鹿なアスタであってもだ。

 

「‥‥随分と濃い人生送ってんな。バヴェルの旦那」

 

 ヤミが普段通りな声色で告げるも、彼としても知り合いであるバヴェルに起きた出来事に痛感しているのは彼と苦楽を共にした事のある者や成長を見届けた者からも感じ取っていた為、誰もがヤミの普段通り名声色に抗議する者はいなかった。

 

【そうだな。今の私には息子を守る事と消滅魔法の修行程度しか出来ないだろうな】

 

 アルトの身体越しに喋っているバヴェル。

 自身の無力さへの怒りを漏らす。

 

 しかし、それは何も守れなかった場合のこと。

 今は守るべき息子がいて、尚且つその息子には新たに得た魔法属性・消滅魔法を習得している事から鍛錬への助言などが出来る事に対して喜びを感じていないと言えば、ウソになる。

 

 彼も一児の父親であり、子を愛する親なのだから‥‥‥

 

【‥‥さて、暗い話しはこれでお終いだ。騎士団内部に裏切り者がいたという事は、王都への侵入に関して我々が思った以上に敵が容易である可能性を見つけられたのだ。団長ならば、その事も踏まえて公務を続行しろ】

 

「勝利の剣豪」と言われたバヴェル・キーラとしての助言をアルトの身体越しに伝えた。

 その言葉の一つ一つには二つ名を与えられただけの実力者たる貫禄と重みが乗ってあり、彼を慕うヤミとヴァンジャンスは無論の事。

 他の団長やアスタですらも、気を引き締められる言葉だった。

 

 そんな時だった。

 突如バヴェルの意識に変わっているアルトの肉体が光り輝いたのだ。

 

 ────────────────────────

 

 神化アルトが悪魔化アルトの魔法によって理性を有した。

 

【目覚めた気分はどうだ?】

 

 悪魔化アルトの質問に、先ほどまで俯いていた神化アルトが頭を上げた。

 頭を上げた彼の瞳には明確な意思があった。

 

【随分と寝ていた気分だ】

 

 洞窟内で異変と違ってノイズが一切なく、一言一句に神聖な力が宿っていた。

 どうやらコールドスリープでも受けていた様な状態だったらしい。

 

【今までの会話は覚えているのか?】

 

 悪魔化アルトがさらに質問をした。

 質問の内容から、悪魔化アルトが聞きたいのは、アルトが意識を持って生活をしていた約15年間の記憶の全てについてだろう。

 

【あぁ。意識がハッキリすれば覚えている】

 

 神化アルトは質問の答えを肯定した。

 

 すると、神化アルトの背後からゲブラーが息を乱しながら現れた。

 

【許さぬ‥‥】

 

 ゲブラーの姿は先ほどとは打って変わり、ボロボロな状態であり、口から血を垂らし、目を赤く充血させて、ヨロヨロと近づきつつあった。

 

【ほう。神化の俺が自我を手にした事で消えたと思ったが‥‥】

【しぶとさだけは神らしいということか】

 

 悪魔化アルトと神化アルトがそれぞれ似通った意見をゲブラーに言った。

 

【忌み子の分際で‥‥破壊の神にかなうと‥‥】

【たかが破壊の理だ】

【理不尽な理に俺たちが従う義理はない】

 

 そう言った二人(正確には一人なのだが‥‥)は瀕死の状態のゲブラーに向けて、光と闇の領域が呑み込んだ。

 

【ぐ‥‥ぐぁぁああああああっ‥‥‥!!!???】

 

 ゲブラーが悲鳴を上げながら消えていった。

 ────────────────────────

 

 光が止むと、そこにはバヴェルが憑依したことによってできた悪魔の角が左側だけ消えていた。

 その代わりに左側には洞窟内での時に神化の暴走にバヴェルの悪魔の力によって気絶にした半分状態のときと同様の変化に変わっていた。

 

「洞窟のときと同じに‥‥‥」

「まさか‥‥」

「カカ!裂き応えがあるぜ‥‥!」

「‥‥‥」

 

 しかし、神化が起きているということで、暴走の危険性を感じ取ってしまったアスタやシャーロットは言葉をこぼしてしまい、ジャックは神化したアルトを裂く気満々な表情を浮かべ、言葉をつぶやいていた。

 そしてノゼルも同様に警戒を強めていた。

 

「‥‥‥いや」

 

 しかし、ヤミだけは違うと言わんばかりに警戒をしていなかった。

 

【安心しろアスタ。俺のままだ。暴走はしていない】

 

 話しかけたのはアルト自身だった。

 安心する様に告げたアルトは、肩がこっているかのように、肩を動かしていた。

 

「ざ‥アルト‥‥ぇ‥‥ぇぇえええ!!?‥アルトなのか!?」

 

 アスタは驚きのあまり、聞き返してしまう。

 

【そうだが‥‥?それがどうかしたか?】

 

 何を当たり前のような事を聞くと言わんばかりに告げるアルト。

 

「アルト君。意識が君のままなのは何よりだが、一体何があったんだい?バヴェルの話じゃ、神の力は破壊の神(ゲブラー)によって呪われていると聞いたんだが‥‥?」

 

 アルトのままである事を知ってホッとするユリウスが代表となってアルトに訪ねた。

 

【父さんが貴方たちに説明している間、暇だったんでね。神の呪いを破り、覚醒させただけだ】

『‥‥‥‥』

 

 なんともないような発言をしたアルトに、アルト以外の誰もが、彼を規格外と言わんばかりに沈黙に包まってしまった。

 そんな彼らの思いなど気にしていないのか、それとも気づいていないだけなのか‥‥まぁ、アルト本人しかわからないが、彼は自身の手を眺めると、視線を厳しくした。

 

【やはりか‥‥】

「?なにがやはりなんだアルト?」

 

 アスタはアルトが溢した言葉が気になったのか、訪ねた。

 

 __混沌魔法"森羅の改変者・掌握(ファナティオ)"__

 

 アスタの質問に答えようとはせずに、アルトが右手に青白い魔力が宿る。

 突然に魔法を行使した事で、驚愕する魔法騎士団。

 

 誰もが魔法で対抗しようとするが、ユリウスが手を上げた事で、団長たちに止めるように指示している事に気づき、怪訝しながらもアルトの挙動の全てを警戒していた。

 

 しかし、その警戒は無用のモノだった。

 

 

 アルトは青白くさせた手を己の胸に突き刺したのだ。

 この行動を、シャーロットとノゼルは見覚えがあった。

 [白夜の魔眼]による王都襲撃後に、受けてしまった毒魔法を体内から取り出した方法である。

 

 今回アルトが取り出したのは神聖な魔力を発行する、黒光りした小さな発光体。

 

【どうやら完全に消滅させる必要があるようだ】

 

 アルトがそう言うと、掴んだ発光体を放り投げた。

 すると掌を広げて発光体へと向けた。

 

 その掌から魔法陣が浮かび上がった。

 魔導書も別のページへと開かれると、その魔導書に書かれた文字が光り出す

 

 __混沌生誕魔法"誕生命主"__

 

 アルトの掌の魔法陣が光り輝くと発光体が突如、姿形をなしていった。

 その形とは人の形をしており、形をなすと、光が止んだ。

 光が止み、発光体の正体が姿を現した。

 

 その容姿は中年男性ほどの顔立ち、頭に無数のXによって出来た光輪を持ち、漆黒の生地に金の線が入った男性用の衣服を着用していた神‥‥‥‥バヴェルとライフに被害を与えた張本人__________第5の理神(セフィラ)ゲブラーだった。

 

【っ!?‥‥‥‥】

 

 ゲブラーは自身が現世に蘇った事に驚いていた。

 同時に、アスタ達は異様な力‥‥神々の神聖な魔力に威圧され、冷や汗を出していた。

 

【フフフ‥‥‥愚かなり忌み子。態々第5の理神(セフィラ)たる我を蘇らせようとは‥‥】

 

 自身を蘇らせたアルトにそう告げるゲブラー。

 

「ざ、アルトさん!なぜ第5の理神(セフィラ)を蘇らせたんですか!!?」

 

 ゲブラーの言葉を聞いて、ユリウスの側近であるマルクスがアルトへと抗議した。

 

【ほう。何度も俺に拘束されては煮え湯を飲まされいる者が、随分とほざくじゃないか】

【なんだと‥‥‥!!!?】

 

 アルトの挑発に乗ったゲブラーは体中から破滅の魔力を奔流させた。

 その魔力は触れるモノ全てを破滅させんと言わんばかりに、足下を破滅させていった。

 セフィロトの樹から無理矢理に出たばかりだった場合は力が弱まり、その魔力量と使える魔法が極端に低下する。

 

 故に人間の状態だったバヴェルはゲブラーと渡り合う事ができたのだ。

 

 

 しかし、今回は違う。

 アルトがバヴェルによって見せられた過去から手にした生誕魔法によって生誕したのだ。

 神々は生まれた時点で各々の理の強さによって強大となる。

 破滅の理は「破壊と消滅」が合わさった理であり、十二の神は世界の理の基礎となった神々だ。

 その魔力量は王族であるノゼルの魔力を1000とした場合、その約1000倍近くの力になる。

 

 それは世界の理の基礎である事も加わっているのだろう。

 

『!!』

「な、なんだこれはぁぁぁああ!!!」

 

 故にあまりに強大な魔力にユリウスと魔法騎士団長は最大限に警戒を強め、魔力感知ができないアスタは破滅していく足下の状態に絶叫していた。

 しかし、挑発した当の本人は涼しい顔をしていた。

 

【それがどうした?】

【なに?】

 

 アルトがそう言うと、混沌の魔力でこの場を覆った。

 混沌の魔力に覆われた事で破滅の魔力が届かなくなった。

 

【フッ!!】

 

 アルトが淡く笑みを浮かべながら告げた。

 

【どういうことだ?】

 

 ゲブラーはあり得ないと言わんばかりにワナワナと体を震えさせていた。

 

【混沌の魔力で、この場を覆った】

【馬鹿な‥‥‥】

 

 ゲブラーは自身の破滅の力が混沌によって軽く消え去った事に驚いていた。

 ゲブラーの破滅の理は星の半球を破滅させる事ができる程のものだ。

 それを覆したのは、アルトが第四まで覚醒したからこそであり、悪魔と神の力も覚醒したからこそでもあり、アルトがゲブラーの魔力を混沌の魔力で、一室程度にまで抑えているからこそだ。

 

 第一の覚醒で高魔力の種族エルフレベルの魔力量、第二は国を、第三は悪魔や神を倒すほど、第四は四カ国を覆うほどの魔力量だ。

 アルトは覚醒すればするほどに世界すらも凌駕しうる存在なのだ。

 

 故に、半球程度を破滅させる理など、彼は何れ大きく覆す事など容易いモノとなる。

 

【忌み子など人間などと見下し、神以外の種族を消し去ろうとしていたようだが、その忌み子に負けている気分はどうだ?】

【我は破滅の司る神なり。第5の理神(セフィラ)に破滅できぬものなし】

 

 ゲブラーがそう言うや否や、更なる破滅の魔力が溢れだし、ゲブラーは半球を破滅させる魔法を行使した。

 

 __破滅魔法"森羅破滅"__

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 業火。

 

 

 その一言でしか表すしかない光景だった。

 いや、業火のように見えるというだけなのだろう。

 

 混沌によって覆われたこの一室を破滅させ、世界の半球をも破滅させようとする第5の理神(セフィラ)ゲブラーの最大の理は破滅の力を森羅を燃やす業火の様に燃え広がろうとする。

 

 ユリウスや魔法騎士団長達が用意していた魔法が全て、悉く破滅へと燃え尽きようとし、アスタの(アンチ)魔法ならば対抗できたが、大剣の大きさ分しか抵抗できず、アスタ自身は何も効力がない。

 洞窟内でリヒトの巨大な魔法を撥ね返すと言って、ヤミに剣だけが残ると言われた通りの状況へとなるだけだった。

 

「ど、どうすれば‥‥‥」

「僕の絵も、まともに描けないですよ!!?」

「お姉さんの魔法でも無理だね~」

「お前、そんなキャラだったの‥‥?」

 

 マルクスはこの状況下をどうするか焦っていた。

 彼の言葉に追い打ちをかけるように、リルとドロシーも参ったと言わんばかりに自分の状況を告げる。

 ヤミは起きたドロシーの性格に驚いていた。

 

「だったら俺の剣で斬れば‥‥」

「はい、馬鹿。剣だけ残る」

「いやぁぁああああ!!!」

 

 なんとか抵抗しようと声を出しながら、思考し続けながる魔法騎士団長たち。アスタとヤミの会話はかの洞窟内でリヒト相手に溢していた会話とあまりに同じなため、ヤミは内心、デジャブを感じていたは彼だけしか分からないことである。

 

(茨を出そうにもすぐさま消されている!)

(裂こうにも刃すら出させねぇ‥‥)

(魔力の制御(コントロール)さえも破壊されている)

(時間の干渉まで滅んでいる‥‥私の魔法でも対処できない)

 

 ユリウスもこの破滅への対処が思いつくことができず、苦悩していた。

 この時、ユリウス達は漸く知った。

 人間と神との差を‥‥‥

 

 しかし、その差は簡単に覆った。

 

 

 アルトの瞳に"混滅の魔眼"が描かれた。

 その魔眼はゲブラーの破滅の理を上書きして滅ぼし尽くしていた。

 

【ば‥‥‥馬鹿なっ‥‥!!?】

「‥‥あれ?消えてない」

 

 アスタは自身が消えていない事に自身の体を見回す事で確認していた。

 

【世界の半分を破滅させるからと言って、俺が滅ぼさせるとでも思ったか?】

【何なのだ貴様は‥‥破滅の理が通じぬ‥‥‥】

 

 この時、ゲブラーはバヴェル以上にアルトがどれ程の危険なのか、そして、自身が生み出す事になった存在の実力に恐怖し怯え始めた。

 

【忘れたかゲブラー。世界は混沌によって生まれた。この世界は余さず混沌(おれ)の庭だ。我が庭で混沌に挑むのがどういうことか、貴様に教えてやろう】

 

 アルトがそう言うと、彼の影からゆらりと上空へと伸びていく。

 

【[勝利の剣聖]か。父さんはまさしく英雄だ。刀剣と消滅がなければ、この魔法はできなかった】

 

 伸びていった影がアルトの右手の掌へと付いた瞬間。

 その姿を剣へと変容し、影が反転して実体を持った。

 

 __混沌消滅創世魔法"理滅魔剣ヴェヌズドノア"__

 

 闇の長剣へと変容した魔剣を手にしたアルト。

 

【い、いや‥‥‥我が忌み子如きに負けるわけがない‥‥!!!】

 

 __破滅創世魔法"破滅神鞭フレイラー"__

 

 棘の鉄球が付いた棍棒型の鞭___フレイルの形をした神の鞭が現れた。

 

 ゲブラーは鎖で繋がった鉄球を振り回した。

 

【この鞭は振り回せば回すほど、破滅の威力が上がる。我の前に破滅できぬものなし!!】

 

 振り回した鉄球を振り下ろしたゲブラー。

 それを手にした長剣で軽く振るった。

 

 すると、長剣の刃が破滅の鞭に当たると簡単に切り落とした。

 

【‥‥‥‥ッ!!?】

【破滅の鞭を振り下ろせば、俺の剣を破滅できるとでも思ったか?】

 

 斬られた破滅の鞭が粒子となりて消えていった。

 

「うぉぉぉぉおおおおお!!!!」

「すげぇぇぇえええ!!!」

 

 魔法マニアと、アルトをライバル視するアスタは盛大に驚いていた。

 他の騎士団長達も声を出してはいないが、神の魔法を容易く攻防しているアルトに驚愕していた。

 

【運命は変えられん。貴様らの破滅は世界の摂理‥‥神の定めし運命。なればこそ、愚かな貴様の父も、異種族の生誕を願う愚かな第3の理神(セフィラ)も、消えて然り】

 

 ゲブラーは言ってはならない事を言ってしまった。

 アルトは先程以上に険しい表情にてゲブラーを睨み付ける。

 

【母さんは誰よりも平和を望み、新たな生誕の可能性を願った。父さんは世界を、愛する者を守る為に、奇跡を信じて戦った】

【貴様は誰も護れはせん。奇跡など起こらぬ!!】

 

 新たに創世し直した破滅の鞭の鉄球を巨大化して振り下ろすゲブラー。

 

 そんな鉄球の棘を混沌の魔力で覆った左手で楽々と掴んだアルト。

 

【我が両親が魂を込め、健気に口にし、血の滲む努力を、嘲笑われて、黙っていられる息子(おれ)ではないぞ】

【先から何だ、その言葉は‥‥‥王にでもなったつもりか?愚かな忌み子よ】

 

 ゲブラーは自身の成すことを全てを悉く阻止されるばかりに、怒りを隠せずにいた。

 

【王とは何だ、ゲブラー?力か?称号か?権力か?】

【その全てだ!!!!】

 

 自身の膂力を振り絞って押しつけようとするゲブラー。

 しかし、1mmも動くことはなかった。

 

【いいや、どれでもない。俺が俺であると言うこと‥‥それが王だ。平和が欲しければ俺が創ってやる。可能性が欲しければ無限の物にしてやる。絶望からも守れる奇跡が欲しければ俺が永劫の本物にしてやる。願うな。祈るな。唯々我が後ろを歩ませてやる。全てに降り注ぐ、ありとあらゆる理不尽を俺が永劫に潰し尽くす】

【愚か‥‥この世界に永劫など無い。そんな物は矛盾だ。混沌だ!!!】

 

 ゲブラーがそう言うと、この一室が静寂になった。

 

【えっ‥‥?】

「カカ!認めちまってるぜアイツ‥」

「語るに落ちたな」

 

 呆けるゲブラーにジャックが笑い、ノゼルは呆れた。

 

【そうだ。俺が、混沌の王だ】

 

 そう言ったアルトが掴んだ鉄球の棘を引っ張ると、釣られてやって来たゲブラーに手にするヴェヌズドノアを振り下ろした。

 振り下ろされた長剣の刃があっさりとゲブラーの両腕を両断する。

 

【っ!!?ぁぁぁあああああ!!!?】

 

 悲鳴を上げるゲブラーにアルトが両足を斬り落とす。

 

【あり得ぬ!?神の理が‥‥】

【恐怖と共に頭蓋に刻め!俺が混沌の王。アルト・キーラ】

 

 アルトがそう言うと、ゲブラーの全てを滅ぼす様に頭蓋へと長剣を突き刺した。

 

 突き刺された長剣がゲブラーの全てを消し去るように神の心臓ごと、全てを滅ぼしていった。

 

【おのれ‥‥‥世界の理に背く‥‥‥理外者が‥】

 

 ゲブラーはそう言い残すと、今度こそ完全に消え去った。

 一切の力の欠片すら残さず‥‥‥‥

 




次回~10番目は[混沌の王軍]団~
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