仕事もあって二ヶ月もかかってしまいました。
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ー注意事項ー
主人公の名前変更:
ザウス→アルト
ライフ→ビナー
シェヴァ→ゲブラー
[混沌の王軍]の設立とアジト・
その後、それぞれ、熟練の魔法騎士であるバヴェルや神であるビナー、そして混沌によって出来た異空間を発生させた練習場を創り出したアルトによって戦闘力や知識、開発力を洗練していくマリエラ達だった。
そんな中、強魔地帯に建設した彼等のアジトに設定した機能の一つである探知能力が反応した。
「‥‥‥」ピクッ
「アルト」
「マリエラか」
団長室にて事務処理を行なっているアルトにお茶を入れてやってきていたマリエラが彼に話しかけていた。
マリエラが部屋に入ってきた事に気付いているアルトは視線を向けることなく、事務処理を行ない続けた。
「何かがこのアジトに近づいてますね」
「感知能力が上がったようだな。時間を弄って修行しただけはある」
実は上記の練習には一つだけ記していない事があった。
彼等の修行には空間と時間が弄られ本来の時間の流れとは異なった時空間内で行なわれていたのだ。
「どうしますか?」
「近づいているだけならば無視するが、他に理由があってくるならば、迎撃するだけだ」
アルトは手に持つ書類を机に置くと、立ち上がり魔導書を開いた。
__混沌時間魔法"全智の未来"__
アルトは[永劫の混沌城]付近の未来を覗いた。
すると、彼の両の眼にとあるの人間達がこちら側へと走り続けていた。
紫髪のポニーテールの20代ほどの女性と碧髪に蒼眼の男性、青髪七三分けの男性。
そして、彼等三人が守る様に囲みながら一切の魔法を使おうとせず唯々、彼等に守られながら、走り続ける純白のロングヘアーの容姿端麗、清廉潔白と言わんばかりな儚い美少女。
四人がこちらへと歩を進めていた。
その背後では悪魔転生された父・バヴェルと似通った魔力が近づいていた。
その中でも強大な魔力が三つあり、追われている四人の男女はその三つを除く他の魔力を次々に消していた。
しかし、強大な三つの魔力は今のバヴェルと同等の魔力量だった。
アルトは修行中に母・ビナーから神々と悪魔に関して詳しく尋ねた。
その際にビナーは言った言葉を思い出していた。
【【最上級の悪魔は概念に干渉し、神々は理を司る。バヴェルは消滅魔法で概念干渉などの摂理を滅ぼす事で干渉できているの。バヴェルと同等の魔力量を持ち、似た魔力波長も持つ人間には最上級悪魔に憑かれた[悪魔憑き]。現世と冥府との間にある異界の扉を十二柱の二柱が管理しているのだけど、セフィロトの樹が開けば、その神の力が干渉されやすくなるの】】
この事からアルトは強大な三つの魔力に関して母からの話に信憑性が更に膨れ上がった。
「(どうやら、三人を追ってきている三つの強大な魔力は[悪魔憑き]と考えて良いだろう。しかし‥‥‥)」
同時に一つの疑問があった。
この[永劫の混沌城]には魔力感知不可や視認不可などの魔法を備えていた。
"美学の創造建築"にはアルトが魔導書に刻んだことのない性質の魔法を建築という形で実現させる事も出来る。
つまり、魔力感知不可などの隠密系の魔法を有した建築物でもあるのだ。
クローバー王国の魔法騎士団本部からの通達には彼が創り出した混沌獣によって通信できる様にしている為、他の団以上の摩訶不思議なアジトなのだ。
にも関わらず、彼等は構わず走り続けては逃げている。
まるでこの場所に何かがあると知っているかのように‥‥‥‥
そんな中、三人の男女に守られている清廉潔白な、純白ロングヘアーの美少女がアルトの"全智の未来"による視界を覗いたのだった。
「(この女‥‥俺を視ているっ!?)」
アルトは驚いた。
無理もない。未来視‥‥つまり、未来で起きている事を視る力を行使しているアルトを最初から視ていると言わんばかりな視線を送ってきていた。
あまりに驚くべき出来事を驚愕から脱せず、深く思考を巡らせるアルト。
「‥‥‥‥」
【どうするんだ?アルト】
"全智の未来"にて視ていたアルトへと、空間を滅ぼして自由に行き来する疑似空間移動を手にしたバヴェルがやって来ていた。
「‥‥俺が行くとしよう。マリエラはレグルスに[永遠の混沌城]を覆うように幻獣魔法を展開させろ。父さんは母さんを守ってくれ」
【わかった】
アルトは指示を出すと、バヴェルは疑似空間移動でビナーの元へと向かった。
「気をつけて下さい」
マリエラはアルトを心配する様に告げた。
アルトが"全智の未来"で視た美少女の存在に気付いていなくとも、彼の表情から彼を驚愕し思考を深めさせた何かがあった事だけは確実に読み取れたマリエラは、尚一層心配だったのだ。
「あぁ」
アルトは素直にマリエラの言葉を受け止めた。
暗殺者としての力量とコレまでの修行を含めて更に観察眼が良くなったマリエラに自身の心境を読み取られた事に気付いていた。
故に、素直に彼女の言葉を受け入れたのだ。
アルトにとって似た魔力波長や追われている四人の素性よりも、未来視にて視ている現在の自身に視線を向けられた事が、今までになさ過ぎたからだ。
未来を変える可能性ならば、誰でも無限にある。
しかし‥‥‥‥
未来の者からすれば過去の者を視ただけなのだろうが、現在の者が未来の者に視られるなど、誰も見に覚えなどないだろう。
そんな体験をしてしまえば、驚愕と困惑・恐怖すらも抱いてしまうだろうが、恐怖ではなく、美少女の正体について興味を抱かれてもいるアルトはある意味、「異質」と云える。
そんな異質者たるアルトは、此方へと向かってくる四人の前に"転移"を使って向かった。
────────────────────────
アルトが"全智の未来"で視ようとしていた時、彼が視た追われている者達はというと‥‥‥‥‥‥
「これでは、ジリ貧だぞ」
__魔銃砲魔法"魔弾の射手"__
一人の銀髪の男がそう言いながらも大地や空に、無限とも云える多くの魔法陣が周囲に展開されて、神聖な光を宿した銃弾が撃たれ続けた。
強魔地帯の嵐の中で敵が視認できずとも、魔力感知による敵を感知した上での魔法攻撃。
無限とも云える魔法陣から放たれた魔法攻撃は同じく無限とも云える骨が魔法攻撃を一手に防御してみせた。
嵐から出てきた、鋭い骨先を有する無限の骨は魔法を受けた部分が破損するも自己修復していく。
そんな骨に1度ではなく、2度3度と続けて同じ箇所に撃つことで骨を破砕する事もでき、同時に破砕された箇所の修復を不可能にしていた。
だが、それに気付いた骨魔法の使い手は破砕箇所以外の部分から新たな骨を作っては襲い掛かり、破砕された骨に使用していた魔力量以上の魔力を注ぎ込んで襲い掛かる。
そんな骨魔法も同じ行為を搦め手を交えながら行ない交戦する者。
「だが、我々の任を解くわけにはいかん」
__神槍騎魔法"
魔銃砲魔法を放った者から少し前に出るように出ている碧髪に蒼眼の男が、三頭立ての戦車を呼び出した。
不死の二頭の神馬に名馬の三頭の手綱を引いては疾風怒濤となりて、敵へと向かう。
そんな相手を敵は赤黒い獣の群れを作りだしては応戦した。
100を越えた獣の群れは次々に壊されるも、群れの合間に現れた赤黒い獣の手が襲った。
「おっとぅ!!?」
紙一重で攻撃を躱した男は、戦車を仲間達の近くへと移動させて止まった。
「あはっ!強そうなのがいるんじゃん!」
赤黒い獣の手が現れた場所から女性の声が聞こえた。
「無域異界ラグヴァベインの魔導士。我々、[
姿が見えなかったが、敵の一人がまるで彼等を品定めするかのように呟く。
そして、巨大な岩の塊を五つほど彼等に向けて音速を超えて飛ばされた。
飛ばされた岩塊はポニーテールの女性が何時の間にか手にしていた西洋風の剣にて簡単に塵一つ無い程に切り裂いた。
圧倒的な剣速と剣筋によってできる所業。
それ程の実力を秘めた女剣士は冷静に剣を構えた。
「だが、最上位悪魔を宿す我々には敵わない」
姿が見えぬ程の魔力の暴嵐から出てきたのは、三人の男女を先頭に防寒対策と言わんばかりな服装を着用した者達が10名ほど現れた。
「ダンテ兄。コイツらどうするの?」
「‥配下に加えるのですか?」
王冠を被り、無精髭を生やし、額に十字を思わせる黒い痣が幾つもあるマントを羽織った中年男に問う右目に眼帯を付け、頭にティアラを装着した女性と左目と額に大きな黒い十字の痣をつけた青少年が尋ねた。
この三人の共通する所はそれぞれ強大なバヴェルと同じ悪魔の魔力波長を持っている事と、ふさふさの毛皮が着いた黒マントを装着しているという事だけだ。
「必要なのは、彼等が護っているあの女だけだ。他は必要は無い」
「じゃあさぁ。殺してもいいよね!!」
ダンテを呼ばれた男が二人の質問に答えると、女性の方がいきなり元気よく無域異界ラグヴァベインと呼ばれた魔導士の内、彼等の魔法と相対した三人が護っている人物を除いて殺す事を尋ねた。
「ヴァニカの好きにしなさい」
「やったぁ~~~~~」
ヴァニカと呼ばれた女性はとても喜んでいた。
「ダンテ様。あんな雑魚共、我々に任せて下さい」
そう言ってきたのはダンテやヴァニカ達の背後にいる男がしゃしゃり出る。
男は盲目と言わんばかりに両眼に傷を負って目を瞑った状態にありながらも、一切不自由なく地形によって足下が覚束無い状態になる処か、杖などを使うことなく真っ直ぐ歩けるダンテよりも更に年老いた人物だった。
「はぁ~?なんでアンタなんかに‥」
ヴァニカはそんな彼に苛立ちと殺意の籠もった視線を向けていた。
そんな彼女を止めたのは彼女の兄であるダンテだった。
「相変わらず忠義が強いなフェドリア」
「それが我が一族の使命にして宿命‥‥」
フェドリアと呼ばれた男はそう告げた。
「行ってくるといい」
「えぇーっ!!?ちょっとダンテ兄!私に殺せてくれるって言ったじゃん~~~~~!!」
ヴァニカは目的の人物を除く人物達を殺せない事に不満の声を上げた。
「まぁ見てなさいヴァニカ。我々ゾクラディス兄弟に長くから使えている者の実力くらい見るのもいい。ゼノン、君はどうだい?」
ダンテはもう一人の兄弟に話を振った。
話を振られたゼノンと呼ばれる者は静かに語る。
「‥‥使える悪魔憑きの選別が出来る」
ゼノンの言葉を聞いて、フェドリアの背後にいる彼等ゾクラディス兄弟の部下として使える悪魔憑きを選抜しようとしている事を知った一般兵達は、焦りながらもたった四人を倒し捕まえるだけの事だとしか考えていなかった。
しかし、フェドリア以外の単調的な愚考は行動にまで影響を及ぼすかと思われたが、フェドリアが一瞥するだけで彼等は冷や汗を流し、動けぬ状態でいた。
「魔王の軍勢ならば、愚行を行なうな」
__感情魔法"選抜の意志"__
彼等の周りにいるダンテ達から悪魔憑きとして与えられた悪魔の力。
しかし、悪魔の力を受け取れたとしても、
それは冥府にいる悪魔と現世にいる人間との間には悪魔が自由に行き来できぬ扉がある。
その扉が開かれぬ限り、悪魔は現世に現れる事が出来ず、悪魔憑き‥‥つまり、人間と契約して現世で力を行使する以外に方法がないのだ。
そして、その扉は同時に人間と悪魔との力の
つまりダンテやヴァニカも契約した悪魔の8割しか使えないという事だ。
彼等ゾクラディス兄弟でも8割に至るのに苦労したのに、その部下‥‥‥いや、彼等からすればただの奴隷・雑兵程度の扱いでしかない者達から最低でも40%を越える悪魔憑きを部下に入れようとしていた。
フェドリアも40%を越えた悪魔憑き。
そして何よりもダンテの人間の本性に関して共感し、彼に心の底から服従と経緯を持っている彼は統率性のない者達の感情を支配して統率を行なった。
統率された30名の40%以下の悪魔憑き達は、それぞれ風や岩・炎や水魔法を使って三人に攻撃を始めた。
「カルスノン!」
「わかっている!」
100を越える魔法の数々に魔銃砲魔法の魔導士ことカルスノンは魔導書のページを変えて、別の魔法を行使した。
__魔銃砲魔法"三千世界の暴虐連射"__
カルスノンの周りに突如と具現化した三千の火縄銃。
火縄銃の銃口には小さな魔法陣が浮かび上がり、三千を超える銃撃が放たれる。
ドォンッ!ドォォォオオオオオオオッッッッッッッン!!!!
三千を超える銃撃が襲い来る魔法の数々を貫くか、相殺していきそれによる爆発音が鳴り響く。
魔法同士の衝突によって砂塵が舞う中、霧や雪魔法の魔導士が四人を囲う様に魔法を展開し、彼等の視界を奪ったのだ。
視界を奪われた無域異界ラグヴァベインの魔導士三人は、護衛対象から離れようとせず、三方向に分れ、互いに背を預けながら敵の奇襲に備えた。
「‥‥無駄だ」
フェドリアは彼等三人の動きに対処する様に新たな魔法を行使した。
__感情呪符魔法"
闇と毒を思わせる様な黒紫色に侵食し続ける禍々しい大地が彼等三人だけに当たる様に円を描く様に範囲を決めて、円の範囲を狭めていった。
それだけでなく、霧や雪魔法による視界の錯乱までも行なわれているのだ。
その中には魔力撹乱といった魔力感知を邪魔する魔法までも加わっている"恐怖の蝕み"に対して、見るからに触れてはならぬ程の悍ましさと禍々しさを秘めた大地を見たダンテの高速の岩山の塊を斬り裂いた女剣士は剣を大地へと突き刺した。
__剣士魔法"絶魔の剣山"__
突き刺さった剣から発せられた魔剣は、魔法の拒絶化という能力を秘めた魔剣が天から地へと降り注ぎ、山の如く連なるのだった。
連なった魔剣に触れた魔法は例え"恐怖の蝕み"すらも拒絶していき、時間遡行する化のように消えていった。
「成る程‥‥‥」
「余所見してる場合か?」
敵の情報を集めるために態と対抗できるような魔法や感情を支配した悪魔憑きを使って収集していた。
しかし、それを目敏く感づいていた碧髪に蒼眼の男が輝かしく神聖さを秘めた二叉の槍を両手に持ってフェドリアに向けていた。
__神槍騎魔法"
二叉の槍は全体に黒き光を帯びた。
そんな槍を投擲するラグヴァベインの槍使いの男。
投擲された"死神王の二叉槍"は黒い閃光を思わせながらフェドリアへと向かう。
そんな攻撃にフェドリアは攻撃を躱すように動きながら、別の魔法を行使して、彼の"選抜の意志"によって操られている悪魔憑きの5名を相手の魔法の餌食とした。
しかも、5名とも魔法によって防御していながらだ。
5名はそれぞれ岩や砂金、砂鉄、鋼、金剛石などの硬度を誇る魔法を有する者達だった。
これらの非自然系と自然系の硬度を誇る魔法属性五つによる魔法防御が複合した。
__複合魔法"
最高の硬度へと至った貴金属によって出来た白色の魔法盾。
最高硬度の魔法盾VS死へと誘う神の槍。
正しく矛盾となろうとしている中、矛と盾の距離は縮まり続け、"死神王の二叉槍"の矛先と"最高貴金属盾"のプレート部分が衝突しあった。
ガキィンッ!!!
鈍い音が鳴り響きながらも、白色と黒色の魔力色がこの場を埋め尽くした。
荒々しい強魔地帯の魔の嵐の中に、二つの魔法が衝突した事による魔力の嵐が彼等を襲うが、ダンテ達側では80%の悪魔憑きは動じることはなく、40%以下の悪魔憑きは目を覆ったり吹き飛ばされないように抵抗していた。
神槍騎魔法を行使したアキランダー・レイサウスと共に一人の女性を護っているカルスノンと女剣士シドイン・セレヴァーは護衛対象を守る様にそれぞれの魔法による防御魔法を行使して守り続けた。
しかし、衝突する二つの魔法の拮抗が消え、槍が五人の悪魔憑きを貫いた。
貫かれた悪魔憑きの背後の魔力場や強魔地帯に住まう魔法生物すらも死に絶えていた。
「周囲の魔力ごと死に追い遣る槍か‥‥脅威だが、既に詰みだ」
「なに‥‥?」
__感情創成魔法"
この場に舞台劇場が生み出された。
劇場が生み出されただけで、特にこれといった変化はなかった。
あるとすれば、カルスノンの銃砲魔法の標準制度が狂い、敵の悪魔憑きの魔法射撃制度が上がり始めた。
「くっ‥‥!?」
「何をやっているカルスノン!」
「‥‥違う。あの男の感情魔法とやらに感覚が鈍り続けている」
カルスノンに抗議を上げるアキランダーだが、先程まで一切の口を開かなかったシドインが初めて意見を告げた。
__複合魔法"幻惑の落石"__
岩魔法と霧魔法の複合魔法による視覚が通じない攻撃に襲われるシドイン達。
彼等はそれぞれ防御用の魔法を自身の周囲に展開するも、彼等は"幻惑の落石"を3/10程度しか防げずじまいだった。
「お前達の五感すらも私の感情魔法が支配しつつある。お前達は他の悪魔憑きによる攻撃も防げず死に行け」
"幻惑の落石"の猛攻による砂塵が吹き荒れる中、フェドリアがそう言った。
彼等‥‥‥いや、フェドリアの魔法の厄介さに苦戦するシドイン達は苦渋の表情へと変わっていく。
そんな部下達とラグヴァベインの魔導士との戦いを見ていた[漆黒の三極性]達はというと‥‥‥
「どうやら、思ったよりも40%の悪魔憑きはいるようだな」
フェドリアを主とした彼等の戦いを見ていたダンテはそう決定づけた。
「そうですね」
ゼノンが相槌を打った。
例えフェドリアの感情魔法で感情の部分を勝手に弄られていようとも、弄られている悪魔憑きの同調率に変化が起こるわけではない。
それは個々人による変化なのだ。
故に、[漆黒の三極性]は悪魔憑き内で40%以上の力を身につけている者を自分達の直属の部下‥‥‥[漆黒の使徒]として使える存在を選んでいた。
例え、40%で意味が無くても、彼等にとっては唯の駒に過ぎない為、彼等に悲しみなどはない。
__
そんな[漆黒の三極性]の事など気にも止められぬラグヴァベインの魔導士達は互いの魔法属性を、一つの瓶内に三色の水を
銃砲魔法の攻撃力・神槍騎魔法の範囲力・剣士魔法の瞬間力。
この三つが掛け合わさった事で行なわれた"天冥三騎士の魔導領域"はフェドリアの魔法ですら覆せぬほどの効果を秘めており、"幻惑の落石"と"戦慄の舞台劇"を破壊して周囲一帯の悪魔憑きを瀕死へと追い遣った。
「‥‥っ!!?」
フェドリアは左腕を押さえながら憎々しい感情を籠もらせた瞳で睨み付ける。
「そこまでだフェドリア」
新たに魔法を行使しようと考えていたフェドリアを止めたのはダンテだった。
フェドリアはダンテの制止を受けて魔導書のに記された別の魔法の使用を止めた。
フェドリアを止めたダンテは歩み始めた。
フェドリアは王を崇める様に片膝を付け、膝を付けていない側の足の膝に負傷した左手を添えて、右手は握り拳で地に軽く着け、頭を俯かせていた。
「無域異界ラグヴァベインの魔導士。本来の力を発揮するにはそこにいる[
ダンテはそう言うと、頭の両側から悪魔の角を生やし、背中に一対二翼の悪魔の翼を生やした。
彼に続く様に彼の妹弟も同じ様に形状は異なるが、悪魔の角と悪魔憑き以前の‥‥‥彼等の本来の魔法の影響が出ている翼を生やしていた。
「我々、[漆黒の三極性]に!!!」
「あはぁ~~~~~~漸く楽しめそう!」
「‥‥全ては、スペード王国の利益のために‥‥」
サイコパスな兄、ナルシストな妹、マキャベリストな弟。
十人十色ならぬ三人三色とはこの事だろう。
彼等が兄弟であろうと、三人が求めているものは一緒であろうと思考が全て同じであるわけではない。
故に、彼等が今度、何の目的のためにラグヴァベインの[混沌の姫]を襲ったのか?その先の計画がどうであろうと、兄の傲慢さ、妹の戦闘狂、弟の矜持は覆る事はない。
__重力魔法"魔王の御前"__
周囲一帯を重力を掛ける魔法。
これにより、四人のラグヴァベインは膝を付いた。
__神槍騎魔法"破魔槍の大結界"__
アレキサンダーの神槍騎魔法による結界が重力魔法を消去した。
これによって彼等は自由に動けるようになったが、フェドリアの魔法が解かれたとはいえ、彼の魔法の効果を受けていた時間が少しばかり長すぎたせいで、感覚を取り戻すには未だ完全とは云えない状態の彼等にとっては重力魔法を解いたとしても、80%近くの同調率を有するゾグラティス三兄妹に対して、護衛も行ないながらの戦闘はラグヴァベインの魔導士にとってはとても不利な状況下にあることは変わりなかった。
形成が確実に悪化している状況下に焦りを感じ始めた三人の魔導士。
しかし、そんな彼等に護衛対象であるリアラは平然と、確信を持った表情で告げた。
「大丈夫ですよ」
「え?」
「リアラ様?」
「‥‥‥‥それはどういう‥」
リアラに尋ねようとするが、彼女の発言の意味が彼等はすぐさま知る事になった。
それはラグヴァベイン側とスペード王国側との間に突如現れた空間魔法による魔法陣から白い発光が起きると、そこにはアルトが立っていた。
「‥‥さて、お前達は何者だ?」
アジト近くで諍いを起こしている彼等にアルトは敵対的視線を両側に向けた。
次回~「混沌の王」VS「漆黒の三極性」1回戦~