教会の皆から見送られながらアスタとアルト、ユノは魔法騎士団入団試験の為に平界へやってきていた。
三人が初めてやってきた平界では色々な店舗が開かれ、買い物をしている者や立ち話をしている者といた。
そんな光景を始めていた三人は物珍しく見ていたが、アルトとユノは自分達の目的である試験会場へと脚を進めていくが、アスタは試験会場に向かう際に焼かれた蛇を売っているおばあさんから買い、食べていた。
そんなアスタに呆れながらも、試験会場にやってきた三人は受付にて己の魔導書を見せる。
その中でも、四つ葉の魔導書と混沌の魔導書を見た受付の魔導士は驚きの声を上げ、二人の後ろにいた入団試験者は驚いていた。
因みにアスタの魔導書が余りにボロボロな為、疑われたのは余談である。
魔法騎士団入団試験会場には三人以外にも同じく入団を夢見てやってきた者が多数いた。
しかし、会場内では二つにわかれていた。
何が二つなのか‥‥‥それは試験会場には魔力が少ない者に集るアンチドリと呼ばれる鳥がおり、その鳥に集れる者と集れぬ者の二つにわかれているのだ。
因みにアルトとユノは一切のアンチドリが群がる事はなかった。
「オイ、あいつらだ! 最果ての町で"四つ葉の魔導書"と"混沌の魔導書"に選ばれたっていう────」
「四つ葉に混沌ゥ!!? ‥‥マジかよ」
「下民のくせに‥‥」
周りの者達は一切アンチドリに群がれられないユノとアルトの魔力量と四つ葉と混沌の魔導書に選ばれるほどの器に驚愕する者と嫉妬する者と別れていた。
そんな第三者の声など二人は一切気になどしていなかった。
「へっへっへっ‥‥オレらの誰かが魔法帝になる‥その伝説の始まりだなアルト、ユノ‥!!!」
アルトとユノが声のする方向へと顔を向けると残りの一人であるアスタは歴代初めて大量のアンチドリに集られる者となり、他の受験者に笑われていた。
アスタは大量のアンチドリに集られる事に嫌気を差し、全力疾走しながらアンチドリから逃げ続けていると、アスタが誰かの背中に衝突した瞬間、アンチドリは恐怖した表情でアスタから離れていった。
何故離れていったのか?
それはアスタが衝突した相手は九つの魔法騎士団の一つである[黒の暴牛]団の団長ヤミ・スケヒロだった。
アスタはヤミに頭を握り潰されかねない程の握力で握られる。
しかし、アスタも抵抗するように全身の筋肉を使い対抗しようとした。
その動きにヤミは少しばかり驚愕した。
そんな奇妙な事を行なっている二人に呆れているアルトとユノ。
しかし、彼等がこんな事をしている事など一切気にせずに、試験者がいる一階よりも更に上の階に現魔法騎士団の団長と付き人が現われた。
団長達が現われたという事でアスタの頭を握り潰しかけたヤミはすぐさま団長達のいる階へと向かった。
団長達が全員集合すると、魔法騎士団最強の団である[金色の夜明け]団の団長ウィリアム・ヴァンジャンスが魔法を発動し、試験者全員に箒を与えた。
その後、入団試験が始まった。
箒による飛行試験から始まって色々な試験が行なわれた。
その際にアルトとユノは同率の一位に等しい結果を出していたが、魔力のないアスタは完全に最下位に等しい結果を出していた。
そして最後の試験内容は実戦だった。
しかし、魔法騎士団員と実戦をするわけではない。
では誰と実戦を行なうのか?
それはとても簡単な事だ。
対戦相手は入団試験者だ。
一対一の大戦形式で戦う事になり、勝敗によっては先程までの試験結果以上に入団に関して響く事になる。
それに気付いた者は尚気を引き締める事になる。
そして、その重要な実戦に最初に試合を行なうのはアスタだった。
アスタは先程までの試験でずっとアスタの隣で魔法を行使していたチャラ男___セッケだった。
彼は一切の魔力行使が出来ないアスタを使って自分が良い団に入団できるための引き立て役として話し掛けて仲良くなり、自分の評価を上げていた。
アルトとユノ以外の受験者達もアスタのような魔力もなく、試験結果も最下位の存在を相手にするなどチャンスとしか言えない。
故に、アスタと対戦するセッケをラッキーな奴と思っている受験者達だったが、彼等の次ぎに視認する光景に唖然とする。
唖然とする出来事‥‥‥それはセッケの青銅魔法による全方位の障壁と攻撃を兼ねた創成魔法を相手にアスタはボロボロな大剣を用いて一撃で切り伏せた。
到底ボロボロな大剣で壊せぬ様な障壁をいとも簡単に壊し、障壁内にいるセッケを一撃で倒したのだ。
ボロボロな大剣な為、切れ味は悪いようだが打撃の威力はとても高く、アスタの努力の結晶である高い身体能力でセッケを倒したのだった。
今までの試験結果から低能と思っていた人物が一撃で相手を倒した事に他の受験者は唖然とし、出てきた言葉は困惑でしかなかった。
そんな受験者の言葉が五月蠅かったのかアスタは試験会場の逢頼で「魔法帝になる!」と高々と宣言した。
そんなアスタに笑みを浮かべるアルトとユノ。
しかし、先程まで唖然としていた受験者はアスタの夢を馬鹿にするのは余談である。
その後、模擬戦が続いていき、ユノも強大な魔法を見せつけ完全勝利した。
そして、最後の模擬戦は残りのアルトと貴族出身の子供だった。
「下民のゴミが、いい気になりやがって!!」
「たかが生まれた場所の違いで罵倒とは‥‥器の小さい者しか生まれないのが王族と貴族のようだな」
アルトの対戦相手は下民でありながら混沌の魔導書を手にした事に苛立ちを浮かべており、罵詈雑言を告げようとするが、逆にアルトに罵倒されて更なる苛立ちを抱いた貴族出身の子供は自身の魔導書を開き、特大の炎魔法をアルトに叩き付ける。
「下民が偉そうにしてんじゃねぇよ!!」
「それで終わりか?」
『「ッ!?」』
貴族の子供が放った炎魔法をアルトは片手で握り潰していた。
あまりに非現実的な現象に驚愕を隠せない貴族の子供と受験者達。
「燃やすなら‥‥」
アルトは先程の魔法がとてもくだらなく思って仕方が無く。
代わりに炎魔法の見本を見せるかのように、混沌の魔導書を開き、魔導書に籠もる白と黒の魔力の光が紅く輝き初めた。
アルトは左手の人差し指をを天に向けるとそこから炎魔法が発動した。
しかし、その炎魔法を見た魔法騎士団長は興味を持ち、先程まで馬鹿にしていた貴族は恐怖に染まり、他の受験者は驚愕の余りに目を見開き顎が外れそうな程に口を開いていた。
___混沌炎魔法"
太陽を如き熱の玉がアルトの左手の人差し指に出来ていた。
その熱の玉が放つ熱量と眩しさは正しく太陽と言って言い程のものだった。
「‥あっ‥ぁぁ」
「‥‥‥こういうことを言うんだ」
アルトは貴族の子供に太陽がある人差し指を向けた。
すると、太陽は貴族へと向かって行き、貴族の子供に衝突して貴族の後ろにあった壁にぶつかった。
「ギャァァァアアアア!!!!!!」
太陽の熱量に壁や大地が融解してしまい、ドロドロな状態へと変わっていく。
それほど熱量を人間が受ければ当然のごとく肌が焼け爛れていき、髪の毛すらも燃やされていった。
そんな貴族に情けを与えたアルトはパチンっと指を鳴らした時に"無慈悲な太陽"が消え去った。
すると、太陽に焼かれていた貴族は全身黒焦げに等しいほどに焼け爛れていた。
そんな状態を見た魔導士はすぐさま生きているかを確認した。
「い、生きてる‥‥勝者163番」
貴族の子供は全身焼かれていながらも生きており、アルトの勝利を告げる。
だが、すぐさま回復魔導士を呼ぶが、全身大火傷の状態から遥かに悪化した様な状態である貴族の子供を救えるかとても怪しく、貴族の子供がここで息を引き取ればアルトが罪人になるだけだ。
貴族の子供をここまで追い込んだ当の本人は倒れている貴族の子供と回復魔導士達に近づいた。
近づいてきたアルトに魔導士は警戒をするが、アルトは警戒してくる魔導士など眼中になく、彼は紅く光る魔導書の魔力を白色の魔力光へと変換して新たな魔法を発動した。
___混沌回復魔法"再生"___
アルトが貴族の子供に回復魔法を施した。
すると、貴族の子供が負った重傷が一瞬の内に消え去り、焼かれた服までも攻撃を受ける前の状態へと変わり、続いて、融解された壁と大地も元の状態へと変わっていた。
その光景にアルトを除く全員が目を見開いて驚愕していた。
"再生"を掛けられた貴族の子供はうめき声を上げながらも呼吸をしており、閉じていた瞼をゆっくりと開けていく。
貴族の子供が完全に目を覚ましたため、アルトはアスタやユノの元へと向かって行った。
貴族の子供は頭を抑えながらも自分の状態が攻撃を受ける前の状態になっていた為、自分が味わったのは幻覚だと思い、自分を虚仮にしたアルトに憎悪の感情が籠もった視線を向ける。
そして、受験者の中でも飛びっきりの実力を見せたアルトに団長全員が自信の団に欲しいと言わんばかりに視線を向けていた。
全ての受験者の模擬戦が終えた為、実戦試験が終了し、受験者の合否発表が行なわれる事になった。
合否発表は呼ばれた番号順に団長が挙手した場合、その団に入団できるが挙手されなければ入団できない。
合否発表までに至るまで時間がどうしても掛ってしまい、既に夕暮れの時期になっていった。
それからは1番から順に呼ばれていくが、中々団長に挙手される者が居らず、初めて挙手されたのは紫のローブを羽織った団[紫遠の鯱]団の団長ゲルドル・ポイゾットによって入った十数番目の者だった。
それから団長が挙手していく事が多くなったが、それでも受験者の数より遥かに少なかった。
そして、呼ばれる受験者の数が増えていき、漸くアスタとアルトとユノの番号である160番台へと当たり、等々アルトの番号が呼ばれた。
『次ぎ‥‥163番』
「はい!」
呼ばれたアルトは返事をすると、162人がした様に列から前に出ていった。
『えっ』
すると、周りがざわつき始めた。
それもそうだ。
何故なら、全団長が挙手していたのだから。
入団するだけでも難しく、更には好評な団に選ばれるにはそれこそ更なる難易度が存在する。
よって全団長からの挙手など前代未聞の出来事なのだ。
全団挙手、または複数の団長から挙手された場合は受験者が決める権利がある。
よってこの場合、アルトがどの団に入団するかを決める権利があるのだ。
そして、アルトが決めた団とは‥‥‥‥‥‥‥
「[紅蓮の獅子王]団でお願いします」
アルトは[紅蓮の獅子王]団を選んだのだった。
そして次ぎに呼ばれたのはユノだった。
『次ぎ‥‥164番』
「‥‥‥はい」
ユノは胸のペンダントを握った後、勇気を振り絞って歩いた。
すると、またもや全団長が挙手した。
二人目の全団挙手に更にざわめく受験者達。
自分のライバル二人が全団挙手を受けている事にユノの次の番号であるアスタは目を見開き驚きながらも納得していた。
そして、ユノは目標である魔法帝になる為に一番近い団に入団することにした。
つまり、
「‥‥[金色の夜明け]団でお願いします‥‥!!」
ユノは最強の団である[金色の夜明け]に入団することになった。
有力候補である二人を取られた事に残念がる団長もいた。
そして、漸くアスタの番になった。
『次ぎ‥‥‥165番』
「はい!!」
アスタは返事をしながら前に出ていく。
しかし、団長達から挙手されなかった。
それはつまり、入団降格ということだった。
その現実にアスタは悔しさを感じていた。そんな時にある1人の団長が話し始めた。
「そりゃそーだわな」
何と話し掛けたのは入団試験の直前でアスタがぶつかった人物であるヤミ・スケヒロだった。
ヤミは座っていた席から立ち上がり、受験者達がいる場所へと降り立った。
「たとえ高い戦闘能力を持ってようが、それが得体の知れねぇ力は誰も手ぇ出さねーわ」
ヤミは煙草を噴かしながらもアスタへと歩み寄って行く。
「‥なんやかんやで‥結局魔法騎士に求められるのは‥‥‥」
アスタに近づいていたヤミの空気が一変した。
「魔力だ」
ヤミから放たれる膨大な魔力量とプレッシャーに周りにいた受験者は震え上がる。
しかし、魔導書を奪われた際にアルトの圧倒的な魔力量を体験したことがある2人からすれば、ヤミと比べるまでもなくアルトの方が震え上がるが、あの時と違いがあるのならば、アルトは魔力量による重圧だけだったが、ヤミはそこにプレッシャーも加えている為、魔力量だけで重圧を掛けていたアルトよりも更に上をいくものであった。
「お前さっき‥魔法帝目指してるとか言ってたな? ‥つまり‥騎士団長を越えるって事だよな? ‥今オレの目の前でもまだ‥‥‥魔力のない分際で魔法帝になるとほざけるか?」
アスタはプレッシャーの中、ヤミからの質問に一歩も退くことなく堂々と告げた。
「────ここで魔法騎士団に入れなくても‥‥何度コケても、誰に何を植われようと、オレはいつか魔法帝になってみせます!!!」
そう言ったアスタを見て、ユノとアルトはアスタらしい発言に笑みを浮かべるも内心は魔法帝になるのはオレだ! っと思いながらアスタを見つめ、他の受験者達はアスタが魔法帝になることなど出来ないと馬鹿にしていた。
そして、質問をしたヤミはというと‥‥
「ワハハハ!! お前面白い! [
「‥‥‥‥‥え?」
大笑いしながら、アスタを自身の団に勧誘した。
先程までのプレッシャーが消え、突然の勧誘に呆けた声を上げてしまうアスタ。
そして試験結果最下位のアスタを入団させるヤミの言葉にざわつく他の受験者達。
「ちなみにお前に拒否権は無ぇ」
「(えええええ!!?)」
選択権を与えていない横暴な発言に内心で困った声を出すアスタ。
しかし、次のヤミの言葉にアスタは感動するのだった。
「そしていつか‥‥‥魔法帝になってみせろ」
初めて自分が認めて貰えた言葉にアスタの心が嬉しくない筈が無く、ヤミからの言葉に先程以上に元気の良い返事を返すのだった。
その後、入団試験は予定通り終了し、入団が決まった新入団員は自身の団の団長の下へと歩むが、アスタとアルト、そしてユノはその前に3人だけで出会い、挨拶をしてから自身の団の元へと向かうつもりだったが、その際にアスタが腹を下したのかトイレに颯爽と向かって行く。
そんなアスタに忍び寄る一つの影。
その影はどうやらアスタと模擬戦をしたセッケだった。
彼はアスタを使って良い団に入団して適当に頑張ろうとしていたようだが、アスタに敗北した事で魔法騎士団内でも中位の団である[翠緑の蟷螂]団に入団が決まった。
アスタに敗北した自分が悪いのにも関わらず、彼は逆恨みでアスタに呪詛魔法を行なおうとしていたのだ。
しかし、セッケの呪詛魔法が籠もった青銅の蜥蜴は風魔法で出来た白い鷹によって捕まえられ、無力化されていた。
その白い鷹の魔法を行使したのはユノだった。
セッケはユノが相手だと勝てないと思って言い訳をするもユノの威圧に絶えかねて颯爽と逃げていった。
トイレの入り口にはアルトも魔導書を掴んだ状態で様子を窺っていたが、自分の出番はなかった為、すぐさまトイレから離れていった。
そんな事があったことに気付かずにアスタもトイレから出て行って自身の団の元へと向かう。
そんなアスタに話し掛ける事もなくユノも自身の団の元へと向かった。
それぞれ三方向へと別々の団の元へと向かって行く。
一方最初に団の元へと向かったアルトは既に集まっていた自分と同じ新入団員と[紅蓮の獅子王]団長とその付き人の元へ遅れてきた為、急いで走ってやってきた。
「すみません、遅れました」
「気にするな。よし! 全員揃った所で‥‥私が[紅蓮の獅子王]団、団長のフエゴレオン・ヴァーミリオンだ。隣にいるのは弟のレオポルド・ヴァーミリオン」
フエゴレオン・ヴァーミリオン___クローバー王国に存在する三つの王族の一家であり、歴代[紅蓮の獅子王]団の団長を務めているヴァーミリオン家の長子。正義感の強い熱血漢で、身分差を気にせず対等な姿勢を貫き、団員からの信頼も厚い人物だ。
レオポルド・ヴァーミリオン___フエゴレオンの実弟にして同じ[紅蓮の獅子王]団の団員。フエゴレオンには及ばぬが兄同様に熱血漢な男。しかし、フエゴレオン以上に五月蠅い部分が玉に傷である。通称__レオ。
そのレオはアルトの元へと歩み寄り、こう言い放った。
「オレはレオポルド・ヴァーミリオン! 先の炎魔法は中々のモノだった。貴様を我がライバルにしてやろう!!!」
レオは大声でアルトに向かってライバル認定を告げる。
まさかの王族が下民をライバル認定した事に驚く他の新入団員。
「俺のライバルはアスタとユノだけだ」
「なにっ!? 俺以外にもライバルが既にいたとは‥‥」
「(話しを聞けよ)」
ライバル認定されたアルトだったが、アルトは最初からアスタとユノしかライバルとして認めて居らず、レオの事など眼中になく、ライバル認定を否定したが、レオは人の話など聞いて居らず既に2人もアルトにライバルがいることに驚いていた。
そんな2人にフエゴレオンが一回咳き込んだ後、話題を変えた。
「んんっ! それではアジトへ向かう」
フエゴレオンはそう告げると、自身の魔導書を開き炎魔法によってできた数匹のオスのライオンを創成した。
彼はそのライオンに新入団員を乗せてアジトへと向かうようだった。
「よぉし、アルト!! どちらが最初にアジトに付けるか勝負だ!」
「俺、アジトの場所知らねぇぞ」
アルトが新入団員としての正論を告げるもレオは一切聞いて居らず、炎魔法で兄と同じく獅子を作り出すとその背に乗って向かって行った。
しかし、アルトはライバル認定していなかったが、負けず嫌いなため、彼は魔導書を開きドラゴンを創成した。
____混沌創成魔法"冥灯龍ゼノ・ジーヴァ"____
橙に輝く瞳に、目のようにも見える六つの紋様を持つ特徴的な顔立ちに蒼炎に輝く、マガラ骨格の巨体が特徴。分かりにくいが皮膚は透明度が高く、内部の骨のようなものが薄っすら見えるほどの透明度を持つ一対二翼のドラゴンが創成された。
創成されたドラゴンは先程のフエゴレオンの炎の獅子を越える程の大きさを創成していた。
そんなドラゴンを創成したアルトは息一つ乱れて居らず、ドラゴンの背に乗ってレオの後を追っていった。
そんな2人にフエゴレオンは呆れてしまい、新入団員を乗せて2人の後を追っていった。
フエゴレオンが新入団員を連れて居っていくと既にアルトはレオの獅子に追いついており、レオはアルトに負けまいと五月蠅く叫びながらアルトよりも先に行こうとするが、アルトは悠々と追い抜いてしまう。
しかし、アルトは態と同じ速度で同じ位置にて飛行していた。
何故なら、彼はアジトを知らぬ為、追い抜き追い越されぬ位置にて維持していた。
そんな2人にフエゴレオンが颯爽と前に出て行った。
「遅いぞ2人とも」
フエゴレオンの挑発的な発言に流石のアルトも感化され、フエゴレオンに追い越そうと"冥灯龍ゼノ・ジーヴァ"に速度を上げさせた。
そんな兄とライバルが先へ向かう為、競争心から大声を上げて追っていくのだった。
そして、[紅蓮の獅子王]団のアジトへとついたアルト達。
最初にアジトに付いたのはフエゴレオン、次ぎにアルト、そしてレオポルドだった。
「彼処が[紅蓮の獅子王]のアジトだ」
『おぉー』
新入団員は歓声をあげた。
フエゴレオンやアルト達はここまでやってくる際に乗っていた獅子やドラゴンから降りて消した。
フエゴレオンは新入団員に身体を向けて歓迎の言葉を告げる。
「よく来た! ここがお前達の[紅蓮の獅子王]だ!!」