前回のあらすじ~
フエゴレオンによって命令を受けたアルトとレオポルド。
アルトの作戦で罠を張るも、夜盗の半分しか罠に掛らなかった。
アルトの魔法によって夜盗のアジトへとやってくるも、アジトには残りの夜盗と裏切りの貴族がいた。
その貴族の中には魔法騎士団・入団試験でアルトと実戦した貴族の子供がいたのだった。
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夜盗のアジトにて再会したアルトと貴族の子供。
レオポルドもアルトよりも遅く、彼の存在に気付いた。
「奴は、入団試験でアルトに負けた相手だな」
「‥‥どうやら、彼等が裏切り者でいい様だ」
アルトはほんの数秒前、驚愕で思考が少し止まっていたが、すぐさま気を取り直し、残り約40名近くの夜盗と貴族親子を目の前に臨戦態勢を取る為、魔導書から"聖剣エクスカリバー"を取りだした。
「行くぞレオ。全員捕まえる」
「任せろ!」
アルトとレオポルドがそう告げると、二人は夜盗へと襲撃した。
レオポルドは炎魔法を駆使して夜盗を燃やし、アルトは剣技と炎や風、水や土など無数の魔法属性を行使して倒していった。
魔法騎士団には星取得数による称号がある。
新人団員は全員、五等下級魔法騎士の称号で、五等下級から~一等下級魔法騎士、五等中級~一等中級、五等上級=一等上級魔法騎士。
そして、大魔法騎士と魔法帝という称号に上がっていく事になる。
無論。これには、任務によって得られる星を個人がどれ程取得したかによって称号が進級する事になる。
しかし、これは称号の始まりが新入団員が全員五等下級魔法騎士から始まるというだけで、称号=実力というのは大半がそうであっても、得希にその法則から外れた者が現れる。
アルトがその一人である。
既に[紅蓮の獅子王]団の一等上級魔法騎士である副団長のランドールを敗北させたのだ。
それは即ち、アルトに上級魔法騎士としての実力が存在しているという事だ。
その通り、夜盗の中には下級は勿論のこと、中級魔法騎士や上級魔法騎士が数名ほどは居たが、アルトとレオポルドは示し合わせたかの如く、見事な連携で敵を戦闘不能へと追い遣っている。
残り十人ほどになった所で、暴れていた二人が止まった。
____混沌雷魔法"
聖剣を持たない左手にアルトは雷で出来た巨大な戦鎚を雷轟と共に放った。
____炎魔法"螺旋焔"____
レオポルドは両手に螺旋状の炎魔法を放った。
二人の魔法が残りの十人へと襲う。
障壁魔法で攻撃を防ごうとするも、破壊力のある"雷霆の戦鎚"が障壁を壊し、レオポルドが相手を焼いたのだった。
残ったのは、軽傷の夜盗のボスと貴族の親子だった。
倒れた夜盗達を見て、貴族の子供はワナワナと現実を受け入れがたく、怒りをぶつける様に二人に告げる。
「なんでだ‥‥何でだよ!? 上級魔法騎士以上の夜盗だって居たんだぞ! なのに何で‥‥何で倒れねぇんだよ!!!」
貴族の子供はまるで何かに縋るように喚き散らした。
しかし、アルトはそんな言葉など気にもしてなかった。
「巫山戯たことを言っている? お前は私腹を肥やす為に、関係ねぇ人を巻き込んだんだ。それがどういう事かわかってるよな。敵に絶望の淵に叩き落とす。それが俺の戦い方だ」
アルトはそう告げると、右手に"螺旋丸"を作り出し、レオポルドは同じく掌に炎魔法を準備した。
「行くぞレオ」
「おう!」
二人の掌の魔法が重なる様に重なり合い、魔法が放たれた。
____合体魔法"炎風暴燼砲"____
炎魔法に乱回転の圧倒的な威力を有した圧縮された風の球体によって乱回転の大破壊力を有した炎魔法へと変化させて、残り三人を襲った。
ドッガァァァン!!!! と轟音が鳴る中、魔法によって舞う煙がアジト内を充満し、煙が晴れるのに一分以上の時間が必要になってしまったが、煙が晴れるとそこには夜盗のボスと貴族の子供が、全身を裂傷と大火傷という被害を受けて、白目を向けて気絶していた。
しかし、貴族の男が消えていた。
彼が立っていた場所には大量の血だまりがあった為、攻撃を紙一重で躱そうとするも、躱しきれず怪我を負いながら逃げたのだろう。
煙が晴れるのに待ってしまった為、今から追うのは簡単だが、倒した約50名の夜盗と罠に掛けた50名を連行する手段を選んだ。
貴族の男に関しては、彼が雇っていた夜盗を捕まえた為、彼等に白状させれば掴まるのは時間の問題だった為、逮捕に焦る事はなかった。
二人は[紅蓮の獅子王]団のアジトに報告してから、魔法騎士団の本部へと連絡して、牢屋の準備をさせた。
アルトは鎖魔法を使って倒した50名と貴族の子供を拘束し、罠に掛けた50名を地形ごと拘束する事で逮捕した。
"冥灯龍ゼノ・ジーヴァ"を創造し、鎖魔法で繋げた盗賊達を魔法騎士団本部へと連れて行った。
しかし、その考えが、すぐさま泡沫へと消えるとはこの時、アルトでも知り得なかった。
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アルトとレオポルドの攻撃から逃れ、ある洞窟内へと逃げ延びた裏切り者貴族は息を切らしながら、負傷した部分から大量の血を流していて、意識が朦朧としていた。
洞窟内には松明が掛けられており、明るかった。
「どうかしたのかい?」
そんな中、若々しい声が貴族に話し掛ける。
声のする方へと視線を向けるも、松明の光と洞窟の岩場などによって顔の部分が見えずにいた。
しかし、首より下の部分は白八割と黒二割の配色を持ったローブに、三つの目の様な装飾が付けられていた。
声からして、話し掛けてきたのは男性であることは分かった。
「どういう事だ? アンタが無事は補償するって‥‥」
「君は私たちの動きを誤魔化すための捨て駒だよ」
「‥‥にッ!?」
貴族はその男の言葉に驚愕した。
「ありがとう。貴方のお陰でこちらの計画は順調に進んでいるよ」
男のその言葉に貴族の男は驚愕から憤怒へと変えて魔法を行使しようとする。
「巫山戯るなぁぁぁああああ!!!」
____炎魔法"至上なる聖炎"____
傷の痛みなど忘れて、右手に炎魔法を放とうとするが、彼の炎魔法を遥かに超える速度で男の右手を切断した光る何かが通り過ぎた。
____光魔法"断罪の光剣"____
ローブを羽織った男は光魔法を行使して男の右手を切り落していた。
ローブの男の周りに現れた光の剣が無数が貴族の男へと襲い、顔や心臓、足などを貫き絶命させた。
「さて愈々、彼の持つアレを手に入れるとしようか」
貴族の男を殺したローブの男は黄金の冊子を有した魔導書を閉じた。
その魔導書に描かれたクローバーには四つ葉だった。
次回~果たされた約束~