ルガーランスはぁ!こう使う! 作:ミツヒRo・バートランド
我々は心拍数によって緊張を理解した
閲覧ありがとう……この島の読者に感謝を
3か月たった。
大体、現状と原作知識のすり合わせができたと思う。
あとはなんか……急激に身長が伸びた。具体的に言うと10歳くらいだな。
普通の出自じゃないとは薄々思っていたけど、この流れはもしかして……。
まあいいや、
結論からいうと、現在は2140年。原作開始が2146年だから、6年前だろう。
それとL計画あるいはそれに類する危機回避プランは避けられなさそうだ。何ならそれらしい動きがアルヴィスである。狩谷先生が盗聴していたからな……。
俺が転生する1年前、つまり去年。一騎たちがフェストゥムに答えてしまっていたらしい。
これに関してはどうしようもない、過去改変なんて起こせないわけだから。
大事なのはこれからだし、一騎たちが答えずとも新国連がしびれをきらして絨毯核爆撃なんてやってきたら目も当てられん。原作に近い分俺が対応しやすいと考えよう。
というわけでL計画が発動されるものとして動くしかない。
俺も原作知識を事細かに思い出せるわけじゃないが――というかBEYONDは結局見られなかったからわからん。あまりに遠すぎて今は考える必要もないだろうけど。
ともかく、目標とするのは…………L計画の成功だ。
もはや阻止不可能なら次点で成功させるしかない。全員で生き残る。
ならL計画とは何だったかを思い出せ。
L計画――生駒正幸が発案した危機回避プラン。アルヴィス左翼のLボートを囮にして島の平和維持とノートゥング・モデルなど戦闘準備が完了するまでの時間稼ぎを目的とした計画――ファフナー4機、パイロット8名、その他大人を加えて40名で60日間フェストゥムからLボートを防衛し続けるものだ。
その結果は、誰も帰ってこなかった。Lボートはフェンリルという自爆装置でふっとび、生存者もフェストゥムに同化され、生き残ったパイロットも思いを未来に託して散った。ただ、この時の記録がのちの戦いに役立ってくる……。
そしてこの計画を描いたアニメが「RIGHT OF LEFT」である。
RoLは後付け作品だったが、評価の高い良作だ。涙なしに見れない……俺も何度見返したことか。主人公である将陵先輩と祐未の関係はもちろん、本編一話で死んでしまったキャラが生きていることや本編以上の黎明期ファフナーのやばさがわかるなど、ファンたちにとって魅力があふれていた。それと将陵先輩の声優はこの時の演技が元でガンダムの主役に抜擢された話もあったな。
その代償は胸の痛みだったけど。
話を戻す。
L計画の問題は大きく3つだ。
1.ファフナーの実践データが足りず、負荷の多いティターン・モデルを使ったこと。
2.同化現象に対する医療が本編以上に確立していなかったこと。
3.L計画以前はフェストゥムが海に適応していなかったにも関わらず、劇中に適応してしまったこと。
補給の部分開放などはあの時とれる最善手だと思う。俺じゃあんな発想はできない。
やっぱり最善手を尽くそうとした上での全滅だから悲劇なんだよな……。
ならば、それを知っている俺はどう動けばいい?
彼らよりいい結果を出せるのか……?
まず1つ目だけど、現存するファフナーは補助システムにされてる
このうちゼロはとてもじゃないが動かせず、ノートゥングも間に合うのはギリギリ。必然的にティターンしかないわけで……ティターンの最悪だったところはフェストゥムの読心能力を防ぐジークフリード・システムを直接乗せていたことだ。
過去の実験で多くの犠牲者が出たのもこれが原因で……いやそれミツヒロのせいじゃないか?
…………。
とにかく本編だとジークフリード・システムだけで1人は乗らなきゃいけないのに、それを積んでいるんだから単純に負荷倍増なのだ。パイロット8人の内5人がフェストゥムではなくファフナーの同化現象で死亡してる。フェンリルも含めれば6人、驚異の殺傷率だ。通称が「棺桶」なだけある……。
なら降ろせばいいのか? でもそれじゃ元々一体型になっているティターンがただの巨人に戻っちまう。かといってジークフリードを分離型に改修しても……ジークフリードは
俺が変われるか……?
無理だ、俺にそんな処理能力があるかわからない。そもそも総士が乗れるのだって
どうしたらいいんだ……エインヘリアルモデルとか同化現象を抑える機体を知ってはいるけど、それの設計となると全くわからない。
結局ティターンしかないのか……? 皆が死ぬのを見ていろと……。
ならジークフリードを搭載しないファフナーは――――だめだ、コアが足りない。竜宮島のファフナーはコアを使う特性上製造数に限りがあるんだ。
じゃあ実践データはどうだ?
フェストゥムとファフナーの戦闘そのものなら大量に知っているぞ。
――けどそれを機体にどうフィードバックしたらいいかわからない。
パイロットを育成するにしても、負荷の多いティターンに乗せたんじゃ本末転倒だ……。
もう……もう俺が参加すればいい。そうすれば解決――――
――するわけないだろ、甘ったれが。この世界ならともかくお前は平和な日本の住人だ。命のやり取りができるのか? そもそもファフナーに乗れるかもわからないっての。仮に参加できても相棒は誰にする? クロッシングのために選ばれるのは潜在的・遺伝子的に相性のいい相手なんだ、簡単に見つかるわけないだろ。死ななくてもいい人間を巻き込むつもりか? それにドジって同化でもされてみろ、それだけでフェストゥムが
だめだ……思いつかない…………。
わかってたつもりだけど、人ひとりがどうにかできるレベルを超えてるんだよファフナー世界は。
次、同化現象に対する医療……。
同化現象とは、フェストゥム因子を移植されている竜宮島の子供たちがフェストゥムのコアを乗せたファフナーに乗ることでフェストゥムに近づいていく現象だ。
無印やHAE、EXOでは同化抑制薬が開発されているが、RoL時代は同化現象に対して打つ手がほぼほぼない。末期症状になりでもしたら眠らせることもできず居なくなるのを待つしかないレベル。やばいどころじゃない。
それと3か月ここで生活した結果わかったのは、やっぱり「蒼穹のファフナー」世界だということ。
何言っているかわからないかもしれないが、いわゆる死亡フラグを全部叩き折ってハッピーエンドにたどり着くスパロボ世界じゃないんだ。
ミストさんはもちろんゴーダンナーの科学者もいないしヴェーダもなければオーラ力もない。
一言で表すとご都合主義は全く期待できないってことだ。
というかそもそもファフナーに限っただけでもアニメ版と小説版と漫画版で若干違うんだが、それはまだわかってない。今のところアニメ版だと思う。
けど、俺が同化能力に対して知っていることなんてニーベルングの指輪が末梢神経の同化現象によるものくらいじゃないか……?
抑制薬についてなんてほとんど遠見先生とミョルニアの功績だ。
素人は黙ってなきゃいけない部類じゃないか。
加えて言えば、どこか遠見先生に避けられてるっぽいし……。
そうなると俺ができることなんてフェストゥムが海に適応する可能性があるって知らせることくらいじゃん……。
それだって、子供の戯言だと片づけられる可能性のほうが高いし、この時期子供たちはフェストゥムの存在なんて知らないはずだ。最悪人類軍の内通者として処分されるかも…………。もっと言えば生駒さんがその程度想定してないとは思えない。
あれ? 俺必要ある?
△▼△
「ねね、小百合ちゃんと案子ちゃん。帰りにおばちゃんの駄菓子屋寄っていかない?」
「ん? おお、いいよ。行こう行こう」
「あ……ごめんね、今日はちょっと予定があって……」
「あちゃぁ……」
「小百合、ひとりで大丈夫か?」
「うん、大丈夫だから。ふたりで楽しんできて……?」
「そういうことなら……」
「悪いね、小百合ちゃん。そういうことなら。いくよ、案子ちゃん!」
「うおっ、バカ! 引っ張るんじゃないって!」
「細かいことは気にするな~~~そーれ!」
「しろってぇ!」
鏑木 早苗は、いつしか一緒に遊ぶようになったある転校生との思い出を追憶する。
彼女との出会いは、幼馴染の小百合が誰かと遊んでいる様子を目にしたことから始まった。早苗にとって内気な小百合は妹分のような存在で、そんな小百合に悪い虫が付いたんじゃないかとの思いから突撃してみれば、なんと相手は噂の転校生だった……というのがあらましである。
しかも意外と波長が合うらしく、帰り道も途中まで一緒ということもあって3人はよく集まって遊ぶようになっていったのだった。
そんな早苗は自分をそこそこ慌ただしい性格であると評しているが、彼女もずいぶん活動的なのは知られている。休み時間は男子と混ざって球技で遊んでいる姿をよく見るからだ。そろそろ男子とは身体能力の差が出てくるというのに未だ食らいついているのは素直に関心している。
そして、女の子なのに男の子っぽい口調を好むのが印象的だった。
「おばちゃーん、きな粉棒ちょうだ~い!」
「オレはオレンジフーセンガムで」
「はいよ、今日もせわしないのが来たねぇ」
「あはは、いつもごめんね~」
「かまわないよ。こっちも店を開く甲斐があるってもんさね」
「あんま客こないもんな」
「余計なこというんじゃないよ」
「いてぇ! ぶったな、おやじにもぶたれたことないのに!」
「そりゃ甘ったれってもんだよ」
「うわっ、二度もぶった!」
(あんまり痛そうじゃないんだけどな……)
西尾商店のおばちゃんは子供思いで有名である。ゆえに本気ではたいてるわけでもなく、スキンシップの一環にすぎないとは早苗もわかっていた。転校生がきちんとなじめているか心配しているんだろうな、と思っている。
それにしてもお父さんに叱られたことがないなんて、ずいぶん甘やかされて育ったのだろうか。
どちらかというと早苗も甘やかされている立場であるが、島の外の父親がいったいどのようにして子供を育てているのか想像もつかなかった。
(どんな風に過ごしてたんだろう)
早苗はそのまま遊んだ帰り、案子に聞いてみることにした。
あまり他家の事情に突っ込まないほうがよいと知ってはいるが、普段みんなから聞かれるのは”東京”のことばかりで自分について話さない転校生のことが気になったのだ。
「あ~、今日も疲れた……早苗って体力あり過ぎ」
「そ~? 案子ちゃんも大概だと思うよ」
「えぇ? か弱い女子だぞオレは」
「またまた御冗談を~。ねね、そういえばなんだけどさ」
「お?」
「案子ちゃんのお父さんってどんな人だったの?」
「――――」
いつも笑っているイメージのあった案子が、その瞬間少し暗い顔をした。
恐ろしく短い間だったから、早苗も見逃してしまいそうだった。
「父さん? んー、ずいぶんおせっかいでさ。自分より
「いいお父さんなんだね~」
「あー、そうだな。いい父親だった。でも――――んや、面白いエピソードをひとつ話してあげるよ」
「お~? どんなどんな」
「運動会でリレーあるじゃん。あの時にさ、オレが走る番になると毎回俺の顔がプリントされた大きな特製うちわを掲げるもんだから、すっかり有名になっちゃって。普段『いかにも真面目な男です』って顔してるから、急につば飛ばしながら大声で叫ぶのギャップがすごかったんだよね」
「あ~、あるある。お父さんたちって急に熱くなるよね、綱引きとか」
「まさにそれ。『がんばれー!』ってさ。でもオレからすれば顔から火が出るほど恥ずかしいし、周りにはやし立てられる格好の餌だったから、最初は好きじゃなかったんだよ。今はそんなことないけどね」
そう話す案子は楽し気で、父親が本当に好きだったと感じとれる。早苗も父親のことは大好きなので、親近感を覚えた。
案子のお父さん像は、どうやら自分の親とあまり変わらないらしい。
そのあたりは東京も竜宮島もやっぱり一緒なんだろう。同じ日本なんだから。
(仲良きことは良きことかな……なんちゃって)
ただ、彼女の言い方だとまるでもう会えない人に対する
転校の理由もお父さんの仕事が忙しくなったからと言っていたし、もしかしてあまりお父さんとうまくいっていないのだろうか?
早苗には実際のところどうなのか判断できない。こういうのは小百合の得意分野で、自分はすぐ聞いてしまうからだ。
かといって案子が話さないのに、根掘り葉掘り聞こうとするのは何か違う。
ならばせめて、お父さんと仲良くできる秘訣をそれとなく教えてあげよう、と思った。それがきっと、
その後は以外と話し込んでしまい、気が付けば門限ギリギリの時間となっていた。
「ほらほら、もうすぐ陽が暮れるし急がないと彗君が拗ねちまうぞ?」
「わ、そうだそうだ! ありがと案子ちゃん!」
「いいよいいよ、また明日」
「うん! ばいば~い」
しかし、それでもどこかもやもやした気分のまま、その日は帰ったのを覚えている。
考えれば考えるほど視界がぐにゃぁ……となる案子。
そして百合に挟まっている疑惑。査問会か……?
我々は今後
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いちゃら部
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愉悦部