ルガーランスはぁ!こう使う!   作:ミツヒRo・バートランド

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ルーキー日間に乗っていました。ありがとう……

今回は場面転換を少し多くしちゃったので見辛くなってしまったやも

こんなの原作キャラじゃないわ……ただのオリキャラよ!
だったら書けばいいだろ!
はい…………


我々は私によって捏造を理解した





恐怖~こころ~

 

 

「案子、道は覚えたかしら?」

「大丈夫だよ、それはもちろん」

「ならわたしは先に行っているわ」

「うん、行ってらっしゃい。母さん」

 

 

 

1週間。俺が道を覚えるのに掛かった時間だ。なぜこんな時間がかかったのか俺もわからない。

母さんを見送った後、俺も荷物をもって学校に向かう。

今日は教科書も入れた。同じ手を何度も使うなんて味がないから。

それにしても徹……トールとか呼ばれてたな。あの子もL計画組だったはず。マークしておくか。

あとは、そろそろ周辺の散策もしたい。

博士と接触するためには道生さんを見つけるか、生駒家を張り込むかのどちらかが予想できる。

前者は町を出歩くか、遠見家にいくか。後者は祐未さんに教えてもらえば行くことができそうだ。

研究所に籠りっきりになっていないことを祈ろう。

 

 

 

 

 

歩いていると、分かれ道の場所で小百合――サイドテールの子――が立ち止まっているのを発見した。

ああ、今日もか……。

彼女が初めてあの場所にいたのは、転入して2日目のこと。つまり彼女に話しかけた次の日。

誰かを待っている様子だったので素通りしようとしたんだが、確認したいこともあってその日の俺は話しかけたのである。

 

 

 

 

 

▼△▼

 

 

 

 

 

「小百合ちゃん、何してるの?」

「あっ、案子ちゃん……その」

 

指を組んでモジモジする小百合。

こういうのは……頼みがある場合の行動だったか?

 

「何かあるなら言ってほしい。オレができることならなんでもするよ」

「でも……迷惑になりたくないし……」

「へーきへーき、友達だろ?」

「とも……だち……うん」

「それで、どうしたんだ?」

「えっと……いっしょに学校、行きたくて」

 

少しためらった後、小百合は綺麗にお辞儀しながら手を出してきた。

なるほどね?

どうやら無事に根を張ったようだ。このまま続ければいい結果になりそう。

「もちろん、よろこんで。行こうか?」

「う、うん!」

手を取ってあげれば小百合は笑顔になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(やった! やったよママ、誘えた!)

小百合は母親のアドバイス通りにしてよかったと思っていた。

友達と仲良くするにはどうしたらいいか聞いたところ、母は「一緒に学校へ行ったら?」と答えたのだ。

毎日顔を合わせて、話をすれば相手もそのうち自分の存在を当たり前だと思うようになる、ということらしい。

そんな単純なことでいいのかと訝しんだが、実際に今日は成功したことを思えば本当にそうなのかもしれなかった。

 

今も握られた右手から暖かい体温を感じられる。

小百合の心臓は大暴れだ。

 

 

(落ち着こう、落ち着くの……)

目を閉じて、お互いの足音に耳を澄ませば、次第に心音も穏やかになってきた。

(次はお話だよね。えと、話題、話題は…………)

落ち着いた心で口を開こうとするも、なんと声を掛けたらよいか小百合はわからなくなってしまう。昨日の夜はもっと話をしてみたいと思っていたのに、いざその時となったら鋼鉄の扉のように固く閉ざされてしまった。

それでもなんとかしようとして、かろうじて口から飛び出したのは。

 

 

「えと! 天気が綺麗だね」

「ん? そうだね、今日は晴れてる」

「…………」

「…………」

 

(全然だめ……! ど、どうしたら……)

 

小百合は基本あまり自分から話しかけない。あるとすれば幼馴染と遊ぶときくらいであり、要するに会話デッキが貧弱だった。

しかし今日は心強い味方がいた。母の助言である。

 

『いい? 小百合。相手を性格や容姿を褒めるのもいいけれど、小物を褒めるの。それは大体、自分で選んだものか、誰かが選んでくれたものを気に入って付けていることが多いわ。自分のお気に入りを褒められて邪険に扱う人なんていないものよ』

 

助言通り、小百合は案子が身に着けている小物を探す。目に留まったのは、後ろで1つに纏められた薄いブロンドの髪。そこにひっそりと着けられた小さな宝石の髪飾りだった。

 

「そ、その髪飾り、綺麗だよ」

「ほんと?」

「うん……案子ちゃんの綺麗な髪によく似合ってる、と思う」

「ありがとう。そう言ってくれるの、うれしいよ」

 

僅かにはにかむ案子を見て、この会話デッキは正解だと小百合は直感した。

 

「プレゼントだったり……?」

「よくわかったね。友達からだよ」

東京(むこう)でもらったの?」

「んー、まあそんなところ。今はちょっと遠すぎるから」

「だ、大事なものだったりする?」

「そりゃあ、大事かな」

「友達も?」

「そう……かな。オレが言っていいのかわからないけど」

「わ、わたしも!」

「え?」

「な、なんでもないれす……」

 

 

(そ、そうだよね……私以外にもいるよね。でも離れてる今なら……私が奪いとってもいいはず…………って、何考えてるの私!?)

今の案子から読み取れたのは、喜びと困惑といったところだろうか。どうやら本当に大事な人らしい。

まだ見ぬ相手に、小百合は羨ましいような、妬ましいような気持ちを抱いた。

(いくら大事でも……今は私なんだから……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼△▼

 

 

 

 

 

そんなことがあって以来。

次の日も。

次の日も。その次の日も。

次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も

 

 

「えへへ、来ちゃった」

「いっしょに行きたいんだけど……だめ?」

「今日もひとり……? じゃあ……ね……?」

「あの男、今日はいないよね」

「わたし、仲良くしたいな…………」

 

つまるところ、小百合は毎日待っていたわけだ。

何かおかしくないか?

 

「え? 友達だもん、おかしくなんてないよ? それとも案子ちゃんは……私と学校に行くの嫌なの……?」

 

別に嫌じゃないが。そういうものなのか?

 

「そうだよ!」

 

若干食い気味だったろ今。まあいっか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――私には案子ちゃんが喜んでるの、わかるからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて昼休み。昨日は女子とおしゃべりしたし、今日は男子諸君と遊ぶか。

ちなみに竜宮島小学校の時間割だが、45分なのは本土と変わらないのに土曜授業もあるし週3日は7時間授業がある。スパルタすぎ。

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「オラぁ! 俺のドライブシュートを受けてみやがれ!」

「こい、へなちょこボール!」

「言ったなぁ……!」

「あっ、はずれた」

「くっそー!」

「かっこつけるといつもこれなんだから」

「楽しそうだね」

「あっ、転校生」

「案子でいいよ。オレも仲間に入れてくれないかな?」

「全然大丈夫だぜ、な?」

「そうそう。でもサッカーできるの? 女なのに」

「安心してよ。人並にはできるから」

 

 

 

 

 

 

教室の窓から校庭を眺めるのは、4年生の3人組。視線の先では男子4人が女子1人に大立ち回りを演じられていた。

「おー、あれが噂の転校生かぁ」

「結構動けるんだね」

「まっ、アタシほどじゃないだろうけど」

「姉御、先輩相手に強気だなぁ」

「姉御らしいけどさ」

「当たり前でしょ。アタシが父さん母さんを除けば最強なんだから」

「それに加えて……な、衛?」

「う、うん。そうだね……」

「ねぇ、アンタたち。今アタシの胸を見たわよね?」

「んっ、そんなことないですよ姉御~」

「そ、そうだよ」

「へぇ~? いい度胸してるじゃない…………のッ!」

「あでぇっ!」

「うわーっ!」

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

今日は体育もあって、本格的に体を動かしたのはこの世界に来て初めてだったけど、案外動くものなんだな。

動かなかったら困るが。

放課後になったことだし、外の散策と行こうか。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

「わりぃ幸弘! 遅くなった」

「確かに遅いね~、けど大丈夫だよ」

「悪かったって」

「許そうー」

 

船橋幸弘が転校生と初めて1体1で直接話したのは、革鞣先生から頼まれた書類を職員室に届けに行く時だった。

 

「幸弘くん、いっしょに運んであげるよ」

「あ、ほんと? ありがとね~」

 

図書委員である幸弘は、各学年で読みたい本を選ぶという名目で投票用紙を回収していたのだが、悩んだ生徒がいたので少々時間を要したのである。

 

書類を半分に分けて職員室に運ぶ道中、幸弘は案子を見つめた。

(やっぱりえっちなんだよね~)

幸弘は小動物のような雰囲気こそ出しているが、実はオープンスケベだったりする。

 

「転校生ちゃんってさ」

「案子でいいよ?」

「転校生ちゃんってさ」

「案…………」

「それとも天光星ちゃんだっけ?」

「…………」

「転校生ちゃんってさ」

「もういいよそれで」

「うわー、ジト目いいなー」

「棒読みで言わないでくれるか?」

 

(あはは、諦めが早いなぁ)

なんとなく、幸弘は転校生をいじってもいいリストに入れられそうな気がした。それを確かめるために、少し踏み込んでみようとも。

 

「転入生ちゃんってさ」

「うん」

「おっぱい大きいのに喜量……もとい器量は小さいよね」

「――――は?」

 

(お~、こわーい)

幸弘の前で、その女子は声を1トーン落とした。もっとも、それで止まる性格を彼はしていなかったが。

 

「だってさ、付き合う相手選んでるじゃん」

「そんなことないよ?」

「ほら、口調も変えてる。なんだっけそういうの……八方報復?」

「それを言うなら八方美人だよ」

「そうそう、それ。なんで?」

「なんでって……」

「僕としてはどうでもいいけどね。おっぱい大きいなら好きだし」

「やけに素直な」

「書く仕事……隠し事しても幸せになれないから。それで――――触らせてくれたりする?」

「えっと、えぇ……?」

「ダメなの?」

「むしろなんで行けると思った?」

「そんなに揺らしたり紙束で強調してるから、触ってもらいたいのかと思った」

「なわけあるか!」 

「だめかぁ……」

 

心底残念そうに幸弘は肩を落とした。

それでも諦めきれない幸弘は視線を下げ、もう1度案子を見る。

 

「と言っておいて、実は?」

「実はもない!」

 

流石に怒ったのか、案子は速足で歩いて行ってしまう。

(真っ赤になっちゃって……面白いなあ)

勿論、幸弘は彼女をリストインさせた。

 

そして彼女が向かった先には、窓の開いた廊下。

(あ、風吹くかも)

幸弘がそう思った直後、強い風が吹く。

「へっ!?」

若干冷静さを失ったうえに両手がふさがれていた案子は、風に煽られるスカートを止められなかった。

(赤だ)

「赤だ」

「口に出さなくていい!」

 

 

 

 

 

そして2人とも、廊下の角から見つめる視線に気づかなかった。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

「――――案子ちゃん」

「小百合ちゃん?」

 

クラスメイトと東京の話をして、学校の外に出たら小百合が校門の影から出てきた。出待ちだと? 何の用だろうか。別に今日は変なことしてないぞ。

 

「学校の外……案内してあげたいんだけど、いいかな……」

「……ああ、いいところに。丁度行こうと思ってたんだ。頼めるならお願いしたい」

「うん、任せて」

 

まあ……都合がいいし断る意味もないな。

 

 

 

学校周辺は、基本的に住宅街である。その間を繋ぐように商店街が伸びていて、駄菓子屋などに子供たちが集まっているのだ。

 

「案子ちゃん、この島は東京と比べてどう……?」

「かなり……空気が新鮮だよ。車や工場もないから排気ガスが少ない」

「深呼吸したときに気持ちがいいよね……」

「ああ。それに、島のみんなが生き生きとしているのが見ていて楽しいな」

 

竜宮島は、建造目的からして緑が特に多い。学校の校庭も小さな森があるくらいだ。昭和初期の街並みとは古いはずなのに、かえって新鮮味がある。大半が木造住宅ということもあっていい雰囲気だ。

東京じゃこんな光景は見たことない……俺が生まれた時には公園も鉄筋コンクリートの住宅街になっていたし。

 

「田舎だけど、綺麗な海や公園、森だってある……遊び場所には以外と困らないの」

「みんな元気だもんな。そうだろうと思ったよ」

「ただ小道がたくさんあるから、案子ちゃんは迷っちゃわないように気を付けてね……」

「実際、今もう迷ってる。地下大迷宮にも負けないんじゃないかって思ってるぞ」

「あはは……今日は私がいるから平気だよ。こういう小道、小さい時にかくれんぼや追いかけっこしてよくお母さんに怒られたこともあったなぁ」

「これだけ急ならいつ転んでもおかしくないんだし、そりゃ心配もする」

 

先導は小百合に任せて、街並みを楽しむ。子供も大人も、みんな笑顔で笑ってる。和気あいあいって、こういうものなんだろう。

小百合はちゃっかり手を握ってきてる。

次第に、足は住宅街を離れて海辺に向かいつつあった。

 

「案子ちゃん、夢があるって言ってたよね」

「ああ、あるよ」

「私もね、夢があって……」

 

連れてこられたのは、海辺にほど近い断崖絶壁。人気はなく、代わりに草本が一面に生い茂っている場所だ。

崖下では静かに、津波が音を立ててぶつかっていた。

 

「私、お花屋さんの子供でね」

小百合は草原の真ん中まで歩くと、そこに座り込む。

「まだ全然、見習いって感じなんだけど…………いつか、この崖を学校で育てているお花たちも含めて、私が育てたお花でいっぱいにしたいなって思ってるの」

語りながら海の方を見る彼女は、どこか遠い場所を見据えている気がした。

「変、かな」

「…………いや、いい夢だよ」

「えへへ、そっか」

はにかむ小百合の顔が、夕日に照らされている。

なぜだか、俺も隣に座って海の向こうを一緒に眺めていた。

「案子ちゃんがこの島に来てよかったって思えるように、私頑張るから」

どこか自分に言い聞かせるような言葉で、小百合はそう言った。

その時なんて返したかは思い出せないけど、たぶん気障っぽい台詞を吐いたんだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうやって2人、穏やかな時間を過ごした後。家に帰ろうと振り返った瞬間。

 

 

 

 

 

「あ―――――――――――――」

 

 

 

 

 

 

 

遠くの港から、こちらを……いや、俺を見ている瞳を見た。見てしまった。

な、なんだ? わからん。わからんが……震えが止まらない。心臓がうるさい。呼吸がうまくできない。

「案子ちゃん?」

噛みあい損ねた歯が、カチカチと音を立てる。

怖い。無理だ、あれは無理だ。

死ぬ。殺される。

どう考えてもお互い豆粒くらいのサイズしか見えていないだろうに、あのうす昏い瞳が嫌でも視界に入る。

あちらも俺を見ていると確信できる。

「あ、ああ……」

あれは、そう。

「あああ…………」

確か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆城…………総士……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「案子ちゃん? 案子ちゃん!?」

 

小百合の叫びを最後に、俺の意識はそこで途絶えた。

 

 

 

 












クソ雑魚アズにゃん

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