……ただ、他の人の感想に対していろいろ言うと規約に引っかかりかねないので気を付けようね(1敗)
『バイトロンでプレイヤーに直接攻撃! はいこれでアンタもオ・ワ・リ♪』
『そうはさせるかっ、罠カード戦線復帰を発動! 墓地にいる……守備力3000の千年の盾を蘇生して』
『はぁい残念! 不正解。そこで選ぶべきは戦闘ダメージを回復に変えるマッスラーちゃんでしたぁ~! じゃないと陵墓、ジーグのライフコスト効果が使えないでしょ?
そんなのもわからないなんてよわよわ~♥ えへへっ、追加課題の刑でぇーす♥』
「──ですから、いくらなんでも生徒にカードを報酬として課題に取り組んでもらうというのは……」
「(って感じになるかしら……ぐふふ。あーでも戦線復帰と衛生兵マッスラーは最近出た、どっちも出回ってる数が少ないカード。ちょっと難しすぎるわね)」
お昼も過ぎて校長室。
呼び出しを喰らったルナはお説教もなんのその。適当にうなずいては頭の中で次の課題を考えていた。
最近作られるカードはノーマルでも効果はいいものが多い。だがしかし、その代わりか極端に刷られる数も少ない。それを他人に上げてもいいと思えるのは、ひとえにこの女児がレアカードに目がないカードコレクターだからこそと言える。
もしくはこいつが買い占めているせいだ。
「聞いているのですかルナちゃん? 確かに不要なカードを交換できるような場所を設置するという提案はとてもいいものですが」
「はいはいわかりましたー、以後きをつけますぅ。でも言い出したことは取り下げられないので詰めデュエルの報酬はあげますぅ―」
拗ねた子供ここにあり。アカデミア校長である鮫島の前でもその態度を崩さず……どころか普段よりも悪い。
しかし校長も彼女に対してはどこか、職場の部下といった態度。どうやらこの二人にはアカデミア以外のつながりがあるらしい。
「でもぉ♥ 優秀な生徒が私のカードで更に優秀になるってのはおハゲ校長の望むところでしょう? なんならもっと学園は優秀な子にカードを上げるべきだと思うんだけど」
「確かにそうですが、そのチャンスが二倍あるのがイエローだけというのが……
つるぴかりと輝く頭部の蔑称を口にしても少しも動揺しない辺り、もう慣れたものらしい。
傍目から見れば叔父と孫娘といったところだ。
だからだろうか、おハゲ校長は警戒が緩んでおりルナに対して切り口を見せてしまった。
通常の課題は三寮すべからくあるのにそれを口にするという事は。強者をより強くという学園の意向を合わせて考えればその先がすぐ分かる。
「……それ、仮にブルーだけだったらよかったってことぉ?」
「それは……」
自分でも教育者としてやや不味い考えを口にしようとしていたことに気が付くと鮫島は口を紡ぐ。
本来ならば上を目指すために置かれたブルーの特権。それがいつのまにやら「ブルーだから優遇されて当然」と意識のズレが生じている。
「でもいーやっ。イエローとかレッドの生徒達ならともかく、元々レアカードを手に入れやすい身分のブルーにあげたってあんまり意味ないし。あ、でもカードの交換ボックスみたいなアイディアは別にパクってもいいわよ」
まあ碌なカードもないレッド、プライドが高いブルーじゃあまり機能しないだろうけど。心の内で女児は零した。
事実イエローでさえも掃除を終えた顔のメイドが大量にカードを投入する、そんな光景を見せなければ活発になる可能性は低いだろう。普通人間というのはカードをあまり他人に渡したくない生き物なのだ。たとえ自分が使わなくとも、
この学園では全員がライバル。誰かにあげるという事はその誰かを強くしてしまうこと。自分に益がない限りそうそうしない行為だ。
「……分かりました。ですがこれから生徒にカードを報酬として渡すようなことを始めるのであれば、事前に報告は下さい」
「うんっ、わかったぁ♪」
女児は確実にわかっていない顔を浮かべて返事をした。フードの袖を振り回しじゃあねと告げると彼女は校長室を後にしようとする。
へたくそなスキップでひょこひょこと動くツインテールは別の生き物の如く。
「……」
その後ろ姿を見て、校長は困った子だと口元を笑わせる。
思うところがあったのだろう、やや遠い目になって……
「あっそうだルナちゃん。"例の件"ですが」
「……? あ、あれ? そういや頼んでたっけ」
世間話を思いついたように彼は切り出した。
◇
時刻は午後8時を過ぎた。既に日は沈み月明りと建物の中の光が湖を照らす。
ここは湖畔に位置する寮。学園で最大の権威を持つ生徒達の住処、オベリスクブルー。
「ふふふのふ、準備はばっちりなノーネ」
の、女子寮のはずなのだが……どうしてかそこにクロノスはいた。彼はイヤリングを付けていたり肌に気を使ったりはしているが勿論男である。
しかも怪しい事の子の上ない言わんばかりの格好。顔だけしか出ないラバースーツ。これでは真正面から見ない限り彼がクロノス教諭であるとは誰も気が付けないだろう。
更にその手には彼の身長の半分はあるのではないかというニッパー。どんなに分厚い鎖だって断ち切ってやろうという気概が感じられる。
「靴箱に仕掛けられたこのワターシ特製のラブレター。あれでMs.天上院から告白されると思い込んだ
本来なら鎖がかかって夜間は開いてない筈の裏口は親切なだれーかに切断されていた。
……そして女子寮の裏、お風呂場の近くに迷い込んだドロップアウトボーイをこのカメラでパシャリ。完ぺきな作戦なノーネ!」
まごう事なき不審者。それどころか辱めに合わせてくれたと生徒一人を学園から追い出そうとしている。
イエローの副寮長があれで、ブルーの寮長兼実技指導最高責任者がこれだ。この学園の未来は暗い。
「なーにが勉強できなくともデュエルに強い奴はいるですーか。しかも私にまぐれで勝ったことを引き合いに……絶対に許さないーノ!」
以前誰かをオコサマ教師と評していた人物とは思えない程子供だった。
伊達にプライド、貴族意識を持つブルーの寮長はしていないという事だろうか。
──なお、彼が知る由もないが……その仕掛けたラブレターというのは十代が靴箱を間違えて使用していたことにより、彼の舎弟である丸藤 翔に渡っている。
少ししたあとやってくるのは彼であるし、肝心の十代は呑気に風呂に入っていた。
「さてさてそろそろ約束の時間ですし、この鎖をパチンとな……」
そうとも知らず、クロノス教諭はニッパーの刃を鎖に当てた。
『侵入者ヲ検知シマシタ』
もう一つ、彼の計画外のことにも気が付かずに。
「ウーップス!? ──アバババババ!!」
突如として体に流れ走る電流。体が震え痺れあがり思わずニッパーを手放して後ずさりをする。
だがそれも罠、慌てて下げた足が「カチリッ」と何かを踏む音を立てたのと、地面から突如として縄が浮き出て彼を捕らえるのはほぼ同時だった。
「マンマミーア!? どうなっているのですーカ!?」
突然の連続、縄の隙間に足が引っ掛かり身動きも取れなくなったクロノス教諭の叫びが女子寮に響く。
あまりのこととはいえ人知れず行動しなければならなかった彼にとって致命的なそれが、更に状況を悪化させる。
「ちょっ、ちょっと一体何の騒ぎ!? ってええっ! クロノス先生!?」
「あ、アワワワのワ……鮎川先生!?」
こちらは教師のかがみ。保険体育を担当する教師でありブルー寮の女子寮長の鮎川エミ先生が駆けつけてきてしまったのだ。
当然クロノスは相変わらずの不審者モード。弁論の予知もない事は彼自身が一番よく分かっているだろう。
そうこうしていれば鮎川先生の声につられ女子寮の生徒達が駆け寄ってきているのが見える。
「(ま、不味いノーネ! クロノス・デ・メディチ最大のピーンチ!?)」
しかも生徒達の中にはひときわ目立つ女性、天上院明日香さえもいる。つまり女子寮の事実上リーダー格が二人そろいぶむという事。
足元にはデカすぎるニッパーが転がっているし、懐には十代を撮る気だったカメラもある。
例え十代を嵌めようとしていたことがバレても、そうでなくとも教師生命は終わったも同然である。人を呪わば穴二つ。先人の言葉がこれほどに刺さるとは思っていもなかったクロノスであった。
「そ、そんな……クロノス先生がまさかのぞ──」
「おつかれぇーメディっち!!」
そこに救世主が現れた。
「えっ、ルナちゃん先生?」
女子生徒達の中をかき分けて現れた同僚を見て、鮎川先生は目を丸めた。
クロノスだってそうだ。なぜイエローの副寮長がここに。女子たちもクロノスと同じ気持ちらしく不思議そうに彼女を見ている。
「ほらぁーエミっち、どう? すごい便利でしょこのコンボ。電撃鎖に人感センサー、トドメに捕縛用縄! これならどんな不審者さんだっていちころなの♪」
「えっ……あぁ! さっき話していた防犯システムってこのこと?」
「そっ、あのハ──校長には去年からお願いしてたんだけど……やっと予算が下りたんだ♥」
今の会話からクロノスが理解できたのは二つ。元々ルナ・ベルケットは鮎川先生とお話をしていたらしいとのこと。
そして自分はその防犯システムとやらにまんまと引っかかってしまったという事。
「せっかくだからみんなを安心させよう―ってことで、メディっちに一芝居打ってもらったの♥ みんなもこれで安心だよねー」
ケラケラと笑いながらも絶賛捕縛中のクロノスに近づきそう語るルナ。しかしクロノスにとっては何が何やらである。
「えっ、そんなこと──」
「いいから黙ってなさいって」
思わず反論しかけたクロノスのわき腹にジャブが突き刺さる。対して威力はなかったが、言葉を詰まらせるのに十分であった。
周りはやや怪訝にクロノスを見ていたが……「ブルー寮の寮長がまさか覗きなんてしないだろう」という願望も相まってやがて警戒が解かれていく。
「そうだったの? もう……びっくりしたわ。次からはちゃんと教えてちょうだい、ルナちゃん先生」
「オッケー♪ さてさてじゃあみんな解さーん、おやすみなさーい」
「……?」
鮎川が信じると言葉にした事で女生徒たちもやがて興味を無くし、一人また一人と部屋へと戻っていった。
ただ一人、天上院明日香のみが少し粘ったが……勘のみで証拠もない。ならば気にしても仕方がないと彼女も寮へと戻っていく。
「ではクロノス先生、ルナちゃん先生。また明日」
「はーい♥ じゃねー!」
「…………た、助かったノーネ」
鮎川先生の後ろ姿に大きく手を振り、やがてその姿が見えなくなって……ようやくクロノスは大きく安堵の息を吐いた。
その後ろから忍び寄る影が一つ。
「──ほんとですよクロノス教諭。お嬢様の機転が無ければ没落しておりましたよ?」
「シャトレーゼ!? あ、あぁ……いたのですかMs.セフィ」
メイドが鼻息鳴らし苦言を呈していた。位置関係からして……もしかして彼女が本来警報器を鳴らす役目だったのかもしれない。
つまりクロノスの犯行は最初からメイドに見られていたという訳だ。十代への恨み節だって……。
安易に悪い事はするものではない、思わずクロノスはごちる。
「悪かったノーネ……もうこんなことしないから降ろして欲しいノーネ」
生きた心地がしなかった。
自分が嵌めようとした十代にこんな気分を味合わせようとしていたのかと知った彼は、心の底から態度を改めると誓った。
「え、いやそんなのどうでもいいんだけど」
「えっ」
知ったことかとルナは切り捨てた。足元に転がっていたニッパーで縄を切り、クロノスを地面に落とす。
尻もちをつき涙目になったクロノスを見下ろせば……その顔は断じて救世主などではない。悪魔そのものだ。
「メディっちぃ~これで、私に、この私に大きなカリが出来たよね♥」
地上にいるはずなのに、奈落の落とし穴に落とされた気分だった。
晩年、クロノスは知人にそう打ち明けたという。
「賭けをしよ♥ 私が勝ったらなんでも一つ言う事聞いて、負けたらこのことを水に流してあげる。メディっちにはメリットしかないよ?
ま・さ・か、こんな美味しい勝負から逃げる、実技指導最高責任者さんなんてどこにもいないよね♥」
呆気にとられるクロノスに見えぬよう、サイドポーチからカードを抜き出しデッキに仕込む行為をして、微笑んだ。
・ev詰めイベント「お前は既に、詰んでいる」
条件:このターンで勝利せよ
効果は全てOCG準拠のものである。
また解法に詳細必要ない物は省略、不明とされる場合もある。
もはや詰めデュエルかこれ、と思った方は是非このメスガキが!などと感想残しておいてくれると嬉しいそうです。
クロノスLP:1200
フィールド :
-モンスター:
・古代の機械巨人(表側攻撃/攻・守 3000・3000)
・古代の機械獣(表側攻撃/攻・守 2000・2000)
-罠 :なし
-魔法 :古代の機械爆弾(裏),禁じられた聖衣(裏)
手札 :古代の機械兵士
墓地 :複数の古代の機械モンスター、魔法トラップなど(詳細不明)
融合デッキ :0
デッキ :20枚(デッキトップ:大嵐)
メスガキのLP :2700
フィールド :
-モンスター:白魔導士 ピケル,黒魔導士 クラン×2(三体とも 表側攻撃/攻・守 1200→2000・0)
-罠 :光の護封壁(永続罠 発動中:ライフコストは3000使用)
ホーリーライフバリアー(裏)
-魔法 :一族の結束(永続魔法・発動中)
手札 :白魔導士 ピケル,システムダウン
何となく強調されただけであり、実際は一枚である。
墓地 :モンスターは魔法使い族のみ、他マジックトラップあり
融合デッキ :0
デッキ :25枚(デッキトップ:魔法族の里)
フェイズ:メスガキのメインフェイズ。
「あいかわらーず底意地の悪いデッキなノーネ(しかしそろそろ除去カードが来るだろうしぃ、そこで一気に畳みかけるしか無いノーネ)」
「ふっふっふ……」
ライフを1000払い、相手のフィールド、墓地にいる機械族モンスターを全て除外する。
機械族主体のデッキ相手するって分かってたらこれいれなきゃ始まらないでしょ。
ピケルちゃん達の回復効果とも会うし、まさに私の為にある様なカードね!
一.自分のスタンバイフェイズ時、自分フィールド上に存在するモンスターの数×400ポイントライフを回復する。
可愛いしいずれ王女になる娘! 小さい頃から一緒のカードよ。クランとは違って回復なのも玄人好みね。