この素晴らしき軽巡に幸せを 作:T督
「今日もカエル肉が美味しい……ちょっと硬いけど」
女神様に転生された後、私は荒野のど真ん中にスポーンした。いや、なんでだよ。運が悪いとスポーン場所が変わるって事前に聞いてたけどまさか私が引き当てるとは思わなかった。
その後艤装の機能が地上で使える事に感謝しながら何故か妖精さんも一緒に来た事に驚きつつ艤装の機能に問題ないか地上ではどんな現象になるかを確かめつつ、スポーン場所の近くのあったアクセルの街に身を寄せた。天使さんにもらっていた最低限のお金のおかげで問題なく冒険者として登録、そして今に至る。
「でも」
まっさかこの場所が一番魔王城から遠いとか予想外過ぎるし、駆け出し冒険者達の街だとは思わなかった。そしてこれも……
俺は今手にもっている食べ物を見る。見た目はこんがりときつね色をしており食べると衣のカリカリ触感と油で揚げられた美味しそうな肉が顔を見せる揚げ物料理。
「カエル肉、ジャイアントトードの肉がこんなに美味しいだなんて思わなかった」
一匹5000エリスの魔物だけど味はまぁまぁ、最初はカエル肉と聞いて嫌悪感があったのだが食べてみるとかなり美味しく食管的には多少の硬さはあるが淡白でさっぱりしていて個人的にはかなり好みだ。
「ん~、美味しい……あ、妖精さんも食べる?」
「!!!」
「」
そして今日も今日とて妖精さんとカエル肉を食べる。うん、美味しい。そうして一日が終わる。
こんな生活を数日続けていたある日、変化があった。
「カズマどんな人が仲間になってくれるかしらね?」
「そんなに焦るなこの駄女神、って言うかあんな内容でほんとに来てくれるのか?」
どうやら初心者冒険者がパーティーメンバーの募集をするらしく張り紙をしているみたいだ……ってアレ?
「ねぇねぇカズマ、「ハイ、カズマです」もし入って来た人に宴会芸を披露したら喜ばれるかしら?」
「ん~? 多分喜ばれるんじゃないか? お前の芸は凄いんだし」
あのカズマカズマと呼んでる人どっかで見たことがあるような……無いような……ダメだ、思い出せない。こっちの世界に来てからと言うものの人の顔を覚えるのが苦手になりつつあるな、オレ。
ってか、パーティーか‥‥‥‥そろそろ俺も組んだ方がいいのかな? 一応妖精さん達のおかげで職業はエレメンタルマスターって言う上級職扱いになってるけど、普通の魔法は一切使えないしスキルも覚えることが出来ない。艤装の装備替えによって切り替わる攻撃しか出来ないからな~私。そんな色物使ってくれる人がいるかどうか……正直微妙なとこあるからなぁ。
そんな事を考えながら席を立つ。さてと、あの募集は日課のカエル狩りが終わった後にまだあったら受けてみよう。正直私一人じゃ不安だしね。
※※※
「来ない」
「来ないわね」
俺、サトウ カズマは駄女神、アクアによりここ異世界へと転生した転生者だ。
最初は漫画やアニメの様な異世界に行けると聞いてテンション爆上がりだったんだけど特典としてアクアを選んだのがオレの運の尽き、コイツはダメダメの駄女神だった。それに加え冒険者登録の際、凄いステータスによる盛大な歓迎的な何かもアクアに取られるし……ちょっと、いやかなり俺の考えていた異世界生活と違う。
「ハァ~」
だからと言って戦おうにも今の俺達じゃあの巨大蛙にも勝てないぐらいに弱い。
「誰が来るかしらね!」
この駄女神もステータスは高いくせに知力と運が平均値以下、それに加え戦闘では回復以外に役に立たない癖に無駄に突撃して無駄に食われた後に粘液だらけになって帰ってくる始末。宴会芸は面白いがそれ以外では色々とダメが目立つ仲間だ。
俺も俺で物語の主人公の様な才能も無いし、ステータスも運と知力以外平均以下。職業も器用貧乏である冒険者しか選べないしもう、何と言うか冒険者として終わってる。受付嬢の人には商人を勧められる始末だ。
「ハァ~」
「ちょっとさっきからため息ばっかりついて、どうしたのよ」
「んにゃ、何にも」
そして戦力増強の為にパーティーメンバーの募集要項も色々と無理がある内容だし……ダメかもなあー。
「ははぁ~ん、分かった。もしかしてあれでしょう! 欲求h」
「なぁーにを言い出してるんですかね、この駄目な女神、略して駄女神」
「誰が駄女神よ!」
「お前だよ!」
こんないつも道理無駄なやり取りをしている時の俺は気付かなかった。あの条件で寄り付いて来る人がいると。そしてその者達は一人を除いて癖者揃いだという事を……
そんなこんなで半日ほど時間が経ち、俺達は新たなるメンバーを獲得した。
「っで! めぐみんは採用するとして……ってかアレは半ば脅迫しているようなもんだったけど」
「し、仕方ないじゃないですか! あのままだと私は仲間に入れてくれそうになかったんですから!」
そして取得したメンバーと言うのがこのチンチクリン。アクアによると紅魔族っつう魔法に適性があるけど個人の名前が冗談みたいな特徴を持つ種族の子らしい。その説明の通り名前はめぐみんとか言うニックネームでも使わない名前だし、職業は職業で知力と魔法の適性が無ければなれないアークウィザード。しかし爆発魔法しか使いたくないってか使わないって言う、その爆裂魔法も一発撃ったら変わり者。
「ハァ~」
「ちょ! 今カズマ、私の事チンチクリンとかどうとか考えましたね!」
「考えてねーよ、このロリっ子!」
「誰がロリっ子ですか誰が!」
「ちょ首絞めるな!」
酸欠と別の理由で頭が痛くなってきたがそれはとして、ほんっとどうしよう。
今日の報酬で得た蛙を食べながら考える。これからの冒険者生活どうしようかと。良い考え方をしたら一発限りの最強の攻撃魔法を手に入れたわけだからある意味いい結果……なのか? ってかその攻撃魔法も癖しかねぇんだよなぁ……あ、今日の味付けちょっと辛い。
「あ、カズマ、私達お風呂入ってくるからお留守番よろしくね~」
「行ってきまぁーす」
「いってらぁ」
そして俺一人‥‥‥‥さて、どうしたものか。いつもならこのまま俺も風呂へと向かう所なんだが……まだあの張り紙は張ったままだからもしかしたら新しいめぐみんとは違うまともなメンバーが来てくれるかも……
「すまない、ちょっといいだろうか」
ん? 誰だ? 俺は今新しく入ったメンバーの活用法を考えている途中なんだが?
癖者の扱い方を考えながら目を向け。
「なんでしょ……う……!?」
「この募集は、あなたのパーティの募集だろう? もう人の募集はしていないのだろうか」
絶句した。
声のする方へと目を向けるとそこには金髪のとびきりに美人で綺麗な女騎士がこちらへと話かけて来たみたいだ。
「しょ、正直おすすめはしませんよ」
余りの美人さにどもってしまうのは元引きこもりとして仕方ないと思う。年上の女性に迫られてるんだからな!
その後なんやかんやあって女騎士、クルセイダーのダグネスが仲間に加わった……でもなぁ~、なんだかこの人もめぐみんやアクアと同じで地雷臭ってかなんかそことなく残念感が漂ってくる。ってか、攻撃がほとんど当たらない不器用残念騎士ってヤバイ過ぎるだろ。なんで俺はこう、残念系しか仲間にいないのだろうか……分からん。
1人のヤバイ騎士と1人の残念魔法使いが加わって風呂に入りに行こうかとしたその時。
「Hi、まだ仲間の募集はしている?」
また、声をかけられてしまった。今度はどんな残念人間だ?
そう思い振り返るとそこには……
「はい、なんでしょ……?」
そこにはさっきの残念騎士ダグネスと同じぐらい綺麗で美人な女性がいた。マジかよ、オレ異世界に来てモテキ到来っててか?
そんな事を俺は考えながら残念かどうかの見極めをはじめるのであった。
※※※
何なんだろうか……この日本人は。
全身を舐めるように見つめる見つめるその瞳を前に俺は懐かしい感覚を感じていた。
あぁ~マジで懐かしい。前世で提督とケッコンカッコカリした直後から提督からそんな目で見つめられてたよなぁ。あぁ~懐かしい。
「それでまだ大丈夫ですか?」
「は、はい!」
それにしてもサトウ・カズマってもしかして前世の人間か、それともそれより前の同郷の人‥‥‥‥まぁそれは良いか。後で確認しよう。
「えっと……」
「シェフィールドと言います」
「それで貴方のご職業は……」
「上級職のエレメンタルマスターを職業としています」
「おぉ!」
うん、嘘はついてない。ちょっと攻撃方法が特殊で普通の魔法とかが使えないだけのだたの艦娘だから嘘はついてない、うん。
それに一応レベルも20はあるから即戦力にはなると思うけど……不安だ。そんな事を考えながら相手の対面へと座る。まるで面接みたいで嫌だなぁ……。
「シェフィールドさん」
「はい?」
どうなんだろうか……うっ、お腹が痛い。緊張とかそういうのでお腹が……前前世の体質がまだ治ってないのはホンット困りものだ。
痛みを耐えながら結果を見守る……。
「明日からよろしくお願いします」
カズマはそう言って頭を下げる。その姿に何故か悲壮感と言う単語が浮かんで来たのは謎だ……マジで大丈夫か?
「……Thanks」
こうして俺はパーティーに加入したのであった。明日から活動開始らしいので明日が楽しみだ。それにしてもあの青色の女性、どっかで見たんだよな~、どこだったけ?