前回の前書きで話したバスターガンダムとカラミティガンダムのミキシングを一時中断してフレームアームズの轟雷を作りました(笑)。そこから早速レイジングブースターを脚部ユニットで取り付ける為に作ろうとしたら片方のが作る途中でパーツの向きを間違えてしまったのであります。(´・ω・`)
・・・何、一番好きな艦娘は誰かって?そりゃ大和に決まってんよ!!
成子坂重工・・・元々は重工業に携わるだけの中小企業であったが、坂本浩一―――鹿島の大学時代からの友人である彼が社長に就任してから2年後に日本のモビルスーツ開発に参画した事で大きく成長、今や日本を代表する大企業の一つとなっている。
キアナと芽衣を拾ってくれた子安と現在の総理大臣である鹿島は共に浩一の友人である為、キアナ達にとってはある意味、怪我の功名と言っても過言ではないような、願っても無い事だったのである。
実は浩一は、この世界における知る人ぞ知る剣術の伝承者であり、現在は弟子を絶賛募集中なのだとか。尤も、キアナも芽衣も浩一がマネキン相手にそれをやるのを見てからというもの、戦乙女やら律者やらなどという考えはすっかり消え失せてしまったのだが。
2024年 7月4日 午前10時33分 日本 東京都 成子坂重工本社
それはさておき、キアナと芽衣はそこで社員研修を受け、技術開発部のメンバーになる為の資格を取得した。幸い、2人は姫子から有事の際に重機を扱えるようにしておけと言われて自分達の身に叩き込まれた重機の操縦技術がモビルスーツの操縦で遺憾無く発揮され、たった1ヶ月程でモビルスーツの操縦ライセンスを取得する事が出来た。
「やっと手に入ったよ・・・」
軍が前線等で運用するような兵器のライセンスとはさほど思えないような、自動車免許証のようなライセンスに貼られた妙に変な顔写真を眺めながら、キアナは更新する際にはもっとまともな顔つきになってやろうと心から誓う。そして、その横の氏名の箇所には『雷電紀亜奈』という文字が記載されている。そう、キアナは過去の因縁を断ち切る為に偽名を使う事にしたのだ。なお、キアナの余命についてだが、なんと奇跡的にあと数十年ぐらいにまで戻り、普通の人間と同じような生活を送る事が出来そうだと診断した医師もびっくりするほど体調が良くなったのである。
そんな事は概ね関係無いが、幾ら技術開発部に入る事になっても、肝心の資格が無ければ何も出来ないのだ。現に鹿島からは資格は自力で取得するよう言われている。
「あっ、いたいた。キアナちゃーん!」
そう言って、キアナの元へ駆けつけて来たのは芽衣だった。
「んっ・・・お待たせ、姉さん」
明らかに今までとは違う呼び方だったが、すぐにキアナを見ながら微笑む。芽衣もキアナを自分の妹という事にしており、キアナの偽名もその為に作られたのである。尤も、そうした事で芽衣自身は偽名を使う手間を省く事が出来たのだが。
「しっかし、ここに入る為の資格を一通り取得するのに3ヶ月近くかかるなんてね~」
「まあ、幾らどういう事情があったとしても、私達を特別扱いしないって話だからね・・・まあ、姫子やフカ、ウェンディの墓を用意してくれたのはありがたいけど」
キアナもこの待遇には納得していた。子供ではないから、と強がるなどとは言えないが、自分が特別扱いされる事自体を元から求めていない、というより拒んでいるのだろうと自分でも理解している。元の世界に帰る方法が無く、この世界に骨を埋める覚悟もしなければならない事も。
「でも、この世界に来てからは皆が死んだっていう実感が湧かなくなってきたな・・・特に姫子とフカなんか、2人で肩抱き合いながら突然出て来て『勝手に殺すな!』なんて大声で言いそうで」
「あ、アハハ・・・」
キアナがそう言うと、芽衣は苦笑いする。今や、キアナがこの世界に来る直前に芽衣との戦いで使った天火聖裁(現在はビニールで包んでクローゼットの中に保管されている)と芽衣が雷の律者に覚醒するまで愛用していた日本刀の二つしか、自分達が元の世界で生まれ育ち、そして戦った証は無いのである。
「・・・あっ、そうだ。今から墓参りに行かない?資格も取った事だし、これから忙しくなりそうだから・・・」
技術開発部で本格的に働く事になれば、いつでも墓参りに行ける程の余裕が無くなるかもしれない。なので行けるうちに行こうと芽衣が提案する。キアナはそれに賛成し、早めに済ませておくかと2人で本社から近くの寺へと向かった。
午前10時39分 本社の近くにある寺 墓場
ここは、有名な俳優が納骨された墓場。そこにキアナ達はやって来た。キアナは、行く途中で花屋で買った花束を3つ抱えている。深海棲艦との戦いの影響か、墓石が若干多くなってきて所々乱立している。キアナ達も契約したスマホのメモアプリに場所を記していた為、すぐに当てる事が出来た。
「ん・・・?」
今日に限って、その近くに墓に1人の少年がいた。海上自衛隊の幹部候補生学校の制服を着ていたので、おそらくそこの生徒なのだろう、黒い髪と茶色い瞳、おまけに美しい顔立ちときた。校内トップクラスの人気者だと2人は思った。
その少年は姫子・フカ・ウェンディの3人の墓の隣にある墓の前で真新しい立っており、彼はそこから3人の墓を見ている。
「・・・その墓、貴女達の知り合いのですか?」
少年はキアナ達にそう問いかける。
「・・・うん」
答えるべきかと思い、キアナは答える。
「そう、なんですか。俺、実は3年前に呉から越してきて、それから毎月、ここに墓参りに来てるんです。けど、ここ3ヶ月は勉強で忙しくて・・・それで今日来てみたら、新しい墓が経っていたので・・・外国人の名前もあったので、つい気になったんです」
なるほど、少年はこの墓場にいつも来ているのか。ならばとキアナも頷きを返し、こう問いかける。
「そのお墓は誰の・・・?」
「・・・親戚の墓なんです。航空自衛隊のパイロットでした」
少年の回答に対し、キアナ達は今まで見た悪夢を思い出し、少し視線を落とす。崩壊こそこの世界には無いが、自分達が見た悪夢のような光景に似たものは、この世界では未だに後を絶たないのだ。
「・・・やっぱり、戦争で?」
芽衣も少年に問いかける。少年は親戚の墓の方に目を向けて口を開く。
「・・・ええ。撃墜された機体ごと陸地に墜ちて・・・でも、遺体が回収出来ただけまだ良い方だと思うんです」
「・・・遺体が回収出来ただけまだ良い方って・・・・・・」
芽衣の反応を聞きながら、少年は墓に水をかけ、両手を合わせて目をつむる。
「・・・俺の父も、海上自衛隊にいたんです。まやっていう護衛艦の艦長で、俺の憧れの存在でもあった。そんな父は・・・父さんは、深海棲艦に殺された・・・まや諸共沈んで・・・遺体すらも深海棲艦がいたせいで回収出来なかったって・・・父さんは帰る事さえ許されなかった・・・肉体どころか、骨1本すら・・・・・・」
キアナはそれを聞いた時、ある事を思い出した。かつて身体の自由を
少年が同じような苦しみを抱いている自分に似ている気がした。そう感じたからか、キアナは無意識のうちにこんな事を言った。
「それでも・・・運命に立ち向かうしかない・・・」
キアナの言葉に芽衣はバツが悪そうに小さく頷く。少年はというと、呆気に取られたような表情をしたが、すぐに表情を戻し、軽く礼をしてからキアナ達の横を通り過ぎる。
「・・・確かに貴女の言う通りだ。俺にとって、父さんの仇を討つ事が父さんへの手向けであり―――」
そしてキアナとニアミスした刹那、少年はこう呟いた。
「俺が運命に立ち向かう為に出来る、たった一つの手段でもある―――」
午前10時47分 成子坂重工本社付近
キアナ達は少年と別れた後、本社に一番近い、自宅のあるマンションへと向かっていた。元々荷物があまり多くない為、整理する手間はそれほど必要が無いが、念の為に手荷物を用意する事にしたのだ。だが、それとは裏腹に、キアナの表情は優れない。先程の少年のあの言葉がどうも引っかかっていたのだ。復讐が、自分が運命に立ち向かう為に出来る唯一の手段だというあの言葉、それが彼が海上自衛隊に入る志なのだろう。だが、そう考えると、どうしても否定的になってしまう自分がいるのだ。
「キアナちゃん・・・さっきの話、忘れよう・・・?」
芽衣の気遣いも嬉しかったが、それを聞く度に少年に対する不安が大きくなっていく。彼は運命に立ち向かう事がどれ程困難なものなのかを、父親の死を以て思い知らされたのではないのか。そう考えれば、あの言葉に概ね納得が行くように思えたが、同時に彼がどれ程までに繊細なのかも解ってしまいそうな気もしたのだ。復讐で自分の身が朽ち果てるのが運命ならば、せめて死者の無念を晴らせるよう抗えと。この世に生を授けた者ならば、死ぬまで生きる事に尽くせと。自分が出来る事があるのならば、それを最後までやり通せと。そう彼が言ったような気がしてならないのだ。
「本当に、それで良いの・・・?」
キアナは少年の言葉を否定するようにそう呟く。だが、ただ否定している訳ではない。復讐という手段で運命に立ち向かう彼と、自らの業を背負って運命に立ち向かう自分とは違うという意味もこめられていた。
ウウウゥゥーーーーーーーーーー!!!
突如として辺り一帯に警報が鳴り響く。この警報音が鳴り響く意味はただ一つ、深海棲艦の襲撃のみである。
「逃げようッ!!」
芽衣より早く我に返り、キアナが叫ぶ。そして、キアナが走り出した直後に芽衣も後を追う。民衆で溢れ返っているルートはまず除外し、人がいないルートを見つけては通り、見つけては通りを繰り返す。次第に深海棲艦の艦載機達が上空にだんだん姿を現していく。
「早くしないと・・・このままじゃ死んじゃうわ!!」
芽衣が悲鳴のような声を上げる。だが、キアナ達を深海棲艦の艦載機達の出現以上の最悪な事態が容赦なく襲う。なんと逃げた先に2機のモビルスーツが道を塞ぐように倒れ込んでおり、そのすぐ近くには2人の男女が倒れていた。
一方はディアクティブ状態のフェイズシフト特有のグレーを基調とした、背部に大きなウィングユニットの付いたガンダムヘッド(GAT-Xシリーズの全ての機体が日本のガンダムシリーズのうちのとある一作のそれと全く同じだった事からガンダム顔の機体はよくそう呼ばれている)の機体、そしてもう一方は紫と緑っぽさなある青の2色で彩られた、宇宙人を彷彿とさせる形をした頭の、可変機構を備えていそうな機体であり、どちらもキアナ達の知らないモビルスーツだった。腰部の折り畳み式射撃武器の砲身が両方ともポッキリと折れてしまっているガンダムタイプの方は胸部の、ガンダムタイプ程の損傷は無さそうな見た事のないタイプの機体の方は腹部のハッチが開いたままになっており、中に入る事は出来るだろう。
そして、2機のすぐ近くで倒れている、日本国自衛隊の青色のパイロットスーツを着た茶髪の青年と紫色の水着のような服を着た水色ショートヘアの少女の姿。2人共、何箇所かケガをしているものの、どれも大したものではない事から命に別状は無さそうだが、目を覚ます気配がない。だが、この光景とは関係無しに、いつ深海棲艦の艦載機達が自分達を襲って来るかもわかったものではない。キアナは腹を括った。
「しょうがない・・・芽衣先輩、その子を連れてそっちのモビルスーツに乗って!私はこの人を抱えてあっちのガンダムタイプに乗る!!」
キアナの指示を聞いた芽衣は少女を抱いて紫色のモビルスーツに乗り込む。キアナは芽衣が少女を抱いて走っていくのを確認すると、青年を抱えてガンダムタイプに乗り込む。キアナと芽衣がそれぞれ乗り込んだ2機のモビルスーツはモビルスーツ操縦のライセンスを取得するまでの段階で扱った機体とは見た感じの構造だけでなく、コックピットにも多少の違いが見られたが、扱いきれないという訳でもなかった。即座にハッチを閉じ、キアナと芽衣はそれぞれイグニッションスイッチを押す。
MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM
Generation
Unsubdued
Nuclear
Drive
Assault
Module
Complex
ZGMF-X10A FREEDOM
「フリーダム、か・・・って、何これ?プロテクト?適当にやれば・・・」
キアナはそう言いながらキーボードを打つ。すると・・・。
「よっしゃ!プロテクト解いたった!これで、難なく動けそうかな・・・武装は、何か使えるものは・・・」
運良く(?)プロテクトを解いたキアナは、武装の確認に移る。
WEAPON SYSTEM CHECK
MMI-GAU2 PICUS≪EMPTY≫
MA-M01 LACERTA≪OK≫
MMI-M15 XIPHIAS≪ERROR≫
M100 BALAENA≪OK≫
「クスィフィアスってのがイカれてる・・・腰のレールガンみたいなヤツがあれ?頭部バルカン砲も弾切れで・・・使えるのはビームサーベルとプラズマ収束ビーム砲、これだけか・・・ん?」
使える武装を一通り確認し終えた直後、キアナはある事に気が付き、恐る恐るOSの画面をもう一度見る。そして、っその文字の中のあるところがキアナの視界の中央に写った時、キアナは今度こそ息を呑んだ。
Nuclear
Drive
「まさか、これ・・・核動力なの!?」
キアナはモビルスーツの動力に関して少し詳しく調べた事がある。故に核で動く機関の類はMS用の、十分な性能と安全性を持つエンジンの開発に難航しており、未だに核エンジン搭載型MSは実用化されていないという情報は知っていた。
だが、このモビルスーツ・・・フリーダムは、実用化が難しいとされた核エンジン・・・更に詳しくに言うと、核分裂でエネルギーを生み出す原子炉を動力としているのである。そんな夢の核で動くモビルスーツが何故こんなところに・・・しかも、一部武装が破損し、不時着した状態で・・・。
『キアナちゃん、こっちの機体はフレズヴェルクっていう機体らしい!ガンポッドは両方とも弾切れになってるけど、ベリルショットライフルってのは問題なく撃てるわ!そっちは!?』
「えっ・・・う、うん!こっちのはフリーダムっていうらしいよ!今使える射撃武器がウィングユニットのビーム砲だけだけど!」
『そうなの―――ッ!?き、キアナちゃん!!』
芽衣の悲鳴に思わず前を向く。すると、上空から爆装した深海棲艦の艦載機が急降下爆撃をしてきた。キアナは咄嗟の判断でフェイズシフト装甲の起動スイッチを押し、防御の構えを取る。
フェイズシフト装甲がアクティブモードに入った直後、爆発と衝撃がフリーダムを襲う。
「ぐうぅッ・・・!」
だが、フェイズシフト装甲を起動させたお陰で、機体にダメージが入らずに済んだ。
「あ、危なかった・・・これがフェイズシフト装甲か・・・!」
キアナが感嘆の声を漏らす。しかし、このままではジリ貧である事は変わらない。このまま防御してやり過ごすのも手ではあるが、近くに人がいる可能性がある以上、最良の選択肢はただ一つ。
「でええぇーーいッ!!」
キアナはフリーダムを離陸させ、先程爆撃してきた深海棲艦の艦載機に照準を合わせる。
「当たれ!!」
キアナはトリガースイッチを押し、バラエーナの砲口から赤いビームを放つ。2門のバラエーナから放たれたビームは、吸い込まれるように深海棲艦の艦載機へと延びていき、深海棲艦の艦載機を消し炭にした。
だが、敵はこの1機だけではない。キアナはレーダーに新たな機影が自機を表すレーダーの中心に近づいて来るのを確認し、近づいて来る深海棲艦の艦載機達に機体を向ける。向かって来る深海棲艦の艦載機は4機、小規模の編隊を組めるくらいの数だ。
「なら、これを使うか!」
キアナはフリーダムの右手に、右腰部に固定されているビームサーベルを持たせる。そして・・・
「・・・今だッ!!」
フリーダムが横薙ぎにビームサーベルを振る。そして深海棲艦の艦載機達はフリーダムの横を通り過ぎた直後、爆発四散した。
「・・・へっへーん!どんなもんよ!」
そうキアナが勝ち誇った、その時だった。
『所属不明のモビルスーツに告ぐ!こちらは日本国航空自衛隊だ!そちらの所属を言え!』
横須賀の方向からやって来た戦雷・壱型乙がキアナの駆るフリーダムに銃口を向けながら警告をする。キアナはそのパイロットの声を知っていた。
「その声・・・子安さんですか!?」
そう、戦雷・壱型乙のパイロットは子安武だったのだ。子安は思わず目を見開く。
『おまっ、その声・・・キアナちゃんか!?なんでそんなモビルスーツに・・・』
「すみません、これにはちょっと事情が・・・芽衣先輩はあのモビルスーツに乗ってます!」
『そ、そうか・・・まあいいか、ちょっと話は聞かせてもらうぜ。いいな?』
「分かりました」
子安の声にキアナといつの間にか通信に割り込んでいた芽衣は頷く。こんな曰く付きのモビルスーツで暴れたのは事実であるので、こういう展開になってもおかしくないだろうと思ったので、キアナと芽衣はそれほど慌てなかった。
という訳で、キアナと芽衣はフリーダムガンダムとフレズヴェルクを拾いました!そしてフリーダムガンダムのパイロットの正体は・・・!?
次回予告
深海棲艦の襲撃を何とか乗り切ったキアナと芽衣。そして、2人が救出した男女が目を覚ます。果たして、男女の正体とは何なのか。
次回『初陣を終えて』