もうすぐ節分とバレンタインデーがやって来るであります。僕はバレンタインデーは、自分でチョコ系のデザートを作って食べて過ごそうかと思っている次第でございます(正に自☆画☆自☆賛)。
ロータリーエンジンを搭載したオリジナルスーパーカー描こうかなぁ・・・。
午前11時28分 神奈川県 横須賀鎮守府 仮設テント
キアナは鎮守府内に設置された仮設テントで子安から取り調べを受けていた。何故仮設テントの中でなのかというと、実は先の空襲により、横須賀鎮守府の執務室付近に深海棲艦の艦載機達が落とした爆弾の一つが直撃し、提督もこれによって戦死してしまったからである。幸いにも、大和という艦娘の飛び入り参加によって、鎮守府の被害はこの程度で済んだらしく、艦娘達の中から死者は出なかった為、鎮守府の修復と新しい提督の着任が完了すれば、すぐにでも解決出来るものだったが・・・。
「・・・で、あのフリーダムっていう羽付きとフレズヴェルクっていう可変MSを避難所代わりにして深海棲艦の艦載機と戦っていたってとこか」
「はい。私と芽衣先輩は、その2機のモビルスーツのすぐ側で倒れていた男女を見つけて・・・コックピットが開いていたので飛び乗ったんです」
「・・・しっかし、航空機相手にほぼ単機って状況で・・・しかも4機をビームサーベルで一纏めに薙ぎ払うなんてな・・・センスあるんじゃないか?そうじゃなくても、機体の性能のおかげって言えるぞ」
子安はキアナを慰める。どんな過去を持っていたとしても、キアナも芽衣もモビルスーツに乗って実戦を体験するのは今日が初めてなのだ。
「と言っても、いろいろ調べなきゃならない事もあってな。とりあえず、フリーダムとフレズヴェルクは一旦こっちで接収するからな」
「分かりました」
取り調べが終わり、キアナは子安に礼をすると、テントから出た。そのキアナの前で待っていたのは一人の男だった。
「キアナ、一体何をしている?」
その男、浩一は想定外のトラブルに巻き込まれたのとキアナと芽衣が勝手にとった行動に対する呆れと怒りの表情でキアナを見ていた。
「まあ、深海棲艦の襲撃に巻き込まれた以上、これ以上は何も言わないでおこう」
「・・・すみません」
「一応、ビデオデータは私も見たが・・・これがまた想定外な事だ」
浩一の話によると、キアナがフリーダムを駆り、あの戦闘の終盤で4機を墜としたあの斬撃は普通ではモビルスーツで出来る動きではなかったという。
「これは、操縦というより・・・個人で習得した剣技に等しい。後々話す予定ではあるがね」
車に乗り、2人は病院へと向かった。
午前11時48分 とある病院
病院に到着し、2人は院内に入る。待合室にいた芽衣はキアナと浩一が自分に向かって歩いて来るのに気づくと、2人に駆け寄った。
「それで・・・姉さん、あの2人の様子は?」
「少し前に、2人共目を覚ましました。ですが・・・・・・」
芽衣がどう答えれば良いのか見当がつかない様子であるのを悟った浩一だが、話してもらわない以上いくら待っても話は進まないだろう。浩一は芽衣に重ねて聞く。
「その2人の様子はどうなんだ?」
浩一はキアナと同じ内容の質問を芽衣に投げかけるが、キアナの時とは違い、浩一の声には圧が感じられる。芽衣自身もそれを感じたのか、口を開く。
「2人共、記憶が無いって・・・でも、薬物投与された訳でもないし、一度話してみても特におかしな点は見つからなくって、あの戦闘に巻き込まれただけかも・・・・・・」
芽衣は戸惑いながらそう言う。だが、キアナはそれよりも気になる事があった。ある仮説・・・確信に近い仮説であった。
「なるほど・・・では、その2人と話し合うとするか」
浩一がそう言い、2人のいる病室に入ると、キアナと芽衣もそれに続いて病室に入った。そこには、あの青年と少女が自分の置かれた状況を気にする事無く笑っていた。尤も、青年の方は少し微笑む程度だったが。ついでにあの空襲の時に着ていたパイロットスーツから患者服に着替えさせられていた。特に青年の方は美しいフォルムの身体で、キアナが思わずそれに見入っていると、瞳の光が消えた芽衣が後ろから抱き着いてきた。浩一も冷や汗をかきながら明後日の方向を向いて口笛を吹く。
「あっ・・・お帰り」
「お帰りー。どうしたの?」
記憶喪失の2人は芽衣にそう言う。すると、浩一は2人に対して問い始めた。
「まず始めに・・・君達の名前は?」
「・・・分かりません」
「分からないよ」
「・・・あの場所で、何があったのだ?」
「・・・すみません、それも分かりません」
「僕もだよ」
「・・・両親や家族は?」
「・・・両親・・・家族・・・・・・」
「それは僕が知りたいよ!!」
質問の結果として分かったのは、記憶喪失の話が本物であるという事、そして少女の方は家族に関する事になると感情的になるという事の二つだけだった。また、芽衣曰く、打撲や切り傷も軽いものだった為、すぐに退院する事が出来るらしい。
「まあ、家族に関しては私の方で調べておこう・・・キアナ君、少し話しておきたい事がある」
浩一はそう言って、キアナを連れて一旦部屋を出る。キアナも彼に対して話しておきたい事があるのか、すんなりと了承した。
「・・・キアナ君、君のあの2人についての考えを聞きたい」
やはりと言うべきか、浩一もキアナが思い浮かんだある仮説―――否、確信にたどり着いていた。彼の表情は、サスペンスドラマによくありそうな推理している時の刑事のそれを思わせるだろう。
「・・・率直に言いますよ。行方不明者リストどころか、戸籍を持っているかどうかすら怪しいですね」
「・・・と言うと、もしや・・・・・・」
「はい・・・つまり、あの2人は―――
フリーダムとフレズヴェルクのパイロットって事です」
その答えを聞き、ようやく浩一はそう言う事かと言うように表情を戻す。あの2人を、フリーダムとフレズヴェルクのパイロットであると言い張る方が、一番納得が行く結論と言うべきものなのである。
「芽衣君は・・・気付いていないのか?」
「・・・多分、無意識のうちに切り捨てたんだと思います。私達が天命を抜けたのも、裏切られたようなものが理由での事ですから・・・」
過去を思い出し、キアナは表情を強張らせる。浩一はそれを見ると、こう言った。
「あの2人の身の周りには気を付けるべきだ。あの2人をこのまま放っておけば、強制労働行きはほぼ確定だ」
「それって―――」
「一応調べてみるが、収穫は期待できないだろう。私達でさえその確信にたどり着いたのだ。邪な連中に存在を知られれば最悪の事態は免れない」
そして数秒程目を閉じた後、目を開いて話を続ける。
「そこで、だ。キアナ君、芽衣君と2人で技術開発部で働くだけでも何とかなるだろう。だが・・・あの2人とセットでとなると、どうしても不安要素が残る。芽衣君を呼んで来てくれ」
キアナは息を呑む。浩一が言いたい事はただ一つであるという事に気付いたからである。
キアナは芽衣を連れて浩一の許に戻ると、浩一は2人にこう言った。
「雷電芽衣並びに、雷電紀亜奈・・・いや、キアナ・カスラナ。最早、こればかりは選択肢は一つしかあるまい。航空自衛隊に出向を命ずる」
「「・・・了解!」」
キアナは浩一に敬礼をし、その社長命令を受けた。
こうして、キアナ達の・・・この世界で交わり合う者達の新たなる戦いが始まった。
しきん「リアルで会社から国の軍隊やら防衛組織やらに出向する事なんてあるんですかね・・・」
成子坂一同「知 ら ん な」
次回予告
キアナ達が戦いに身を投じる時、世界各地にも戦士達が誘われていた。果たして、日本の外、世界では何が起こっているのか。
次回『誘われし者達・前編』