キャンプご飯とお喋りを楽しむ野クル+高彦
ほんわかした時間を過ごし、
日付が変わる頃に名残押しつつもそろそろ寝ることに
もちろん高彦は1人テントである
寝袋に入り、さあ寝ようか…と瞼を閉じる────
「たかちゃん、一緒に寝させてぇ…」
「何を言ってんだ君は」
テントに顔を覗かせ、正気とは思えない要求をするなでしこにツッコミ
それに対して、なでしこは半泣き状態で訳を話した
どうやら1つのテントに、なでしこ、あおい、千明は入っていたらしい
理由は一人で寝るのは寂しい…と言った物だったのだが、3人で寝るのにはテントが狭かったのだ
なので誰かが1人テントに行かなくてはならない……
ここは1つ、公平に………
───ジャンケン
ポイ!!───
「…んで、一発負けしたと」「グスン……」コクコク…
「…理由は分かったけど、流石にダメだ」
「ぅぅぅ………」
「別々のテントだけど、離れてる訳じゃ無いんだし大丈夫だって。みんな近くにいるんだから」
「………うん………わかった…………」
項垂れながら、なでしこは去っていった
きちんと閉めていったなでしこに、
高彦はやはり律儀だと思いつつ
「…あいつは、俺を信用しすぎだ……」
少し心配になる、高彦だった───
▽ ▽ ▽
「……………」
寝袋にくるまった高彦
テントの天井を見ながら、今日の出来事を回想していた
2回目となるキャンプ
初めてのグループ(しかも異性と)キャンプ
綺麗な景色、美味しいご飯、みんなとの楽しい時間
そして────
『良かったらだけど、野クルに入らないか?』
「………野クル…か」
千明、そしてあおいとなでしこに誘われた
野外活動サークルへの勧誘
正直悪い話では無い
自由な時間が欲しくて部活には入らなかった高彦
だが野クルは、まったりした集まりであり、
忙しそうでは無い
なにより好きになったキャンプに携わる物だ、
嫌なわけが無い
…されど、やはり女子だけの集まりに
男一人入るのも気が引ける
誰か別の男子が入ればマシだろうが、
千明の口ぶりからそれはあまり望めないだろう
幸いにも千明は直ぐに答えてくれなくても言いと言ってくれた………が、なるべく待たせてしまうのも高彦は申し訳ないと感じる
考えを巡らせながら、ゆるりとやって来た睡魔に身を委ねようとした
その時
ゴソゴソ「…?」
「たかちゃん、起きてる…?」「……なでしこ?」
「あ、ごめん……起こしちゃった?」
「いや……どうした?」
「うん、実は───」
「…成る程な」
「あきちゃんとあおいちゃんはもう寝ちゃって……」
「…わかった、ちょっと待ってな」「!いいの…?」
「そう言うことなら…それにこんな真夜中に女の子1人行かせるのもな」
「…ありがと、たかちゃん」
ニコリと笑って、なでしこはテントを閉めた
「…さてと」
寝袋から出て、高彦は準備をする
外に出る準備を
▽ ▽ ▽
「たかちゃん来てくれて良かったぁ~」
テントの外でホッと胸を撫で下ろしたなでしこ
なでしこもこの暗闇の中、
一人で外を歩くのが怖かったのだ
なので高彦が一緒に来てくれることになってくれて、
なでしこは安心したのだ
「お待たせ」そうこうしていると、テントから高彦が出てくる
「ううん、全然待ってな………」
「?、どうしたんだ?」
「……………
どなたですか?」
「は?
高彦ですけど?」
「たかちゃん…?でも、眼鏡………」
「?……ああ、俺普段コンタクトだから」
「そうだったんだぁ~」
「…そんなことより、早く行こう。
待たせてるんだろ?」
「!そうだった!!じゃあ行こっか!!」
意気揚々と足を踏み出すなでしこ
その数分後
「ひいぃ…暗いよぉ…」
やはり怖がるなでしこだった
特に夕方も通った林の中は、ランタン二個分の明かりでは目の前が殆ど見えないくらい暗い
「大丈夫か?」「うぅ……怖い…けど……」
「…なでしこ」
高彦は、なでしこに手を差し伸べた
「たかちゃん…?」
「……ここ抜けるまで手を引くから。
着いてきな」
なでしこはおずおずと、その手を取った
途端に襲い掛かっていた恐怖が、
幾分か薄れていくのをなでしこは感じる
「…ありがとう……たかちゃん…」
「…ああ」
ガサガサ 「ふェっ───」
「ひwj~mpa¥ぇひぐひqmdぃえあ!!?!?!?」
「おい落ち着けなでし──おわっ!?」
なでしこは高彦の手を引いて走り出した
全速力で
足元が見えにくい、暗闇の中を
「ひぃぃぃやぁぁぁ!!!?!」
「落ち着け!転ぶ、転ぶから、
怖いからぁァッッ!!!!」
それからまた数分後
「「はぁ…はぁ……」」
やっと林の中を抜けた二人
「ふーーっ……暗いとこ抜けたぁーー」
「…そだね」
荒くなった(全力疾走したから)息を整える高彦となでしこ
「はぁ………さて、行くか」パッ
「あっ………」「なでしこ?」
「あ、ううん!
リンちゃん待たせてるから早くしないとっ!!」
小走りするなでしこ、それを追う高彦
二人が向かう先は───
「ついた……よしっ」
パシャリ
「…えへへ~」
なでしこはスマホで撮ったものを満足げに眺めた
「…………」
高彦はただ、目の前の光景に目を奪われていた
千明が夜景で有名と言っていた、
笛吹公園からの夜の町並み
山々に囲まれた町の明かりが、星のように輝いている
リンにこの光景を見せたくて、なでしこはここに写真を撮りに来たのだ
ヴーッヴーッ
「?たかちゃん、リンちゃんからちょっと待っててって………たかちゃん?」
「………………!あ、うん………」
「…綺麗だよね」「…うん」
「…普段住んでる場所が、違うところから見るとこんな綺麗なんて………不思議だな」
「そうだね………」
そうして暫くすると
ヴーッヴーッ
再びなでしこのスマホが鳴った
送り主はリンから
内容は「お返し。」のメッセージと
高ボッチからの夜の夜景だ
「たかちゃん、リンちゃんから」
「うん?……………」
高彦はまた、言葉を失った
高彦のその様子を微笑んで見ながら、
なでしこはリンに返事を送った
「ありがとう」
「………」
そのメッセージを、長野にいるリンは見て小さく笑んだ
山梨と長野は遠く離れている
だが、二人の気持ちは一緒だ
「「綺麗だね」」
同じ空の下、二人の景色…………
きっと自分達は───
「………ありがとう なでしこ」
繋がっている─────
▽ ▽ ▽
次の日
「……ふわぁ………」
ぐっすり寝ていたなでしこが、目を覚ました
昨日はいろんなことがあった
初めての場所、美味しい食べ物に温泉
キャンプ、そして────
「…リンちゃん、喜んでくれて良かったな」
ニッコリ笑いながら、なでしこは寝袋から出る
朝御飯の準備しないと…とテントから出ると
「あ、おはよう」「へ?」
既に誰かが起きいた
千明じゃない、あおいでもない
「たかちゃん?」
「もうちょっとでご飯できるから、待ってて」
「あ、うん……え?」
呆けているなでしこ、その間に千明とあおいも起きてきてテントから出てきた
二人もなでしこと同じような反応を見せていて
高彦はそれを見て思わず笑ってしまう
「朝ごはん、食べようか」
高彦が作ったのは野菜たっぷりのコンソメスープ
そしてもう一品
平たい大きめの皿に卵(4つ)牛乳(適当)砂糖(適当)を混ぜて、一口大に千切った食パンを浸ける
少し置いて(その間にスープを作った)、ひっくり返して両面に調味液を染みらせる
家から持ってきた小さいフライパンにバターを溶かし、漬け込んだ食パンを弱火で焼く
両面に程よく焼き目がつけば…………
「外でやるのは初めてだけど出来たな
フレンチトースト」
不格好だが、正真正銘のフレンチトーストだ
「砂糖は少な目にしたから、ハチミツをお好みで。
みんな、コーヒーとココアどっちに……て」
「「「……………」」」
「…どした?」
「…刈谷くん、ホントに料理出来たんやな」
「ああ、うん……疑ってたの?」
「かりやん、お前……主夫だったのか?」
「いいえ、俺は高校生だよ」
それからなんやかんやあり、
四人は高彦が作った朝ごはんを囲む
「「「…………」」」
そしてフレンチトーストを一口
「…素朴だ……」「なんか…良いなこれ」
「優しい味がするよ~」「そりゃどうも」
それからコンソメスープも一口
これも素朴で、ホッとする味だった
「お母さんが作るご飯みたいやね」
「料理は母親から大体習ったからね。
味付けとかも似てるんだよ」
「…でも」なでしこが口を尖らせた
「…もしかして美味しくないか……?」
「ううん!そうじゃないんだ
…ただ」
「たかちゃんのおもてなしキャンプだったのに……
それらしいことあまりしてないから………」
「「ああ……」」
「いや、昨日カレー作ってくれたじゃないか」
「う~ん、でも………」
納得してない感じのなでしこ
それを見た高彦は、
じゃあ…と言葉を発し
「入部試験……て事で」「「「え?」」」
「俺は合格かな?」
小さく笑ってそう言った高彦
彼の言葉の意味を理解した3人
返事は決まっていた
「「「合格!」」」
わーっ、と盛り上がる3人
「……(十分すぎる程お返し貰ったよ)」
心の中で高彦は、そう呟いた……………
「これで部員四人! 部活に昇進だぁ!!!」
「やったなぁ~」
「わあい!たかちゃんも一緒~!!」
「…それが目的ね」
少し苦笑いする高彦だった
そして翌日
学校にて山岳部顧問の大町にそれを伝えると
「ああ~…すまん。
実は金曜の会議で部活の昇格人数『5人』以上になってな………」「「「゜H゜」」」
「ははは……」
昨日に続いてまたまた苦笑いする高彦だった
どうやらまだ、極狭部室からの引っ越しは
遠そうである
イヌイヌイヌ子さん
前回までのあらすじ(あったっけ?あったはず多分ね)
今まで犬山は岐阜県だと思っていた犬山は
実は犬山は愛知だと知った犬山
犬山を絶体絶命のピンチが襲う!
どうする犬山!どうなる犬山!!
「───待って!」
と、そこに救いの手が現れた
「なんで犬山が岐阜じゃいけないの!?」「!?」
「わたし前は浜松の端に住んでたけど、
全然静岡感なかったもん!!
静岡らしさとかなかったもん!!」
「うん、怒られるぞ誰かに」
「あおいちゃん……良いんだよ………
犬山は………岐阜でも良いんだよ………だって考えてみて?
宇宙から見たら、日本に県境なんて無いんだから……」
「───なでしこ!!あたしが間違ってた!
そうだよな………愛知も岐阜も同じだよな!」
「わかってくれたんだね、あきちゃん………」
「怒られるぞ」
「犬山が何県でもええなら、北海道がええわー」
「「!?」」
「…作者は別に愛知と岐阜にアンチ持ってる訳じゃありません。愛知も岐阜も、良いところです。
以上、誰に言ってるのか分からない、〆でした」