ゆるく行こう~野クルの男子部員~   作:Akila?

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ちょっと投稿をミスったのでハラハラしました
まだハーメルン投稿に慣れてません……




再会と久しぶり

 

 

───それは、今よりも幼かった頃の思い出

 

「…ぅぇぇっ……」

 

「もう、なくなよ……」

 

「だってぇ………」

 

 

 

「…やくそく!」「へぇ…?」

 

「いつかぜったい、またあう!

ぜったい!!」

 

「…ほんと…?」「うん!ほんと!」

 

「………わかった………やくそくだよ?」

「やくそくだ」

 

 

 

「…グスン……うん…っ!」

「………じゃ、またな   なでしこ」

 

「うん、またね      たかちゃん」

 

 

 

 

「…んぁ?」

 

なでしこはムクリと起き上がる

 

今日は新しい学校へ初登校する日だ

 

 

「…また見たなぁ……あの日の夢

 

 

たかちゃん、どうしてるかなぁ……?」

 

なでしこはそう呟きながら、立ち上がる

 

 

新しい学校の制服

 

 

本栖高校の制服を手にとって

 

 

キーンコーン…

 

学校の鐘が鳴った

 

今日1日の最後の授業の鐘だ

 

帰りのホームルームを終えて、

本栖高校の生徒達が各々の

放課後の過ごし方をする

 

部活に行く生徒は活動場所に行き、

委員の仕事がある生徒はそれをこなしに行く

 

 

そして何も予定の無い生徒は家に帰ったり

 

 

学校に残って何かしらの事をしたりする

 

 

高彦は最後の生徒に該当した

 

「よし、っと…刈谷君、荷物運びありがとう。

多かったから助かったわ」

「いえいえ」

 

重そうで大変そうだった

歴史の田原と言う教師の手伝いで

校舎に残っていた

 

「…ふぅ」

「…田原先生大丈夫ですか?

もっと持った方が良かったです?」

 

「ああ、いや大丈夫だよ。

それよりお礼にお茶でも淹れるよ」

 

「お礼なんて良いですよ。

じゃ、さようなら」

 

高彦は田原に挨拶をして、

職員室から出ていった

 

「…最近田原先生疲れ気味なんだろうか……

深刻…って感じはしないけど」

 

呟きながら校舎の中を歩いていく

 

すると中庭の方で、

数人の女子生徒が集まっていた

 

「あれ…確か野外…活動サークルだっけ?」

 

記憶が正しければ同級生の女子が

立ち上げた物だ

 

高彦も興味を持ったが所属しているのが

女子だけと言うこともあって、場違いだと

断念したサークル

 

どうやらテントを張っているらしいが

 

 

「……あれ?3人いる…って、あの子…」

 

2人だけのサークルの筈だが、もう1人

彼女達とテント張りをしている女子

 

あの桃色の髪は、見覚えがあった

 

 

「本栖湖の……各務原なでしこ…だっけ?」

 

あの時の少女、

なでしこが彼女達と一緒だった。

 

「ここの生徒だったのか」

そう思いながら、何の気無しに

眺めていた高彦

 

テント張りは順調…だったのだが

 

「…ちょっと曲げ過ぎなんじゃ」

テントのスリーブにポールを通して、

端を本体の四隅にある穴に固定…の所で悪戦苦闘している

 

曲げ過ぎじゃないか──そう思った

 

 

ボキッ!

「あ……折れた」

 

…やはりポールが折れてしまった

 

3人共焦ってワタワタしている

 

そこへ助け船を渡しに来た、

1人の女子生徒

 

 

彼女はポールを直しに来たみたいで、

折れたそれをカバーの様な部品とテープで

修繕した

 

「へぇ…ああやって直すのか」

 

ポールが直り、改めてテント張りを

再会させている

 

 

…しかし、やはり上手く固定が

出来ないらしい

 

「…均等に通ってないからかな…?

だから穴に通す長さが足りない…?」

 

長さが合うように抑えながらなら………

…………………………

 

……………

 

 

「………おせっかいだね

俺も」

 

高彦は校舎から、

靴を履いて外へ出た

 

暖房が効いていない校舎の中よりも

冷えた空気で直ぐに寒くなる

 

白い息を吐きながら、

彼女達の方へ向かう

 

高彦はポールを固定しようと四苦八苦

している女子の、反対側のポールの

端にしゃがみこんだ。

 

「!あっ!

スープのお兄さん!!」

高彦に気が付いたなでしこが、

声を上げた

 

「(スープのお兄さん……)

こっち抑えてるから、やってみて」

「お、おう。分かった……」

 

高彦の言葉を受けて、再度ポールはめに

トライする眼鏡の少女

 

何とかポールを穴に通せ、

とても安心する4人と

面白そうに見ている1人

 

 

そして

 

 

「…あの人……」

その様子を見ていた、1人の少女

 

 

窓から中庭が見える図書室にて、

図書委員のリンは一連をずっと見ていた

 

 

ここの生徒だったのかと

なでしこを気にしつつ、面倒そうだと

見付からないようにしていたのだが……

 

やって来た高彦を見て、

なでしこと同じ日に同じ場所で出会った彼の事を思い出す

 

 

「あの人も同じ学校…先輩…か…?」

 

高彦の加わった一団は、

テント張りを続けていく

 

 

結局手伝いを続ける高彦と

なでしこ達は先程よりスムーズに

テントを組み立てていく

 

数分後

 

無事(?)、980円テントが完成した

 

両腕を上げて喜ぶ3人、

出しゃばった事をしたかもと思ったが、

まあ良いかと高彦は感じた

 

 

「あのっ!」

一通り人生初の建てたテントに

感動していたなでしこが、

高彦に話し掛ける。

 

「また助けてくれてありがとう!」

「…どういたしまして」

 

「斎藤さんもありがとね。助かったよー」

 

独特の関西弁を話す女子が、

ポールを直した少女にお礼を言う

 

 

「でもあんな事よー知っとったねー?

テント持っとるの?」

「あ、違う違う」

 

 

あそこの子に聞いたのよ、と

斎藤と言う少女が目を向ける

 

 

その先には図書室にいたリンがいた

 

「おい──」

思わず絶句するリン

 

ポールを直しに行った少女、斎藤恵那は

リンの友人

 

なでしこに見付からないようにと、

自分は隠れたかったのに───

 

残念ながら恵那にはその願いは届いて…

もしかしたら察していたのかもしれないが

 

 

「あーっ!」

なでしこは直ぐにリンの事に気付いた

 

「あ、しまリンじゃないか」

「ゆるキャラみたいな言い方止めぇや」

 

「しまリン?」

「志摩は名字、名前はリンだよ」

 

「リンちゃん……!」

恵那から名前を聞いたなでしこは、

満面の笑顔を向けて

 

 

「リンちゃーん!!」

と、駆けていった

 

リンに向かって

 

図書室の中にいるリンに向かって

 

「この間は、ありがへぶっ!?」

 

勢いよく駆けていったなでしこは

 

 

勢いよく窓ガラスに正面衝突した──

 

 

 

 

それから暫く

 

テントの片付けを終えたなでしこと

 

眼鏡の少女・大垣千明

 

関西弁の少女・犬山あおい

 

3人は野外活動サークル、略して

『野クル』の部室に帰っていった。

 

高彦も片付けまで手伝ったので、

下駄箱まで一緒に着いていく

 

道中

 

「…………」

なでしこは、目に見えて落ち込んでいた

 

幻覚だろうが、限界まで垂れ下がった

耳と尻尾が見えるくらいに

 

 

理由は先程

 

本栖湖にて助けて貰った恩人の

リンに会えてテンションが上がり

 

 

そのまま彼女に会いに行って、

上がったテンションのまま

 

「私たちと一緒に

野外活動サークルやろ──」

そう言った瞬間に

 

滅茶苦茶嫌そうな顔をされたのだ………

 

 

落ち込む彼女に、いち早く声をかけたのは

 

 

 

「…各務原ちゃん」あおいだった

 

 

「志摩さんはグループで

わいわいキャンプするより、

静かにする方が好きなんやないかな?」

 

にっこり微笑んでそう言うあおい

 

優しく告げられたその言葉に、

なでしこはハッとした顔をした

 

ついで

 

「…確かに、

キャンプって色んな楽しみ方があるから」

 

後ろを振り返り、なでしこと目を合わせて

高彦はそう言う

 

「人それぞれで、楽しみ方は違うんだよ」

「…楽しみ方……」

 

 

「…まあ、語るほど俺もキャンプしてないけど。

1回しか」

 

「え、じゃああの時が初キャンプだったの?

てっきりベテランさんかと思ってたよ」

「まだまだ初心者ですよ、お嬢さん」

 

高彦の言い方が面白かったのか、

声に出して笑うなでしこ

 

どうやら落ち込みが少なくなったらしく、

高彦とあおいはホッと胸を撫で下ろした

 

 

「…私ちゃんとリンちゃんに謝るね」

「せやな」「それが良い」

 

「ありがとね、犬山さん」

「あおいでええよ~」

 

「うん!じゃあ私もなでしこで良いよ!!」

 

すっかり元気を取り戻した様である

なでしこは、高彦の隣に駆け寄って

 

「スープのお兄さんもありがとう!!」

満面の笑顔でそう言った

 

「どういたしまして…ところで、

あの、お兄さんはちょっと………」

 

苦笑いを浮かべつつ、そう言う高彦

 

なでしこが同級生の同じ年と分かった為、

高彦はなでしこのお兄さん呼びが

気恥ずかしかったのだ

 

「…え~と……」「あ、そうか」

 

そういえば名前を名乗ってなかったなと

今更気付き、高彦は名前を名乗った

 

 

「刈谷。 刈谷高彦だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………たかちゃん?」「は?」

 

名乗った途端のなでしこの発した事に、

高彦は思わずすっとんきょうな声を出した

 

なでしこはそんな高彦に構わず…と言うか

居ても立ってもいられないと言った様子で

 

「わたし!各務原なでしこ!!」

「はい、存じてますが……」

 

 

「浜松の幼稚園で一緒だったなでしこ!!!」

「……浜松…?幼稚園………」

 

2つのキーワードを聞いて

 

高彦は忘れていた、子供の時の事を思い出した

 

 

実は高彦は、生まれは静岡の浜松だった

 

幼稚園5才の時に引っ越しをし、

色々あって今は山梨に住んでいる

 

 

その浜松で暮らしていた時

 

幼稚園に入る前から、

それこそ産まれてから

ずっと一緒に遊んでいた人物がいた

 

 

『たかちゃーん!!』

『そんなはしるとあぶないぞ

 

なでしこ』

 

 

 

 

「…………なでしこ…か?」

「そう! 今気付いたよ~!!」

 

 

また会う日が来るのかね?──そう思っていた

 

まさかこう言う形で再会となるとは

思ってもみなかった

 

「なんか、おもろい事になってきたな~」

あおいは何だか刺激のある日々が

来るんじゃと、わくわくしたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…なんか微妙にあたし、

空気じゃね?」

 

少し空気になっている

大垣さん家の千明さんだった

 

 




直前までなでしこの幼馴染み設定は悩んだんですが、これからの話の流れからやっぱりそうしようと決めました。

高彦なのですが、浜松から他県に行って
中1から山梨にやって来た設定です

浜松から何処に行ってたかは
まだ決めてません(・・;)

もう少し高彦の事を書いたら
設定集みたいなのを投稿しようと思います

最後に、2話を少し訂正します

具体的には高彦がなでしことリンにスープを振る舞った所です
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