GBNフォース『レイヴンズ·ヒル』活動録   作:屋根裏部屋の深海

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レイヴン諸氏なら一度は身に覚えがあるであろうシチュエーション。
同じ連戦でも残弾やAPが回復する仕様がなくなってからは難易度が一気に変わりましたね…


『レイヴン、依頼主から通信です』

フォース戦当日。

集まった<WB>と<ホーンテッド>の空気はまさに一触即発だった。

 

ニヤニヤと下品な笑みを隠そうともしない<ホーンテッド>と、殺気立っている<WB>。

異様な空気に当てられてか、周囲にダイバーの姿は見当たらない。

 

「よぉ、今日も『よろしく』頼むぜぇ」

「ああ、『真剣』なバトルをしよう」

<ホーンテッド>のリーダーとフォトが挨拶を交わす一方で、傭兵達の方は何とも言えない空気となっていた。

 

「………よりにもよってお前らか」

「まさか、こんなところで会うとはな」

如何にもストリート育ちといった、目付きの悪い不良染みた印象を与えるダイバーは頭を抱え、バスク·オムのゴーグルを掛けた体格の良いダイバーは自分達の悪運に苦笑する。

その二人に対し、ツクヨとRDは涼しい顔である。

「まあ、何となくは分かってた」

「エネミーさんにゼンさんっすか………また報酬だけで依頼決めたっすね?」

 

レイヴンズ·ヒル所属、『ストリートエネミー』と『クライゼン』。

貧乏は敵だと言わんばかりに高額報酬の依頼を狙うストリートエネミーと、それを補佐するクライゼンという中堅傭兵コンビ。

もちろん報酬が高い分依頼内容も難易度が高いものが多く、完遂も一苦労な中で一定数以上の依頼が舞い込み続けている実力派である。

 

「まぁ良い、せっかくの機会だ。お前達の実力も見せてもらう」

「今日はあくまでも敵だ。手心は期待してくれるなよ」

そう声を掛け、二人は<ホーンテッド>の側へ戻って行く。

その姿を見ながら、おもむろにツクヨは先程クライゼンから届いたメールを開封した。

 

《<ホーンテッド>フォースリーダーにチートツール所有疑惑あり、注意しろ》

 

「チートツール………最近噂になっているやつか」

「『ブレイクデカール』っすね。使用がログに残らない上にメチャクチャな強化がかかるって噂っす」

「………まあ、それを使ったところで使い手があれではな」

 

<ホーンテッド>のリーダー機、ケルベロスバクゥハウンドの出来具合を思いだし、ツクヨは相手にもならないと判断する。

ガンプラの作り込みが性能に直結するGBNでは、一つの作り込みの甘さが命取り───それすらマトモに出来ないダイバーに、負けるつもりはさらさらない。

 

「二人とも、今日はよろしくお願いします」

「任された」

「もちろん、アンタ達を勝たせてやるっすよ」

 

 

ハンガーにて、<WB>のメンバーはツクヨ達の機体を見上げる。

今日ツクヨが持ち込んだのは、ツクヨのパーソナルカラーの濃紺と黄色に塗装された如何にも堅牢そうな機体。

しかし上半身の装甲が直線的なのに対し、脚部は丸みを帯びた重装甲になっている。

「これは…ガルム·ロディがベースですか?」

「ベースはそう。イメージはサンダーボルト風改造」

「道理でバックパックに武装のラックが有るんですね」

「元々剛性の高いロディフレームだから重武装も可能、両肩シールドを大型化してここにグレネードを移設、脚部はランドマン·ロディをわざとベースにして安定性を確保………凄い機体ですね」

「むしろ初見で良くそこまで分かったっすね」

「………少し過小評価していたかもしれない」

シールド内部のとっておきまでは気付かなかったようだが、フォーカスの眼の良さにツクヨは驚いていた。

腰部マウントラッチにはバスターソードの代わりにスターク·ジェガンのハイパーバズーカがマウントされ、サイドアーマーには予備武装として漏影のハンドガン、格闘用のハチェットが装備されている。

バックパックには速射型チェインガンにショットガンが一つずつマウントされ、手にはグラハム用ユニオンフラッグのリニアライフルを改造したと思われる重厚なライフル。

実弾と重装甲で敵の前に立ち塞がる重MS───それがこの『サラシナ·山』である。

 

「RDさんのはスカイグラスパーにウィングとバスターのダブルストライカーですか」

「ゴテゴテしてますね………」

「空中から圧力を掛けるなら火力が欲しいっすから」

ストライカー対応パックであれば何だろうと装備可能という、ガンダムSEEDの支援戦闘機スカイグラスパー。

外伝にて登場するバスターガンダムの装備をストライカー対応とした《バスターストライカー》、続編のSEED DESTINYにて登場した大気圏用の《ジェットストライカー》を装備したその姿は確かに重装備であり、ジェットストライカーのミサイルポッドなどの追加装備から攻撃機とも見えなくもなかった。

 

「基本は私が前に。RDとそちらのエースで前線を抑えて砲撃で削る」

「俺が鍵になるのか………」

普段は鋭い目付きのコダックが、やや力の無い目をしている。

前線の機体が数的不利を避けられないこのチームでは、相対的に火力のある彼への責任が大きくなる。

「何だ、怖じ気づいたか?」

「ハァ!?てめ、勝手なこと言いやがって「私は怖いよ」…っ!?」

「もし負けたら、奴らを抑えられなかったら、先に落とされたら。そんな想像が頭をずっとよぎってる」

見れば、フォーカスの表情は笑みを浮かべながらも若干固い。

彼ら、彼女らにとっては今まで虐げられてきた相手への逆襲ではあるが、それだけで恐怖を押さえ込めるのであれば楽なものである。

他のメンバーも同様に表情が固い。

 

「………そうだね。皆、怖くて仕方ないさ。だけどコダック、フォーカス君も、戦うのは君達だけじゃない」

おもむろに口を開いたフォトは、そう言ってツクヨ達に向き直る。

「情けないけど、僕たちだけでは勝てないかもしれない………だから、僕たちを勝たせて欲しい。あいつらを、乗り越えるために!」

 

「………元より、そういう依頼だ。ならば、私も全力を尽くすまで」

そう言ってツクヨは背を向け、自分の機体へと歩いていく。

 

「………あんた達はゲームの勝ち方ってのを知ってるっすか?」

ツクヨの背を見送るRDから、唐突に投げられたその言葉に返答したのはニコ。

「………『相手を倒す』、それじゃダメなんですか」

「間違ってはないっすよ。だけど全ての相手を真っ向から全力で倒すことが出来るっすか?」

「………っ」

「だから、俺たちが教えてやるっすよ」

───『ゲームの勝ち方』ってやつを、ね。

 

 

 

 

 

フォース戦の舞台はキリマンジャロ基地。

機動戦士Zガンダムにて激戦と悲劇の地となった重要基地ではあるが、フォース戦においては度々吹雪で視界不良を起こす上に極寒の気象条件によりガンプラの機動性がダウンすることがあるなどの理由から不人気気味のフィールドである。

出撃した<ホーンテッド>の機体構成はケルベロスバクゥハウンド、ギャプラン、ドライセンにストリートエネミーのジム·カスタムをベースとした【スタティック·ジム】とクライゼンのジンクスⅢのカスタム機【インソムニアジンクス】という、高機動機と重MSの混成編成である。

『雪山たぁついてるな!()()()()()をアイツで再現したらどんな顔するだろうな、ぎゃはは!』

『そりゃあいい!何回串刺しにされたら悲鳴をあげるだろうな、んあーはっはっは!』

(………バカが、向こうが本気になれば狩られるだけだろうに)

(実力差も見えないか…いや、見たからこそのこの執着か?)

偵察のため先行するギャプラン以外はどう相手をいたぶるかで延々と話しており、索敵にも全く意識が向いていない様子。

早くも辟易とし始めた傭兵2人の索敵アンテナが突然反応を捉え───直後にノイズを吐き始める。

 

「ジャミングだ!ザクフリッパーが近いぞ、注意しろ!」

『ああ!?てことはあのクズが近くにいるんだろ、探すぞ!』

「あ、おい!この状況で迂闊に動くな!」

『うるせぇんだよ傭兵が!黙っててめぇらはついてくりゃいいんだよ!』

「くそ、好き勝手しやがって………!」

(………これは、本格的に貧乏くじだな)

敵側のリーダー機が近いと踏んだバクゥハウンドとドライセンが突出し、制止を聞かずに突進する。

あまりの傍若無人ぶりにストリートエネミーは毒づき、クライゼンは言葉こそ無かったが明らかに呆れた雰囲気を醸し出しており、最悪依頼人を囮にすることも視野に入れた。

 

 

一方、空中では。

「ほらほら、僕らに勝ったらどうなるか分かってるよねぇ~?」

『………』

「黙ってないで何か言えよこのクソアマ!」

先行したギャプランは胸部アーマーの青い部分を緑に塗装したフォーカスのI.W.S.Pストライクと遭遇し、追い掛け回していた。

ストライクは反撃をせず回避に徹しているが、その動きは緩慢で鈍い。

先程から幾つかガトリング付きシールドにビームが被弾し、そのダメージも無視できる程小さいものではない。

「はぁ~………つまんねぇわ。もういいよ、死ねよ!」

真っ正面から突撃するギャプランが変形し、MS形態となってその勢いのままに斬りかかる。

 

 

瞬間、ギャプランの頭上に影が落ちた。

 

 

『負けるのはお前っすよ』

 

 

「は?………っう、おおお!?」

頭上から奇襲を仕掛けたスカイグラスパーからの散弾が装甲を叩き、ギリギリで身をよじったギャプランの左バインダーを爆散させる。

「こ、このクソ傭兵!てめえ俺に攻撃したらどうなるのか分かってんのか、こいつらの部室もカメラもぶっ壊れんだぞ!?こいつらのお友達も皆殺しだ、分かってんのか!?」

『そんなことをここでペラペラ喋るのもどうかと思うっすけど………まあ、もうあんたらはどっちにしろ終わりっすよ』

「んだとぉ!?どういう意味………は?」

片方のバインダーを失い落下していたギャプランは更に右のバインダーを撃ち抜かれ、遂に射撃装備を失う。

その射線の先には、先程まで反撃もしていなかったストライク。

 

『あんたらのお仲間はこの勝負の前に既に取っ捕まったらしいっすよ。勝とうが負けようが部室荒らしてリンチしようとか、人間の屑っすよあんたら』

『器物損壊と暴行、脅迫…刑事訴追には十分なレベルの内容だそうです。そして証拠は全て揃えた。そちら次第で、使わずにも済んだのですが』

「ぐふっ………ど、どうせハッタリだろうが!俺を撃ってみろよ、その瞬間お前は終わりだよクソアマァ!」

地表の山肌に叩きつけられたギャプランは各部からスパークを起こし、もはや動くことは叶わず。

無慈悲に向けられた幾つもの銃口が、冷徹に狙いを定める。

 

 

『………ゲームオーバーっすよ、三下』

『ここで終わるのは、貴方だ』

 

 

RDのスカイグラスパーと、フォーカスのI.W.S.Pストライクの一斉射撃により、跡形もなくギャプランは爆散したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、吹雪の中片側一門のキャノンを展開する車輌形態のロトの姿があった。しかし履帯が取り付けられたその姿はガンタンクR44に近く、何よりも2つに折り畳まれ、ロト本体よりも更に伸びるその砲塔はロト本来の武装ではない。

メルザ·ウン·カノーネ───通称ザメルと呼ばれる大型の砲戦用MSの主砲である。

通常のロトよりも地上での運用を重視し、車輌形態での機動性と一撃の火力に特化した砲戦機体、それがこの【ロトキャノリー】だ。

 

「観測情報よし、初弾は徹甲榴弾………ホントに、この位置で良いんだな?」

『問題ない、後は何回目で向こう側が気付くかだ』

索敵要員兼観測手であるザクフリッパーはこの場にはおらず、護衛は渡されたカメラガンを構えるサラシナが務めている。

スコープの向こう側には突出するドライセンとバクゥハウンド、遅れて追う傭兵二人の姿。

狙うのは、<ホーンテッド>の2機、ではない。

 

『距離300、250、200………今だ』

「よし………撃つぞ!」

 

放たれた複数の砲弾は、()()()()()()()()()()()()()()()

 

─────キリマンジャロ基地は斜面に基地や砲台があり、移動の為には斜面を登り降りするか空中を行くしかない。

そして、標高の高さから多量の雪が降り積もる場所でもある。

そんな場所で、地面に振動を与えればどうなるか。

 

 

 

『なんだあいつら、ノーコンかよ!』

『ぎゃははは、もっとよくねらいまちょーねー!』

自分達の位置から離れた位置に着弾した砲撃を見て、<ホーンテッド>の二人は嘲笑する。

───その数秒後に起こることも知らず。

 

『おい、早くその場から逃げろ!』

『すぐに移動しろ、生き埋めになりたいのか!』

傭兵達から慌てた様子の連絡が入って、ようやく二人は斜面を振り返る。

『はぁ?生き埋めって、何、言って………』

「大したことねぇだろ、ビビりやがっ………はぁ!?」

轟音と振動と共に斜面を落ちてくる、雪の塊。

意図的に起こされた雪崩は間一髪機動力の差で直撃を逃れたバクゥハウンドを吹き飛ばし、ドライセンを一瞬で飲み込む。

『「う、ううおぉぉおぁぁぁぁ!?」』

『くそ、揃いも揃って………!』

 

 

 

雪崩に巻き込まれたドライセンは左半身が完全に動かず、仰向けになった右上半身が辛うじて埋もれずに済んでいた。

 

『くっそ、この………ひっ!?』

 

───そのドライセンの上に、ザクマシンガンを構えたザクフリッパーが踏みつけるように降り立つ。

『て、テメェ!撃ったらどうなるか』

『───終わりだよ』

コクピットへの0距離射撃に耐えられるはずもなく。

ドライセンは沈黙し、データの粒子に変わった。

 

 

 

 

 

 

 

「くそ、くそ、なんなんだよ、何なんだよ!?」

辛うじて雪崩から逃れたバクゥハウンドは、上空から現れたスカイグラスパーの爆撃とI.W.S.Pストライクに追いたてられ、援護を受けながら逃げ回っていた。

雪原でも機動力を損なわないバクゥの利点がここにきて十二分に活かされた形である。

そしてバクゥが結果的に囮となり、そこに<ホーンテッド>側の傭兵が加わったことで戦況は膠着した。

 

『そんな見え見えの機動で!』

『うわ!?装備の割に何でそんなバンバン飛べるんすかそのジム!?』

元々高機動のジム·カスタムを更に軽量化した【スタティック·ジム】の本領である機動力を以て、ストリートエネミーがジム·ライフルをセミオートでばら撒きながらRDのスカイグラスパーの機動を抑え込み、決定打を撃たせない。

 

『くっ、後はあのバクゥさえ落とせれば………!』

『残念だがそうはいかん。これも仕事だからな』

I.W.S.Pストライクの火力と機動力を真正面から受けながらも、装甲でガトリングを受けつつレールガンやライフルなど火力の高い攻撃は躱し、アウトレンジに退くことを許さず付かず離れずの中距離からGNサブマシンガンとMMP-80マシンガンの改造と思われる実弾マシンガンの二挺の弾幕で突破を許さない【インソムニアジンクス】とクライゼン。

 

ロトキャノリーからの支援は続いているが、激しく動き回る空中の機体に当てるには位置が遠く、かといってバクゥハウンドは先程から徹底して回避に集中しているため中々攻撃が当たらない。

 

『くそ、ここにきて当たらないなんて!』

『傭兵は無理に狙わなくていい、リーダーとの合流を優先しろ』

『!分かった、頼むぞ!リーダー、傭兵が前線に出る!』

『了解だ、コダック君は今指定したポイントに来てくれ』

 

状況の打開のため、フォトのザクフリッパーが観測を引き継ぎ【サラシナ·山】が入れ替わるように前線に出る。

その前方には攻めあぐねるストライクと飛行するインソムニアジンクスの姿。

 

『ふむ、合流されたか。まあ仕方ない』

『傭兵、こちらは良い!あのバクゥを追って下さい!』

「それなら私が代わる。相性なら私の方が良いし、バクゥなら空中から仕掛けた方が良い」

『………分かりました、頼みます!』

肩のチェインガンをアクティブにし、手持ちの拡散バズーカとリニアライフルに合わせてインソムニアジンクスの行く手を阻むように弾幕を張る。

空中のジンクスはGNドライヴ機体の特徴を活かし、重量を感じさせないアクロバティックな機動でそれらを難なく躱すが、その隙を突いてストライクが奥のバクゥへ飛翔する。

 

『やれやれ、無視するには厳しすぎるか。そっちは行けるか?』

『すまん、こちらも余裕が無い!砲撃がこちらに集中し始めた、RDを抑えるので限界だ!』

『ふ、ふざけんな!てめぇら、俺を守れよ!』

 

いくら装甲が強化されても鉄血系機体の実弾火力では心許ない。

諦めてクライゼンはツクヨと相対し、相方が実質2対1の状態を耐えてくれる間に撃破を試みる事を決めた。

────それは、依頼者のバクゥを単独でフォーカスのストライクと相対させる、ある意味見限ったとも取れる行動だった。

 

「良いのか、あちらを放っておいて」

『どうせ只の案山子も同然だ、囮になるならそちらの方が勝てる確率は上がる。依頼は【フォース戦の勝利】であって【護衛】ではないからな』

 

 

 

 

「ふ、ふざけやがって………どいつもこいつもぉ!」

通信でその言葉を耳にした<ホーンテッド>のリーダーは怒りに震えながらも、迫り来るストライクから離れようと逃げる。

しかし、いくら地上戦に特化したバクゥハウンドとは言え足元は雪原、機動力は空中を進むI.W.S.Pストライクの方が上回る。

徐々に距離は縮まり、左右に機体を振るすぐ脇を次々に攻撃が着弾し、積もった雪を撒き散らす。

 

(くそ、くそ、こんなので負けてたまるか!あのクソどもに、あのクソどもなんかに!)

追い詰められる彼は、戦闘前に手に入れていた()()()()を選択する。

 

 

 

 

 

 

 

 

『てめぇら全員皆殺しだ!ふざけやがってええええええ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、その叫びと禍々しいエフェクトと共に、バクゥハウンドが弾け飛ぶように巨大化する。

背中のケルベロスウィザードからは更に6つの首が飛び出し、脚部は肉食獣のような爪の伸びた脚に。

更に頭部も鋭い牙を伸ばし獣のように裂け、まるでヒドラの哺乳類版といった様相の異形の怪物となる。

 

『な、これは!?』

「死ねやああああああ!!!」

 

増えた頭がまるでデビルガンダムのガンダムヘッドのように伸び、空中のストライクへ襲いかかる。

間一髪で高度を上げ回避し、距離を取るフォーカスに次々にバクゥヘッドから出力を大幅に増したビームが放たれ、I.W.S.Pの右主翼を吹き飛ばした。

その攻撃は、スカイグラスパーと戦っていたスタティック·ジムのシールドをも直撃し対ビームコーティングがなされたシールドを溶解させてしまう。

 

『おい、どういうつもりだ!こちらまで巻き込むつもりか!』

「うるせぇ!ロクに仕事も出来ねぇカスどもが、てめぇらもまとめて皆殺しだ!」

地上に降下したストライクや遠距離のロトキャノリーまで、自分以外の全てに攻撃を仕掛けるケルベロスバクゥハウンド()()()異形。

 

「これが、例のチートツールとやらか」

『どうやら、そのようだな。まさか機体自体を化け物に変えるとは思わなかったが』

『お嬢、ヤバイっすよ!今のアイツ、この場で一番ヤバくなってるっす!』

「見れば分かる。………さて、どうしたものか」

 

異形が咆哮し、8つの首から再びビームが放たれた。

 

 

 




サラシナ·山
ガルム·ロディの上半身とランドマン·ロディの下半身をベースに耐弾性能を強化した重MS。
バックパックがサイコザク風のマウントラッチ付きになっている他、両肩のシールドが延長、バスターソードは廃されてバズーカが主にマウントされており、腰には近接時と緊急時のために漏影のハンドガンと小振りながら厚みのある刃のハチェットを装備。
肩シールドには特殊グレネードなど武装を隠し持つことが可能。
火力の充実による機体バランスの悪化を下半身の装甲強化と重量の増加によって安定性を保っている。


ロトキャノリー
ロトのキャノンを片側一本にし、背部に姿勢安定ジャッキ兼用の追加の履帯を着けて、タンク形態の安定性を高めた機体。
キャノンはザメルの主砲であり、超遠距離からの火力支援と一撃の破壊力に長ける機体。


スタティック·ジム
ジムカスタムをベースに装甲を軽量化、バーニアを大型化した機体。
機動力を重視した結果装甲はかなり脆弱だがムーバブルフレームを導入したことにより重量のある武器にも対応可能。
追加装備として大型アンテナと連装ミサイルランチャーを装備し、左腕にビームガン兼用のビームサーベルユニットを装備。
焦げ茶色で目立たないがラミネート塗装も施され、最低限の防御力は確保されている。
主武装はジム·ライフル。

ダイバー:ストリートエネミー
幼少期にかなりの貧困の中にあったらしく、GBNでも報酬の高い依頼以外は受けない。
ただし守銭奴や銭ゲバという訳でもなく、完全な悪事には関わらず、必要とあれば金を使い、報酬も依頼の相場より若干高め程度で交渉を纏める。
アバターは長身にボサボサの黒髪に褐色肌、三白眼という如何にもといった風体。



インソムニアジンクス
ジンクスⅢをベースとし、重装甲化によって鉄血系機体やそれに対抗して増加した実弾兵器への防御力を高めた機体。
細身なデザインが多い00系において重装甲の機体は少なく、サキガケやティエレン等旧型機体のパーツも組み合わされているようだ。
武装はGNサブマシンガンとMMP80マシンガンを改造し火力を高めた『WR80M』、追加装備として多目的ロケットランチャーを肩部に装備。
カラーリングは青みがかったパールグリーン。

ダイバー:クライゼン
ストリートエネミーとは長い付き合いらしい傭兵。
機動力を高められた彼の機体を補佐するために重装甲化を選び、制圧力の高い装備を選択するなどサポーターとしての立ち回りが目立つ。
早い段階で<ホーンテッド>を見限っており、今回の依頼もあくまで噂のチートツールの確認がメインであった。
バスク·オムのゴーグルを着けた体格の良い男性ダイバー。
ストリートエネミーと並べばその手の筋の人にしか見えないとはもっぱらの評判。
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