ベルはここ一番美しい女性に出会った時のような顔をしていた。ベルの胸はバクバクと高鳴っている。顔はもう熱いくらいだ。それもそうだろう。小柄で明るく容姿も幼い少女肌は白く緑色の髪と瞳。エルフにもイヤ下手したら女神より美しく強いのだからダレダって気にするだろう。
「あなたが・・・影の女王?というか古明地って!?」
古明地と言う名前にベルは驚く。さとりと同じ名字なのでそれもそうだろう。
「うん!そうだよ!あともう一つ私は古明地さとりの妹だよ~」
「え・・・?!妹?!」
「ええ、」
カリバーの姿で頭を抱えながらいろいろ混乱していたベルである。マスクをしていてもおそらく惚れたのだろうとも分かるが・・・
「にしてもなんでゴライアスを・・・」
「一応だけど戦争遊戯に関してもあるけど一番は君かな?」
そこにこいしはベルのほうに指を指した。
「僕・・・?」
「そりゃあなたの戦いを見たからよ。レミリアお姉ちゃんを恩恵なしで倒すなんて普通はできないわよ!!それほど強くなってレベル2まさに私を抜けばオラリオ最強よ!!」
評価してもあくまで自分は最強だと思っているこいしである。(事実なのだが)
「え・・・?!見ていたんですか?」
「ええ、屋根の上からだったけどね・・・しかも闇の剣士!まさか実在していただなんて!!」
「どういうこと?実在していたって?まるでおとぎ話にあったみたいに・・・」
実在していたという言葉に3人は首をかしげる。
「知らないの?う~んベル君、君アルゴノゥト読んだことあるよね?」
「ア・・・はい」
アルゴノゥト、英雄を求める少年アルゴノゥトがたくさんの共に出会いアリアドネという王女を助けるためにミノタウロスの討伐隊に加わり倒すという物語だ。昔祖父にたくさんの英雄譚の中でベルの一番のお気に入りである。最後はミノタウロスを倒し英雄になる物語だ。
「実はね・・・その物語には隠された続きがあるの・・・」
「隠された続き?」
その言葉に耳を傾ける3人にこいしはまた話し始める。
「ええ、アルゴノゥト達はミノタウロスを倒すために二刀流、雷霆の剣そして炎の魔剣を使ったのはご存じよね?」
「あっはい・・・」
「でも実はその後にもう一つの剣を使っていたの、それが・・・闇黒剣月闇だった。」
「・・・ッ!?」
「ちょ・・・?!それ本当?」
「ええ、その本はすぐなくなったんだけどね・・・」
「その話詳しく!!」
カリバーの姿のベルが迫るように聞き出す。それはもうすぐに聞きたいと思うのが強く出ているように。
「ええ、その中で彼はとある魔王とその契約者を倒すために戦った。そいつ街に出て黒い炎を出した。それを従えていた契約者がいたのだけどそいつは子どものようにはしゃいだ。怒るにもそいつの強さはまさに史上最強!!」
ゴクリとベルはカリバーの姿をし、つばを飲みながら子どものように2人は闇黒剣月闇のことについて真剣に聞いた。ベルも闇黒剣月闇のほうに興味持てよ・・・と言うか変身解除しろよ・・・と言う突っ込みはおいておこう。仕方ないのだ。ベルは生まれつきこういうのがスキなのだから・・・
「急な重力強化、燃えさかる黒い炎、そこに奴は現れた!!邪悪なオーラ!!しかしそのオーラは人々を守る、そんな英雄の龍がアルゴノゥトに力を与えた!!」
こいしは突然語り手のような口調で話す。それに盛り上がったのかベルも目を輝かせた。
「その龍はアルゴノゥトを闇の剣士とした。その力は絶大!!まさに最強の龍だった!」
「それで!それで!」
ベルは目を輝かせながらこいしの話を聞きそれに盛り上げようと更に声を上げる。
「やがて魔王は倒れた!それに気がついたのか契約者は泣き叫んだ!」
「うん!うん!っていうか悪役ですよね?その契約者って・・・」
「ああ、うん変なところを気にするのね、それはそうとその時現れた変な老人と連れのサソリの男はその契約者を逃がしたの!!そこに最後の悪あがきに契約者は龍を殺そうとした!!」
ドキドキしながら聞いている子どもっぽいベルに可愛いと思ってしまった2人である。それに気にせずこいしは話を続ける。
「そこにアルゴノゥトは闇黒剣月闇の力で何とか抑えたけどその衝撃で龍は5匹になって飛び去ってしまった。そこで闇黒剣月闇はなくなっていた。辺りからは歓声が聞こえ道化はまた英雄になったとさ・・・」
「これで終わり・・・?」
「ええ、終わりよ・・・」
「そんなぁー!」
こいしの話が途中で終わりベルはがっかりする。カリバーの姿で・・・
「いや!?なんで普通に物語を楽しんでいるのよ?!これとても大事なことじゃないの?!」
「「え・・・?」」
「え?じゃないわよおおお!」
そこでさとりに正座させられた。ベルはこの時もカリバーの姿のままで
「とは言ったもののこれって偶然にしてはできすぎているわね・・・闇黒剣月闇がなんで・・・カリバーは昔からあったというの」
「それに関してなんだけどベルがまとっているカリバーの姿はなんか違うのよね・・・」
「「「え・・・?」」」
こいしの発言に3人の視線が集まる。
「なんかマスクの仮面?みたいのが着いていないはずなのよ。書いてあったのは赤い複眼そして紫色の体らしいのよね・・・」
「紫の体は合っているけど赤い複眼は確かにありませんね・・・」
暫く沈黙が続く・・・暫くしてこいしは立ち上がりそして口を開いた。
「さて・・・話はこれで終わり、早速ホームに戻って戦争遊戯の話だけどその前に・・・」
そしてこいしは構え・・・
「・・・ッ!」
「こいし?!」
ベルに迫ってきてそのまま剣を抜いた。ベルは予想していたのかすぐ受け止めたが後ずさりをした。
「・・・ッ!早い」
「一度戦ってみましょう?私も戦いたかったし・・・あなたもそうだったでしょう?」
「ええ、少し僕も実力が気になっていたところですから」
そしてベルは、こいしの方を向きすぐに反撃に出ようとする。しかしその先には・・・
「いない?」
こいしの姿はいなかった。辺りをベルは見回す。暫くたった後・・・
「・・・ぁ?!」
体がくの字に曲がり吹っ飛ばされていた。ベルはマスクの中で血を吹き出した。
「ゴホっ!どこから?!」
血反吐を吐きながら辺りを見渡すも辺りにはいない。聞こえる声はさとり達のわずかないき、そしてこいしの笑い声である。
「何処だ・・・ッ!」
何とか体制を立て直し構えたところでベルの前にこいしがいて装甲に傷ができた。
「こっちだよ!」
「ゴは・・・ッ!」
そのまま一方的に切りつけられた。そして何回か切りつけられたら蹴飛ばされた。ベルはそのまま壁にぶつかる。そこにまた壁には穴が開く。そして煙が晴れてくるとベルは倒れていた。
「アレ・・・?もうお終い?ならこれで・・・」
そしてこいしは手をかざす。
「無意識の中に咲くバラたちよ。目の前の敵を殲滅し今悪魔のバラが咲き乱れる・・・」
詠唱を始めた。こいしの周りにはバラが咲き誇りベルに対して方角を定める。
「こいし!!やめなさい!!」
さとりが声を上げるもこいしは無視をするように詠唱を続ける。
「踊れ、美しく咲くそのバラは悪夢を見せつけ敵を討て・・・」
詠唱はもう完成まで近づいた。
「ベル!!」
さとりがかけようとするが時は既に遅しもう打つ寸前だった。
しかし次の瞬間声が届いたのかベルは立ち上がった。
「ベル!!逃げなさい!!」
目の前に見せられるバラに、逃げろ・・・彼女には勝てない・・・ベルの本能が告げた。感じたのは敗北それもカリバーになって初めての敗北になるかも知れない。いままでカリバーになった状態では負けることはなかった。ベルはオラリオに来たとき個人戦なら誰にも負ける気がしなかった。ベートも、アイズも、あのオッタルですら第一印象は勝てるなとも思っているのである。しかし今の状況はベルが完膚なきまでにやられていた。この『影の女王』に・・・実は変身をとかなかったのも戦うと決めていたからだ。あったときからこの少女だけは勝てるか分からない、そう思ったからだ。
いつかベルの祖父はいっていた。
(ベルよ・・・いいか。世の中には上がいるものじゃ。いずれお前にも好敵手が現れるはずじゃ・・・その時は立ち向かえ!勝ちたいと思え!!そうして人は成長していくんじゃ!!ライバルを見つけろ!!そして勝って見せろ!!)
正直オラリオにもいないかと思っていた。しかしそんな甘い考えをこの少女はぶち破ってくれた。ベルはそれに感謝していた。そして・・・
(お爺ちゃん・・・見つけたよ、僕の好敵手・・・)
ベルはこの瞬間、こいしを自分の好敵手だと認めた。そしてその思いが彼を動かした。その思いを胸にベルは闇黒剣月闇をさやに入れトリガーを押す。
『月闇居合』
「我は誓う、この花と共に赤き戦場に染める!!放て!!」
そして覚悟が見えたのかこいしも魔力をためる。
そしてベルは鞘から引き抜く。
『読後一閃』
「サブタレイニアンローズ」
それと同時に赤いバラがそれぞれベルのほうへ向かってきた。その威力は絶大で壁に穴が開くほどだった。それをかわし時に跳ね返したりしていた。ちなみにこれはレベル6の冒険者でも避けるのには難しい技である。黒龍の魔力があるおかげか何とか跳ね返せるのであるが・・・それでも全部ではない。
「ウグゥ・・・・・・・・・ッ!」
何度かはかすりベルの装甲からは血まで出ていた。それでも前に進む。
「・・・ッ!」
こいしもそれに答えるように打つ。怪我をしながらも前に向かうベルに驚きながらも自分も攻撃を怠らない。やがて隙を見つけ出したのかベルにバラが包み込むように当たった。それにベルは装甲がボロボロになっていた。
「ウ・・・・オオオオオオォォォ!!」
それでも前に進む。闇黒剣月闇はバラの外にあるため受けてない。こいしは闇黒剣月闇にも攻撃しようとしたが・・・
「・・・ッ!?」
ベルが突っ走ってきた。バラの中を切り裂き目の前の道を走ってきた。そしてとうとうこいしの目の前まで来た。そして間合いに入りそのまま切りつけた・・・
「グハァ・・・ッ!」
が・・・それは届くことはなかった。その間に横に避け拳を入れたのだ。そしてベルは強制変身解除され気絶した。
「こいし!!これはいくら何でも・・・」
さとりが向かうが、ここで一つ気づいたことがあった。それは・・・
「こいし・・・腕・・・」
腕に切り傷があったのだ。腕からは血が流れておりかすり傷程度ですぐ直せたが当の本人は・・・
「は・・・ハハハ、ねぇお姉ちゃん・・・何年ぶりかな・・・痛いって感じたの」
そう言いながら気絶しているベルにエリクサーをかけた。
「やっぱりこの子すごいよ・・・」
そして笑いながらこいしはベルを抱き上げる。いわゆるお姫様抱っこというものだった。
「ちょ・・・?!こいし?!」
「ン・・・?どうしたの?」
さとりは焦っていた。それもそうだろう。これは普通男が女にやる奴で普通立場が逆だ。ベルが目覚めたら恥ずかしさで気を失うだろう。
「いや、これって・・・」
「ン・・・?イヤ気絶しているから運ぶのは当然でしょ?大丈夫!来るモンスターは全部やっつけるから!!」
「イヤそういうことじゃなくて・・・まぁ・・・良いでしょう、こいし後でお説教ね・・・」
「は・・・は~い」
さとりの圧力に押されながらも渋々承諾したこいしはどことなくうれしそうだった。そして4人はホームに帰る。この出会いがのちに彼らの英雄譚が始まった一歩であった。
「あれ?私途中から空気になっていない?と言うかこいしそこかわっt「フン!」グは・・・」
パチュリーは途中空気になったことで暫く落ち込んだらしい。ちなみにこいしは6時間も説教されていたとさ・・・そして戦争遊戯まで残り1週間を切った。世界の歯車は動き始める・・・
はい、ベル君初めてカリバーの姿で敗北しました。レベル10ってすごいですね・・・そして闇黒剣月闇はなんとあのアルゴノゥトにも関係がありました。これからどう加速するのか是非お楽しみに!!