朝日が照らす中でベルは7人で待ち合わせをしていた。それは
「まだかなぁ?ベルきゅんの専属鍛冶師」
「彼並みの準備があるのでしょう。魔剣鍛冶師とも言っておりますし」
「それでも遅いぞー!」
「チルノちゃん、仕方ないよ」
「そうですよ、チルノ様。彼は鍛冶師です。予備の武器だって持っていくでしょう」
「私はベルと二人っきりで行きたかった」
「はは、じゃあ今度二人で行きますか?」
「本当ですか?!」
「ちょ・・・?!ずるい~!」
フラン、咲夜、チルノ、ラント、さとり、リリそしてベルだった。さとり達も少し資金が足りないらしく行くことになったのだが偶然日にちがかぶったことによりヴェルフと共に下層まで潜る予定だったのだ。ついでに防具も作ってくれたと言うこともありそれ待ちなこともある。
「にしても、その武器本当に曲がってますね・・・」
「あ、はい。少し剣としての性能を発揮させるために引っかけさせるらしいです。他にも剣をはじくようにと」
「ふ~ん・・・あっ!あの人じゃない?」
フランが少し周りを見ていたら大剣と複数の剣を持った赤髪の青年ヴェルフだった。
「ア・・・本当だ!おーい!!ヴェルフ!!」
「オッ・・・ベル!!うわっ!!マジじゃねえか」
ヴェルフはベルを見つけた途端手を振って驚いた顔をしていた。それもそうだろう。レベル5以上の第一級冒険者が3人、更には戦争遊戯で謎の力使っていた小人族とエルフのハーフ二人組。そして、一番活躍していたベルがいるおかげで周りの冒険者のほとんどから視線を感じていた。
「なぁ・・・誘っておいて何だが・・・俺って場違いか?」
それに慌ててベルは首を振るう。
「いやいや!ヴェルフはすごいと思うよ!だってほら、僕の剣を作ってくれたし」
「ハハ!お前嬉しいこと言ってくれるなぁ!」
そしてヴェルフは笑いながらベルを肩組してきた。それにフランと咲夜、リリは羨ましそうに見ていた。そして・・・
「私もやるぅ!!」
「私も、ベルの仲間ですから」
「皆より小さくても私はいけます!!私も・・・」
「ちょ・・・?!一気に来ないでください!」
しばらくの間どんちゃん騒ぎが続いたという。10分程度でさとりに鎮圧された。そして集まった15分後とりあえず向かおうとしていたところだった。
「ちょっと待ってください!!あなた方ルーナファミリアですよね?!」
謎の黒髪の女性がカメラを持ってこちらに向かってきた。
「あなたは?」
「オッと、失礼・・・あなたとは初対面でしたね」
ベルは知らないようだったので首をかしげた。知らないことに気づいたのか黒髪の女性は一旦カメラをしまい向き直る
「私はガネーシャファミリア所属、射命丸文です。レベルは3で二つ名は『カラス天狗』と呼ばれています。新聞を書いているんですよ」
「へぇ~」
「それよりこれからダンジョンに向かうんですよね?」
文は目を輝かせながらベル達に近づいてきた。
「ア・・・はい」
少し後ずさりしながらベルは答える。
「なら私も連れて行ってくれませんか、実はいいネタがなくて困っていたんですよ」
「えっと・・・それは無理かと・・・僕達20階層まで行くつもりなので危険ですよ?」
「それでもかまいません!!ネタは命がけですし、こっちも足だけは自信あるんです!!」
必死に迫っている文にベル達は戸惑っていた。さとりはここから逃げだそうとしたが・・・
「こら!文、駄目じゃない!すいません!!この子何時もこうで・・・」
白い髪をしており頭にはお燐とは違う耳をつけており、尻尾が生えていた『
「大丈夫ですよ、あなたは?」
白い髪狼人の女性は姿勢を正しベルと向き合った。
「私は犬走椛、同じくガネーシャファミリア所属でレベルは4で二つ名は『紅葉の武士』です」
そうして再び椛は再び頭を下げた。さとりは口を開く
「いえ、頭を上げてください。あのもしよろしければ一緒にどうです?」
「え・・・?いいんですか?!」
文はすぐに目を輝かせながらさとりの手を握る。椛は少し焦りさとりの方に向いた。
「あの、いいんですか?貴方たちのパーティーに混ざっちゃっても・・・」
「いえ、レベル4がいるなら大丈夫かと思いまして。それに戦力は多い方がいいですしね」
「やったあー!ありがとうございます!!!」
そして文はすぐに頭を下げてお礼を言っていた。ちなみに周りに聞こえるほどの・・・
「すいませんこちらの勝手な都合で・・・」
「いえ、気にしないでください!」
実はさとりとベルは文の新聞を読んでいたのである。気に入っていたが流石にサポーターのリリとレベル1のヴェルフやレベル2のチルノとラントの面倒見ているため難しいと判断したがレベル4の椛がいてくれるなら大丈夫だと思ったのだ。
「それでは行きましょう!」
「「「「「「「「「オオオオ!!」」」」」」」」」
さとりのかけ声と共に高らかな声が上げられたのであった。
暫くしてダンジョンの10階層まで来ていた。ベルはヴェルフが作った剣で魔力を出しながら戦っていた。霧が出ていたのでしっかり固まっていたのだがその時ベル達はインファント・ドラゴンにであった。
「ゴアアアァァ!!」
「普通のですね・・・」
(我よりは弱いな)
ベルの頭の中でインファント・ドラゴンは、話していたが同種なので少しのためらいがあった。一応ベルが取り込んだモンスターはベルが見ている光景が見えるのでモンスターに遭遇も分かるのである。
「大丈夫?インファント・ドラゴン」
一応同種なのでベルは少し心配なのである。ベルはお人好しなので少し気にしてしまうのだ。
(大丈夫だ、ベルよ!もはやそんじょそこらのヤツは同胞と見ておらんわ!!)
確認が取れたところでベルはとあることしようとしていた。それは数日前に遡る。
久しぶりにルーナと共に豊穣の女夫人に来ていた頃だった。そこでとある事件が起こる。
「暫く料理に時間がかかるのでそこにある本でも読んでいてください。誰かが忘れたようなんですが・・・」
「あ、分かりました。ありがとうございます。」
そこでベルは本を開いた。すると次の瞬間辺りが真っ白になった。
―汝力を求なら応えよ・・・
一体何だと思いつくがベルはとりあえず答えようとしていた。
―汝による魔法というものは何だ
「邪龍のように激しくそれでいて雷の力で燃える炎・・・」
―汝にとって魔法は?
「強くなって英雄になるためのもの・・・」
―汝にとっての英雄は
その言葉に少し沈黙が続くがすぐに答えた。それはジャアクドラゴンと同じ答え、
「大きなことをできなくてもいい。ただ大切な人を守りたい。今はルーナファミリアの皆を守りたい。それだけさ・・・」
―それが貴様のもとめていたもの・・・流石は僕だ・・・
そして急に暗くなったと思ったら目が覚めていた。そこにはシル達が心配そうに見ていた。そして起きたことが分かるとルーナは飛びついてきたのだ。
「ベルきゅん!!気がついた?!」
「大丈夫ですよ・・・にしても何故・・・」
そして本を見たが気づけば中身は真っ白だった。次の瞬間シル達が青ざめる。
「これって・・・」
ルーナは少し焦った表情だったがたいした様子ではなかった。
「どうしたんですか?」
シル達は体が震えたのか謝りながらこちらを見た。
「すいません!それ
「魔道書?」
ベルは首をかしげるとルーナがそれに答える。
「魔道書ってのはね、魔法を強制発現させるものよ。しかもかなり作り方がかなり複雑でね・・・かなり高いわよ、ヘファイストスファミリアの一級武器と、同等な値段くらい。しかも一度使ったらもう使えないのよ・・・」
「え・・・?」
瞬間ベルの頭は真っ白になった。先ほど話したとおり魔道書をとても難しく時間もかかり大量の金を必要とする。つまりヘファイストスファミリアの一級武器を売らないと変えない。しかも一度にしか使えないので弁償ものだ。ベルにはそんな金はない。(ファミリアの金使えば余裕だが)どうするか悩んでいたベルだがその瞬間ミアが本をゴミ箱に捨てた。
「アッ!ミアさん?」
「一度使っちまったらどうもこうもないよ、それに忘れたヤツが、悪いんだし気にすんな!」
と言われしょうがないからステイタス更新をした。その時はもちろん魔法は発現しておりとりあえずいつか試そうと思っていたのだ。
「じゃあ、使ってみますか」
そしてベルは手を野生のインファント・ドラゴンに掲げる。そして、
『
その言葉を発したのち次の瞬間、黒い雷と紫色の炎が合わさり凄まじい威力で野生のインファント・ドラゴンに向かってきた。炎はそれでいて早く野生のインファント・ドラゴンは避けられず首が吹き飛んだ。ヴェルフ、文、椛は驚きの顔だが皆は少し微妙そうであった。
「ウ~ン、これもカリバー並ではないな・・・その代わり即効性があるね。あ、でも精神力は普通よりかかる」
とまぁ納得できていない様子だった。しかし、それもかまわないのかフランと咲夜がハグしていた。
「あのぉ・・・フランさん?咲夜さん?」
「良かったねぇ・・・魔法ができてエライエライ」
「ベル、頑張りましたね」
「いや、これは魔道書で・・・」
「それでも関係ないよ、エライネェベルきゅん♡」
「大丈夫です、魔法が発現したのは喜ばしいことですよ」
暫くベルは二人の女性に埋もれるのであった。ちなみに文はいいネタだとカメラをとろうとするがその前に椛によって阻止されさとりによって沈静化させられた。
暫くして中層に入る。13階層程度でモンスターを狩っていたころ、アミラージが出てきた。
「あ、ベル様です」
「いや、アミラージだよ。リリ」
「イヤどう考えてもベルきゅんじゃん」
「はい、これはベルです」
「イヤですから、アミラージですって」
普段兎っぽいのだからかからかわられていた。ちなみにこの時はさとりも・・・
「イヤどう見てもベルさんですよ・・・」
と、からかわられていたのであった。ちなみにこの後文はこれを記事にしようとしていた。
暫くベル達が中層を探索していたところでモンスターの大群が他のパーティーに押し寄せている光景を目にした。
「おい!大丈夫か?!」
「うん、でも・・・」
「ええ、この危機はまだ去っておりません」
見た感じ極東人ぽかった、まぁそれも関係せずベルはすぐに極東人の方に向かった。
「ア・・・全くベルきゅんはやっぱり何時もこうね・・・」
「全くです・・・」
そしてさとり達も向かっていった。ベルは極東人のパーティーの前に立ちモンスターの大群に手を掲げる。
「ア・・・あなたは・・・」
「自己紹介は後です!」
そしてあの魔法を使う。
『
そしてモンスターの大群は魔石のみを残し爆発していった。
「す・・・すごい・・・」
「やべぇ・・・」
「はぁ!!!」
極東人達のパーティーがあっけにとられている間フラン達も他のモンスターを討伐していだ。
「助かった・・・」
「大丈夫でしたか?怪我は・・・所々ありますね・・・」
「ああ、あと少し遅ければ俺たちは死んでいただろう」
「そう言えば貴方たちは誰ですか?私はガネーs「知っている、街でも見かけた」ア・・・はい」
「他の人たちも有名ですから名乗るのは私たちだけで十分ですね・・・」
そして一旦武器を腰にしまい自己紹介をする。
「私は、タケミカズチファミリアのヤマト・命です。レベル2で、二つ名は・・・聞かないどいてください・・・」
「「「ア・・・(察し)」」」
二つ名は神による神会で決まる。もちろん他の神達はほとんどが娯楽に飢えている。と言うことは痛い二つ名だったのだろう。ちなみに命の二つ名は『絶†影』である。マシだとは思うがそれでも命にとっては恥ずかしいのである。
「私はヒタチ・千草です」
「俺はカシマ・桜花だ。このファミリアの団長をしている」
「分かりました、とりあえず桜花さん。ここは私たちとついていきます?むやみやたらと戻るのはあまり得策ではないと思うので・・・」
「ああ、そうさせてもらう」
さとりの提案により桜花はそれで納得しすぐに出発した。ベル達は安全階層の18階層で一旦桜花達を待機させることにした。18階層は元々あるダンジョンの安全階層の一つであるため一旦ここに桜花達をおいていった方が得策だと思ったからだ。ちなみにこれで桜花達は承認した。
「ありがとうございます。わざわざここまでのことをしてくださり・・・」
「いいですよ、人って助け合いですし」
ベルの純粋な笑顔を見せつけられた命は少し顔を赤くしたのだった・・・
「オラ!逃がすなぁ!!」
荒れ狂う男達から逃げ惑う少女が20階層で走り回っていた。
「グギャァァ!」
「キャ・・・ッ!」
その少女はモンスターにも攻撃されやがて逃げる。
「助け・・・て」
少女は逃げている中そうつぶやくのだった・・・
はい、今回は文、椛を出しました。命たちも登場しどうなるのかお楽しみください。春姫ファンの皆様申し訳ございません。もう少し後になります。では次回お楽しみに!