ベル君が闇の剣士なのは間違っているだろうか   作:暗闇水明

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こんにちは、今回は下層の安全地帯の話です。安全地帯は一応32階層にしときました。それでは、どうぞ!


Chaptear56安全地帯の一時

「フン!」

 

「「「グギャアアアアアアア!!」」」

 

「よし、A班はそのまま突き進め!!B班、C班もそのままついてこい!!」

 

そうしてレミリア達ルーナファミリアとロキファミリア、フレイヤファミリアはモンスターを狩りながら目標の下層の安全階層(セーフティポイント)を目指す。道中何人か怪我をしたがすぐに回復をし下層まで直進する。

 

「まさか・・・一気に階層を飛ばすなんてね、正直成功できるか分からないよ」

 

「だが、行かなければアイズが死ぬだけだ!急げ!!」

 

リヴェリア達は更に奥へと進む。18階層での休憩は短く一気に下層まで突入した。場所は分かるため班に分かれてそれぞれ一気に下層のモンスターを討伐し階層を降りてくる。やがて下層の安全地帯に着いた。

 

「ハァハァ・・・ようやく休憩か」

 

「ここまでのスピードで遠征、オッタルもいないから大変だ・・・」

 

「「「それな!!」」」

 

ラウルは地面にへたりつき、ガリバー四兄弟が息ぴったりに倒れる。

 

現在、ルーナファミリア、ロキファミリア、フレイヤファミリアの遠征連合隊はそれぞれ幹部が一人抜けている状態である。オラリオではいつ、闇文明が来るのか分からないため何人かは上級冒険者はオラリオに残ってもらうことになったのだ。

 

ルーナファミリアにはパチュリー、ロキファミリアにはガレス、フレイヤファミリアにはオッタルがそれぞれ待機している。

 

「ともかく、出来るだけ速く80階層まで行きたい・・・もう少し急げば、50階層まで間に合うか?」

 

「無茶言うな・・・最低でも5日はかかる場所だぞ・・・ここまで来るのに半日で何とかしたんだ・・・モンスターを味方につけている『邪龍(ジャバウォック)』がいるとは言え1日で行くなんて無理な話だろう」

 

そうしてフィンの言葉に静かに反応するのはヘディン・セルランド、フレイヤファミリアの団員でレベル6の幹部。『白妖の魔杖(ヒルドスレイヴ)』の二つ名を持つ白妖精である。

 

「だが、こうしている間にもアイズが・・・」

 

「落ち着きなさい、リヴェリア・・・彼の言う通りよ・・・今日はここでキャンプを取りましょう」

 

リヴェリアの言葉にレミリアが制止に入る。リヴェリアは「クソッ!」と言って壁に拳を当てる。

 

「ククク、何時もは見られない王族妖精・・・コレもまた珍しい」

 

それに少しオロオロしながら厨二病発言をする黒妖精、『黒妖の魔剣(ダインスレイヴ)』ヘグニ・ラグナールはほくそ笑みながら実質戸惑っている様子だった。彼はコミュ障な為なかなか率直なことは言えず実際はどうしたらいいのか分からなくなっていた。

 

「落ち着いてください、貴方も身体に傷がついている・・・回復して体力もつけないと」

 

さとりが回復薬をリヴェリアに私、リヴェリアはそれを手に取り自分の身体にかける。

 

「手前もこんな九魔姫(ナインヘル)は初めて見たわ」

 

そう言って話すのはヘファイストスファミリアの団長であり、ハードワーフの椿・ゴルブランド。レベルは5で今回武器の制作のためにも知らされてはいなかったが遠征に参加している。

 

「ハァ・・・毎回思うが俺は場違いな気がするぜ・・・」

 

「そう言うなヴェル吉・・・貴様もようやくここまで上り詰めただろう?」

 

「だとしてもよ・・・レベル3の俺がどうしてこんな所に・・・」

 

そこにヴェルフがため息をつきながら椿を見つめる。ヴェルフはこの数ヶ月間でレベルが二つも上がり、今回の遠征に参加することになった。それはヴェルフだけではない・・・

 

「うう、まさか私まで行く羽目になるなんて・・・しかも深層・・・生きて帰れる気がしません」

 

「それは、私も同じだよ。アーデ・・・カサンドラに関しては生まれたての子鹿みたいになっているし」

 

「私は大丈夫、私は大丈夫、私は大丈夫、私は大丈夫・・・」

 

ボソボソとカサンドラは足を震えさせ、杖を立てブツブツと念のように口走っていた。それに冷や汗をかくダフネとリリ。双方からはため息が出ていた。一応、ウラギリダムスの件でレベルアップはしているので行ける段階ではあった。

 

「私なんてダンジョンの経験がゼロですよ~安全階層で待たされるからいいですけど、それでも不安です~」

 

「春姫、女は度胸だ!来ちまったもんは仕方ねぇよ、自信を持ちな!!」

 

「ひぇえええ~」

 

春姫も悲鳴を上げておりアイシャは春姫をなんとかあやし、全員やれやれとため息をつく。ルーナファミリアだけではない。この遠征は何か重要そうな人物はレベルに関係せず連れて行くことにした。

 

「とりあえず今日はキャンプだ。総員、寝床を作れ。明日の6時、50階層まで一気に駆け抜ける」

 

「「「ひぇ~」」」

 

いくらかの団員が悲鳴を上げる中、リヴェリアは話を聞いた後一人、誰もいない湖の元に向かった。

 

32階層は安全地帯で特に水が印象的だ。幻想的な空間が辺りを漂う。リヴェリアはそんな中一人うずくまり自分の顔を見る。

 

(ここにいたのか・・・)

 

「黒龍・・・」

 

そこに隻眼の黒龍がリヴェリアのそばによる。闇文明の一件から黒龍の事件は裏で闇文明が動いていた事が報告がされており、それはオラリオ全体に伝わった。

 

コレにより異端児の件もあり、黒龍の見方は変化されていった。もちろん忌み嫌われるがルーナファミリア、そしてベルも影響はなかった。そのため、今はこうやって本で浮きながら移動することが出来るのだ。

 

(全くお主は・・・ここにいたら風邪を引くぞ)

 

そう言って黒龍は本の中から炎を出し、暖を取っていた。パチパチと黒い炎がリヴェリアを冷たいからだから暖める。

 

(・・・気持ちは分かる・・・だが、死んでしまっては元も子もないだろう?さっさと戻って体力をつけい・・・)

 

そう言って黒龍はリヴェリアに戻るように促す。リヴェリアは子どものようにそっぽ向く。やれやれといいながら座るようにリヴェリアの隣に浮く。

 

「お前は・・・笑うか?」

 

(何がだ・・・?)

 

そう言って黒龍は隣でリヴェリアの弱音を聞き始める。

 

「私は・・・アイズのために母親になったつもりだった・・・だが、氷龍の時も闇文明の時も私はアイズが戦っているのを見ているしかなかった。そして、私が何も出来ないままアイズは・・・」

 

そうして話している間にリヴェリアは涙を流す。リヴェリアは「すまないと」いい涙を引っ込んでいたら黒龍はため息をつく。

 

「全く・・・貴様、あんな冷静でいられて実際はかなりの臆病者だな・・・」

 

「・・・笑うか?」

 

「いいや、その気持ちは分かる」

 

黒龍の言葉にリヴェリアは否定せず返答する。黒龍は首を振るような動作をして口を開く。

 

「我も最初はベルの事で頭がいっぱいだった。自分のせいでベルの夢は潰えるのではないかと・・・下手したら孤独のまま死ぬかと・・・」

 

「・・・・・」

 

「だが、ルーナファミリアの連中は違った・・・こんな人殺しの我を受け入れてくれた・・・信じると言うことはいい物だな。我々は絆という物でつながっているのだ・・・一人では駄目でも全員なら出来る・・・それはきれい事だし限りもある。だが、それだけでも我は最後までベルを信じる・・・」

 

「・・・・・・」

 

「だからお前も仲間を信じろ、アイズを信じろ、自分を信じろ・・・その時が来れば、お前もきっと報われる」

 

そう言って黒龍は「行くぞ」と言いリヴェリアを連れて行かそうとする。リヴェリアは無言で立ちファミリアの元に返る。

 

「黒龍・・・」

 

「なんだ、小娘」

 

ふと、リヴェリアは立ち止まり黒龍を呼びかける。黒龍は振り向きリヴェリアを見た。

 

「ありがとう・・・」

 

そう言ってリヴェリアは笑顔を見せた。それに黒龍は声で笑みを浮かべているようだった。

 

「オーイ、ブラック!食事だよ!!」

 

「リヴェリア、速くしないと冷めちゃうよ」

 

ティオナとベルの声が聞こえた。それに二人はやれやれと首を振る。(黒龍はそんな様子に見えるためそれはご想像にお任せしよう)

 

「ああ、今行く!」

 

(おい、こら!我の分も残しているだろうな?!)

 

「うん、だけど速くしないと取られちゃうよ」

 

そう言って全員は食事を開始したのだった・・・

 

「コレより、50階層までの進軍を開始する!今回、通常なら5日かかる階層を半日で行くことになる!辛く厳しい道のりだろうが全員心してかかれ!!」

 

「「「「「オオオオオオオオオオオオオオオ!!」」」」」

 

ダンジョン32階層、冒険者達の雄叫びが響く中、全員33階層の入り口に向かう。そして目の前にした途端レミリアは酸素を吸いやがて威圧が出てくる。

 

「すすめぇ!!!」

 

「「「「「「「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」」」」」」」

 

そうして冒険者の進撃の声が下層、深層に響くのだった。

 




はい、今回はコレで終わりです。次回、ついに未開拓領域に・・・そしてある異常事態が・・・
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