ZガンダムAWS   作:ST郎

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※注意 
 この物語は本編のZガンダムをベースにしながらも、デタラメかつ無理矢理に話をねじ込んでいます。
 よって、公式に沿わないところや、流れ的にもおかしいところがあります。
 それを踏まえた上でお読み下さい。
 因みに、ここでは、Z計画は公式の物語の少し前から準備段階にあり、正式化はされてはいないが、作業その物は始まっていると考えて下さい。


1.ラムパント&スレイズ

 エゥーゴ発足前、その準備支援の為に結成された傭兵部隊が存在していたのを知る者は少ない。

 元々エゥーゴが本格的に活動をすると同時に解散が予定されていた部隊なのだが、エゥーゴの戦力不足と傭兵故の身軽さが重宝された事でズルズルと活動を延長され、予定よりも長期に活動する事になる。

 ただし、当初から非正規扱いであった為か、その部隊に名称などは存在せず、更には公式としても記録はほとんど残っていない。

 それが、彼らが余り知られていない理由の一つでもある。

 

 ジェミニボックス。

 それが彼らの乗る母艦の名前であり、そこから通称的に傭兵部隊もそう呼ばれる事になる。

 

 構成員は文字通りに傭兵だが、その中身は元連邦や元ジオンと節操が無く、更には初期に配備されていたモビルスーツ(以下MS)もジムやザク、ドムと言った形で寄せ集めに等しい部隊でもあったと言う。

 一見すると不穏な人員構成だが、彼ら自体、軍や戦争の理不尽さに嫌気が差し、自ら去った者達の集まりでもあった為か、ある意味で似た者同士故に自然と結束は高まっていったらしい。

 裏を返せば戦争に嫌気が差しながらも逃れられない、悲しき者達の吹き溜まりでもあり、それ故に良い様に利用されていたと言う側面もあった様だ。

 ただし、そこには企業と言う更に別の問題も絡んでいた。

 

 彼らの乗る母艦、ジェミニボックスも似たような物であり、戦場で大破したサラミス級を掻き集めて修復、何とか使える様にした二隻の間に更にMS用コンテナを挟み込む形で完成させている。

 

 MSコンテナと言えば聞こえは良いが、実際には単なる収納用スペースであり、MSをここから直接発進させるのは色々と機能、構造の両面から不可能で、実質的には整備専用であったらしい。

 よって、MSは左側の船体、艦橋等を取っ払った開放式甲板に基本的には駐機され、発進と着艦はもっぱらそこから行われていた様だ。

 一応、コンテナは前に開くハッチ以外にも、上部の中央付近に大きく開くハッチもあったが、MSを上げ下げできる様なエレベータはついていないので、大体が前面の大きく開いた方の出入り口からMSを出していた有様である。

 

 本来、この艦には名前すらなかったのだが、その2つの艦船が連なる形から、誰ともなくジェミニボックスと呼ぶようになり、それがそのまま彼らと母艦を指し示す名称ともなった。

 

 中にはジェミニシップではないのか? と指摘する者もいたのだが、そこには寄せ集めて舟の形にしただけで唯の入れ物と言う皮肉も込められていた。

 しかし、後にコンテナの下に更にコンテナを増設した為に、ある意味で本当のジェミニボックスとなってもいる。

 もっとも、その腹が膨れている様にも見える姿から、一部からはパファー等とも呼ばれている様だ。

 尚、この改良によってジェミニボックスは10機のMSを運搬、最大で8機を同時に運用できる様になる等、寄せ集めのニコイチ船としては過ぎたMS運用能力を獲得してもいる。

 

 ただ、こうしたMS運用の拡大には傭兵部隊故の補給が困難と言う切実な理由から来ている部分もあり、必ずしも喜べる様な話でもなかったらしい。

 因みに、スポンサーからは「支援部隊」と言う身も蓋もない呼び方をされていたのだが、そのスポンサーこそが「ラムパント&スレイズ社」(以下RS社)であった。

 

 RS社は一年戦争のゴタゴタを利用して頭角を現した中小企業の一つであり、特に産業用ロボットを扱っていたことから、MS開発が少なからずできる企業でもあった為にそれを強みとしてもいた。

 実際、連邦軍が開発した幾つかのMS開発計画にも参加しており、それを誇りともしていた様である。

 

 U.C.0087年、この頃のMS開発において民間ではアナハイム・エレクトロニクス社(以下AE)が一強と言っても良い時代であったが、情勢的には複雑であり、どの会社にも勢いの様な物があった為、取って代わろうと野心を燃やしていた所は多い。

 RS社もそんな一つであったが、AE社とその他が大きく違っていたのは自前で大量生産ができるかどうかであり、他社には超えられない壁として立ちはだかっていた。

 それを踏まえた上でRS社が取った戦略は、情報を収集した上でAE社に接近する事である。

 

 反地球連邦運動とAE社が少なからず関わっている事を掴み取ったRS社は、紆余曲折を経てこれらの活動に加わる事に成功。

 この頃、幾人かの反地球連邦関係者も組織の小ささには不安を覚えており、更には既に後手に回っていたと言う事もあって、中心に位置する人物たちが大っぴらに動く事ができないという事情から、RS社の申し出は理にかなっているとして受け入れたと言う経緯もある。

 この点においてはAE社側にもティターンズの目を欺いて動けると言うメリットがあった為、ある意味でRS社の思惑通りに事は進んだ。

 この事は後にはカラバと言う形で組織を分散するヒントともなった可能性があったとされているが、それを吹聴していたのが元RSの関係者でもあるため真偽の程は不明である。

 

 こうして組織されたジェミニボックスであったが、活動内容は懐事情もあって限定的でもあったと言う。

 主に行っていたのは偵察活動や極秘会合に際しての護衛、見張りと言った物であり、支援や準備と言った事が目的でもあった為に、少なくとも戦闘と言った物は初期段階では殆ど行われていない。

 

 それなのにジェミニボックスではMSの損耗が著しいという問題が発生していた。

 

 原因はバラバラかつ寄せ集めの機種に原因があり、ジオン製MSは逃亡者に近い連中が持ち込んだ事で当然の様に部品調達に限界が生じて稼働率が低下。

 一方のジムも退役機を整備しただけの機体の為、重要部品の幾つかを不正規品で補った事で不具合が頻発。

 傭兵部隊自体が非公認と言う事もあって、補給も基本的にはRS社に一任されていた上に、それも細々としかできない為にどうしても限界があったのだ。

 特に準備活動が進んで行くと、ティターンズ等とのニアミスは頻繁に起こり、何時偶発的な戦闘に突入してもおかしくない程に緊張が高まって行く。

 

 その為、MSの調達において改善要求が現場からは強く出される事となった。

 これに対してRS社は新型MSの開発と生産、配備を画策していたのだが、当てにしていたAE社からの返答は希望した物では無く、結局、この問題はAE社の一方的な決定によってジム2が提供される形で解決とされている。

 

 とは言え、ジェミニボックスのパイロット達は、この配備に満足していた訳ではない。

 彼らは既に幾つかの新型の試作機と思われる敵機体を目撃、或いは遭遇してもいたので、ジム2では何れ任務遂行に支障が出る事を感じ取っていたのだ。

 現場ではトップ連中が考えるよりも早くティターンズの勢力拡充を実感していたとも言えるが、それが上の連中に正確に伝わっていたかどうかは怪しい。

 もっとも、限られた組織でもあった反地球連邦の運動組織では、その時に打てる手も限られてはいたはずだ。

 

 そこに上手く滑り込んだのがRS社である。

 この時、既にAE社の「Z計画」を始めとした新型MSの開発や、反地球連邦の為の主力量産MSの開発も始まっており、一見するとRS社の入り込む余地は無い様に思えた。

 しかし、ジェミニボックスと言う傭兵部隊のスポンサーをする事で実績を持っていた彼らは、エゥーゴとして組織が固まりつつあったトップ連中と直談判し、AE社のMS配備計画にねじ込む事に成功する。

 「Z計画」の一部のデータまで受け取った彼らは、独自の量産型MS開発に着手。

 それが、後に「ゼーラス」と呼ばれるMSであった。

 

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